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なないろめがね

独りパリ祭前夜祭

さ、日付も変わり、いよいよ今日はパリ祭の日。
すなわち、みんなで朝ごはんを食べる会の日。
参加してくださる方は、もう寝てますよね。
僕はその準備で2時に店に行くので寝れません。
ってか、寝たら起きれないのが怖いのでブログ書いてます(笑)

今回はちょっと貴重な映像を交ぜつつ、
本日のクロワッサンの詳細についてお話しますね。
久しぶりに平和な記事です。
今回の主役である「粉」と「バター」。まずは粉から。
Farine de Gruau TYPE-55(ファリーヌ ド グリュオ ティープ ソワッソンサンク)
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これはヴィエノワズリー用の粉です。
いわゆる強力粉の部類に入るんですね。
T-55にも種類があって、
タンパクの量によってバゲットに使えたり、
ブリオッシュなどに適したりと用途が変わるんです。
このグリュオは、ブリオッシュなどのヴィエノワズリー用なんです。
フランスでもクロワッサンは、T-55でもパン用を使うところが多いんですよ。
日本でも多くがいわゆる中力粉じゃないですか?
でも僕が働いてた店は、あえてこのT-55 グリュオだったんです。
それにはもちろんちゃんと意図があって、メリットもあり、
更にデメリットを消すためにも、ちゃんと工夫をした仕込みをします。
これを理解しないでこういう粉でクロワッサンを作るとエライコトになりますので、
良い子は真似しないように(笑)。
別に内緒じゃないですけど説明すると長くなるので割愛させていただきます。
興味ある人は直接聞きにきてください。

本題に戻りまして、
この粉、僕がパリで使ってたものよりはちょっと色が茶色すぎかな。
このイベント後、店で使うことが決定しましたが、半量くらいに抑えると思います。
価格が倍するのもありますが、僕のイメージともちょっと違うもので。
小刻みに試行錯誤してきた店売りのクロワッサンも、やっと落ち着きそうです。

どれくらい色が違うかと言いますと・・・、
これがいつものパータ クロワッサン。
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で、次がグリュオを使ったパータ クロワッサン。
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折り込む前のほうがわかりやすかったかな?
折り込んじゃったから、バターの白さがちょっと透けちゃうんです。

せっかくなんで、ちょっと作業工程もお見せしますね。
さっきの生地を最終の厚さに伸ばします。
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で、二等辺三角形にカットします。
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ま、この間も結構神経質な温度管理をしながら作業するんですよ。
ー25℃の部屋と5℃の部屋を、行ったり来たりさせながら。

で、その一枚を・・・
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ミョ~~~~ン!!って伸ばします。
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これ、同業の方も驚かれると思いますよ。
「こんなに伸ばしてんの!?」って。
もちろん生地の伸展性もありますが、
無理やり引っ張っても中のバターが切れてしまいます。
表面の生地ではなく、中のバターを指の腹で感じながら均等な力で伸ばします。
で、上からクルッと良い感じでスタイリッシュに巻き込むと・・・、
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あら不思議。クロワッサンの出来上がり。

僕ね・・・この時のクロワッサンが大好きで、
なんかおすましして並んでるこの子らがたまらなく好きで、
今年の周年の時にプレゼントで、
「成形直後の白いクロワッサンキーホルダー」を作ろうかと思ってたくらい。
え・・・?いらないって?(笑)
あ、ちなみにいつものクロワッサンと・・・、
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今日のクロワッサン。色の違い、わかるかな?
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こんなに緊張してクロワッサン仕込んだの初めてでした。
もちろん嬉しいのはありますし、大事に使わなきゃってのもありました。
でも一番は、今日のイベントの予約が埋まるスピードです。
「本当に楽しみにしてくれてるんだ・・・」と思うと、怖くて息が詰まってきてしまいました。
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だって僕らにはこの時点で、上手く焼ける保障はどこにもないんですから。
料理のように味見したり、盛り付け途中で色を挿したりも出来ません。
「当たり前」なんて、絶対にないんです。
これだけ楽しみにしてもらって期待してもらって、
遅刻したら・・・いやいや(笑)、上手く焼きあがらなかったらどうしよう・・・、
本当に不安になります。
でも、だからこそこんな単調な仕事を飽きもせず毎日毎日やり続けてるんでしょうね。
「こうしてこうしてこうなったら、絶対にこうなる」って仕事だったら、
とっくに辞めてるかもしれません。
わからないから難しい。わからないから毎日上手く出来たら嬉しいんです。
「あ、良かった~」とか、「うん、今日も美味しそう!」とか、
もう15年やってきてますけど、一喜一憂できるのは、
「生き物」という計算しきれないものと携わる仕事やからかなぁ・・・なんて思うんです。
クロワッサンも一個ずつ一個ずつ、
「お願い!美味しく焼きあがってな!」って祈りながら成形しています。
僕が下手っぴで自信無いだけなんかな・・・(笑)

忘れるところでしたが、粉と並ぶ・・・というか、こっちのがメインかな。
通常使用してるバターの3倍の価格。
フランスAOC パンプリー 発酵バター
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デュセーブル県ポワトー・シャラント地区、
パンプリー酪農共同組合が製造してるAOCバター。
ま、これも詳細は割愛しますね(笑)
長旅の疲れを感じさせないポテンシャルを発揮してくれたら良いのですが・・・。

ってなわけで、前日にパンもやっと決まりましたし、
発酵を経て焼きあがるまでの工程に6~7時間かかるクロワッサンのセッティングに
今から店に向かい、その合間に1種類、今日お出しするパンも仕込みます。
あ~~、眠い・・・・。
でも、みんなが喜んでくれる朝を迎えれるように頑張りますね!
なんか今日は、「あ、こいつ、そういえばパン屋やったんや」って、
思い出してもらえるような内容だったんじゃないでしょうか?(笑)

では皆さん、良い一日を!!
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by monsieur-enfant | 2009-07-14 01:46 | シュクレクール