ブログトップ

なないろめがね

はじまりはいつも粉

先日、HPにて発表しました「朝食会」。
その経緯をお話しますと・・・・。

某業者さんとの絡みからのスタートだったんです。
「担当が替わりまして・・・」と名刺を差し出す営業マンさんに、
「前の担当さんも、替わった時以降、一度も顔を出さずじまいでしたよ。
だったら名刺なんて要りませんし渡しません。儀式ではないんですから。」
・・・・ま、僕はどなたに対しても同じスタイルなんですよ(笑)
普通に渡しときゃいいわけでね。半分儀式みたいなもんですよ、実際。
でも、やっぱりなんだかんだ言っても「人」だと思うんです。
「会社」と取引したいんじゃなくて、そこの「人」と取引したいんです。
そう思わせてくれる「人」なのかどうかが大事なんじゃないでしょうか。
儀式としてではなく、ちゃんと交換したいと思わせてくれるなら何枚でも渡しますよ。
ま、それも伝えたんですけどね(笑)

大体はここでもう来ません。来ない上に面と向かって話せない業者どもの、
良い愚痴のネタや噂になってるみたいですわ(笑)

そしたら今度は後日、自社商品を幾つか持ってきたそうなんですが、
僕が応対する前に、うちのスタッフに「店の商品見ました?」って帰されてました。
営業をかける店のスタイルや好みも顧みず、
「パン屋だから、これを使うだろう」と高をくくって来たんでしょう。
リサーチもせず、残念ながら営業の仕事としても手抜きです。
うちで使えるものは何一つなかったんですね。

ま、ここで本来、完全に折れます。
来なくて当たり前なんで、気にも留めてなかったんですが、
なんと、もう一度来たんです。
「前回、自分がとても恥ずかしかった」と言って。
事実、「パン屋さんだから、こういうの使うだろう」としか考えてなかったことも認め、
お店を見させてもらった結果、僕に見てもらいたいものがあるということ。
そこで持って来たのが、詳しくは書けませんが「フランス産発酵バター」。
うちで使ってるバターの、数倍(!)はする値段。
でも、これが彼が示してくれた「シュクレクール」という店に対しての形なんですよね。
振り幅は大きすぎますが、とてもそれが嬉しくて、
普段は直接じゃないと受けない別会社からのアポも承諾しました。
もちろん、彼の顔を立てるために。
そして、「ごめんやけど、うちはこのバターを使ってあげれるほどの資金もないんよ。
でもね、一回だけこのバターでクロワッサンを作るから、その時、それを食べて欲しい」
そう伝えました。やはり、「想いには想いで」。それが最低限の礼儀です。
渡したものを、皆さん食べさせてもらったりしないようですね。
申し出をすごく喜んでいただきました。
マイナスをマイナスのまま終わらすのか、マイナスをプラスに転じるのか、
同じ起こったマイナスでも、人の心意気次第で何とでもなるもんです。

・・・・ですが、うちも正規のクロワッサンがありますし・・・、
季節も季節、絡めるイベントもありません。
どうしようか悩んでいると、
昔世話になった業者の子が「転職しました」と連絡をくれました。
取引はともかく、その子とは結構密なやり取りをしてたので、
早速挨拶がてら、うちで使いそうな商品のパンフレット持参で来てくれたんです。
で、目にしたのが僕がパリで使ってたヴィエノワズリー用の粉と同じ名前。
製粉会社は違ったかもしれませんが、
他の数種の粉と一緒に早速見積とサンプルを取り寄せました。
名前は・・・秘密です(笑)
来ました。見るからにそそる色。
匂いを嗅ごうと袋を開け、舐めてみる為に手を入れて粉に触れた瞬間、
「あ・・・フランスや・・・」
鳥肌が立ちました。舐めてみて、嗅いでみて、さらにその想いは強くなりました。
頭は手に判別の指示を出していなかったのに、
頭より手が覚えてくれてたことも本当に嬉しかったんです。
久しぶりに心躍りました。
ドキドキしました。
また逢えた喜びに満ち溢れました・・・・が、値段は今使ってる粉の、ざっと倍(笑)
でもその時、「あ!!」と結びついたんです。
この粉のみを使って仕込んだ生地と、あのバターを使ってクロワッサンを作ろう!と。
自分が帰国以来、解放されなかったストレスから
この1日だけでも解放されるかも知れません。
なによりあのバターを使うのに、こんな良い巡り合わせはありません。
この粉を使え!ということです・・・よね?倍しますけど・・・。
で、もう一つ続けて思いついたのが、
「ここまでフランスなんだったら、フランスで食べたいやん!」
即、電話(笑)
粉に触れてから電話するまで15分くらいの勢い任せ。
「ランチ前の2時間、場所貸してもらえませんか?」・・・レンタルスペースやないんやから。
でもね、本当に失礼は承知の上ですが、ここ以外思いつかなかったんです。
メリットなんか、もしかしたら無いかも知れません。
もう十分知名度もありますし、いつもより早く来なきゃいけない労力と人件費を考えたら、
正直デメリットのほうが大きいかも知れません。
そこを受けて下さった、男気溢れるお店の名は「ル ヌー パピヨン」さん。
日にちは「パリ祭」の日、7月14日に決定!
あたかもこの日に合わせたかのような段取り。
思いつきのたまたま日程とは思えません(笑)

でも、こうして想いや出逢い、偶然や必然を重ねて出来たイベント。
そして同じ温度でこんな無茶ぶりを受け入れて下さったヌーパピさん。
そして、僕のフランスを想う気持ち・・・。
メインは「パリ祭の日にパリの空気の中でいただくクロワッサンとエズプレッソ」、
そんな小さな短い催しですが、そこにどれだけフランスを詰め込めるのか、
どれだけの想いを持って僕らが「フランス」を担ってるのか、
五感全てで感じていただけるような時間になれば幸いです。
帰国以来、渾身のクロワッサンをご用意してお待ちしております。
・・・・誇大広告になったらスイマセン(笑)
でも、自分でも食べた時に泣けるようなクロワッサンにしたいと思っています。

久しぶりに高ぶります。
[PR]
by monsieur-enfant | 2009-07-03 12:03 | シュクレクール