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なないろめがね

「声」

今、胸が震えて書けません。涙が溢れて書けません。
僕みたいな単細胞な人間は、一人ぼっちなうちは一人だと気がつかないものです。
そっと温かい大きな手に包まれて初めて寒くて凍えてたことに気づくんです。
一人で寂しかったことに気づくんです。
そしてその大きな温かな手は、強く、確かな「声」として僕の元へ届きました。
その声を、ここで皆さんに紹介したいと思います。

ご迷惑をかけるかと思い、確認の連絡を入れさせていただいたとき、
「メール、有難う御座いました。どうぞ、どうぞです。
僕は以前から岩永さんは “一人で戦ってる” と思っていましたから…。
不特定多数の人間に向かって発信するという事は、共感してくれる人がいる
一方でリスクも伴いますし、責任も付いて回ります。
それを承知の上で敢えて発信している岩永さんには頭が下がります。
中には同様の立場にありながらまるで他人事、冷ややかに思っている人もいる
かも知れません。自分は安全な処にいて野次馬のように面白がって煽るだけの
人もいるかも知れません。まるで有名シェフに群がる業者さんのようです(笑)
僕は相手が老若男女、誰であっても正直でありたいと思っています。
ですから発信こそしていませんが自分の言葉には責任を持つつもりです。」
との返事をいただきました。

ここに掲載することを快く了承していただいたことに、深い深い感謝を捧げると共に、
この「声」は、きっと、きっと、きっと、みんなの心に届くと信じています・・・・。


「岩永 様
この前の “告知” で岩永さんが書かれていた事は、パン屋に限らず
職人仕事を営んでいる人間の心の叫びだと思います。
いや、僕も実際に叫んでます(笑)
ついこの前は、29歳の男子が辞めました。
また20代後半、R-25と呼ばれた世代です(笑)
ひと括りにしてはいけないんですけどね…。
付きっきりで折り込みを教えて1ヶ月、やっと出来る様になって来たところです。
もちろん、東京の事や今の状況を分かっていてです。
何が驚くって、怒りもせず励まして励まして…挙句の果てに「自信がない」と
言って辞めました。今日言って今日で辞めるパターンです。
11年間やってて、怒らず励ましてて辞められたのは初めてです。
1ヶ月間、本人は全くというほど努力と呼べる事もせず…毎日出勤しては自分が
何をすべきかも考えず、ずっと年下の女の子に毎日「何をしたらいいですか?」
「教えてください」と言っていたそうです。毎日ですよ…。
途中何度か言いました。「年齢的にも、もう後がないくらいの気持ちでやってる?」
「東京も始まるし、自分が頑張らないと…って思わないと!」って。
これで辞められるのですからどうしようもないです(笑)
言うことだけは歳相応のもっともらしいこと言ってたんですがね…。
R-25世代、怒らなくても自滅して行きます(笑)本当に迷惑なだけです。
で決まってこの世代皆に共通しているのが、自己陶酔です。
自分の事しか考えていません。
“自分は頑張った。駄目だったけど頑張った自分を褒めてやりたい”って思っています。
キモチ悪いです(笑)
バックボーンが見えるというか、これまで余程楽して生きて来たんだ…というのが
見えて来ます。お気楽アルバイトをして来たけれど、
そろそろ年齢的にも “社員”で働かないと…程度の認識です。 
覚悟なんて呼べるレベルでなく、彼らの目的は
“社員になって安心出来ると” 錯覚することなのです。
だから相手が年下だろうがおんぶに抱っこで平気だし、責任感も皆無。
思いのほか責任があるんだと認識した時には、
だから頑張るのでなく自滅して行きます(笑)
「頑張ります。大丈夫です。」…面接なんて意味ないです。
全くその通りです。彼らの覚悟(?)や責任感なんて、うちの女子高生以下です。
そういえば、前に信じられない様な辞め方をしたR-25(当時28歳で奥さんも子供もいる
 “子供” です)が先日お店に電話を掛けて来て
「源泉徴収表を “郵送” しておいて下さい」と言って来たそうです(笑)。
この時点で呆れるのですが、彼は引越しをしてる上に引越し先の
住所も知らせていないのです。
もう笑うしかないのですが、どうする事も出来ないので放っておくと
先日僕の携帯に留守電が入っていたのを聞いて、また大笑いしました。

『源泉徴収を送ってもらえますか…今週中に届かない場合は
“税務署に相談に行って税務署から指導が行くことになるので”お願いします』

どう思います!?岩永さんにも前にお話したように、
うちは一切非合法な事はしておらず
(税務調査で偉い人が来られた時も褒めて帰られました)、
税務署に来られても隠す事も困る事もありません。
あまり賢い子ではなかったので誰かの “入れ知恵” だとは思うのですが、
余りにも滑稽です。
これで妻子持ちの30前なのですから日本の未来が心配にさえなります(笑)
いっそ、もっと下の世代の20代前半の子たちの方が
余程僕らの思う覚悟って有りますし、責任感もあります。
自分の事しか考えず、
自己陶酔して自分自身を慰めるようなセリフしか言わずに去って行った彼らは、
やっぱりこの業界にも残っていません。
その前後の世代の子は他所のパン屋で頑張っていたりするんですけどね…。
華やかな世界だと勝手に錯覚して
“一度やってみたかった” 程度で来ないで欲しいものです。
これも必ず面接の時に言っているのですが・・・・
日本語も理解出来ない子が多いみたいで(笑)
本当に “岩永さん、代弁してくれて有難う!” の心境です。
でも、もうブログ更新してるし(笑)
どの程度理解出来るか、伝わるか分かりませんが、
先日のブログはプリントアウトしてうちの子たち
にも読ませました。僕も毎日の様に岩永さんと同様の事を言っているのですが、
いつも同じ人間が言ってると、それに慣れちゃって説得力が落ちるので…。
東京のスタッフも 大手上がりの 
“悪気はないけど実力棚に上げて自分の権利ばかり振りかざす”
痛い子がいそうなので読ませます。
本当に感銘受けました。有難う御座いました。
最近、僕がイタい…いや若い人によく使うセリフです。
 
『あなたには何が出来ますか?何に対してどれだけの実績がありますか?
 その実績は本当に他人に対して ”説得力” のあるものですか?
 今、あなたがするべき事は本当にそれですか?』

僕も毎日、伝わらない事による悔し泣きと自己嫌悪の繰り返しですよ。

Le petit mec 西山 逸成 」



僕らは、現状を露呈して、お客さんに言い訳したいわけでも
同情してもらいたいわけでもありません。
「うちは何も問題ないし順調ですよ」的な面してることも可能です。
でもね、生の「声」を聞いて欲しいんです。
西山シェフの発言のおかげで、ただの威勢の良い岸部の若造が、
自分の力不足を棚に上げてピーチクパーチク喚いてるわけではないことも
理解いただけたかと思います。
そして西山シェフは、僕ら「経営者」の言葉も代弁してくれました。



「月並みな言葉ですが例外なく経営者は孤独です。
温度差感じたり、伝わらなかったり、虚しくなったり、
自己嫌悪や心折れそうな事なんて日常茶飯事です。
僕なんてこの前は音が聞こえましたよ…ポキッ!って(笑)
家帰ったら涙出ました。
でも…僕たちは自分が小僧だった頃を思い出せば
(よく忘れるのですが…それが使う側の悪いところ)
働いてくれている子達の気持ちになる事は出来るのですが、逆は有り得ません。
職人仕事で “経営者” という職業を目指した人って少数派だと思います。
殆どの人が好きで続けた結果、“経営者になってしまった…” 
というのが本当のところだと思います。
お金の問題や人の問題…こんなにもやりたい事を形にするのが大変で、
殆ど不可能だと認識した上で経営者になった人なんて
皆無に近いのではないでしょうか…。
同じだと思うのです。 こんなにパン屋が大変だなんて…と思う若い子たちと。
現実を思い知らされ、嫌でも認識するしかなくて…
そこで諦めるか、諦めないか、これも同じですよね。
お前が選んでパン職人になったんやろ! って言いたくなるのですが(言ってます…笑)、
結果的にであれ僕らも自分で経営者になる事を選んだんですよね…。
理想が高くなればなるほど現実とのギャップの開きに苦悩する事になります。
でも諦めたら駄目なんですよね、
日本人なのに日本語理解してくれないような子であっても
伝え続けないといけないんですよね…諦めない子である限り…
それがオーナーシェフの仕事ですから。
こんな僕も人間出来てない弱冠40歳です。
故に愚痴るし、叫ぶし、間違いだってあるし自己嫌悪にも陥ります。
それでも岩永さんのブログを読むと、伝えないと…と思う今日この頃です。」



今回はあえて何も書きません。
ただ読んでいただきたい。
どう感じてほしいとか、何を伝えたいのかとか、何も書きません。
ただただ読んでいただきたい。
そして、感じて考えてみてください。何かを想ってください。
同業者の方も、もちろん異業種の方も、プロの方も、アマチュアの方も、
オーナーやシェフの方も、雇われてる方も、これから志そうとする方も、
そして飲食業を愛し応援してくださるお客さんも、
それぞれがそれぞれの立場で、是非何か感じて考えてみてください。


本当にお忙しい中、こんな貴重な時間、貴重な声を聞かせていただいた西山シェフ、
重ね重ね、ありがとうございました。
僕を・・・・というかシュクレクールを応援してくださってる方々、
おそらく全ての方が、この度の行動を嬉しく思ってくれてることと思います。
どんどん孤立していく僕を憂いて下さってた方々(笑)、
僕はこんな素敵な方に見守っていただいてました・・・・。
プティメックさんを見て、「こんなふうにお店を育ててみたい」と憧れた僕にとって、
この上ない、思いがけないプレゼントでした。
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by monsieur-enfant | 2009-02-20 02:53 | とりとめなく・・