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なないろめがね

第二回 聴覚障がい者向けお菓子教室

やっとGWも終わりましたね・・・。
皆さんは良い連休を過ごされたのでしょうか?
うちも、先日の記念Boxを買ってくださった方が初めて店に来て下さったりと、
GWならではの遠方のお客さんにもお会いできた数日間でした。
4連休ともなると、今のうちの製造体制では相当キツイのですが、
スタッフも頑張って何とか持ちこたえてくれ、
明日からはささやかな代休に入らせていただきます。

さてその前に、ちょいちょい書き足してきてようやくアップ出来る記事があります。
皆さん、覚えていただけてるでしょうか?
ちょうど一年程前に、「聴覚障がい者向けお菓子教室」を開催したことを。
それから丸一年経とうかというシュクレ周年直前の慌ただしい木曜日、
待望の「第二回」を開催させていただきました。

この日も会場は前回同様、ハービスにある「はぴeプラザ」。
個人ブログとかまでは規制できないけど、
こういう活動の際、会場の名前は出さないで欲しいんですって。
母体が関電さんなんで「他所の協力してる場合か」的な空気があるようなんですが、
じゃ、何もしないことで一体何が生まれるというんですかね?
自粛ムードみたいなのって、結局世間体に対する保身でしかないと思うんですが。
「こんな店になりたい」「こんな会社になっていきたい」と思うなら、
正しいと思うことを貫く信念と、過ちを繰り返さない自責の念と、
批判を受けようがしっかり別々の事として歩んでいかなければ、
自分たちの描く未来は決して向こうから歩いてきてはくれないわけです。
こんなセコイことに規制をかけて、説明責任すらまともに果たせないんじゃ本末転倒。
僕ら世間もキチンと「良いとこは良い」「ダメなとこはダメ」の見極めをつけて、
やたらめったらひっくるめて世論に紛れて批判するクセを治さないと、
結局は「反省してます」的なポーズをとられるだけで、
建設的な話の全く出来ないアルマジロ状態に追い込むだけになっちゃいます。
まぁ、問題に直面してる当の本人からすれば大きなお世話なのかも知れませんが、
世の中の批判の対象になってるだけでなく、
関連施設を使わせてもらった一時の活動が、
大きな喜びや初めての体験を生み出す場所になっていることも、
心の片隅に留めといて下されば幸いです。

さぁさぁ、気を取り直していきましょうか。
一年ぶりとなる第二回目のお菓子教室。
この日も23名の方々が集まってくださいました。
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あの・・・、先に言っておきます。
僕、ここで撮った写真全部消してしまいまして・・・。
なので画像拝借して書いてますので、なんと言いますか、
「そこ写せよ!」みたいな部分が欠けてたりもしますが大目に見てくださいね。

ま、今回は細かい画像は良いんです。
なぜなら画映えする方がおられるからです!
今回お願いし快諾していただいた講師は、この方!
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説明不要の有名処、三田の「パティシエ エスコヤマ」の小山シェフです!

で、右上ら辺で影薄く写ってしまってるのが僕ですね。
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見入ってるだけで、決してつまらなそうにしてるわけじゃないですからね(笑)
それにしても、出てるオーラが違い過ぎます・・・。

エスコヤマさんと通販のフェリシモさんで共同開発された、
一般の方々向けに販売してるお菓子作りの通販セットの中から、
その中に入ってる「パティシエパウダー」なるものを使っての実演。
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この「パティシエパウダー」を使ったお菓子作りセット。
動機が素敵なので書かせてもらいますね。

小山シェフ宅、やはり冷蔵庫はお菓子でいっぱいなんだそう。
試作だとか、ちょっとしたロスとかでも、そこそこの量になりますからね。
でも3人のお子さんにしたら嬉しいことじゃないですか。
コヤマファンにしてみたら、夢の冷蔵庫ですよね(笑)
でも、ふとお子さんが洩らした一言。
「お母さんのお菓子が食べたい」
なぜ?エスコヤマのお菓子です。お母さんのお菓子より美味しいでしょ?
「このお菓子はお客さんの為に作ってるお菓子でしょ?
僕だけのために作ってくれた、お母さんのお菓子が食べたいの」
小山シェフ、ハッとされたそうです。
その体験を元に、「お店で買ってきたのを食べるだけじゃなくて、
お母さんが家で手軽に美味しいお菓子を子供たちに振る舞えないだろうか」
そう考えるようになり、フェリシモさんとの協力で出来上がったのだそう。
素敵な話でしょ?普通はなかなかそこから商品化まで漕ぎ着けれないもんです。
想いやアイデアだけで終わらずに、具現化し世に送り出しちゃうんですから、
本当、すごい行動力と実行力ですよね。

ちなみに、うちのスタッフで一名、定期購入してる人発見しました(笑)

さて話は戻りまして、
前回もそうでしたが、やっぱり皆さんの集中力がスゴイですね。
それもそのはず、僕らなら余所見をしてても何となく声は聞こえますが、
他に目線を逸らしてたら、その間の情報は流れていってしまうわけです。
この様子を見てると、どれだけ僕らが日々、
揃った機能に甘んじてるのかと考えさせられます。
うちのスタッフにもよく言いますが、「見る」と「見えてる」は違います。
そして「聞く」と「聞こえてる」も違います。前者には意思が入ります。
意思の入らない機能なら、視界に入ってても見えてません。
同じく、聞こえてるはずなのに記憶には残りません。
「見ようとする」とか、「聞こうとしてる」とか、
そこに「意思」が入ってるか否かで情報収集能力は大きく変わります。
じっと集中して眼から情報を得ようとしてる姿を見てると、
やはり僕ら健常者は、見えてることや、聞こえてるってことに、
知らないうちに甘んじてしまってるんやろなぁ・・・と思うのです。

最初は不慣れな雰囲気に「緊張した」と仰ってた小山シェフでしたが、
まずはホットケーキ、次にロールケーキと、
さすがの段取りで手際でテンポよく進めていかれます。
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貴重ですね・・・、嫌っていうほど世に出てる「小山ロール」、
その小山シェフ自らが巻く一本のロールケーキ。
僕、ロールケーキとかあるお店で働いたことないので、
間近で見るの初めてで新鮮でした。くるっとね。こう・・・くるっとね。

さ、シェフの実演が終わったら、今度は実習。
みんなでホットケーキを焼きます!
その頃には緊張も解けた小山シェフ、積極的に皆さんのもとへ。
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ホントにね、お会いさせていただく機会があるたび思うのは、
何て言うか、内側から強烈に溢れ出るバイタリティと言いますか、
エネルギーの放熱量が半端ないですわけです。
そこは強烈に刺激になりますし敵わないなと思いますし尊敬しているわけです。
基本卑屈で、内側に籠り、他者との関わりに積極的でない僕には眩しくみえます。
で、ホットケーキにロールケーキ、久しぶりに見ました。
傍で見てて改めて思うのは、「なんてキャッチーなんやろ・・・」。
こんがり焼けて行く様、くるくる巻かれて行く様、
みんな知ってて、ほとんどの人が食べたことがあって、
何ならホットケーキなんて幼少の記憶まで何となくあったりして、
皆さんキラキラした眼で見てましたもん。アイドル見てるみたいに。
それに比べて・・・・僕が講師になったら何したらいいんやろ・・・と、
「地味専」で知られるシュクレクールに、
「キャッチー」の欠片もないことを痛感しておりました(笑)

ホットケーキの実習も滞り無く進み、皆さんホントに上手で、
要領の分かった二枚目は、ほとんどの方が美味しそうに焼けてましたよ。

香ばしい良い匂いが教室中に立ちこめたところで、
紅茶をいれて、いただきます!
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皆さん、あっちこっちで「美味しい!」「美味しい!」と喜んで食べてました。
この笑顔、・・・・もう見てるだけで十分です。

美味しい時間が過ぎると、小山シェフに質問に行ったり、
はたまた記念撮影をお願いしてみたり、
今日という時間を目いっぱい楽しんでもらえてたように思います。

そんな時、小山シェフのもとに歩み寄った女性から、
「予約ができないんです・・・」との言葉が。
今現在、エスコヤマでは電話での予約しか出来ません。
耳の聞こえない彼女には予約する手段がないのです。
「すいません、早急に対処するようにします。」
そう仰った小山シェフ。後に僕に「昔はFAXもあったんだよ」と。
いろんな手段を通じて沢山の方に予約をしてもらえるよう、
最初は電話とFAXの併用だったんだそう。
ただ、FAXでのやり取りは「送った、届いてない」の問題が多くなり、
良かれと思って始めたことによって逆にお客さんを不快にさえてる矛盾を感じ、
FAXでの予約は止めて、電話での予約一本に変えたんだそう。
「あ~~、そんとき思い浮かばへんかったぁ~~」と小山シェフ。
そうです、見えないFAXの向こう側に、
予約手段を断たれてしまった耳の聞こえない方々がたくさんおられたんです。
でも、ほとんどの飲食店の方も気づくことはなかったと思います。
悪気はないですし、拒んでるわけでも決してないのですが、
そもそも意識の中に「障がい者」の方々の存在が入ってないのが、
哀しいかな日本の社会における一般の方々にも言える現状じゃないでしょうか。
もし自分がFAXやメールでしかやり取りができない状況だったとして、
店のHPなどに「お電話のみの受付となっております」と書かれていたら、
一体どう思うのか考えてみて下さい。僕なら「疎外されてる」と感じるでしょう。
でも、実際障がい者の方々にとっては、そういったことは日常茶飯事で、
健常者の無知による「悪気の無い行為」を、
あらゆる日常の場面で数限りなく体験されてきてるわけです。
難しいことは言えませんが、
僕たちがちょっと意識するだけで、ちょっと知る努力をするだけで、
もっともっと生き易くなる社会になると思うんです。
難しいことではありません、
皆さんが意識し関心を示すことは、たった今からでも出来ることなのですから。

その後、小山シェフの熱のこもったお話あり、
協賛していただいたフェリシモさんのお話あり、
一応主催ということで、しどろもどろの僕の話あり、
・・・ナシでも良かったかな(笑)

最後にみんなで並んで記念撮影をして、
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フェリシモさんに提供していただいたお土産を、
小山シェフから直接いただいて、
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今回も何とか無事終了の運びとなりました。

先に書いたように、最初は「緊張してた」という小山シェフ、
終わってご挨拶に伺った最初の一言が、
「この会、本当にやって良かった。また声かけて。」でした。
いやぁ・・・・、素直に嬉しかったです。
主催者側としましては、参加者だけに喜んでいただいても違うと思うんです。
何かをしてあげたとかいう一方通行のアクションでは何も生まれません。
やっぱり講師として立っていただく方にも何か感じてもらい、
障がいを持った方々とシェフの方々、
お互いが「知る」というきっかけの場を作りたいと願って開催してるわけです。
前回今回と、参加してくださった方々に喜んでいただけてるのは確信しました。
今まで無かった機会を提供出来てるという充実感もいただいてます。

飲食業ならではの「本業を通じた社会貢献」、その道が見えたのが一年前。
そこに今回、様々な精力的な活動をされてる小山シェフに引き受けていただき、
僕の中では、「小山シェフがどう思われるか」は、
この活動の意義を確認する為の大きな指標でもありました。
「本当にやって良かった。また声かけて。」
小山シェフにかけてもらったこの言葉には、大きな勇気をいただきました。
サポートに来てくれたエスコヤマのスタッフさんも、
「すごく良い経験をさせてもらった」と喜んでもらえました。
それは何かを「してあげた」では絶対に感じ得れない感情だと思います。
僕たちにも、学び感じることがこの触れ合いの中にはあるんだと確信しました。

見て下さい、会場を出られる際の晴れやかな表情。
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ま、若干良い写真チョイスしてるってのもありますけどね(笑)

参加者の感想の中に「一生の思い出になりました・・・」という言葉があったように、
本当にこうした機会は聴覚障がい者に限らず、広く開かれてないのが現状です。
僕らにとって世に溢れてる「当たり前」と思うことでも、
はたしてどこまでの範囲が誰にとっての「当たり前」なのか・・・、
考えるきっかけになってくれれば幸いです。

この会の終わりの挨拶で、実はブログを見て下さってる皆さんより一足先に、
僕が立ちあげたNPO団体の簡単な説明を含めた発表をさせていただきました。
前回ブログで匂わせた後
「何するか全然触れてなかったですね」と書きましたが、
ブログ読み返してみると、とんでもない、
既に一年前にほぼ明確に心は決まってましたね(笑)
その最後に「ざっくり5ヶ月くらい・・・」と書いてる自分に言ってやりたいです。
「丸一年かっかてるから恥ずかしいから書かんといて」、と・・・。

改めて一年前の記事を読んでみて、
そして今回の会までの道程を振り返ってみて、
「自分一人の思い上がりでは無かった」と強く思わせてもらいました。
そして、ようやく、本当にようやくですが、
皆さんにお披露目できる目処が立ちました。
5月20日(日)、この場所にて正式発表とさせていただきます。

是非、僕らの想いに触れにきてください。
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by monsieur-enfant | 2012-05-08 02:31 | とりとめなく・・