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なないろめがね

カテゴリ:氷工房 石ばし( 1 )

日本人として。

ランチの後に向かったのは三軒茶屋。
イタリアン、フレンチが続く今回の東京で、ちょっと一息つきたかったもので。
駅からしばらく歩くと「石ばし」の看板が見えてきました!
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そう、ここはかき氷屋さんなんです。佇まいも「昭和」でしょ?
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ラムネもこんな感じで。
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なんかでチラッと見たこの佇まいに惹かれての訪問でしたが、
まさかこれほど良い味出してるとは・・・・。
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店内も、抜かりなく「昭和」。しかも初期(笑)
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この機械も年代物。やはり刃が命のよう。
小気味よく、盛っては叩きシロップ、さらに盛っては叩きシロップ。
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前の人を待ってる間も良い時間。
街を歩いてると暑さを煽るだけのような蝉の声すら、ここでは風情。
風に揺られて鳴る軽やかな風鈴の音も、夏に欠かせないアイテムですね。
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さ、言うてる間に出来上がり。
僕が頼んだのは、あづきミルク。おしることか大好きなもので。
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僕、昔からあんまりかき氷食べないんですよ。
子供の頃カップのアイスを食べるときも、
なんかかき氷だと損した気分だったんですよね。
だって元は水でしょ?ならアイス食べたいじゃないですか。
真ん中に丸くアイス入ってるヤツもありましたけど、
ならやっぱり全部アイス食べたかったわけなんです。
溶けかかったのを飲むのは好きなんですけどね。
ですからこの日も、この景色というか、風情を感じに来たようなものでした。
ところがどっこい(昭和風に)、かき氷の概念は吹き飛びました。
あ、こういうのを「かき氷」って呼ぶんや・・・って。
わた飴と言ったら大袈裟かも知れませんが、
シルクのようなと言ったらキザ過ぎるのかも知れませんが、
なんと言いますか、フワフワと言いますか、空気を口に含むかのような軽やかさ。
喉越しも涼やかで、良質の水を使った良い氷であることがうかがえます。
砕かれるのではなく、刀で薄く削がれて重なった氷は、
夏の温度ではかなく解けていきます。
年代物のかき氷機、良い仕事してますね。
暑いから、ただ冷たい氷に甘いものかけて食べて出来た食べ物ではないですね。
氷の削られる音、削られた氷の薄さ、そしてその氷が幾重にも積み重なっていく様、
アートですよ、アート。芸術です。
日本人が編み出した暑さを凌ぐための知恵。「粋」ですよね~。

全部で20種類以上はあるのかな?
シロップはほぼ市販品で、それをとやかく言う人がいるようですが、
そんな人は来なさんな、まったく。
もちろん全部手作りの方もいるんでしょうけど、それはそれ。
いちいちどこかと比較しないと楽しめないんでしょうかね。
ここの良さはこのお店とかき氷機。氷屋さんなんですから氷が美味しけりゃいいんです。
むしろその市販品のシロップですら懐かしく感じます。
今じゃさすがに色が毒々しくて自分じゃ買えない代物です。
子供の頃には舌に色が付くくらいのシロップもありましたしね。
それも含めてノスタルジック。
そしてそれを楽しむ店やと思います。
なんやかんや言う前に、こうして続けて下さってることに感謝でしょ。
記憶じゃ遡れない過去だってあるんです。
それを一瞬でトリップさせてもらえる場所、本当に貴重やと思います。
忘れ去られそうな日本人の心象風景を残して下さってることに感謝やと思います。

この空間で、蝉の声や、時折鳴る風鈴に耳を傾けながらかき氷を食べてると、
食べてる図体はオッサンでも、
心はこの氷のように透き通った少年時代に戻ってるような気がします。
・・・・僕はガキの頃から卑屈でしたけどね(笑)
そんな淡い想いも、夏の暑さにあっという間に溶ける氷と共に現実に引き戻されます。
つくづく日本人は儚いもの好きですよね。
そういえばこの夏、線香花火してないなぁ~。
日本人らしい「夏」の過ごし方。やっぱり日本人は「粋」ですよね~。
そんな心、忘れず持ち続けたいものですね。
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by monsieur-enfant | 2009-09-02 04:54 | 氷工房 石ばし