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なないろめがね

廻り合わせ

今日は寄る用事はあったんですが、食べるつもりはなかったんです。
来月から一緒に働く子が店に遊びに来てくれて、その子の家が近所なんですね。
うちで働くが為に岸部に引っ越してくるはめになってしまった残念会・・・いやいや、
ちょっと早いですが新入社員の前祝いってことで。
西天満「ランデブー デザミ」にお邪魔します。

お、今日は身内は居なさそうやな・・・と確認して入店。
お腹も空いたことだし、
デザミさんはいっつも記事が長くなるのでサクサクッと行きますね!

長崎産 殻つき牡蠣のオーブン焼き
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牡蠣自体にインパクト薄し。殻に残ったジュを啜る幸せ・・・。

半熟卵とトリュフのココット
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うわ・・・、口臭がトリュフ臭に・・・。そこに絡まる半熟卵・・・・美味くないわけありません。
グビッと一口で飲み干したい衝動に駆られます。

いつもより勢いが無いのは、今回は頼んだことないのを攻めてるため。
女性のお客さんから、
「行きたいけど、あんなに多いと食べきれない」って言われたのもありまして、
ちょっとポーションが小さいのもありますよ・・・・って、デザミの広報と化してますね(笑)

ブーダンノワール
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背中越しのお客さんがお帰りになられるとき、
「パンが美味しいって聞いて・・・」って仰ってるのが聞こえて。
僕ら、意外と直接そういうお声を聞くことて少ないんですよね。みんな家で食べますから。
この店の役に立ててることを嬉しく思いながら目線で見送ってると、
何やら隣のテーブルに見慣れたパンが見え隠れ・・・・。
「あ!!もしかして・・・!今まで気づきませんでした!!」と言われ、
「今日、買いに来てくださったんですか?」と余所余所しく応えたら、
「後藤です」・・・・・知り合いでした。しかも名乗られるまで気づかなかった(笑)
僕は直接一緒に働いたことは無いんですが、
僕が辞めたあとデザミの大谷シェフと一緒に働いてた女の子2人が隣で食べてました。
っていうか言って下さいよ、大谷さん!
僕、人の顔と名前覚えるの、めちゃくちゃ苦手なんですから。失礼しました・・・。
ってな具合に、現場でもブーダン・ノワールはそっちのけで盛り上がってしまいました(笑)
今日は知り合いに会わないと思ってたのに・・・。

モツァレラチーズを包んだフランス産仔ウサギのブレゼ バジルのソース
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「昼、来たことはありますけど夜は初めて」という新入社員の「羊」のリクエストに、
「やだ。うさぎ。」と却下する大人気ないオーナー1名(笑)
結局ブーダン・ノワールしか採用してあげなかったわ・・・。
いや、めんどくさがりのシェフにしては、なかなか珍しい料理でしたからね。包んだりとか。
デザミでウサギも初でしたし。
バジルのソースの存在が隠れるほど、
ウサギとモツァレラの間のベーコンが良い味出してます。
独特の弾力のウサギも、僕自身久しぶりでした。

隣の2人は、パン屋と菓子屋、
それぞれこれから新たに自分の足で歩んで行こうとしてるとこだったよう。
まだ若い2人ですが、とても女の子じゃ続けれない職場で頑張ってきた2人。
こういう子に会うと、胸がキューンってなりますよね。「まだいるんや、こういう子」って。
だから、ちゃんと頑張らなあかんのです。苦労した子はちゃんと報われなあかんのです。
中途半端な子はどうでもいいですわ。
でもホントに苦しんだ子がちゃんと報われていかないと、
「苦しんだ損」になってしまいます。
今、同じように頑張ってる子らも頑張れなくなってしまいます。
自分の意思も押し殺して、いろんなことを犠牲にしてやってきたことでしょう。
やっと自分が選択できる位置まで這い上がってきたんです。
その権利を得たことをちゃんと自覚して、自分のために、
自分で良い選択をしてあげてください。
・・・的な話をしてたとき、「廻り合わせですね」とマダムがポツリ。
そうですね・・・今日は来る予定なかったんですからね。
うちの新人が店に遊びに来なかったら食事してないんですから。
で、その日にたまたま神戸からデザミに食べにきてた2人に出会って、
「また今後の話を聞いてもらいに伺います」って。
僕に何が出来るわけじゃないですが、なんとかしてあげたいと思う2人。
廻り合わせで引き寄せられたと思ってくれるなら、できるだけのことはしてあげたい。
だって、前にも書いたように、ホントに貴重なんです、こういう子ら。
あ・・・・デセール忘れてた。

クレープ イチゴとミントのソース
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イチゴとミントのラブリーな組み合わせ。しかも「クレープ」。
食べてるのが34歳のおっさんですいません・・・。

隣の2人が神戸に帰った後も、久しぶりに昔話で大谷シェフと盛り上がりました。
うちの新人の女の子も、さっきの2人に負けず劣らずキツイ職場を耐えてきてます。
得るものが多い職場で、キチンと責任もって育ててくれる職場であれば、
有意義な時間なんでしょうが、なかなかそういう職場、
上司に出会うことは少ないものです。
まして若い頃は、何が良くて何が悪いのかもわからず、多くが働いてる職場が「正しい」と
思わせられながら、ただひたすら働いてる子が多いのが現状。
気がつけば得たものより失った時間の損失のほうが大きく、
身体を壊したり、心が折れたり、次の職場で全く通用しなかったり。
でも自分がその過去に捉われていては、
なんでも「その過去のせい」になってしまいます。
笑い話として話せるよう、確実に過去を越えた未来を作り出さなきゃいけません。
そしてそういう「負」の経験を抱えてることは、大きな力に変わります。
大抵の子が逃げてしまう局面で「逃げなかった」事実は、
自分にとって誰もが経験することではない財産であり、れっきとした才能なんです。
でも意外と本人はそこに気がつかない。
自覚することがなかなか自分ではできないんです。
それを気づかせてあげなきゃいけません。
「君らはスゴイ頑張ったんだよ」って教えてあげなきゃいけません。
その財産を投げ捨ててしまわないよう、その時間が無駄にならないよう、
導いてあげることも先に生きてる僕らの役目やと思います。
ま、だからといって一緒に働いたら容赦しませんけどね(笑)
僕らがそうだったように、いつかこの子らが、もちろんうちのスタッフもですが、
「この仕事を続けてきた良かった」と思ってもらえたら、
こんな嬉しいことはないですもんね。

そんな子らの、小さな小さな道標になれるよう、
ブレず、曲がらず、錆びないよう、
小さな人間ですが、しっかり背筋を正して遠くからも見えるように、
真っ直ぐ立って生きていけたら・・・いや、そう生きていかなきゃなぁ・・・、
そう思わせてくれた、「一生懸命生きてる」子たちでした。
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by monsieur-enfant | 2009-02-19 04:07 | ランデブー デ ザミ