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なないろめがね

リハビリ

この日は、パティスリーのステンドグラスの原画を描いていただいた、
青江 鞠さんの個展に行ってきました。
全く時間がとれなかったんですが、かなりいろいろ煮詰まってた時期でしたので、
仕事の合間に抜け出して行って来ました。
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場所は南港のハイアットリージェンシー大阪。
個展自体は小さなものでしたが、ホントに充実したお顔をされてたのが印象的でした。
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ただ、びっくりしたのが「青江さんの画がない・・・」とさえ思うほど
画風が変わってらしたんです。
ま、聞くところによると、僕との仕事が強烈すぎたらしいのですが(笑)

実は、またどこかで書く思いますが、
「ケ モンテベロ」のステンドグラス、あれは僕の心の中を描いてもらったんです。
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店は僕の頭の中。抽象的にフランスを落とし込んだイメージの世界。
そこを皆さんに歩いて欲しかったんです。
そしてステンドグラスは僕の心の中。
混沌としたブルーは、劣等感やコンプレックスの塊で生きてきた僕自身。
点在する赤や緑の明るい光は「出会い」。
その出会いにより僕は彩られています。
もちろん僕を支えてくれてるスタッフもその灯りの一つです。
そして真ん中の月は、「決して自分で光ってるわけではないんだよ」という戒めを込めて。
エリック カイザー初め、尊敬すべき職人との出会いの光によって、
僕は光らせてもらってる。
ただ、その光を出来るだけ忠実に反射したいと願っています。
そして、飲み込まれるような暗闇の中でも、気が狂いそうな静寂の中でも、
小さな声で「ここにいるよ」と囁いてるような、
そんな月のように光っていたい。

話を青江さんに戻しますが、前は枚方パークのポスターとか、
パナソニックのカレンダーとかのお仕事をされてたんですね。
とってもファンタジックな画を描きはる画家さんなんです。
「そんなんいりません」・・・初対面で言いました。はい、僕です(笑)
「描けないなら描けないって言ってください。他当たりますから」・・・はい、僕です(笑)
基本、馴れ合いとか意味無いと思いますんで。
お互いに熱くなれない仕事なら時間の無駄ですから。
しばらく考えてはりました。
自分を表現する仕事の中で、他人の心を表現することにも戸惑ってたようです。
「無理強いはしません。でも、やったことないからやらない・・では、
結局自分の決めた容量以上の可能性は生まれませんよ」
あ、ちなみにこの時点で青江さんがこんなに有名やったとは知りませんでした(笑)
淡い、パステル調のファンタジックなサンプルを見つめながら、
恐らく「断ろう」と思ったと思います。そりゃむかつきますよね、普通。
でも、なぜ僕が「画風が違うから他の画家さんで。」って言わなかったかというと、
暗闇を知らない人に、明るい世界は描けないと思ったからです。
その世界だけの住民は、その世界が当たり前だと思いますよね?
ですから素晴らしいとも思わなければ、
ましてやそれを表現しようなんて思わないはずなんです。
「暗闇を知らずして光は描けませんよ。
だったらその暗闇の引き出しを僕に開けてもらえませんか?」
そう問うと、表情が一気に変わりました。
「そんなこと言われたことなかった。青江 鞠 イコール 淡いファンタジックな画風。
求められるのはそんな空想の世界ばかり。」
やはりこれほどの方でもジレンマは抱えてはるんですね。
「やってみたい。何か大きく変われそうな予感がする」
そう言っていただいて、やっとステンドグラス作りの一歩がスタートしました。

かなり苦しかったそうです。
やはり何より自分から湧き出てきた感情じゃないことを表現する作業が
難しかったみたいです。
出来上がった画を持ってきていただいた時、
全く別人のような清清しい表情をしておられました。
「いや~、大変やった。」と、笑いながら連発してました。
その表情を見て、「一緒に仕事して良かった」と思いました。
恥ずかしくない店をつくらないと・・と改めて思いました。
正直、画そのものは専門外ですのでちんぷんかんぷんです。
ただ、プロとしてどこまで捧げてくれた作品なのかが問題なんです。
プロとしてどこまで同じ温度で仕事してくれたかが大事なんです。
ま、その後脱力して、全然描けなくなってしまったようですが(笑)

この個展のテーマは「心 KOKORO」でした。
「青江さんの画がないですね」と聞くと
「皆に言われる」と笑ってました。
「でもね、今とっても自然体なの」
僕が何かした訳ではない。
ただの小さなきっかけに過ぎない。
その小さなきっかけに指をかけるもかけないも自分次第。
ただ、小さなきっかけから大きな山さえ登りきってしまうこともある。
でもきっかけにでもなれたら本望です。
良い顔してる人を見れるのは嬉しいことです。
負けないようにしないと。
僕も良い顔してないと。

元気をもらったその足で、海を見に行った。
田舎が千葉なので、潮の香りは祖母を思い出させます。あ・・まだ健在ですよ(笑)
基本、海より川です。透き通るような白い肌は、夏の海には似合いませんから。
ただ、潮の香りは好きですね・・・・。
スーッと気持ちが穏やかになります。
未だに「この先はどこに続いてるんだろう・・」と想いを馳せます。
悩んでることが小さく思えてきました。
心のリハビリ終了です。
さ、また頑張ろ!
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ちなみに青江先生の個展は6月1日までです。
・・・・・すいません、全然間に合いませんでした(笑)
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by monsieur-enfant | 2008-07-11 04:50 | とりとめなく・・