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なないろめがね

「努力」って何ですか?

「1月中には行きます」
そう約束してたのもありますが、
何か自分に刺激を与えなければ、
繰り返される毎日に飲み込まれ、
自分を見失ってしまいそうになってしまいます。
常に自分が心を動かしておかなければ、
人の心など動かせれるはずもありません。
「自分が感じたことのみ人に伝えられる。
感動できる人間のみ、人を感動させることが出来る」
これは常日頃から自分に言い聞かせてる言葉です。

若い子にも言うのですが、店での労働を努力だなんて履き違えてもらっては困ります。
ある種、報酬に対する労働であり、労働に対する対価として報酬を得るわけです。
それはプロとして当然のことで、そこでの頑張りなど「努力」とは言わないんです。
何も指示されていない時間に何を想い何をするのか。
それが努力やと思うんです。
日本人はその「努力」という言葉に、多大な犠牲を求めます。
時間、労力、自分を追い詰めるような行為を「努力」と賞賛したがります。
汗と涙の根性論ですね。
もちろん、否定するつもりはありません。
どっちかといえば、僕もそっち側の人間でしたから。
でもね、先にも書いたように、何かを創る仕事に携わる者として大事なことは、
「心を動かせてるか」だと思うんですよね、僕は。
映画やDVDを観るもよし、
本を読んだり音楽を聴くのもよし、
スポーツ観戦や実際身体を動かすこともよし。
美術館に行ったり、自然の景色を観に出かけるのもいいですね。
もちろん恋愛だって立派な心を動かす行為ですからオッケーです。
食事に行ったり、旅行に行ったり、自分で意図を持って行動するなら何でもいいんです。
僕の店ではそれを「努力」と呼びます。
ただね、単に観たり聴いたりしても駄目です。
目先のものを単に味うだけでもいけません。
これらを「努力」に昇華するには、やはり感じることが凄く大切になってます。
「楽しかった」「哀しかった」「嬉しかった」「しんどかった」
「美味しかった」「不味かった」「良かった」「悪かった」
そんな感想いらないんです。それじゃ、趣味の世界です。小学生の日記じゃあるまいし。
深く掘り下げ、考えることが大事。
目で見るのではなく、耳で聴くのではなく、
心が何を感じてるのか・・・、その行為がとても大事だと思うんです。
わからなくてもいいんですよ。それがいつかの準備になりますから。
この映画は何を伝えたかったのか、
この俳優は何を考え演じていたのか、
この作り手の頭の中はどうなっているのか、
その景色に今の自分は何を想うのか、
そうやって常に感じ考えることが大事なんです。
どこぞやの連中のように、中途半端な知識や理屈でしか判断できず、
何でもかんでも批評し点数をつけることが訪れた証のような戯言は、
感性を育てるのには必要ありませんので。

やらされてるうちは楽ですよ。
でも、いずれ自ら何かを生み出さなきゃいけなくなる時が訪れます。
そんな時に、パンばっかりであったり、お菓子だけであったり、料理だけであったり、
偏ったものや表面的なことしか観てこなければ、
結局誰かのものまねを越えるものは生まれません。
製法や技術、それも確かに大事です。
でもそれは表現の手段に過ぎません。
自分が表現したいと思うものを具現化する為の手段でしかないんです。
そこばかりに目がいき、根本の「表現」の泉が乾ききってる作り手が多すぎるんです。
もちろん修行中の若い子らもそう、目先の仕事に捉われて、そこに気がつかない。
そこを指摘してあげる指導者のほうがもっと少ないのが現実なのかも知れませんね。
表現する時に湧き出てくるものは、
心を動かすことによって蓄えた感性の泉からしか出てこないんです。
過去のレシピをただ引っ張り出すのは、表現とは異なります。
小手先の物真似なんて、表現とは呼びません。
「教える」のと「伝える」のも似て非なるもの。
教えるのなら紙切れ一枚手渡せば教えることは出来るかも知れません。
でもね、伝えるという試みは全身全霊で挑んでやっと数人に届くような、
そんな途方も無く長い道程を歩き続けるような作業なんです。
その間に、自分が乾ききってしまっては意味がありません。
本気で伝えたいのなら、本気で届けたいのなら、
泉に水をしたためて下さい。
感性の泉を、いっぱいいっぱい満たしてあげてください。
長い道程の途中で乾いてしまわないように、
情熱というエネルギーと共に、
いっぱいいっぱい蓄えてあげてくださいね。

・・・・って、冒頭の「1月中には行きます」のくだりの通り、
久しぶりにレストランの記事を書こうと思ったんですが、
またまた逸れすぎてしまいましたね(笑)
ので、表題も急遽変更しました。その記事は次回、必ずや。

またしばらく書けそうにありませんが、気長にお待ちくださいませ。
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by monsieur-enfant | 2010-02-05 03:21 | とりとめなく・・