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なないろめがね

お昼に京都に到着し、「ベル・クール」、「ルーブル美術館展」と、
せっかく京都に来たのにフランス括りばかりで
全く京都を感じていなかったので、ちょっとはんなりいたしましょうか。
向かった先は北大路駅 新大宮商店街にある町屋カフェ。
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「昼行燈」さん。
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扉を開けて中に入ると、京都特有の作りに。左の襖を勝手に開けて入っていきます。
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ちょっと外からは商店街に馴染んでてわかりにくいですが、中は一転別世界。
その昔、華道家さんと茶道家さんのご夫婦が住んでおられたそうな。
丸窓もその時の名残りだそう。
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奥にはソファーもあります。腰の良くない僕には有難い限り。
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僕は「和なら和!」「洋なら洋!」って、はっきりしてなきゃ嫌なので、
ほとんどの家にある「間取り上、違和感ある和室」が嫌いなんです。
だから・・・というか、そんな広さもないんですが、僕の家は和室がないんです。
でもやっぱり落ち着きますね。日本人やと痛感します。
母親が骨董品が好きだった影響が、哀しいかな歳をとってくると滲み出てきます。
子供のころからよく見た色合いだったり空気感だったり・・・しっくりくるんですよね。
10年来、放置されてたこの家をリノベーションして、ほとんど手は加えず使っています。
それに、店だけでなくて、実際お住まいとして使われてるというのが嬉しいですよね。
なんか、愛を感じるじゃないですか。
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二階を住居として使われてるのですが、
「残念ながら二階は散らかってて見せられない」
そう言ってはりました(笑)
オーナーさんも気さくな方で、他にお客さんがいなかったこともあるでしょうが、
よく話をしてくださいました。
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今、都会やマンション暮らしでは無くなりつつある町内会などの近所付き合い。
それどころか隣にどんな人が住んでるかも知らない現在の住居事情。
顔を合わせても挨拶もしない。そしてそんな親に育てられる仏頂面の子供達。
フランスでは、やたらめったら「Bonjour!」 知ってる知らないなんか関係ない。
お店に入るときもそう。言わないほうが意地悪されますから(笑)
だからそれは意識して今も続けてます。
やたらめったら「おはようございます!」相手に無視されても負けません!(笑)
お店に入るときも「こんにちわ」「こんばんわ」。
出るときは「ありがとう」「ご馳走さまでした」。これ、当たり前のことですよね。
でもね、こっちが「いらっしゃいませ!」と言っても、
会釈の一つもせず「ぶす~」として入ってくる方も多いです。
気に入らない店なんだったら来なきゃいいのに。
お会計終わって「ありがとうございました!」と声かけても、
表情一つ変えず出て行きはる方、日本じゃ珍しくないですよね。
人として、してもらったら「ありがとう」が当然のこと。
僕らも来ていただいてるのですから「ありがとうございます」は当然のこと。
そんなやり取りも出来ない大人って、単純に「つまんないなぁ~」って思います。
社会的地位が低かったって、良い車も良い家も持ってなくたって、
気持ち良い挨拶が出来る人って、僕は「素敵やなぁ~」って思うんですよね。

話は逸れましたが、そういう町内会などのご近所付き合いや、
京都ならではの「地蔵盆」などでの子供と大人の繋がり。
これまた京都ならではの「外様は入りづらい」という大家さんの現状・・・・。
そんな話をオーナーさんとしてたんですよね。
あんまりそんな話、日常することないじゃないですか。
なんか、ほっこりはんなりするお話を聞かせていただいてたのですが、
なにより凄いのは、これだけ話といて、京都にも、この地域にも、
オーナーさんが「縁も所縁もない」ってこと(笑)
「マジで!?」・・・って、なりますよね(笑)
大阪の八尾出身で、流れ流れて京都に住むことになり、
「じゃあ・・・」ってな感じで商売を始めたみたい。
「命がけの趣味」とは、本人談(笑)
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ここでは美味しいお茶やコーヒーがいただけます。
夏はかき氷もあったかな?軽食は・・・あったかな?ちょっと覚えてません。
帰り際にはちょこちょこお客さんが増えてきました。
ただね、せっかく香りを楽しめる美味しいお茶やコーヒーを出してるんですから、
禁煙にしてもらえたら嬉しいんですけどね。
2人で入ってきた女の子が、プカ~って。
「おいおい、この空間でタバコかよ」 何もここで吸わなくても・・と思うんですけどね。
そんな中、1人のおばあちゃんが来られました。
「もう1人来るから」と言って座ってると、表で自転車を停める音が。
しばらくすると、「ガラガラ」と襖を開けて、ニコニコしながら入ってくるんです。
「あぁ・・・・懐かしいなぁ・・・」
おばあちゃんちがそうでした。
居間にいると、玄関でもないとこから「こんにちは」って入ってくる近所のおばあちゃん。
昔は大きな段差も当たり前でしたからね。
「よいしょ」って手をついて、膝を上げて四つん這いで入ってくる、
そんな懐かしい景色がここでは普通にありました。
僕らが新鮮に思えるこのお店も、
逆に、こういうおばあちゃんには「普通」の造りなんでしょうね。
しっくり馴染んでました。
時代を生き抜いてきたもの同士、
しっくり馴染んでましたよ。
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入るときには見上げもしなかった、今も住居として使われてる「二階」。
おばあちゃんが乗ってきた自転車。そしてそれらを取り持つ「カフェ 昼行灯」。
ここに、しっかり時間が流れています。
人の温もり、生きてる生活の温度、それらがここに息づいています。
もちろんオープンして間もないこのお店だけの力ではないかも知れません。
ここで、この場所で、雨風の曝されながら商店街の移ろいを、時代の移ろいを、
しっかり見届けてきたこの家のなせる業やと思います。
ゆっくり、末永く、続いてくれたらいいなぁ・・・。
そう思いながら、そう願いながら、お店を後にするのでした。
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by monsieur-enfant | 2009-09-14 03:04 | 昼行燈