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なないろめがね

エスプリ

最初にパリで酒を交わしたのは、
僕の韓国人の友人宅の最寄り駅、ミシェル・アンジュオートゥイユの、
何だか怪しげな店でした。
その後も修行先のロワールから出てくる時は、
一緒に食事をしたり、僕の住んでた屋根裏部屋で朝まで話し込んだり・・・。
と言っても、内容は学生のような恋愛話だったような(笑)

今日の食事のお相手は、レストラン ハジメの米田さん一家。
そして舞台はあの頃と同じパリ・・・とはいかないので、安土町のパリへ。
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「ゆっくり食事でもしましょう」
この他愛も無い約束が、全く実現出来ないんですよね。
なので、今日はせっかくですから飲みましょう!!ってことで、
隣のフジマルさんのお店、「カーブ デ パピーユ」へ。
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いやぁ、気持ちいい!出たくなくなりますね。
ワインに適した温度、湿度を保つための土壁、入るだけでテンション上がります。
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最初は珍しくロゼから。お手頃ですが、こういうとこだからこそのチョイス。
楽しく飲もうぜ!!ってなワインです。すると・・・、
「韓国の子と最初に飲んだときもロゼでしたよね?」って。
どんだけ記憶力ええねん!!(笑)全く覚えてませんでした。
でも、この一言から徐々にパリへとトリップしていきました。
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パンは、お土産に持ってきたのに出してくれました。
持ち込み料取ってくれるなら、毎回パン持参するんですけど(笑)

サバのマリネ
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パテ ド カンパーニュ
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添え物のコルニッション
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白アスパラ オランデーズソース 
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ブーダン・ノワール
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子羊背肉のロティ 
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ここまでは見事に前回と同じラインナップ(笑)
それもそのはず、「岩永さんのブログ見て、食べたくて仕方なかった」とのこと。
その間にワインは2本追加。空気感重視でビストロ臭のするチョイスで。
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横を見れば、かつてパリで同じ時を過ごした友がいて、
あのころのような空気の中で、
あのころのような料理を頬張り、
あのころの仲間と共に、
あのころのようなワインを酌み交わす。
なんでしょうね・・・・、寂しさでもなく、懐かしさでもなく、もちろん哀しくなんてないのに、
なんだか涙が溢れてくるんです。あ、酔っ払ってるわけでもありませんよ。
あのころが、こんな形で思い出せる幸せ。
あのころを、涙が溢れるほど思い出させてくれる店に集える幸せ。
なんていうか、胸がザワザワするんです。
箱だけ作っただけじゃ感じれません。
想いを持った者が居て、想いに満ちた空気が生まれ、想いのこもった料理があり、
その全てがこの店を演出してるわけなんです。客を感動させるわけなんです。
僕らに、涙を流させるんです・・・。

あ、まだ食べますよ(笑)
牛リブロース フリット添え
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これは旨い!!口に入れる6センチ先からパリの匂いがしてきます!!
本場のほうがもっとせこくて薄いですけどね(笑)
唯一ぽくないのがフリットが旨すぎること。
向こうのは油ギトギトで、この4倍くらいは盛られてますから。
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プロフィットロール
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リ オレ
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テリーヌ ショコラ
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クレーム キャラメル
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このクレーム キャラメルが、まさしくパリ!
どうやったらこんなチープさが出せるの?(誉めてます)
この絶妙なチープさは狙っても出せません(ホントに誉めてます)
普段あまり食べませんが、こりゃ、デセールの定番になりそうですわ。

言っておきますが、
ここは皆さんが思うような「フランス料理を食べに行く」店ではありません。
食を通じて、空間ごとフランスを感じに来る店です。
合う合わないは当然あるでしょうが、自分の物差しで計るのは辞めていただきたい。
むしろそんな行為自体がナンセンス。無知っぷりを曝け出してるようなものです。
何度も言いますが、いろんな要求を満たすためにいろんなカテゴリーの店が存在します。
行った店が、お客さんの全ての要求を満たすためにあるんじゃないんです。
ま、うちだって未だにキッシュを惣菜パンだのヴィエノワをコッペパンだの、
自分の無知を曝してるのにも気づかず恥ずかしげもなく批評したりする方もおられますが。
そのカテゴリーにはそのカテゴリー用の尺度があるんです。
計ろうとするのは勝手ですが、せめてそれ用の尺度を携えてから計っていただきたい。
カテゴリーが変われば趣旨も変わり、メニューもポーションも空間も変わります。
上手にそのカテゴリーの違いを認識し、
今の気分や用途にあったカテゴリーをチョイスできたとき、
もっともっとお店を理解し楽しめるはずだと思います。
漠然とフランス料理ではなく、
漠然とイタリアンではなく、
漠然とパン屋ではなく、
漠然とお菓子屋でもなく、
ちゃんとその中でもカテゴリーが分かれているんです。一緒じゃないんです。
これからはもっともっと作り手の意思のある店が大阪にも増えてくるはずです。
聞いたことのないような国の、食べたこともないものに魅せられて、
そこに生涯を注ぎ込む職人だって出てくるかも知れません。
でも残念ながら、まだまだ受け皿が小さいのが大阪の現状です。
想いのある良い店が続けていくためには、
店はもちろんですが、それらを理解し応援していただくお客さんの成長も必要です。
そんなお客さんに存分に使われてこそ、お店は生きてくるんです。
箱や店員だけでなく、お客さんあっての店の景色であり空気なんです。

1年、2年、3年と、このお店も媚びることなく在り続けることでしょう。
そして、この空間を感じ理解し、楽しんでくださるお客さんが増えることこそ、
異文化を担う店の喜びであり、店の成長の証でもあります。
売れる売れないではなく、想いを共有してくださるお客さんにより生きてくるお店です。
行ったことあるかた無い方関係なく、フランスがお好きな方、興味をお持ちの方、
難しく考えず、一度店に身を委ねてみてください。空間に身を委ねてみてください。
ここには確かにフランスが息づいていますから・・・。
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by monsieur-enfant | 2009-04-22 01:02 | ル ヌー パピヨン