2010年 09月 21日
メッセージの送受信。
やっぱモチベーション落ちてくると、そこからさらに搾り出す作業は拷問に近く、
一文字も言葉が出てこないなんてこともしばしば。
パソコンに向かった瞬間に、「今日は無理やわ」って思うこともあるし、
もちろん向かう気力すらないときもあります。
そんなときに背中を押してくれるのが、やっぱり覗きに来てくださってる方々の数です。
こんな僕でも相当励みになってるわけです。
今日もそう。ちょっとしんどくて書くつもりもなく開けたんですが、
「お・・・・、こんなに見に来てくれてるんや・・・・」と思うと、
頑張れるときは頑張って書かないと!って思うわけなんです。
めちゃくちゃ一生懸命書いた翌日に、
「は!?」みたいな人数しか来てくれてないときも逆にありますけどね(笑)
そんときは素直に「必死になって書かんかったらよかった・・・」ってブルーになるんです。
強烈に睡眠時間削ってますからね(笑)
さ、もうちょっと気合入れて、東京編、書ききってしまいましょう!!
ってことで、この日はもういきなりお店の前!
広尾 「ア ニュ」
ややわかりづらい入口を抜けると、やたらと天井の高い店内。
「空間」を最大限に使って上質を演出しています。
「ムニュー・ドゥ・コンパレゾン」、
いわゆる 「比較のコース」という名前そのままの、
1つの素材を趣の違う2皿で表現し、それを同時に味わうという主旨のコース。
なので単純に皿数は通常の倍になるのかな?
ま、あまり体験したことのない構成なので楽しみです。
アミューズが運ばれてきました。
くぼみにはめられて運ばれてきたアミューズは、
なんとパズルみたく位置皿のくぼみへとセットされます。
こんな感じ。遠いですけど(笑)
ワインは皿ごとに当ててもらいます。
最初はシャンパンから。
枝豆のクルスティヨン
塩気が良い塩梅です。
パン・・・なんですが、
確かに小さな型に入れられてビジュアル的には可愛いんですが、
「サレ仕様」とか、予想を裏切らず普通に甘いブリオッシュなわけです。
・・・・意図がわかりません。
これから繰り出される料理、ワイン、
どれをとってもブリオッシュに合うわけがないんです。
何故にブリオッシュなのか・・・。
相性だけで言うと、バターロール持って来られたのと変わらないくらい合いません。
なんなんですかね・・・わからないんですかね・・・・。
なぜワインはスタートに相応しい爽やかなチョイスが出来るのに、
パンはブリオッシュなんですかね・・・。
じゃがいものブランマンジェ 初夏の香り
しつこいようですが、この料理にブリオッシュが合うと思いますか!?
ま、とりあえず、恨み節みたいになるのでパンのことは置いておきましょうか・・・。
いつもだいたい「ブランマンジェ系」に全く期待はしないんですが、
これは普通に美味しく、ちょっとホッとしましたね。
これからの流れが楽しみになります。
さ、ワインも変わって、アユのコンパレゾン。
①ラタトゥイユのコンソメ 稚アユのフリットと共に
見た目、普通のコンソメですが、味ラタトゥイユなわけです。
うん、ラタトゥイユ、見た目ちょっと賑やかでザワザワして暑苦しいですからね(笑)
こうなると香りや味の「夏」してる部分だけ摘出できるわけですね。
そこに稚アユ。苦味が心地良く季節を漂わせてくれます。
②スモークしたアユのキッシュ 肝のソース
アユのキッシュ、なかなか食べれませんもんね。
キッシュも旨かったですが、やはりアユは肝が命。
ただ、添えてるのがスイカなんですね。これがちょっと甘すぎてバランス悪し。
むしろ野菜に近い感じだと清涼感など意図が酌めたんですが・・・。
農作物は、難しいですね。
ここで別のパン。
この店、パンどうでもいいんですかね・・・。
パン一つ取っても、自分のお店からお客さんに提供する、責任あるもののはず。
最良の食材を最良の調理法を使って、
最良の体験を提供する「レストラン」ってジャンルにおいて、
ここまでクオリティの低い「食材」を提供してることに胸を張れるんでしょうか・・・。
「パン屋だから」気になるんじゃなくてね、
むしろパン屋だからパンに関してはなるべく見ないようにしてるわけなんです。
なんか、いやらしいでしょ(笑) だからどっちかって言うと、
教えてあげれてないパン屋さんが悪いんだって思うようにしてるんですが、
このクラスの店だと正直腹立ちますよね。
パンだって、肉や野菜と同じく一つの素材です。
はたして肉や野菜のように吟味した結果、
責任もってお客さんに提供してるかというと甚だ疑問ですね。
さ、気を取り直してオマール・ブルー。
すなわちブルターニュ産オマールのコンパレゾンです。
①温製 オマールブルー メープル
ビジュアル、凄すぎ・・・。
エビ好きとしてはむしゃぶりつきたい衝動に駆られますが、
ここはオマール・ブルー、ちゃんと味わって食べなきゃね。
メープルはたまにフワッと香るくらい。
甘さのサポートが要らないくらい素材が甘い。
伊勢海老じゃないんだから、オマールはしっかり火を入れて欲しいほうですが、
僕的に火入れはドンピシャ。
パサつかず、甘みが増し、細胞が熱でプクッと膨張してる感じ。
こりゃ旨いっす。
②冷製 オマールブ ルーのタルタル
オマールに、他の甲殻類のジュレで風味を補ったタルタル。
一転、ほとんど印象に残らず・・・。
さ、ワインも変わって、本日の鮮魚。
本日の鮮魚 モンサンミッシェル産ムール貝のナージュ
お魚は鯛でしたかね?身もふっくらで美味しかったです。
ムール貝のナージュも優しい良いお出汁、出てました。
さ、ワインもボルテージ上がってきました。
次は鴨のコンパレゾンです。
①マダムビュルゴーのシャラン鴨胸肉のロティ 白と赤のソース
②鴨肉 本日のアンプロヴィザシオン
この日はフォアグラでした。
フロマージュもお願いしました。
こうして一口で食べれるようにしてくれます。
フロマージュ、デセールと、両方いける感じのこれ、何やったっけな・・・。
パッションのソルベ ココナッツのクランブルを添えて
さ、最後のコンパレゾン。桃です。
①フレッシュ桃とほうじ茶のジュレ
②・・・・と思ったら、あれ?デセールは一種類やったっけかな?
ハーブティーでまったりと。
ミニャです。
先に書いたように、
「ムニュー・ドゥ・コンパレゾン」という「比較」のコースだったわけですが、
1つの素材を違うアプローチで2皿で表現し、
その違いを比較しながら同時に楽しむというコンセプトどうり、
多種多様なお皿で構成されたあまり類をみないコースでした。
確かに皿数も多く、一度にいろいろな調理法で提供してもらえるのは楽しいんですが、
結局シェフが伝えたかったのは何だったのか、あまり印象に残らないわけなんです。
特に店名にもなってる「ありのまま」という意味は、
様々な解釈はあれど、このコースから読み取るのは難しい感じ。
もちろんコースはこれだけではなく他にも2種類あるので、
単に今回はコースの主旨と自分が望んでたものと、
ちょっとピントが合ってなかったような気もします。
オマールにしても鴨にしても、技術の高さや的確さは明確なので、
次にもし機会があれば、シェフの「ど直球」を食べてみたいなぁ・・・と思います。
メッセージは発信するだけで終わりでなく、
受け手がちゃんと受信できて初めて理解し交われるものです。
つくづく、人に伝えるっていう作業もですが、
受け取る作業も難しいもんだと考えさせられる夜でした。
by monsieur-enfant
| 2010-09-21 23:19
| ア ニュ