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なないろめがね

釈明会見

僕らの年齢、
体力的な20代の貯金は確実に使い果たしてきてます。
歳と共に経験を重ねたとしても、
それを実行するには知力ともう一つ、体力が不可欠です。
40代、これから実現していかなきゃいけないことだらけ、
このままじゃイカンなぁ、もっかいここらで作りこまなきゃなぁと、
常々思ってたんですが、ジムとかなると全然続かない。
大体、年1回のペースで辞めてます。4年で4回(笑)
一応、月1でフットサルを店の子らと無理やりやってるものの、
正直その後の一杯の幸せのために汗かいてるようなもの・・・。

先日、友人のシェフともそのような話になり、「水泳を続けてる」と。
水泳はね・・・・、こう見えて軽い潔癖症なんで、
ロッカールームが少しでも不潔だと耐えれないんです(笑)
でも、冷静に考えてみると、水の負荷のかかるスポーツなので、
有酸素と筋トレを同時に行うようなもの。
これなら、まとめて短時間で済ますことができそう。
しかも、徒歩3分くらいのとこに、プールがあったはず。

「あそこのパン屋さんの人でしょ!?」
「あ、はい、そうです。すいません。」
コナミとかの大手じゃないので、
地元の人が働いてたりとアットホームな雰囲気。
小さないけど綺麗なジムスペースもあって、更衣室も広くて綺麗。
でも、今回延々と書いてきてるのは、そういうことじゃなくてですね。
僕をパン屋の人だと見破った受付のお母さん、
「息子がブログをずっと拝見してて」と。
「『あの人が書いてるお店は間違いない』って、
連れてってもらったりしてたんです」、と。
僕のブログを参考に、息子が母親を食事に連れてくなんて、
なんとも微笑ましく、なんとも嬉しいじゃないですか。

「でも、最近あまり書かれないですよね」

やっぱりよく言われるんですよね、こういうこと。
「こんな方にも読んでいただいてたのか・・・」
と思うような方からも、急に言われたりして。
ありがたいことに、
いろいろな方々に読んでいただいてたようです。

自分の中に思うこともあり、更新頻度は少なくなり、
食べ歩きのようなブログは全く書かなくなりました。
ま、僕のような一個人が書いてたものですので、
いちいち「何故かと言いますと・・・」などと、
説明するのも仰々しいですし。
・・・・そう思ってたのですが、
「なんでだろ?どうしたのかな?」
と思ってらっしゃる方もおられるようで、
未だ再開するのを待っていただいてる方もおられるようで・・・。



ですので、少し書いてみようかと思います。
長くなりますよ。


元はといえば、始めたのはシュクレを始めて3年目。
目新しさも手伝って、途切れることなく、
毎月何らかの雑誌に掲載していただいてた、
まだまだシュクレが「もの珍しい店」として世間に馴染めずにいた頃。
え・・・っと、馴染めないまま9年経ってる気もしますが(笑)

ただ、そのうち違和感が生じてきました。
掲載してもらえるのは良いのですが、
どの雑誌のライターさんもまともに想いを伝えてはくれない。
ま、僕の中での「ライター」という仕事に対するイメージが、
「言葉を操り、ハッとするような表現で、
僕らを世に紹介してくれる人」」ってな、
勝手なイメージを持ってたもんで、当然そのギャップもありました。
何人かは、猛烈に詰め寄ったりしました。
泣かせてしまった方も数人じゃききません。
校正が多すぎて、ほぼ僕が書いたようになってしまった記事もありました。

ま、後になって、
ライターさんも雑誌によって求められることも違うし、
いろんなお店を書くにあたり、どこも良く書かなきゃいけないなど、
決して思うままに書けるわけじゃないことも知りました。
「あぁ、なるほどな・・・・」、
ほとんどがそう思えない書き手さんばかりでしたけど。

「じゃ、自分で書こう」
そう思ったのは、先に書いたようにオープンから3年目。
そのタイミングでHPを作成し、ブログも書くようになりました。

・・・・ただ、必要に迫られたから始めただけで、
どうやって電源入れるのかとか、
逆に急にボタン押して電源切ったらいけないとか、
パソコンまともに使ったことなかったくらいのレベルでしたので、
最初は一つの簡単な記事をアップするのにも、
平気で5時間くらいかかってました・・・。

経緯が経緯なので、文章はめちゃくちゃ真剣に書きました。
そうです、なんだかんだ言い放ったライターさんに読まれて、
「お前、人のことよう言うたな」って思われたくなかったから。
んんん・・・・・いや、逆ですね。
素人だってこれくらいは書けるよって充てつけだったかも(笑)
でも、「しっかり書かなきゃ」ってモチベーションになったのは確かです。

もちろん、上手じゃないのは自覚してます。
本職の人らに敵うとまで勘違いしてません。
でも、僕は常々「パン職人である前に、表現者であれ」と言っています。
と言うことは、文章を書いたり、写真を撮ったり、
技術の部分は敵わなくても「表現」という部分で、
簡単に「敵わない」ではいけないと思うんです。
上手な文章は書けずとも、上手な写真は撮れずとも、
「想いを伝える」ことすら出来ないのでは表現者とは言えません。
そう思って書いてきました。

その頃、世に「食べログ」なるものが出てきました。
同じタイミングで、同世代が店を持つようになりました。
良い効果が無かったとは言いません。
「レビュアー」と呼ばれる人たちの中には、信頼できる人もいました。
ただ、このサイトの出現は、
投稿してない人にまで影響を与えたような気がします。
お店を、純粋に楽しもうとして来るお客さんが一気に減りました。
何を勘違いしてんだか、頼んだわけでもないのに、
「評価する」というスタンスがありありなつまんねぇ客が増えました。

オープンしたてで、世間にも認知されていなかったり、
HPやブログなど発信する手段も持ってないお店にとっては、
食べログの投稿は致命的なことになりかねませんでした。
長さも厚さもない自分だけの物差しを当てて測り、
好き勝手書く側も問題ではありましたが、
残念ながらその情報の信憑性を自分で判断出来ず、
簡単に鵜呑みにし流される読み手側にも危機感を感じました。

もちろん、そんなデカいサイトに、
僕のような小さな声が立ち向かえるはずはありませんでしたが、
せめてそのお店のシェフが、どんな想いで毎日働いてるのかという、
真実を一つ記せたらな・・・そう思って書いてました。
お皿がどうこう、店のこの部分がどうこう、
そういった目先のことではない部分を理解しあうことに、
本当の「店と客」の関係性が生まれると信じてます。
発信力は小さくても、
分かってくれる方は分かってくれると思ってましたし、
せめてここを読んでくれてる、うちのお客さんには、
そういう目でお店と向き合っていただきたかったので。

何度も書きましたが、
店の都合を押し付けてるわけではなくて、
良いスタッフと良いお客さん、両方が揃わないと、
「良いお店」は作れないんです。
店側が美味しいものを作るのは最低限のこと。
でも、それだけが「良い店」では決してないように、
美味しいか不味いか判断する味覚を持つこと、
それだけが「良い客」の要素ではないと思うんです、今でも。

なので、僕の中では「食べ歩きブログ」では、なかったんです。
「食べる」ことは半ば仕事でもありましたし。

で、それを書かなくなった理由は、
一つは、やっぱ強烈に労力を使うのです。
今まで書いた中にもあったように、書くことにも理由がありましたから。
日記のように「どこどこに行きました。美味しかったです」では終われない。
となると、やっぱり最初は4~5時間、
慣れてきてからも3時間はかかるわけです。
「よく書く時間あるね」と言われるたびに、
「そんなもんねーよ」と思ってました(笑)
必要だと思わなければしないんでしょうけど、
僕は必要なことだと仕事として組み込んでいたので、
仕込みが終わらなければ帰れないのと同じで、
書き終えないと帰れない、そんな生活だったように思います。

今は、そこに意義を感じなくなってきました。
というより、やり終えた感があるんです。
それは達成感とは違うんです。
時間の移ろいの中での「やり終えた感」。

例えば、今書いてたような「飲食」に関することなどは、
もう行くお店も限られてきて、
自ずと書くことも同じようなことになってしまう。
twitterやFacebookなど、
個人で気軽に情報発信できるツールも増えましたし、
いろんなもの削ってまで、僕がここで書く意味も、
時間と共に薄れてきたんじゃないかとも思います。

でも、かと言って何も思わなくなったわけではありませんよ。
同業者、いわゆる「パン屋さん」、時には「お菓子屋さん」、
そこらに度々向けられてたブログの中での言葉、
それは残念ながら今でも変わってません。

特に「ブーランジュリ」や「パティスリー」、
そう付けてりゃフランス的だと勘違いしてる連中は後を絶ちません。
中には「パティスリー」と名乗っていながら、
わざわざ「フランス菓子専門店」と注釈をつけてるバカもいる。
「それを『パティスリー』と呼ぶんやろが、どあほ」、
今でもそう心で叫んでる。でも、キリがない。みんな自分のことばっか。

大阪で、いや関西で「パティスリー」なんて、まだまだ芽が出た頃くらい。
東京のように、しっかりとした系譜があるわけでも土台があるわけでもない。
だからね、僕らの世代が20年踏ん張って土壌を耕さなきゃいけないんです。
その間に、多少芽が出やすくなった土壌から、
新たな若い目が出てきたらいいんです。
本気で、大阪にそんな文化を根付かせようと願うなら、
僕らの世代が、捨石でいいくらいの覚悟で挑まないと何も刻めませんよ。
ま、「ブーランジュリ」なんて、残念ながらその土俵にも未だ立てずですけど。
いつまでたっても、つまんねぇ業界です。

「フランス」に敬意を払い、
「フランス」一本で勝負してるレストランやビストロ。
そこには「キュイジニエ」と呼ばれる職業があるのです。
では、「ブーランジェ」は?
フランスの食文化をつかさどる職業の一つとして、
胸張って「キュイジニエ」と、
同業者として並ぶことができる「ブーランジェ」が何人いますか?
「和」と「仏」の混合を、これほどまでに正当化してる業種は知りません。
フランス料理の看板掲げるとこに食べに行って、
そこにカレーやオムライスやスパゲティもあったら違和感あるでしょ?
パティスリー名乗るお店で、オペラの横におはぎがあったら変でしょ?
でもブーランジュリ名乗ってても、
クロワッサンの横にアンパン並べるのは平気なんですよね。
そこだけは「日本だから」って言うんですよね。
じゃ、そもそも何故ブーランジュリなんだ?って話です。
そういうとこ、未だに理解できません。勝手やな・・・って思います。

・・・・・・的なことをね、
30代前半から言ってきてるわけですよ。
その人間が、気付けば来年40になります。
10年もね、同じ人間が同じ事を発信し続けるべきではないと思います。
なんか、それはとてもナンセンスなような気がします。
もう、僕は「そこまで言わんでも」ってくらい、散々言いましたしね(笑)

でもね、拙いブログでしたが、
書かなければ100人中100人、何も起こらないわけで、
でも書いたのに100人中100人、何も起こらないのなら、
本当に書く意味はありません。
その中の一人でもいいんです、何かを感じてくれたなら。
賛同して欲しくて書いたわけではなくて、問題提起をしてきたつもりです。
何かを伝えたい時は、あえて鋭角な言葉をチョイスして、
突き刺すように綴ってきたものです。
それは「考える」ことを促したかったから。
対象は、お客さんだったり、飲食店側だったり、
若いスタッフに対してだったり、時には自分自身に対してだったり。
でも、何度も言いますがそういうことは、
もう次の世代以降に移行していかないとね、って思うんです。

こういう発信には、潮時はつき物でしょ。
今は横田という人材も入り、シュクレ通信やFBなど、
僕以外の人間が「シュクレクール」として発信するようにもなりました。
岸部という場所から、
精一杯叫んできたつもりです。
誰に届くかもわからず、
何になるかもわからず、
でも、自分が思うことを書き綴ってきました。
その結果、ブログを読んで店に来てくれた方や、
店には来たことないけどブログは読んでくれてる方(笑)、
このブログのおかげで繋がった方も少なくありません。
半面、不快になられて来なくなった方もおられるかもしれません。
でも、「選択される」とは、選ばれることだけではないんです。
選ばれないことだって、選択の中に入るんです。
「主張しておいて、非難は勘弁」みたいな、
生半可な気持ちで書いてたわけでもありません。
お客さんがお店を選ぶことは出来ますが、
僕らは選ぶことは基本出来ません。
でもね、全く価値観の違う人間を招いてしまうことによって、
接するスタッフが嫌な時間を過ごさなきゃいけなくなるわけです。
なんかね、それも違うんちゃうかな・・・・と。

このブログは、そういった意味では、
ささやかな店側の「ふるい」の役割も果たしてたのかもしれませんね。
過去の記事を見返すと、書いた本人が「マジか!?」って思いますもん(笑)

最後に、
「店と客」としてではなく、
「人と人」としてお付き合いしたいと考えた時、
不特定多数のお客さんに何かを望む前に、
まず僕ら店側が「人」にならなきゃ・・・という主旨でスタートした、
この開けっぴろげブログ。
つまり、何を売ってるのかよりも、
何を考え、何を思ってるのか、何はオッケーで何はノーなのか、
すなわちそれは、店というどこか無機質な存在に、
意思と人格を持たせたいと思ったことが始まりでした。
だから、案外赤裸々に書きました。ええ、書きましたとも(笑)
「嫌なものは嫌」とも書きました。
どうしようもなく苦しいときも書きました。
知りたくもないようなプライベートのことを書いたこともあります。
でも、そうやってこっちから開いていかないことには、
待ってたっていつまでたっても扉は開きません。

幸い、店だけのお付き合いなはずなのに、
なんかスゲェ僕のこと知ってる人も出てきました(笑)
よく読んでくださってて、よく覚えてくださってる。
書いた僕のほうが忘れてることのほうが多いくらい。
でも、そういうことからも、一方向に限らず、
いろんな角度から思うことを綴ってきた結果、
僕という人間やシュクレクールという店を、
ある程度、立体的に捉えやすかったのでは?とも思います。
もし、そうだとしたならば、少しは書いてた甲斐があったというものです。
そして、今回も、こんなクソ長い文章を、
最後まで読んでくださった方もおられるわけで。
感謝しかありません。本当にありがとうございました。

あ、ブログを閉鎖するわけではありませんよ。
ただ、どっかで「今までのような」切り口を待たれてる気がしたので(笑)、
もうそういう感じのはないですよ・・・・ってお話。
次からは、いよいよと言いますか、やっとと言いますか、
今年のフランスでの出来事をサクッと綴っていければと思ってます。
また、ダラダラとお付き合いしていただければ幸いです。
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by monsieur-enfant | 2013-10-06 19:27 | とりとめなく・・