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なないろめがね

粋な計らい。

今日は無理言って臨時休業とさせていただいてます。
皆様、くれぐれもお間違えのないよう宜しくお願いします。

・・・って夜中にアップするはずだったのにパソ前で寝てしまいまして、
起きたら「あれ・・・今日でしたっけ?」ってな銀行さんとアポが入ってまして、
で、「忘れてた!!」的な感じで、新しい厨房の保健所の申請を忘れてまして、
今日の今日で何とかお願いします・・・・とお願いしていたところ、
今日届く荷物の受け渡し時間に帰宅できず、
なんだかなぁ・・・・てな感じで急いで書いてます。

ま、段々バレてきてますけど、コックコート着なけりゃスイッチ入らず、
スイッチ入らなければホントにダメな36歳。
皆様に迷惑をかけながらも、支えていただいて生きております(笑)

さて、定休日前の土日、ボジョレーのイベントもありましたが、
たくさんの方に来ていただき、特に日曜日は久しぶりに外に人が並ぶ様を見ました。
先にちょろっと書きましたが、
この日は僕にとって特別な日だったので本当に嬉しかったです。
その特別な日に、いっぱいお客さんが来てくださったってことは、
粋な計らいをしてくれた「シュクレクール」という店に、
少し恩返しが出来たような気がしたからです。

6年前、岸部で始めたこの小さな赤い店。
厨房は、僕とヘルプの子、たった2人、実質1人のスタートでした。
何度か書いたこともありますが、開店資金の相談に行った時に、
「なんでこんなにお金がないのにお店をしたいなんて思うの?」
って、公共の窓口で普通に質問されるくらいお金がなかったんです。
「お金がある人は借りに来ないんじゃないですか?」と言いましたが、
僕、ほぼ一銭も持ってなかったんですよね。
なんとなく「借りれるのかなぁ・・・」って思ってた世間知らずの若造でした。
実際、最初に審査を受けた結果は、
「この度は御縁が無かったということで・・・」みたいな、
案外遠まわしの断りの封書が届いたのを覚えています。
機材のほとんどを新品はおろか中古機材屋さんでも買えず、
せっせとヤフオクで集めた厨房は、
幅も高さもバラバラのパッチワークみたいな厨房となりました。
同じ時期に東京などで華々しくオープンしてるお店の厨房を見るたびに、
「どうやったら初めからあんなにお金がかけれるんだろう・・・」と不思議に思ったものです。
ただ、一度借り入れも断られてる身でしたので、
オープンできるだけでも有難いという気持ちのほうが強かったので、
羨む感情は湧かなかったですけどね。

基本、僕1人でやるために、考え、工夫して作った厨房。
1人、2人と人も増え、最初じゃ考えられなかった数のパンを焼き、
現在6名のスタッフを抱えるにあたって、
その人数が有効に働ける厨房に変える必要性に数年前から迫られていました。
皆さんからも見える、ショーケースの裏のこの景色が大きく変わる日がやってきたんです。
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その境の日がボジョレーのイベントの日でした。
あまり意識はしてませんでしたが、徹夜中の朝3時半くらいに、
場所がないので外の暗がりの中1人で作業してる時に、ふと思ったんです。
「あ・・・、そういえばこの厨房で働くのもこの土日で最後なんやなぁ・・・」って。
新しい厨房にはようやく洗浄器も入り、大きなミキサーも入り・・・と考えていると、
ずっと手洗いで洗ってくれてたスタッフのことや、小さなミキサーで四苦八苦してたこと、
狭い厨房の奥のスペースに段ボール敷いて仮眠をとってたこと、
「暑い暑い」と言われながらもクーラー一つ入れ替えることも出来なかったこと、
夜中に立ったまま寝てはひっくり返ったり、
前に倒れて眼鏡を突いてレンズを割ってしまったり、
クロワッサン折りながら、生地を分割しながら、
とにかく立ちながら寝てたというか寝ながら立ってたというか、
よく身体がもったなぁ・・・ってな日々を思い出します。
懐かしくもどこか寂しい思いで感傷に浸ってたその時に、
「あ・・・、もしかしてシュクレが僕の為にこの日を当ててくれたんじゃないかな?」
そう思ったんです。

僕、なかなか厨房に入りっぱなしというわけにはいかなくなってきてますし、
厨房に入りっぱなしというのが一概にベストではない環境や組織にもなりつつあります。
ですので普通の週末なら、
こんなべったりシュクレと一緒に過ごすことも無かったことでしょう。
こんなイベントの日だからこそ2徹となり、
更にたまたま結婚式に参加するために抜ける子がいたために、
しばらくやってなかった仕事にも触れることができ、
またそこからいろんなことを思い出しながら時間を過ごさせてもらいました。
それらを振り返るとね、
全てはシュクレクールという店からの粋な計らいだったんじゃないかと思えたんです。
こいつはこいつで生きてて意思があるんかなぁ・・・って、たまに思うことがあるんです。
いろんな出会いやドラマを生んでくれる、優しく頼もしいヤツなんですよね。

最終日、たくさんの方に来ていただけたことは、
そんなシュクレクールにせめてもの恩返しができたんじゃないかなって思います。
店にお客さんが溢れ、厨房にもたくさんスタッフが増え、
「シュクレクール」の名の下に、たくさんの方々が集ってくださり、
さぞや喜んでくれたんじゃないかと思うわけなんです。

営業が終わったシュクレクール。
今日はちょっとセンチな気持ちになりました。
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・・・・って感慨に浸りながら裏の出口を開けると、
「あ!!」
僕が間が悪いのか、スタッフが間が悪いのか、
扉の向こうには僕の6年の労を労おうとオリーブの木のプレゼントを抱えたスタッフが、
今まさに厨房の僕に届けようと扉を開ける前に打ち合わせをしてたとこだったみたい(笑)
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6年前を知るものは、今の厨房には母親しかおらず、
ボジョレーのイベントに便乗した形になりましたが、
良い締め括りをしたく普段以上の限定品を頑張って作りました。
ひっそり僕だけの区切りの日で、僕の胸の中だけで終わるつもりでしたが、
スタッフたちの温かい心遣いに、1人だったら泣いちゃってたくらい嬉しかったです。


ただし、
「何でオリーブの木なの?」の問いに対して答えた、
「花束だと枯れますし、これからも成長していっていただきたいので」という言葉だけは、
そっくりそのまま君らに返しますね(笑)
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by monsieur-enfant | 2010-11-24 13:33 | シュクレクール