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なないろめがね

同姓同名ですが、全くの別人です。みたいな感じです。

シャバタの記事にも書きましたが、
リニューアル前に6種類あったハード系の生地、
リニューアル後の今、3種類に絞りました。

もちろん、うちの看板であるバゲットは健在です。
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バタールやエピ、地味に大人気のタルトフランベなどが、
以前から継続して、このバゲットの生地を使ったパンになります。

しかし、上記に入ってないパン、たくさんありますよね。
うちに来られるお客さんは、
パン自体の味や香りを楽しみに来て下さる方が多いのですが、
また一つ、別の楽しみとして、
数種の具材を練り込んだパンがありました。
それらのパン、以前はほとんどバゲットの生地で作ってましたが、
リニューアル後から生地を変えました。
そして、その生地は1.2キロの大きさのパンとして、
リニューアル後のシュクレクールの変化の象徴として、
ふてぶてしくショーケースに鎮座しております。
「パン グロ ラミジャン」
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あ、「グロ」は店頭では付いてませんね。
デカいパンには付けるんですが、
面倒くさいので「パン ラミジャン」で統一させていただきます。

「この子、前にもおったやん」と仰る方。
正解であって不正解です。
この子、鑑定の結果、合致するのは粉の配合だけ。
あとは根本の製法から全くの別人。
うちのパンの中でも特殊な製法をチョイスしています。

このパンが生まれたのは3つの出逢いから。
一つは、岡山、吉田牧場の全作さんと息子さんの原野さん。
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一つは、千葉、エコファームアサノの浅野さん。
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お名前は存じてましたが、
昨年の夏、本当にたまたまなのですが、
続けてお会いする機会に恵まれました。
なかなかお二人のような年代の方と話す機会がないので、
それだけでとても貴重で有意義な時間だったのですが、
その際に痛烈に感じたのは、それぞれの仕事との距離感。
吉田さんにしても、
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浅野さんにしても、
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ベタベタのスレスレところで携わってます。

僕は、自分の仕事を完全に二つの要素に分けています。
一つは、パン屋である前に、表現者であること。
パンという媒体はあくまで手段であって、
それらを通じて何を伝え、何を届けれるのか。

もう一つは、自分は生産者であるということ。
キュイジニエやパティシエのような、
「作る」もしくは「創る」仕事ではなく、
どちらかというと、
吉田さんや浅野さんに近い「育む」仕事だと思ってます。

ですが、お二人にお会いして思ったのは、
なんだか自分の仕事との距離が、遠いなあってことでした。
製法としまして、僕がパリで学んだ恩師のお店は、
とても理にかなってて、「よく考えられてるなあ」と、
今までも他の製法をやってみるたび思わされていたのですが、
どちらかというと、システマチックな部分もあるんです。
なので、僕の思う「生産者である」というスタンスが、
言葉としてじゃなく、スタッフの心にどれだけ灯せてるのか、
実感としてどれだけ思わせてあげれてるのかは、
少し不安な部分もありました。

そんな中、お会いしたお二人の姿を見て、
「自分も、もっとベタベタなとこで接したい!」と思わされたんです。
それを体感できるようなパンを作らなきゃ、そう思わされたんです。

そんな思いの中、試してみたことは幾つかありました。
ただ、実際に今の仕事の中に、どうやって組み込むのか等、
結構すんなり進まない問題もあったんです。

で、3つ目の出逢いがありました。
それは、TARTINE BAKARYであり、そのスタッフたちであり、
シェフのChad Robertsonの思想でした。
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そして、以前ブログにも書いたように、
このおおらかなパンを見て思い出したのが、
日本での仕事の中で気づかないうちに薄れてしまってた、
boulangeという人種に宿るマインド。

それらの想いをそっと合わせて生地にして、
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長い時間をかけて繋いであげた後に、
一人一人に分けてあげます。
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ゆっくり安心して休める場所を用意して、
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たぷたぷのまま、おやすみなさい・・・・。
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で、朝まで静かに、おネンネしてもらうのです。。。。

このパンは、今の僕の想いが、
忠実にパンとなって現れてくれたと思います。
おおらかで、
しなやかでいて、
力強く、優しい。
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バゲットが、シュクレクール創設期の象徴であるように、
このラミジャンは、シュクレクールの成熟期の象徴として、
あと10年、時間をかけて育てていければいいなと思ってます。

またの機会に詳しく書きますが、
このパンを使ったホットサンドの販売も始めました。
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シンプルに「美味しい」と感じてもらえる数種を用意しています。
テイクアウトにも対応してますので、ぜひ食べてみてください。

この新しいラミジャンの生地を使ったパンですが、
他にも8種類ありまして。
おなじみだったパンたちも、生地とサイズが変わって、
皆さんとの再会を心待ちにしています。
例えば・・・、サンクディアマンなら、こんな感じに。
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4分の1カットからの販売とさせていただいてます。

あの、今後、そんなに皆さんが期待するような、
いろんなもの混ぜ混ぜしたようなパンは作らないと思います。
もちろん、各季節の懐かしの面々のうち、
何種かはカムバックしてくるとは思いますが、
できればもっと自然体で、
もっとナチュラルなパンを提供したいと思ってます。

例えば、こんな感じの。
「発芽ディンケルのつぶつぶと、カボチャの種と、胡麻のパン」
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確か、そんな名前だったかと・・・。
滋賀県日野町の廣瀬さんの作られたディンケル小麦の麦粒を、
1時間ほど塩ゆでしたものを生地に練り込んでいます。
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あと、ローストしたカボチャの種と、プチプチ香ばしい煎った胡麻と。
なんか、こんな肩の力抜けた、噛み締めてじんわり美味しくて、
尚かつ栄養価の高いものも、食卓に並んで行けばいいなあと思うのです。

そんなこんなで、
長くなりましたが、
「パン ラミジャン」の紹介でした。
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by monsieur-enfant | 2014-04-25 19:13 | シュクレクール