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なないろめがね

勇気。

「もういいや」と思って、次の記事を書いてたところ、
途中で消えました・・・・。
知っての通り、僕、文章多いんで、かなり精神的にまいります・・・・。

で、店に来てパソコンを開けてみると、たくさんのメールをいただいてました。
前にも書いたことがありますが、
僕は主張するのに肯定だけを望むこと自体ナンセンスだと思っています。
ましてや、どこの誰か知られてる上での発言。それなりの覚悟は持ってるつもりです。
前回の記事の話、おそらく首を傾げられた方も少なくないと思います。
「なんて横柄な店主や」、たまたま見られた方にそう思われても仕方ありません。
お客さんを中傷するような記事を書いたんですから。
でもね、いただいたメールには、そういう声はありませんでした。
もちろんそれだけで、反論が無かったとは思いません。
ただ僕は、わかっていただけた方がいてくれたことが嬉しかったんです。

ここまで具体例を挙げたのは初めてでした。
それは、ここでハッキリしておきたかったんです。
パン好きの方のパンの知識は、ここ数年で飛躍的に向上してると思われます。
いわゆるベーカリーからブランジュリと言われるものまで、
「パン屋」と言われる業態も目覚ましく変化を遂げてきました。
パンを求めて各地に行かれる方や、パンをこよなく愛して下さる方も、
5年前を思えば急激に増えてると思います。
パン屋に通い、パンを食べ、それだけに明け暮れるのではなく、
そろそろ作り手との良い関係を築いてもいいんじゃないでしょうか?
「お客さん」としての立ち居振る舞いに気を配ってもいいんじゃないでしょうか?
どれだけ食べても通っても、一見さんと同じではあまりにも寂しいじゃありませんか。
「美味しく食べる知識だけ増えて、お店への配慮は二の次、三の次」では、
あまりに寂しいじゃありませんか。

中には難しく考えられた方もおられるかも知れませんが、難しいことじゃありません。
「いらっしゃいませ」と言われたら「こんにちは」。せめて会釈でもしませんか?
全くの無表情で入って来られて、お会計済ませて、袋渡されて、無表情で帰って行く。
フランスでは「Bonjour!」を言わずに入ったら、露骨に邪険にされますよ。
そりゃそうです。「店と客」の前に「人と人」としておかしいですもん。
「ありがとうございました」の声に軽く会釈することくらい、
そんなに難しいことではありませんよね。
もちろん、穏やかな表情でお見送り出来なかった店の責任かも知れません。
あまり気分良くなかったのに、思わず会釈をしてしまうような、
そんな挨拶を僕らも心がけれたら良いと思います。
そうやって、一緒に良い関係を作っていけたら良いじゃないですか。
お店には、出る人が先、入る人が後、
そんな当たり前のことがなかなか出来てないものなんです。
今、出ようとするお客さんを横目に、
ショーケース目がけて一目散に入って来られる方もいます。
みんなパンが好きな人です。シュクレを好きで来て下さってるお客さんです。
自分たちさえ良ければ・・・じゃぁないと思いませんか?
僕は、お客さん個人、他のお客さん、それにうちのスタッフが気持ち良く過ごせて、
初めてシュクレクールやと思っています。
ですので僕は、度を超えられたお客さんや、
走りまわるお子さんにも、出て行って直接言います。
言わないことが優しさだとは思えないからです。
それでもし、「何、この店」と思われて二度と来られなくなっても、
気持ちのどこかにちょっと引っかかってくれてて、
他の店でやらなくなってくれてたら、それで良いんです。

お願いします。
世の中には、何か感じることができたり、何か想っていただけたりする方は、
それほど多くはないんです。
いただいたメールの中の多くに、
「想うことはあったのに伝えれてなかった」との声もありましたが、
その一部の「想える方」に声を出していただかなければ、
僕らは誰の声も聞くことはできなくなってしまいます。
もちろん、足を運んでいただけることも一つのシグナルやとも思います。
特にこんな場所でやってる僕らにとって、これほど嬉しいことはありません。
それによりまた明日頑張ろうと思えます。
頑張ろうと思えるエネルギーであることに間違いありません。
ただ、何かプラスαのアクションを起こしたとき、何か言葉をいただけないでしょうか?
「なぜ、そのアクションを起こしたのか」「どんなメッセージが込められてるのか」
パンが好きなんですから限定商品に目がくらむのはわかります。
パン屋なんですから、パンを売り買いする場所であればそれで良いのかも知れません。
ですから全てのお客さんに望んでるわけではありません。
何か想う人だけで良いんです。声を聞かせてくれませんか?
特別な日だけでいいんです。お店の誕生日とかだけでもいいんです。
シュクレも認知されてない1周年の時は、ショーケースの向こうから、
「シェフ、おめでとう!」とか、「いつもありがとうございます」とか、
僕に声をかけて下さったり、ヴァンドゥーズに声をかけて下さったり、
それはそれは温かい1周年でした。
2年目以降は、多少メディアの露出も増え、
「去年は限定パンが出たらしい」などの情報も出回り、
それら目当ての方々が年々増えて来たと感じます。
電話でも露骨に「今年の限定パンは何が出るんですか?」
それらを楽しみにしていただいてるのは嬉しいことです。
パン好きさんなら余計そうなのかも知れません。
でも、そんな時くらい、優先順位を変えていただけないでしょうか。
それらを聞く前に、社交辞令でも「5周年おめでとうございます」とか、
付けていただけると嬉しいもんなんです。
何本も電話がなり、「今年の周年は何が出るんですか?」の一辺倒では、
「何か出ないと来ないんですか?」と捻た考えにもなってしまいます。
僕らも、人間なんです。職人だって、何もなくて毎日作り続けれるわけないんです。
でも、ちょっとだけ声をいただけるだけで、どれだけの力になるかわかりません。
職人なんてそんなもんです。
皆さんが「そんなこと・・・」と思うような些細な一言を、
明日の元気に変えていけるような、単純な生き物なんです。
じゃないと、こんなしんどい仕事、毎日続けられませんよ(笑)

前にも書きましたが、感じたことは伝えなくては始まらないんです。
もらったものは、もらったままではいけません。
僕らはお客さんからいただいた気持ちを糧に明日もパンを焼きます。
そのパンを食べて、頑張れると言っていただけるお客さんがいます。
そのやりとりが、お店に「命」を与えるんじゃないでしょうか。
死んでるお店と生きてるお店。それは有名無名の問題ではないと思います。
ただ箱が大きくて立地が良くて、お客さんがたくさん入ってればそう感じるか・・・
それも違いますよね。
今の時流とは違うくても、小さな商店街で昔ながらの菓子パンを一生懸命作ってるお店。
そこに集うお客さんの笑顔。売上じゃない財産を持ってはると思います。
買った記録や通った記憶、売った記録や売り上げたお金、
それらは時の移ろいの中で忘れ去られていくことでしょう。
でも、繋がった気持ちは、
きっときっと心のどこかで思い出として残っていくと思うんですよね。
そんなお店を一件でも作ってみませんか?
そんなお客さんと一人でも繋がりたいと、お店側も思ってるんですよ。
それにはお互いが今より一歩踏み出さないと。
じゃなきゃ・・・お互いがお互いを消費する関係では、あまりにも寂しいじゃないですか。

何か、考えるきっかけになってもらえれば幸いです。
そして真意を理解して「声」を届けて下さった皆さん、本当にありがとうございます。
すぐに書いてくださった方もいれば、
なかなか勇気が出ずに書きだせなかった方もおられることでしょう。
でも、そんなちょっとの勇気のおかげで、
ここに一人、救われた人間がいることを覚えていてください。
その中には、僕に書かれたと思われる当事者の方からもメールがありました。
さぞかし勇気がいったことと思います。他の誰より胸を痛めたと思います。
それでも「声」を届けてくれました。
ちゃんと受け止めていただけてたことに、ここでも僕は救われました。
良かった・・・ちゃんと話して良かった・・・、そう思えるのも受け手がいてのことですから。
また頑張ります。また来たいと思ってもらえるように、また明日から頑張ります。
メールにも書きましたが、今度は「あぁ、あの時の!」って、
笑ってお会いしましょうね!!

「厳しいこと言ってごめんなさい」
「考えてくれて、ありがとう」
そんな気持ちを込めて、この週末は、
新作4種を用意して、皆さんのお越しをお待ちしております!

ま、新作はたまたまですけどね(笑)
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by monsieur-enfant | 2009-10-01 21:30 | とりとめなく・・