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なないろめがね

以前から「すごい和食の店があるから、是非連れて行きたい」と、
お声をかけていただいてた店がありました。
そこは、全然予約がとれないとのこと。
ある日、「予約とれたから、空けといて」と。・・・あの、火曜日は仕事なんですけど(笑)
聞くと、そこは水曜定休らしく、「せっかく取れたんだから」と。
う~・・、スタッフに泣いてもらうか(笑)

そんなやり取りがあったのが、かれこれ一ヶ月ちょい前。
やっと日がせまって来たが・・・あれ?
ですよね!?行けませんよね!?
お誘いいただいてた方は、二号店のオープン翌日ですから!!(笑)
・・・で、ピンチヒッター、おかん(笑)
母親と二人で食事なんて、記憶に無いなぁ・・。

で、当日、仕事早めに切り上げて飛びました!いざ、京都へ!

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ってか、この時点で、店名も住所も知りませんでした
主催者、二号店オープンでヘロヘロで、連絡無し(笑)
「もう向かってるんですけど、方向しか分かりません」
方向といっても、京都方面というアバウトさ。
やっと、連絡がつき、行き先は先斗町。
ノスタルジックな路地を抜け、
目印の店は、夜はシャッター下りてて
何屋かわからんし、迷いましたね・・。


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さらに細い路地へと・・
誘う看板もこれだけ。
やっと着きました!
「そっ啄 つか本」


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驚きの、カウンター五席。
テーブル席は、一応あるものの
カウンターのお客さんの、
荷物置き場(笑)
座ったとたん、大将の背中に見える
素敵な器に、母親食いつく食いつく。
あの、先に
ご挨拶してもいいですか?(笑)

こちらの大将は三十五歳。年代は一緒ですね。
もとは、ご実家お蕎麦屋さんでして、料理人のおじさんに預けられたそうです。
今、変にフレンチやイタリアンに感化される和食が多い中、
真摯にこの道を精進されてる料理人です。
さらに奥へ、さらに奥へ。
華道、茶道も学ばれてるそうで、醸し出す雰囲気も優しく、素敵な大将です。
僕が二十歳でこの世界に入った頃、まだ頭も金髪で働いてた背中越しに、
「ここは外人さんが作ってらっしゃるから、美味しいんやね~」(でかくて金髪やから)
と、お年を召されたお客さんに言われた、まがい物の雰囲気とは訳が違います(笑)
内面から滲み出る、人柄であったり、料理への向き合いかただったり・・。
なんかね、ここの料理は、涙腺に来るんです。
素材から、素材の背景が汲み取れると言いますか・・
鮑の椀物をいただいた時、子供のころ嗅いでいた千葉の磯の香りが蘇りました。
それと同時に、天秤棒担いで魚を売りに行ってた祖母を想い出しました。
フレンチ、イタリアンでは、無かったことです。
身体に・・心に・・沁みる料理です。
日本人やからですかね?
どうしても、フレンチやイタリアンは頭で食べてしまってるんでしょうか?
沁みていくんですよね、お出汁が身体に。
DNAが喜ぶんですかね?
余談ですが、器の端にあった、鰹節を削る道具を見つけ、
今度は鰹節を削ってた曾祖母を想い出し、また涙腺を熱くさせてました。
ちょっと病んでるんかな?(笑)
ホントに改めて、料理は人柄やなぁ・・と思う時間でした。
狭い店内、先客は帰られて、僕ら二人と大将だけの、静かな静かな時間。
外に出れば、うだる暑さと喧噪に包まれた先斗町。
「ことっ」と、置きはる器の音。立ち上る湯気の香り。窮屈ではない「凛」とした空気。
大将の動きの後を追う、下駄の響き。その全てが「つか本」なんですね。

写真はね、駄目なんですよ。
大将自身はね、楽しく食べてくれればそれでいいって思ってたんですって。
でもあるとき、「次は何を食べさせてくれるんやろ」って、楽しみに来て下さるお客様が
ブログなどで目についてしまうと、楽しみが半減してしまうと、おっしゃられたそうです。
写真を見て「美味しそう」と、行きたくなる方もおられれば、感じ方は人それぞれ。
大将は、そのお客様のお気持ちを大事にされたんですね。
ご理解いただきたいものです。

心づくしのおもてなしに、気持ちもお腹も満たされて、帰りにちょっと寄り道。
今日の日をセッティングして下さった方に、ご挨拶を・・。

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・・・暗過ぎて
よくわかりませんね(笑)
いつものように、
沢山の刺激をいただいて
大阪への
帰途につきました。
「出逢い」に、改めて
感謝の念を抱きながら・・。
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by monsieur-enfant | 2007-08-16 11:44 | そっ啄 つか本