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なないろめがね

仕組まれた「歓喜」

さてさて、とりあえず一度、前回の流れに戻りますね。

西麻布での打ち合わせも終わり、次の約束の場へと移動。
渋谷から、みなとみらい線の終点「横浜中華街駅」への道程も、
これで何回目になるんかな・・・。
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お盆休みに来店した、うちのヴァンドゥーズがえらく気に入って、
「また行きたい」を連呼してる中、
ある雑誌に見開きで掲載されてるのを見つけたんです。
「これはヤバいです!予約が取れなくなってしまいます!」
「あ、そう?」と僕。
そう、これくらいの返事だったはず。
先日辞めたモンテベロの中村を、どうしても連れていきたいらしい。
「そう?じゃ、誘ってみたら?」
中村は、渡仏前の資金難を理由にかなり渋っていました。
そりゃそうでしょ、横浜ですからね、ここ。
残念そうな顔に見かねて言ってしまった一言が、また彼女に火をつけてしまった。
「中村が行くって言うなら、僕も行くよ」
執拗なアプローチの末の、まさかの中村落城。
っていうか落とす前に、もう予約入れてたよね?(笑)
しかも「中村さんの深夜バスは私が払いますから」と言ったらしい。
・・・・ってことは、・・・・その言い回しは、
必然的に僕が食事代を出す流れになってませんか?なってますよね?
はめられた(笑)完全なる確信犯・・・・敵ながらあっ晴れ。
こうして予め仕組まれていた横浜行きが、とうとう当日を迎えたのでした。

「SALONE2007」
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今日は心配事が一つありまして。
「SALONEの顔」というべき藤巻さんが、
新店のオープンに伴い、店にいないというのです。
そのインパクトたるや絶大なので・・・というか、
藤巻さんのいないSALONEが想像できなかったと言ったほうが正しいかも知れません。
一抹の不安が過ぎったのは、僕だけじゃなかったと思います。
それを聞いて若干テンションが下がったのも否めません。
さぁ、どうなることやら・・・・。
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いつものようにワインはお任せ。シャンパーニュからのスタート。
料理もさることながら、イタリアのビオに特化したチョイスは、
他所じゃ飲めないものばかり。
僕の「イタリアワイン」の概念を覆したのは、ここの変態ワインです(笑)

山形牛のスピエディーノ
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藤巻さんの顔を見ると、一気に「SALONE劇場」へと引きずり込まれるのですが、
今日はそれもなく何だかソワソワした感じでしたが、一口でパクッといただくと、
胸ぐら掴まれたかのように世界へ引き込まれます(笑)
ここで実感!!脳が認識しました。SALONEに来たってことを!!
それぐらいエグいっすよ、これ。

鱸のブレザオラと焼きポレンタ
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食感、香りを駆使した、これも「ワールド」を感じる一皿。
今主流の飛び道具も使わず、
これだけトンだ印象を与えれるのはここぐらいじゃなかろうか。
尚且つ、ポレンタを使ったり、ちゃんと自分たちの土俵は踏み外さない。
スタンスがブレない中でのインパクトは、さすがです。

いきなり変態ワイン(笑)
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ホントに説明するだけの知識がないのでスルーしますが、
この濁りは、ワインの下澄みだけを集めて作られたからだそう。
以後、食後酒まで6杯くらいいただくわけですが、
まともな説明できないので省略させていただきます。

鮮魚のヴァポーレ
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山形牛のスピエディーノと並ぶ、SALONEのスペシャリテ。
全く派手さはないものの、身体に沁み入る旨さ。
アイデアだけではない、仕事の正確さや丁寧さが表れる逸品。
この二品で早くも「来て良かったなぁ~・・・」と思わせてくれます。

ミルクのトレネッテ トロペア産赤玉ねぎとペぺローニクルスキ
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卵を使わずミルクで仕込んだ優しいトレネッテ。
酸の感じない赤玉ねぎとの絡みも良かったです。
ペぺローニクルスキって、何やったっけ?ドライピーマンだったかな?

赤海老のサルティンポッカ
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・・・・言葉になりません・・・・と言いながら、興奮してかなり騒いでしまってましたが(笑)
赤海老は、樋口シェフのお気に入りの素材らしく、
好きだからこその生かしきった調理法とプレゼン。
赤海老を満喫させるべく作られた一皿。・・・だけじゃ終わりません。
添えられてるのがトリュフのプリン。
頭から流れ出るほどたっぷり詰まった赤海老の濃厚なミソに、
トリュフのプリンの妖艶なる共演。興奮せずにいられますか!?

その間も、一皿一皿に合わせたワインに容赦なく責められ続ける快楽(笑)
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フォアグラのクッキアイオ
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ワンスプーンでいただくということもあり、
さっきの興奮冷めやらぬままおもむろに食べてしまった・・・・。

ラヴィオローネ 北海道産仔鹿を詰めて
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柿やミントが散りばめられたファンタスティックな料理と思いきや、
ソースはしっかりゴルゴンゾーラ。仔鹿のラヴィオリもド直球。
かと言って離れすぎず纏まり過ぎず。「らしいなぁ・・・」と唸るしかない一皿。

熊本産馬フィレ肉のインパナータ
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見た目のペラペラさを絶する馬肉のポテンシャル。
それらを見た目と共に彩るハーブ類が、口の中でも賑やかに。

食後の一時に、葡萄で作られた桃のお酒。
だって、桃の味なんですもん。葡萄なんですけど・・・・。
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リンゴのストゥルーデルとイチジクのセミフレッド
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充実のミニャ
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今日はハーブティーで。
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こうも各スタッフのモチベーションの高いレストランが、
はたして何件あるだろうか・・・。
理想と現実はかけ離れてるのが現状で、
ここでも何度か嘆きの声を漏らしてるほどの人材難。
頭数を揃えるのも至難の業の中、
温度まで同じ温度に上げていくのは更に至難の業・・・。
藤巻マネージャー不在の中、店を盛り上げようと、お客さんを楽しませようと、
本当にスタッフ皆さんで作り上げてくれた、今日の「SALONE劇場」。
最初の一抹の不安は誠実な接客で取り除かれ、
ここでしか味わえない料理によって惹きつけられ、
いつも以上にフロアに出てきて楽しんでもらおうと振る舞う樋口シェフの姿など、
逆に藤巻さんがいらっしゃる時には見えなかったSALONEの一面が、
僕にはとっても魅力的に映り、「好き度」がまた上がってしまいました。
困るんだよなぁ・・・・なんせここ、横浜ですからねぇ(笑)

フランスに旅立った親友と、
「帰ってきたら、またここで帰国祝いをしようね!」との約束を交わし、
この日の中華街を後にしました。
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by monsieur-enfant | 2009-10-19 03:20 | SALONE2007

この日の夜は横浜です。
前回訪問時は横浜初めてでしたので、「横浜に来た」という感が強かったんですが、
今回は違います。完全に「SALONEに来た」と言いきれます。
横浜中華街 「SALONE2007」
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前回の興奮が半端じゃなかったので、極力テンション抑えての再訪。
2度目で「あ~・・・」となることは映画でも少なくないので過度な期待はせずに着席。
と、横を見るとすぐ近くにマネージャーの藤巻さんの顔が!近い!!(笑)
もうここからグッと世界に引き込まれていきますね。
「もう・・・好きにしてください・・・」と、早くも観念しました。
と、シェフの登場。もう!膝を着かないで下さいってば!(笑)
そんなことされると僕は土下座して話さなきゃいけなくなってしまいます。
と、「オーナーを紹介させてください」と、続いてオーナーさんの登場。
が、びっくりしました・・・・。
コックコート着て、顔には汗を滲ませて・・・。オーナーさんですよ?
なんか・・・、ホントにみんなで頑張ってるんやなぁ・・・って、感動しました。
こんなお店のオーナーさんなんで、
イタリアンマフィアみたいな方が出てくるかと思ってましたから(笑)
畳みかけるような主役級の登場に、もう若干いっぱいいっぱいでのスタートでした。
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山形牛と三島函南メークインのスピエンディーノ
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前回同様、いきなりの山形牛のインパクト。トリュフで香りがエロさ倍増。
それに前回と変わったメークインがジャガイモの存在感を強くしています。
なんか生産者の方がたまたまお客さんで来られて「是非」ってなったんですって。
あまり出回らない品種だそうですが、何かが繋がったんでしょうね。
こうした素敵な出会いは、ありそうでないもので、
「頑張ってきて良かった」って思わせてくれる、ご褒美のように思えます。

グルグリオーネ エルバ島のクスクスのインサラータ
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鮮魚のヴァポーレ
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旨い・・・、しみじみ旨い。
ただシンプルに魚介のエキスを摘出しただけで、こんなに旨いものなのか。
そこに漂う柑橘系の香り。主張するわけでもないが、無くてはこの感動はないのかも。
派手さもなく、やもすれば平凡な一品になるところを、
こうした非凡な逸品に昇華してくるところが「らしさ」でもありますよね。

この日、唯一ちゃんと撮れたワイン。
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一皿一杯ペースで飲み続けたので手元がおぼつかなかったのもありますが、
なぜかピンボケ続出。計、何杯飲んだんかなぁ・・・。
途中、「このワインは次のお皿に半分取っておいて下さい」と言われる始末(笑)
でもね、ここは多少無理してでも飲みたくなるんですよ。
なぜなら本当にイタリアワインを愛してる人の話が聞けるんですから。
ソムリエ試験に受かるだけの凝り固まった知識、
それをなぞらえ押し付けてくるだけのソムリエも少なくありませんが、
ワインは知識で飲むものではないと思うんです。
何事もそうですが、愛情を持って話す言葉には、活字に出来ない温度が生まれます。
その温度に触れたとき、次に生まれるのが安心感であり信頼感です。
そしてそれはイコール、店に対してのそれに繋がることは間違いありません。
ワインへの愛、自店のシェフへの愛、そしてお客さんへの愛、
マネージャーでもある藤巻さんが、この「SALONE2007」の象徴であるのは、
彼自身がこれらに満ち溢れた人やからやと思うんです。
いやホント、満ち溢れてますから(笑)

ホロホロ鳥のソットオーリオ レンティッケのジェラティーナを添えて
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レンティッケのジェラティーナとは、いわばレンズ豆のゼリー寄せという解釈。
うん、なんだか羊羹を思わせる面白い食感。
ホロホロ鳥とレンズ豆という珍しくない組み合わせに新鮮味を加えています。

ビーツのラヴィオリ プロシュートのクロッカンテ
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「ふ~ん・・・」「へ~・・・・」、僕が美味しいと思うものを食べてるときって、
そう言いながら食べてるらしいです。可愛くないですね(笑)
この一皿もそう。感心しながら食べました。
バターベースながらサラッとしたソースにチーズのコク。
プロシュートの塩分と旨み成分、時折現れるビーツの酸味と食感。
とても良いバランスです。

仔牛舌のボッリート
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上に乗ってるのはミント。
思ったより違和感はないものでした。

全粒粉のタリアテッレ 仔牛バラ肉のラグーとタジャスカオリーブ
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地味ですが旨いです。旨み凝縮のラグーに力強いタリアテッレがよく絡みます。
オリーブの存在感が、散らされてるノアゼットより弱くなってしまってるのが惜しい・・・。

アリスタ ディ マイアーラ
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なんだったっけなぁ・・・なんかのフランみたいなのにキャラメルがかかってます。
プリンみたいな印象。豚・・・だったと思うが、この頃、かなりお酒まわってます(笑)

藤巻さんからのデザートワインのご提案。
はい、飲みますとも!全部くれ~!(笑)
ってことで、結局ホントに全部いただきました。
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何がどうとか覚えてません。覚えてるのは「楽しかった~!」ってこと(笑)
なかなかこれだけのデザートワイン、飲む機会ないですからね。感謝!
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ズッパ イングレーゼ
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なんかこう、ドルチェのもどかしい感じがホッとしたりします。
この辺までバシッと決められたら、なんかこう鼻につくと言いますか(笑)

さ、エスプレッソを啜りながらお開きです。
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っていうか、気づいたらもう閉店時間間近。
楽しい時間はあっという間とは言うものの、えらい長居してしまいました。スイマセン・・・。


コースは月に一回変わります。
徹底的に話合って、議論しあって、全てがお客さんを喜ばせるために向けられています。
それゆえ「全く違う店のような印象になってしまうことも・・・」と、シェフ。
ま、そこまで極端なことはないでしょうが、今日、2回目にいただいた感想は、
平凡な感想を、目一杯の尊敬を込めて言わせていただきます。
「やっぱりSALONEでした」。
内容も変わり、もちろん印象も多少変わったかも知れません。
でもSALONEたるところは全くブレず、
食べる楽しさやワインの楽しさはもちろんですが、
どこか観劇をしたあとのような高揚感というか充足感があるのは、
今のところ僕の中では日本でここだけです。
店ごと包まれるような特別な時間。
この日ここの客であることを幸せに思わせてくれる藤巻マジック。
「今度、いつ来れるんやろう・・・・」と、切なくなる帰り道。
これが恋・・・・、いや、もうこの恋心、認めます!
ここまでされたらそりゃ恋に堕ちるでしょ(笑)

僕に勧められて2日前に来たうちのスタッフは、もう次回の予約入れてます。
・・・・え?僕も行くことになってんの!?いつですか!?(笑)
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by monsieur-enfant | 2009-09-09 04:35 | SALONE2007

恋愛体質

鎌倉から横浜へ移動。
さらに中華街へ。最近は電車はほぼノーミス。
誕生日を迎え、35歳になった自分の成長を感じます(笑)
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ちょっと早めに着いたんで、中華街を散策しようかと思ったんですが、
今日はやっぱりちょっとセンチな気分。
歩いてすぐの「山下公園」で時間を潰すことに。
海沿いに並ぶベンチは、カップル、カップル、カップル、僕、カップル、カップル、状態。
違う意味で、センチな気分になってきます・・・・。

ここでも潮の香りに包まれながら、徐々に暮れていく街並みに吸い込まれていく。
灯りが燈るかどうかの微妙な時間と微妙な暗さ。
ポツポツと燈る街灯を楽しみに座ってましたがタイムオーバー。
ギリギリ燈らない側のただ暗いだけの山下公園を後にします。

中華街から一本逸れた路地に入るとすぐ見つかりました。
リストランテ「SALONE2007」
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今回の横浜訪問は、このお店のためだけでした。
自分で自分に用意した誕生日のご褒美です。
プレゼントって書くと哀しすぎますからね(笑)あくまで「ご褒美」です。

あまりに良い評判しか聞いてなかったもので、
いろんな妄想が膨らんで来るのを抑えつつ、いつものようにフラットに挑むことに。
もっと大きなお店と思いきや、意外とどこにでもある大きさの箱です。
僕を見つけるやいなや、重いスーツケースを奪うかのように持ち去ってくれます(笑)
どこに置くだの野暮なことは言いません。
無言の「お任せください」を発してるような、そんな安心感のあるファーストコンタクト。

席に着くと目の前には揺らめく炎が。
この揺らめきが、同席してくれた方(1度ちょっとお話しただけ・・)との緊張感を
和らげてくれます。いや・・・表情には出ませんが、めちゃくちゃ人見知りなもんで。
テーブルの上にはメニューが。夜はお任せ1本。一月毎に内容が変わります。
下に日付があるのは、記念日だったりする人には嬉しいんじゃないでしょうか?
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ってな若干ぎこちない空気を一掃してくれたのが、何気なく受け取ったお手拭きでした。
「良い匂い!」心も和み、一気にSALONEの世界に引き込まれました。
ローズマリーの香りが染み込ませてあるんです。
そんな香りの余韻が残る中、すかさず出されるアミューズは、
「最初に美味しいお肉を食べていただき、
お客様のテンションを上げてもらおうと思いまして。」との言葉と共に・・・。

山形牛サーロインのスピエディーノ
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その言葉で若干テンション上げられてますけど、
さらに食べて・・・ん~~~!!言われなくてもテンション上がります!!
これは、のっけからヤバい!インパクト強すぎ!
旨いはエロいは(香りがね)、脳幹から溶けていきそうです(笑)
それもそのはず、この肉、A5ランクの山形牛。
それにメークインのペーストやらなんやらが包まれてるわけですが、
エロさの秘密の白トリュフオイルが、駄目押しで恍惚の笑みを漏らさせます。


ミントをまとったカジキマグロと4種のグースト
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超、写真とりづらい(笑)
あ、写真で思い出しましたけど、
もちろん写真はお尋ねして了承得てから撮らしてもらってるんですが、
やっぱり申し訳なさ半分でお願いするわけなんです。
同じ作り手として、出てきたときが食べごろですからね、
すぐ食べてあげたい気持ちがありますから。
ですから撮るのも早いですが、撮ってから食べ終わるのも早い。
細かいことはわからないので、基本、食べる時は考えません。
何がどうだったとかよりも、そのお皿をどう感じたかという印象を、
心に強く残すように食べてます。
あ、逸れた話がまた逸れてしまった(笑)
いやね、ここのマネージャーの藤巻さん、最高に気持ち良いんです。
「あの・・・写真とか、大丈夫・・・ですか?」
との問いに、覗き込むように近づいて来られて、ニッコリ笑って、
「撮り放題でございます」って(笑)
ほんと、いちいち気持ち良い。かと言って馴れ馴れしさとかは感じないんです。
ま、そんな話はまた後で。
あ、上記のお皿、カジキマグロにミントを纏わせてるわけですが、
これは有りでしたね。
4種のグーストっていうのは、いわゆる薬味ですね。
奥からオリーブ、ドライトマト、玉ねぎ・・と、最初から乗ってたヤツの4種かな?
ま、簡単に書くとこうですが、もちろん全て素材は吟味されてます。
その濃度ったら無いです。凝縮された旨みをカジキマグロに乗っけては食す。
その試み自体が楽しい一皿でした。

鮮魚のヴァポーレ
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白身のお魚(?)とタコ、ハマグリとそのお出汁。
これはスゴイ・・・。頭抱えて唸りますよ。
スペシャリテと言うだけのことはある完成度。奇抜ではない独創性。
和食の椀物に通ずる組み合わせながら、しっかりイタリアン。
各素材の旨みをあますところなく引き出してる逸品。
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シャンパンの後はグラスを藤巻さんにお任せ。
このチョイスの妙、素晴らしいですね。
「はい、はい」ってな在り来たりなチョイスが多い中で、
このやり取りだけでもワールドに引きずり込まれそうな満足感。

パン
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あ~、なんかホッとします(笑)
パンまで凄かったりすると、僕ら存在価値なくなっちゃいますからね。
終始このパンですが、止めないと、無くなったらすぐお皿に追加されてます。
わんこそば・・・もしくは韓国でのキムチ状態です。

トレネッテ シチリア産ケッパーとペッシェラグー
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もっと遊んでくるのかと思いきや、グッと落ち着いたパスタの登場。
ペッシェラグーとは、いわばお魚の煮込みです。
そこにケッパーのアクセント、そして意外に良かったのがノワゼット。
食感と香ばしさと、非常に良い存在感でした。

カダイフに包まれた金目鯛 パプリカのペースト
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ここのコースは緩急がスゴイ・・・。
ホントに食べてて飽きてこないし、どう来るのかも予想できない。
何よりこのパプリカのペーストのように「香り」の印象が素晴らしい!
僕が教えこまれた言葉に、
「人はまず味に走る。次に食感。この二つを突き詰めるのでも至難の業。
でも、そこから香りに行かなくてはいけない。
香りに辿り着いて初めて味覚に奥行きと立体感が生まれるんだ」というのがあります。
奥行き、立体感は、味覚を越え、心に訴えかけてき、記憶へと刻まれます。
味も大事、食感も火入れも盛り付けも、同じく大事。
でもこれほどまでに心に訴えかけてくるコースがあっただろうか。
もちろんこれは料理だけで生まれるものではありません。
ただの給仕と化してるサービス陣がほとんどですよね。
ただ持ってきてもらって、なんのサービスも受けてないのに支払うサービス料。
当然のように取ってますが、逆に「取れるんですか?」と問うてみたいものです。
ここはシェフのお皿の演出家。
そのお皿をいかにお客さんに喜んで食べてもらえるか、店ごと挑んでいます。
ですから、「いや、さっき見たけど・・・」って言うようなメニューの反復ではなく、
いつも気分を盛り上げてくれる言葉が盛り込まれている。
たった一言、二言ですよ。
でもこの一言二言が決定的な差となりコースの進行を盛り上げます。
そこには人の温度があり、心があり、一貫した店の姿があります。
時には立ったまま、時にはグッと腰を落として、時には膝を着き目線を同じくして。
役者さんもそうですよね。話すのはセリフですが、セリフをセリフと思われてるうちは、
客席には何も届きません。
自ら解釈し、自らの意思として発することにより、
言葉に感情が生まれ、強弱もつき、身振り手振りやアドリブも加わり、
やっとその役を自分のものとしていくわけです。
このお店は、それに近い心意気を感じます。
その全てを持ってして「SALONE2007」というリストランテが形成されています。
どれが欠けてもいけないバランス。
かといって、全ての足し算で成り立ってるわけではなく、
どこを取られても、どの部分でもこのお店のクオリティの高さを感じられる仕事ぶり。
ただ「お客さんを満足させる」ということだけに徹した、これがプロ意識というものでしょう。
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グラスで白が2杯続いた後は、赤をお願いしました。

リー ド ヴォーのクッキアイオ
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一さじの上のコンソメのジュレが溶けないうちに口の中へ。
・・・うわ~・・・なんだかな~・・・。
美味しいもの食べてるときの脳波って、
恋愛中の脳波と同じものが出てるって言いますよね。
まさにそんな感じです(笑)
最初のアミューズで一目惚れして、
彼女のいろんな部分に出会いながら惹かれていき、
今、堕ちました(笑)

水牛のチーズに乗った乳飲み仔羊のストゥッファートのファゴッティーニ
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「好きです」 はい、遂に告白しました(笑)
水牛のチーズはとってもミルキーで、
でもそこにしっかりとした仔羊のミンチが絡み合う。
独特の旨みと香りが絡み合い、昇華して・・・「好きです」になっちゃいますよ(笑)
もう僕のボキャブラリーでは表現できなくなってきました。

仔牛フィレ肉とフォアグラのサルティンポッカ
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フィレとフォアグラが生ハムに包まれて出てくるわけなんですが、
その塩気とのバランスが絶妙です。
赤ワインのソースと共に、さして珍しい組み合わせではないこの一皿。
ここの料理に通じて言えることですが、
圧倒的なベースにある力量ありきの料理。
フレンチとイタリアンの境界線が曖昧になっている中で、
根底にしっかり流れ垣間見える、現地の料理。
それらを2人のシェフ、サービス陣、みんなで意見を出し合って、
翌月のコースが決まるらしい。
もちろんぶつかることもあるでしょうが、
それらは全て「最高のリストランテ」としてお客さんを持て成すため。
そんな信頼感が、澱みのない空気として店内に流れ、
曇りのない料理として僕らのテーブルに運ばれてくるわけです。
当たりまえのことのようですが、
なかなか徹底したからといって簡単に出来ることではありません。
美味しいお店は今の世の中、見つけることは難しくないでしょう。
でも、このようなお店に出会えるのはホントに稀です。
感謝の意しかありません。

苺のズベッタに浮かべたサンプーカのセミフレッド 
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パンと並んでホッとする瞬間(笑)
いや、普通に美味しいんですよ。
でもね、最初のアミューズで「あかん!帰りたくない!」と思った衝撃が、
ここに来て、終わりを感じずにはいられなくなってきます。
それが何とも切ない・・・。
楽しい時間はあっという間。見上げた時計を見て「もう、帰らなきゃね・・・」。
やっぱり恋する脳波と同じやと思いますっ!!(笑)
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プティフールも抜かりなし。

なんだかホッとしたくてハーブティー
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あ~、途中でいろいろ書きすぎて、もう書くことがない!(笑)
ただ、なんとも良い誕生日の夜を過ごさせていただきました。
出てきてくださったシェフも腰が低い素敵な方でした。
ひょんなやりとりで素性がバレてしまったので、
後日パンを送らせていただいたんですが、
とても喜んでくれた旨のお手紙も、忙しい中いただきました。
ジャンルは違うまでも、こうして頑張ってるお店と出会えること、
僕にはかけがえの無い財産になるし、これからまた頑張っていく糧にもなります。
そしてこんなお店に出会えたとき、自分が恥ずかしくないような職人でいたいものです。
何屋だとかじゃなくて、1職人として、1人間として、
どなたにでも胸を張って向き合える毎日を過ごしていたいものです。

再訪を誓い、名残惜しい時間を後にします。
外は暗くなり、髪の毛ボサボサになるくらいの強い風が吹き付けます。
でもこの一日に限っては、その全ての出来事が、
今日という日をより強く印象付けてくれるための演出だと思えてしまいます。

さっきは灯らなかった街灯を見に、散歩がてら山下公園へ。
夜風に吹かれ、真っ暗になった海からの潮の香りを嗅ぎながら、
今日という日を、目に、胸に、焼き付けるのでした。
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えっと・・・そこから東京へ移動しホテルを探します。
毎度ながら、自分がどこに行くのか予定が立てれないのでホテルを取れないんです。
もう23時過ぎ。まず品川で空振りしまして(笑)、
・・・・そこからスーツケースを引きずり引きずり、
2駅分歩いて、五反田でチェックイン。まんが喫茶も覚悟しました(笑)
よく歩いた今回の三連休。
金沢、東京、横浜と巡り、朝起きたら大阪に帰ります。・・・で、直で仕込み。
また慌ただしい毎日が始まります。
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by monsieur-enfant | 2009-06-04 09:16 | SALONE2007