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なないろめがね

カテゴリ:韓国手記´11砕心( 42 )

「約束」

前回、意外に反響の大きかった、デザイナーのホさんの記事
アトリエにお招きいただいた帰り道、ふと頂いた一言。
「岩永さんが帰るまでに、ここでBBQしましょう!」
いやいや、嬉しいですよ、
そう言っていただけるだけでも嬉しいんですが、なんせ多忙なお方ですから、
こんなわけのわからん日本人に時間を割いてもらうのも気が引けます。
この時も、「来週からペ ヨンジュンの新居の内装のデザインの打ち合わせが始まる」
って言ってましたし(マジです)、
個展やら日本での展覧会の準備もあるようでしたし、
僕は僕で帰国前は、パンやスタッフの仕上げに掛からなきゃいけない頃でしょうし、
結局、「時間合わなかったね」ってなるんやろうなぁ・・・って思いながら、
アトリエを後にしました。

そんなある日。
友人のジョンさんから連絡が入る。
どうも、「いつやるんだ?」と催促が激しいらしい。
「え!?」
もう、それだけでも嬉しかったです。
本当の約束なのか社交辞令なのかもよくわからないのに、
頻繁に交わされる日本の「約束」。僕はそれが大嫌いなんです。
口にされるから信じてしまうわけで、
出来る見込みが無かったり、する気がないなら言わなきゃいいんです。
「言ったことは必ずやれ」と言ってるわけではなく、
「果たすつもりも無いことを簡単に口にしないでくれ」って思うんですよね。
今回のホさん、「約束を守ってくれた」ってことより、
些細なことを「約束」だと思っててくれたことが何より嬉しかったんです。

「平日の夕方」という時間にアトリエに着くには、
東大門を3時くらいには出なきゃ間に合いません。
そんな時間に仕事は終われませんので、休日を返上して働き、
この日の午後だけ半休をいただきました。
ジョンさんと待ち合わせ、車に乗せてもらい向かった「アトリエ」。
前に来たときは、まだ夏の終わりでした。
青々とした木々に囲まれたアトリエは、
冷たい風と枯れ葉の絨毯に包まれた景色で僕を迎えてくれました。
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枯れ葉を踏みしめ向かった先では・・・
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若干2名で、すでにBBQは始まってました(笑)
あ、ちなみに初登場、右側がホさんです。
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テーブルには既に、お手製のサラダや、
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近所の畑から譲ってもらった新鮮な野菜がスタンバイ。
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そこに、東大門のお店で出してるパンも並べます。
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11月になろうという時期の夕方、しかも山の中での屋外でのBBQ、
その寒さを和らげてくれるのが、こちら。
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ただし、微力(笑)

韓国でもよく飲まれるようになったとは言え、
まだ「ワインと言えば赤」とか「白はドイツワイン」みたいな感じ。
豚の脂に合わせてサンセールを差し入れに持ち込みました。
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豚やソーセージ、サツマイモも美味しいです。
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持参したワインやパンも気に入ってもらい、
ひたすら焼き続けるホさんに甘え、ひたすら食べ続けて気がつくと、
どっぷりと更けた夜に、白い煙が吸い込まれていました。
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〆は前回に続き、ホさんお手製の麺料理。
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ベースはインスタントラーメンが好きなのかな・・・?
美味しかったですよ。

さすがに身体が冷えてきたので、屋内へ。
ジョンさんのお店のガトーを分け分け。
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そして前と同じカップに淹れてもらったコーヒーをいただきます。
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ここらで、やっとホさんがゆっくり着席。
最初から最後まで、ずっと動きっぱなし。
洗い物や片付けまで一気にこなし、コーヒーも一杯一杯淹れてくれます。
性分なのかも知れませんが、本当に「おもてなし」を受けたという温かさと、
何も手伝えなかった申し訳なさが入り混じります。
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おしゃべりのお供はヤクルトで(笑)

お一人帰られたので、
ここからゆっくり男三人で仕事や・・・ほとんど仕事の話ですね(笑)
何度かブログでも書いたことあると思うんですが、
「職種」なんてもんは、たかだか「枝葉」のようなもので、
要は「幹」がどうあるのかってのが問題なんだと思うんですよ。
パン屋がパン出来るのは当たり前。
菓子屋が菓子作れるのは当たり前。
なのに専門分野の話ばかり振りかざし、
中身空っぽな方々の何と多いことか。
枝葉である「職種」の部分で僕らは「経験」という養分をいただき、
その骨格を成す「幹」の部分を肥やし成長していくわけです。
どんな仕事してようが、どこの国で働いてようが、勝負するのは、その部分。
専門分野のデザインの話されて「すげぇ」と思わされるより、
全くデザインの話を入れずに「仕事」を語られ「すげぇ」と思わされた今日、
この日この時間を、この場所で過ごせた幸せを噛み締め噛み締め、
分からない言語の向こうの「何か」を感じる為に、
食い入るように、その眼を見つめ続けていました。

一息ついたところで、大好きなアトリエの方へウロウロ。
どこにカメラ向けても画になるんですよねぇ。
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なぁんか、居心地良いんですよね。
アンティーク好きなホさんが買い付けた物なんですが、
全部「そこにあったものが、そこで時間を経た」ようなフィット感。
そこへ「岩永さ〜〜ん!」とジョンさんの声。
どうやら二階へ移動したらしい。
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人影が見えますね(笑)

二階に上がると、ホさんとジョンさんが談笑中。
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そして、「セレブ暖炉」の登場(笑)
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ただし、暖炉の上には庶民の香りが・・・。
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火の中に放り込むこと数十分、
絶妙なタイミングで開かれたアルミホイルの中には、
美味しそうなサツマイモの出来上がり。
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この暖炉、ホント暖かいんです。
暖房器具は、ほぼ暖炉のみ。
で、窓開けっぱなし(笑)
それでも十分、この建物一棟くらいなら暖められます。
何より、パチパチ弾ける薪の音だったり、
ユラユラ揺れる炎の動きだったり、
それだけでワイン1本は飲めますね(笑)
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ゆっくり穏やかに過ごした時間は、
あっという間に過ぎ去り、
もう帰らないといけない時間に。
暖炉の前でホさんが言ってた、
「この窓から眺める雪景色も綺麗だよ」
その言葉を確かめるために、
今度は雪の積もる季節に訪ねたいと思います。
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by monsieur-enfant | 2011-12-04 23:18 | 韓国手記´11砕心

やっと旧パソコンから画像が拾えるようになってきたので、
残ってる韓国の記事もちょいちょい織り交ぜていきたいと思います。

何軒かパン屋さんの記事は書きましたが、
一軒書きそびれてたお店のご紹介。
場所は、地下鉄江南区庁駅から徒歩15分くらいのところ。
わかりにくい場所に、その温かいパン屋さんはありました。
「レトロオーブン」
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ここのシェフは、以前紹介したホンデの「ポール&ポリーナ」のシェフと、
同じお店で修業された方みたいです。
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店内は明るく清潔で、ソウルでもちらほら出始めた対面販売のスタイル。
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一度目の来店では完売してたので、
ちょっと早く来てみましたが、この日もほぼ完売。
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商品数は、先に書いた「ポール&ポリーナ」同様、全部で10種程度という少なさ。
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壁に貼ってるアイテムで全種類です。
ま、いろんな考えはあるとは思うんですけど、
パン屋ってのはやはり「日常」なわけで、
その「日常」を謳うのであれば、
日常に耐えうるだけの最低限の品揃えってのを確保するのも、
店側に課せられた責任かと思うんですよね。
ソウルにおいて、このラインナップで営業出来てることはスゴイんですが、
お客さんの選択肢を広げることは多様性と自主性を生み、
パンを伴う食卓の楽しみ方を伝えることにも繋がるんやと思います。
拓かれたばかりの韓国の「パン屋さん」、
ここから始まる「これから」が楽しみです。

何軒か書いてきました、「ソウルのパン屋さんシリーズ」も今回が最終です。
紹介したお店の共通点は、パンの美味しそうな表情もさることながら、
やはり接客面や、トータルでの「店づくり」に長けたお店が心に残りました。
今回のレトロオーブンさんも、
待ち時間に試食などを積極的に勧めてみたり、
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先週来て会話がままならなかった僕に、
日本語の出来るスタッフさんが案内を作ってくれてたり、
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やはり、どうしても客側としては受け身になってしまいますので、
お店側からのアクションや意思表示があると、単純に嬉しいものです。
やはり何かを発信していくという行為は、
地味な行為かもしれませんが大切な行為だと実感しました。
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普段、滅多にパン屋さんには行かないので、
今回のソウルは、久々に他人のパンに触れる良い機会ともなりました。
確かに日本のパン屋さんに比べると、まだまだパンもお店も弱いと感じますが、
「お客さんに支持されてるお店」というのは日韓問わず共通してる部分があることも、
当たり前なのかも知れませんが、嬉しい発見でした。
そして今のソウルのパン屋さんに、
7年前の岸部でスタートしたシュクレクールを重ね合わせることもしばしば・・・。
「あんなことあったなぁ」「こんなことあったなぁ・・・」
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帰り道、結局2種類しか買えなかったパンのうちの一つ、
ブレッツェル調のクロワッサンを空に翳して写真を一枚。
ふと重なったのは、誰にも知られず、相手にもしてもらえなかった頃、
こうして、確かサンクディアマンだったかな?、
道の途中、パンを翳して写真を撮ってくれてた東京からのお客さんがいたこと。
お客さんも来ず、知ってもらうことすらままならなかった当時、
東京からわざわざ買いに来て下さる方がいるんだ・・・というのは、
小さな、でも強い心の添え木となり、頑張る力になりました。
なんでもない毎日を積み重ねることは、
実はなんでもなくないくらい辛く苦しいこともあると思います。
でも、結局何かに到達しようと願う以上、
その遠回りのような近道に挑むしか道はないんです。

3年後、5年後、ソウルのパン屋さんやお菓子屋さんがどう変わっていくのか、
楽しみと同時に、照らしあわせた自分たちの道程に、
改めて大事なことをを気づかせてもらえたような、「ソウル パン屋さん巡り」でした。
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by monsieur-enfant | 2011-11-29 20:02 | 韓国手記´11砕心

ソウルで「パリ体験」

韓国からの帰国直後、
自分のノートパソコンが壊れてから画像が取り出せず、
新しく買ったパソコンの接続さえままならない中で、
奇跡的に以前ソウル滞在中に写真だけ貼りつけてた記事を一つご紹介。

この時は一時帰国した際に家に忘れたデジカメの代わりもなく、
手帳代わりに持っていってた携帯での撮影となりました。

場所は・・・どこやったかなぁ。
そんなに賑やかじゃない通りにあった、一軒のビストロ。
「レスポワール」
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「へ~~~~」
オシャレスポット以外で、こんな佇まいのお店を見るなんて稀です。
しかもビストロ。カフェならまだわかりますが、ビストロ自体探すの困難ですから。
扉を開けると、店内もちゃんとしています。
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メニューも、ちゃんと「フレンチ」してます。
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読み進めてる皆さんもそうかも知れませんが、
僕も「どっかに韓国っぽさが出てくるんじゃないか」と警戒しながらいましたが、
ま、メニューにハングルで書かれたものがあったくらいで、
それほど韓国っぽさは見られず、ちゃんと「フレンチ」したまま進行していきます。
しいて言うなら、パンと一緒に数種のお供が付いて来たくらい。
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オリーブオイルに岩塩、フォアグラバター、タプナード。
でも、これくらいなら全然オッケー。
だって、いくら「フレンチ」と言っても、ここは韓国です。
僕は下手したらいつものように、コースを頼んだにも関わらず、
テーブルいっぱいにコース外の小皿が並べられる可能性も心に準備してましたから。

ソウル、初ワインです。
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いやぁ、なんか不思議な感覚です。
だって、焼酎入りビールかマッコリしか飲んだことがなかったわけですから。
ワインはね、結構な種類が入って来てるんですよ。
ワインショップもチラホラ見ますし、
バーやダイニングキッチン的なものも、オシャレエリアには珍しくないんです。
ただ、そこにはイタリアンなんですよね。
良くてもイタリアンフレンチ。
「ビストロ」みたいなとこは滅多にありません。
一緒に働いてたフランス人のレイモンも言ってましたが、
「韓国人が待てるわけないだろ!?」
一種類料理を注文しただけで小皿が大量にテーブルを埋め尽くす韓国、
簡単に言うと、料理が出てくるまでの間、待てないんだそうです。
そして出てきたら、とにかく早くいっぱい食べたいんですって。
だからフレンチみたく、一皿ずつ持ってくるようなスタイルが受け入れられない。
「ちまちま出さないで、全部いっぺんに持ってきてくれ!」って、なるわけです。
韓国人の奥さんをもらい10年近く韓国に住んでる彼が言うんですから、
なるほど・・・説得力があります。

正直、ある程度の「なんちゃって感」は覚悟して行ったわけですが、
メニューを見た限りでは、案外正攻法のビストロの様。
ただ、週末の来店だったということもあったんでしょうが、
「ビストロ使い」ではなく完全に「レストラン使い」のお客さんばかり。
まだビストロだのレストランだのではなく、ざっくり「フレンチ」的なカテゴリーで、
デートなど特別な日の食事の場に使われてる印象。
ちなみに週末のこの日は満席。ただし平日はガラガラだそう。
ま、その要因の大きな一つとしましては、先に書いたこともそうなんですが、
とにもかくにも厳しいのが値段だと思うんです。
ここのビストロ、普通に日本で食べるのと同じくらいの感覚の値段設定。
今日のコースで一人W60000、レートによりますが日本円で5000円前後。
それに比べてタッカンマリ、二人でW20000。
新堂洞で食べたトッポッキなんて、二人でW10000ですからね(笑)
普通に安くて美味しいものが溢れてる韓国でフランス料理を根付かせるのは、
いろんな角度から考えても本当に難しいことだと思います。
その中で「挑んでる」数少ないフレンチの、このお店。
そろそろ料理も紹介していきますね。

オニオングラタンスープ
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はい、普通に美味しかったですよ。

なんか、烏賊が主役の一皿。
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うん、十分美味しいと思えるレベル。
おっかなびっくり食べてましたが、ここらで「大丈夫かも」と確信。
高度な技術云々じゃなく、材料も本当にままならない中、
しっかり「フランス料理」を提供しようという意気込みに身を委ねることに。

鴨のコンフィ
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ご覧の通り、日本だと5~6000円のコースにわざわざ並ばないような、
基本的な料理ばかりが続きましたが、本当にフランス料理店が少ない中、
「特別なことはできないけど、ちゃんとしたものをちゃんと提供したい」、
そういう思いが伝わってくるような一皿一皿でした。
日本ではどこにでもあるようなメニューですが、ソウルではまだまだ知らない人だらけ。
食べ慣れてる僕らにとっては、なんてことない一皿一皿かもしれませんが、
時間はかかるかも知れませんが、必ず未来を変えていく一歩へと繋がっていくはずです。
わざわざソウルに行ってまでフレンチを食べるモノ好きな方はおられないでしょうが、
是非住んでらっしゃるご友人がおられましたら、
こういうお店が頑張ってることも教えてあげてもらえたら嬉しいです。

painだけじゃ、絶対浸透しません。
ワインとチーズだけじゃ、単なる「スタイル」で止まってしまいます。
料理があって、その横にpainがあって初めて、
異国の必然性や生活の息吹を感じるんです。
テーブルに着いて、そこに流れる時間の中に身を委ね、
気付くこと、気づかされること、それが「異文化に触れる」ってことなんだと思います。
それには誰かが働きかけなきゃいけません。
こうした店が、日本よりはるかに難しい環境で挑んでるような店が、
結果として大きな意義を生み出していくんじゃないでしょうか。
なんか、心から応援したくなったお店でした。
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・・・っていうか、デセールもうちょい頑張ろうよ(笑)

食後もちゃんとしたエスプレッソが。
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「はぁ~~、やっぱりパリ行きてぇなぁ・・・・」
既に春にはチケットを取っていた今年のパリ行き計画。
キャンセルを余儀なくされたソウルにて、遠いパリの空へと想いを馳せるのでした。
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by monsieur-enfant | 2011-11-22 01:57 | 韓国手記´11砕心

パン、ヴィエノワズリーと、2週続けて店頭に並んだわけですが、
ここはそもそも大手チェーン店、「新商品」は1回に3種類くらいのサイクル。
今回は一気に30種ほど出たのかな?
初めての経験らしく、組織全体が相当バタバタしてましたが、
何かするにもあっちを経由しこっちを経由しでタイムロスが尋常じゃなく、
ソウルの人には馴染みのないpainに対しての食べ方や保存方法などの紙も、
10日ほど過ぎてもまだ届かない感じ。
「じゃあコピーでもいいから並べようよ!」と言っても、
「それは自分の立場では決めれない」
・・・責任の擦り合いで守るのはお客さんではなく自分の立場。
つまんねぇなぁ・・・。

さて、そんなこんなで休みなく働いてたわけですが、
こっちに来たてで試作を繰り返してた頃は、
また違ったストレスを抱えていたものの、
もう少し時間的にも体力的にも余裕があったものです。
そんな頃を懐かしんで今日は書かせてもらいますね。

この日は、毎週末お世話になってるジョンさんに連れられ、
ジョンさんの友人のデザイナーのアトリエに行ってきました。
「山の中」くらいしか情報もないまま高速道路に乗り、先にちょっくら腹ごしらえ。
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こちら、韓国の人たちが子供の頃から食べてるというジャージャー麺。
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こっちは、チャンポン。これらは「中華」に分類されるようです。
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鶏の唐揚げの餡かけ。美味しかったですよ。
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ま、ここはそこそこ有名店らしいのですが、
寄り道程度のことなのでさっさと次に向かいます。

山道に入り、更に奥へと進みます。
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舗装もろくにされてない道で、
しかも今年の大雨で土砂崩れがあったらしく、
車を置いて歩いて向かいます。
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何度も言いますが、ソウルは空気が汚い。
街に緑が少なく、公園や、こうした山などに来ると本当にホッとします。
加えてこの日は気持ちの良い快晴。
歩くと少し汗ばむ、夏の終わりのことでした。
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急に視界が開けたその先に現れたレンガ造りのアトリエ。
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「山の中」と聞いてたので、小汚い小屋みたいなとこだと思ってました(笑)
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デザイナーさんの名前は「ホ ミョンウク」さん。
自分で収集した家具や雑貨に囲まれたアトリエ。
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結構ゴツめな風貌のホさん、どんな仕事をするのかと思ったら、
壁に飾ってあるのが彼の画だとか。
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意外!!!(笑)
いやぁ~~、意外と言っては失礼ですが、意外ですねぇ。
でも、一緒に時間を過ごしていると、
ゴツめの風貌からは程遠く、とても繊細で気配りの細やかな男性でした。
日本でも、京都などで個展も開いたこともあるそうなので、
作品を観て「あ!」と思った方もおられるのでは?
古い旅行カバンや、ブリキの車などをよく書くホさんのテーマは「時の痕」。
時間を抱えた対象物を描くことによって、そこに時間の幅も閉じ込めてるんですね。
そして一つ一つの作品が、今度はホさんの「時の痕」になっていくわけです。
素敵なテーマやと思います・・・とか、僕に言われたくないやろけどね(笑)

このアトリエ、3~4年かけて自分で建てたんだそう。
写真もプロで、先日も皆さんご存知の某有名トイレメーカーさんの、
宣伝用写真をここで撮影したらしいです。
ただ、それらの作品は、大雨による土砂崩れでアトリエが飲み込まれてしまい、
全部ダメになっちゃった・・・と笑って話してました。
あ、スピーカーなんかも作っちゃいます。
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こういう人って、本当に多才ですよね。
後日に呼んでいただいた食事会の際の食器も彼が焼いたものでした。

あ~~~、それにしても贅沢な空間ですねぇ。
周りを緑に囲まれ、好きな音楽を自作のスピーカーから大音量で流し、
自分で設計した建物の中で、自分で収集した家具を愛でながら、
ゆっくり自分のペースで仕事を楽しむ。
これって、無知な僕らが勝手に想像する「芸術家」の生活そのものじゃないですか!(笑)
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ま、でもね、ジョンさん曰く、「最初は本当に大変だった」と言ってました。
そんな中、大反対を押し切ってアトリエをここに構えたらしんです。
借金もたくさん抱えたそうですが、結果的にそれは「吉」と出たようですね。
もし、お金も仕事もない自分に「分相応に」などと思いきれなかったら、
もしかしたら今の彼はなかったかも知れません。
後に彼と仕事の話をする機会があったんですが、
周りの反対の中、やっぱり彼には見えてたんですよね、その先が。
だからこれからの為に何をすべきか、考えたうえで将来に投資したわけです。
実際、三清洞(サムチョンドン)にアトリエ兼ショップもあるようですが、
このアトリエを作ってから、そしてこういうスタイルが発信されてから、
自分のことを理解してもらえたり興味を持ってもらえたり、
勿論作品を買ってもらえる機会も大きく増えたそうです。
僕らはね、やはりお客さんが働いたお金を払っていただいてるわけですから、
同じ金額を払っていただくのにどれだけの付加価値を付けれるのかってことを、
もっともっと考えて行かなきゃならないと思います。
作って満足、買ってもらえればオッケー、じゃなくてね。
自分のスタイルや思考、それら全てを表現できるものを使って表現し尽さなければ、
単なる「一枚の気に入った画」で終わってしまうんです。
そこにプラスお客さんが背景を知ることができたら、
その画にはお客さん自身が感じた思いを加えた「値段以上の価値」が生まれます。
わかりますか?僕らが生み出さなきゃいけないのは、価格ではなく価値なんです。
彼のこのアトリエは、確かに直接お金を生むことはないでしょう。
売り物でもないお皿やスピーカーを作ることも、全くお金は生まれません。
でも、僕も心がけているのですが、
「身の回りのもの、その全てが自分自身であれ」ということ。
それが彼の場合、創作全般に渡り、
更にそれら全てを自分を表現するコミュニケーションツールとして活用し、
最終的にはお客さんに、
自分をより簡潔に明確にイメージしてもらうことに繋げてるんです。
そう、大事なのは「繋がってる」ではなく「繋げてる」ということ。
情報過多な現代社会の中で、
日々何万という情報が記憶のゴミ箱に捨てられていきます。
その中で拾ってもらえる情報として発信するには、
「繋がった」という結果論ではなく、「繋げよう」とする意思が必要です。
「今があるからの結果論」だと指摘する人もいるかも知れませんが、
大概そういう意見を唱える人は結局自分は何もしないまま、
変われない理由を世間や組織のせいにして朽ちていくことが多いですよね。
確かに、「こうすればこうなる」という確約はありません。
ただし、「こうしなければこうはならなかった」という確約は、
少なくともあるのではないでしょうか。
考えて何もしないのは、
考えてなくて何もしないやつらと結局同じなんです。
「考えてる」もしくは「考えてた」ことを酒の肴にしながら老いていく人生なんて、
一度しかない人生、僕はまっぴらゴメンですね。
そういえばこのアトリエ、
韓国版のCASAやmarie claireの建築特集みたいなのにも載ってました。


えらい気に入って過ごす僕を見て、
ジョンさんが気を利かせて本を貰ってくれました。
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中にはちゃんとサイン入りです。

アトリエだけでも十分魅力的な空間なのに、
なんと一つ段を上がったところには、プライベート空間なるものまで存在します。
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暮らしてるわけじゃなく、主に来客を持て成したり、ご飯食べたりする空間です。
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いちいちカッコイイ・・・。
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このサイズでも相当お値段するとか・・・。

階段もカッコイイ・・・っていうか羨ましい・・・。
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うわ~・・・なんなんこのセンス。
階段上った何気ないスペースが一枚の画みたい。
羨ま・・・・あかんあかん、無意識に連呼してるわ(笑)

で、アトリエを眺める大きな窓に向かったスペースが、こちら。
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セレーーーブ!!
もう、どうみたってセレブでしょ、これ。
暖炉=セレブって学校で習いましたからね。
なんか、微塵もあくせくしてない悔しい空間。
なんていうか、満ち溢れた「余裕」。
生活臭の欠片も見当たらない。髪の毛取るコロコロなんて、どこにも見当たらない。

忙しい中、ササッと食事を作ってくれました。
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記事が長いもんでお忘れじゃないですか?
さっきのお昼ご飯が「ジャージャー麺」「チャンポン」と麺続きだったことを・・・。

コーヒーも一杯一杯挽いて淹れてくれます。
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いつも僕にはこのカップ。結構気に入ってます。

カップの向こうに見えるiPad、これでホさんの作品を見せてもらってると、
「HP見たい」とのことでシュクレとモンテベロのを見てもらうことに。
便利な世の中になったもんやなぁ・・・と感心してる間も無く、
結構真剣に見入るホさんの眼に、ちょっと緊張も走ります。
なぜって、僕にとってはこのHPの画像も文章も、
もちろん載ってるパンたちも自己表現。
散々、いろいろ話をさせてもらってきたホさんに、
「結局、どういう仕事をする人間なのか」を今見られてるわけですからね。
どれだけ話しても、やはり僕らの会話は「仕事」です。
それが伴わなくては繋がれないんです、本当の部分ではね。
頷きながら見入る彼の発した最初の言葉は、
「実際にお店の中に入って、ここの空気を感じてみたい」
くぅ~~~~、憎い!(笑)
せめて「行ってみたい」ですよね、普通。
でも、なんかしらの空気感を感じてもらい、
それを体験したいと言ってもらえたなら嬉しいですね。
周り、何もないとこですけどね(笑)

なんかね、本当にここでの時間は、ここに居れてることにただただ感謝の時間でした。
普通、ぽっと来た日本人が来れる場所じゃないですからね。
そういう意味では、いつもお世話になってるジョンさん様々です。
非日常過ぎるシチュエーションと出会い、
その違和感と幸せを噛み締めながら、遠い山並みを眺める僕を、
こんなタッチでお送りしてお別れとさせていただきたいと思います。
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久しぶりの本人登場が、こんな感じでスイマセン・・・。
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by monsieur-enfant | 2011-11-08 03:27 | 韓国手記´11砕心

この土曜日、なんとソウルは100年ぶりくらいに11月に25度を超えたそうです。
前から「寒い寒い」と言っておきながら、「あれ・・・?」という毎日。
でもソウルの秋は大阪の冬くらいと脅されてたので、
いつ来るかわからない冬将軍に怯えて過ごしていました。
防寒に、迷った挙句コートも買ったし、
でもコートを買ってから、当てつけのように暖かくなったし・・・、
そんなこんなしてたら、なんと「100年ぶり」の25度超え。
そしてその日、僕が何をしてたと思いますか?
ええ、もちろん買ったコートは持ってましたよ。さすがに着てはいませんが。
だって、夜に予告なしで冷えると困りますからね。
なんせ「大阪の冬なみ」ですから。

いやね・・・、どうりで暑いと思ってたんですよ。
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下手したらね、「寒いと困るから」と思ってコートを片手に抱えていたわけですよ。
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明洞から見て「あれ・・・これ歩けるんちゃうか?」と思って突発的に歩いてみたのも、
ケーブルカーが長蛇の列だったのを見て迷いも無く「徒歩」を選択したのも、
一応、山ですからね、肌寒くて丁度良いと思ったわけですよ・・・。
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こうして紅葉などを撮ってたのも最初だけ。
吹き出る汗を不思議に思いながら、
「100年ぶりの暑さ」など知る由もなくに登ってるここは、
よりによって「ソウルタワー」(笑)
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しかも徒歩。
片手に抱えるコートが、夏場の毛布の如く暑くてたまらない。
いや、途中から憎くてたまらなくなってきました(笑)
だって、
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これが中間地点くらいの景色ですよ・・・。
ケーブルカーまでも、明洞から結構急な坂道を上るわけです。
あ!そういえば明洞でもぬいぐるみのバイトが座り込んでたっけ・・・。
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てっきりサボってると思ってたけど、
実は寒さ対策で厚着で入ってしまってヘバってたのかも!(笑)
そこで気づいてれば、よりによってこんな日に登らなかったのに・・・。
ま、でも途中で降りるわけにもいかず、
尋常じゃない11月の汗と共に、
景色をチラ見しながら登るのでした。
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くぅ~~~~、微妙!
頑張って登ったその先には微妙なソウルタワーと(先の画像参照)、
昭和歌謡を熱唱する営業(だと思う)のおじさんおばさん歌手と、
それを「わざわざこの高さまで何を見に来たの・・・?」って思う、
手拍子するこれまたおじさんおばさんの集団。
そして、タワーの周りの店やスタッフの首から下げてるストラップ、
はぁ・・、見覚えあるそれら、そうです、うちの会社のです、全部。
もちろん、タワーも。
どんな会社やねん!って感じでしょ?(笑)
ま、上まで上ればそれなりにキレイですけどね。
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外観はショボくても、中身・・・というか、
エレベーターだけは最先端。
なんでも「世界最速」だとか。
なのに「耳キーン」ってしないのはスゴイですが、
速過ぎて実感も出来ない(笑)
疲れ果てた中で撮ってるので、
ガラスに室内のクーラーが写りこんでも撮り直す気ゼロ。
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中央左の「H」の光は、漢江と、そこに架かる橋ですね。

帰りはさすがにケーブルカーで帰りました。
シューーっと一瞬です。
「なんや、味気な」と悪態をついてみるものの、
「じゃあ歩け」と言われたら、4倍までなら躊躇無く払いましたね。
ま、「100年ぶり」の一日に、たまたま遭遇できたわけですから、
ラッキーな一日だということで・・・。
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そんなソウルからの報告でした。

お疲れ様でしたぁ。
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by monsieur-enfant | 2011-11-06 23:28 | 韓国手記´11砕心

ソウルデビュー

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ヴィエノワズリー、遂にお店に並びました。
いやぁ・・・、大変だったぁ・・・・。
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by monsieur-enfant | 2011-11-05 08:15 | 韓国手記´11砕心

季節外れの・・・。

更新、滞ってしまいスイマセン・・・
全然時間取れず、書き途中の記事も進まない状況です。
なので今回は文章あまりいらない記事でお送りいたします。

この日は10月の頭の話。
普段、あんまり行かない「汝矣島」(ヨイド)というところにある、
漢江市民公園に向かって歩きます。
そう、漢江と言えば、あのソウルの真ん中を走る大きな河のことですよね。
その周辺にある公園一体に、ソウル市民が集まってくるイベントが行われるんです。
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時間の経過と共に、どんどん人も集まってきます。
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この日のことを教えてくれた裕子ちゃんも来てたようですが、
この中じゃバッタリ出会うほうが無理ってもんです。
ホント、途中からは怖いくらいに人が押し寄せて来てました。
夜も更けて、一気に気温も下がります。
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寒さ凌ぎのブランケットなどの売り子さんたちの声が飛び交う中、
いよいよスタートです!
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そうなんです、花火なんです。
この日は「2011ソウル世界花火大会」だったんです。
ま、「世界」と付いてるのは後で知ったんですけどね。
日本では「夏」というイメージが強いので、
寒さの中での花火は若干の違和感がありましたが、
十分キレイで楽しめました。
30分くらいで一旦ストップしたので「もう終わりかな?」と思って引き上げましたが、
その後、9時頃まで続いたようです。
なんでもこの「世界花火大会」、
日本からスタートし、韓国、そしてトリはポルトガルが務めたよう。
僕が観たのは日本チームだったんですね。
どうりでキレイでしたし、周りからもすごく歓声が上がってました。
最後までいた祐子ちゃんによると韓国もキレイだったようです。

・・・が、最後のポルトガル、「なんで最後に回したん・・・?」ってくらい、
一個も歓声が上がらんくらいのクオリティだったとか(笑)
最後まで観てた皆さん、お疲れ様でした!
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by monsieur-enfant | 2011-11-04 08:22 | 韓国手記´11砕心

ソウルと言えば「焼肉」。
ただ、ホルモンはどうも専門店以外はしっくりこない。
確かに安く食べれるんですが、
一番最初に食べた、近所のこのお店が結局一番美味しかったかなぁ。
「良味屋」(ヤンミオク)
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地下鉄「乙支路3街駅」すぐの、このお店。
やはりガイドブックの常連で、「大統領も愛した」というのが決まって書かれてる文句。
ちょっと遅めに行ったからか、たまたまこの日が忙しかったからなのか、
なんとも荒くれた店内に若干引きながらの入店・・・。
で、「高っ!!」
普通の焼肉屋さんで食べれるホルモンの3倍弱はしようかという値段。
ただ、ホルモンの専門店を名乗る有名店になると、
大体これくらいの値段を取られます。なので店選びは慎重にしたほうが良いかと。

荒くれたままの店内をよそに、淡々とセッティングが始まります。
で、出てきたホルモン、特ミノとテッチャン。
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こっちではミノを割かないで筒状のままハサミで切って提供されます。
キレイなホルモンは、やはり旨かったですね。
その後何軒か行きましたが、やっぱりここが一番美味しかったです。
安くて旨い店を探す時間があるならそのほうが楽しいですが、
手っ取り早く旨いホルモンを食べたいのなら、悪くはないのなかぁと思いますよ。
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by monsieur-enfant | 2011-11-02 04:14 | 韓国手記´11砕心

ジャンクフード。

ちょっと長い記事が続いたので、
気楽な記事を幾つかご紹介。

この日は、久しぶりに祐子ちゃんと待ち合わせ。
場所は新堂駅からすぐの「新堂洞トッポッキ通り」
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この通りの入り口すぐにあるのが、ここ。
「マボンニム ハルモ二 トッポッキ」
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ガイドブックには必ず載ってるようなド定番なお店。
他にもこの通りは10店舗くらいトッポッキのお店が連なり、
そのほとんどが24時間営業だとか。

席に座るなり有無を言わさず運ばれてくるのが、人数分のトッポッキ鍋。
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これで二人前。
コチュジャンや黒味噌などで作るタレと煮干スープ、
餅と二種類の麺、揚げ餃子、
そしてパックのまま出てくる沢庵。
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ビールのコップすら、こんな感じ。
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でも店内はお客さんでいっぱい。
あ、肝心の完成写真を撮り忘れてるので、
この全体像の中に写ってるトッポッキ鍋をご鑑賞くださいませ。
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トッピングの追加もできますが、「男×男」ならそれも良し。
でも「男×女」の2人組みなら、これくらいで十分かな。
お腹いっぱいになってお会計は、トッポッキ鍋だけだと2人前w10000。
つまり一人400円くらいで食べれちゃうわけです。
しかも、チープなインスタント臭漂う具材たちも、
結局は強烈なコチュジャンによって一まとめにされてしまうわけです。
コチュジャン・・・、恐るべしです。
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by monsieur-enfant | 2011-11-01 00:05 | 韓国手記´11砕心

僅かに扉が開いた日。

前の記事にあるように、
翌日にいよいよ店頭にパンが並ぶという日にも関わらず、
僕を飽きさせないようにという意図でもあるかのような、
いろんなサプライズを用意してくれた一日を過ごしたわけですが、
さすがに「明日には・・・」と思うと期待と不安が入り混じり、
あまり寝付けないまま朝を迎えました。

そんな前日の夜、
通訳のイさんから僕の気にしてたディスプレーについて電話があり、
「あのですね(口癖)、一階のマネージャーさんたちがですね、
今日の21時くらいからテーブルを運んで、明日の準備をするそうなんです。」
なんせ一度も「仮に並べてみる」などという、
シュミレーションもしないまま当日を迎えるわけですから、
「心配するな」というほうが無理でしょ。
ま、でも、なんだかんだありましたが、
夜遅くから新しいテーブル引っ張り出してきてセッティングしてくれるわけです。
「頑張ってくれてありがとう」と素直に思うことにします。
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薄曇りの朝のいつもの坂道、
変わらぬ道に三つ目の季節が顔を覗かせようとする頃、
目指し歩を進める場所に、今日は「変化」が待っています。
ここ東大門に落ちた一滴の雫、
今はそんな小さな「変化」かも知れませんが、
いつか大きな流れを生む源流になるかもしれない、
それくらい大きな意味と意義のある一滴だと思っています。
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通いなれた店の前に立ち、一息大きく深呼吸。
ソウルの街に、ソウルの人たちに、
僕らのパンが「はじめまして」の瞬間に会うために、
まだ緊張解れぬ面持ちながら、店内に足を踏み入れました。




・・・・・ん?




・・・・あれ?・・・・・・あれあれ?
見間違いかと思い、何度も見直し確認してみました。
が、やはりありません。ディスプレー用のテーブル自体が(笑)

なんと、そこにあったのは、いつもと変わらぬ景色でした。
昨晩の電話は一体なんやったんでしょう・・・。
ここまで用意周到に落胆するための布石を散りばめなくても良いんですけどね。
店内をもう一度よく見てみると、通常商品すら店頭にはまだ疎らな状態。
厨房は完全にテンパって商品がまだ焼けていない様子、
でも焼けてたとしても並べるための場所がセッティングされていない、
極め付けに、レジに全く新しい商品の名前も値段も打ち込まれてない、
・・・・と、言うことは、
「全部できてないから丁度良かったんちゃう?」
いやいやいや!そんなバランス、いりますか!?(笑)
危うくこの会社に感化されるとこでした。
あ~~~~~、若干感動する準備もしてたのに~~~~!!(笑)

えっちらおっちら、台が運び込まれてきたのは昼の12時頃。
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しかも、徐にセッティングし始めたのは初めて会う人たちでした(笑)
つまり今まで打ち合わせにもプレゼンにも来てないわけで、
わかりやすく言うと、パンを見たことも食べたこともない感じなわけです。
でも、もう慣れました。これくらい、どうってことないです!

その頃、厨房ではようやくパンたちが揃い始めました。
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お店側も、徐々に場所が出来てきたようです。
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そしてレジへの打ち込みも完了しました。
パンが緊張した面持ちで舞台に上がります。
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新しい景色として店内に登場したのは、
お昼休憩も終わり、店内がまた静けさを取り戻した午後1時過ぎ。
いつもながら、なんちゅう間の悪さ・・・。
「これはここね!」
「このパンはこうしたほうがいいんじゃない?」
「厨房は大丈夫!?」
「いやいや、それはないでしょ・・・」
朝、店内に入れば出来上がってたはずの景色でしたが、
結局こうして指揮を取らなきゃいけません。
そうこうして迎えたソウルデビューのその瞬間、
全く感慨深いものはありませんでした(笑)

今までも書いてきた通り、
このお店は菓子パンなど、みんなが知ってるパンばかり。
その1500近くあるチェーン店のフラッグショップに・・・という依頼でしたが、
もう通常業態でお店は3ヶ月近く稼動している状態。
お客さんは何の期待もせず、1500店舗のうちの一軒として、
むしろ「チェーン店のパン」を買い求めにくるわけです。
プロモーションもままならず、そんなお客さんに突然突きつける新たな景色。
「しばらくは、ちょっと引かれるでしょうね」
というのが共通した見解でしたし、僕もそれは覚悟してました。
・・・が、
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不思議そうな顔をしながらも、
次から次にお客さんが集まり、
積極的に試食のパンに手を伸ばしてくれました。
そして、試食したパンをトレイに乗せてくれるのを見た瞬間、
そんな当たり前の行為にここまで感動するか!?ってなぐらい、
込み上げてくるものがありました。
実際、目の前で食べてもらって、そして選んでもらえた、
うちのパンたちがソウルの人たちに気に入ってもらえたわけですからね。
若いカップルがパンドミを試食し、
彼女が彼氏にジャムを塗って食べさせてあげ、
嬉しそうに小さなトレイに乗せてくれる、
なんとも微笑ましい時間の中に、自分たちのパンがいる風景。
三年前、セミナーに来たときには感じれなかった充実感。
やはり僕は「作るだけ」ではダメなんですよね。
岸部でもそうですが、こういうパンを「売りたくて」シュクレクールを始めたわけじゃなく、
こういうパンとお客さんが共にある「景色」が見たくて始めたようなもの。
そしてその景色の向こうに見える「日常」。
その日常に寄り添うのが「pain」だとしたら、
こうして実際店頭に並び、お客さんの手に取ってもらわなければ始まりません。
この日買ってもらったパンはそれぞれのお宅に連れて帰ってもらい、
明日にはテーブルに並び、何気ない会話と共に食されるわけです。
そんな日常の風景の一部になりたくて生活圏にお店を出したシュクレクールという媒体。
それが今、ソウルという場所で同じことが繰り広げられようとしています。
先に書いたように、まだまだ小さな一滴の雫のようなもの。
でもその雫なくして大河は生まれません。
何店か載せたように、良いお店も生まれつつあります。
そんな一滴が集まり同じような流れを作り出せれば、
本当に新たな流れになってくれると信じています。
このきっかけをどう繋げ、どう伝えていくのか、
1のものを1で終わらせるのか、3にも4にも広げていけるのか、
それは今後、この会社がやらなきゃいけないこと。
僕はただ、最初の重い重い扉を開けるお手伝いをさせてもらっただけ。
まだ開いたばかりの小さな隙間の向こうに、
新しい価値観が生まれる未来が広がってることを信じて、
このパンたちを育て、スタッフを育て、お店を育て、
そしてお客さんと共に成長していける場所になってくれたなら、
僕としては、これほど嬉しいことはないですね。

あと、今までは何度も作っては捨て、作っては捨てるだけの毎日。
社内で開発してるものを持ち出してはいけない規則の中で、
それに慣れてしまい当然のように捨てていく様に違和感を覚え、
同じように扱われるうちのパンが可哀想で可哀想で捨てれずにいると、
見かねた部長が袋に詰めて、何度かみんなに配ってくれたものでした。
確かに大きな会社の製品開発とはそういうもので、
更に技術を要するものには教育期間も必要となる、
となると、そういう行為も止む負えないのは理解してます。
ただ、やっとこの日、名前をもらって値段をつけてもらって並んだパンたちに、
最初に贈った言葉は、「やっと食べてもらえるようになったね」でした。
この日から、捨てるためでなく食べていただくために作れるようになったこと、
ようやく彼らに顔向けできるようになったのも、ホッとしたし嬉しかったことですね。



いろいろあった一日でしたが、
そんな今日という日を経て、
初めて心の底から「来て良かった・・・」と実感することができました。
行かせてくれたシュクレクールのスタッフのみんな、
不在の中、シュクレクールに変わりなく足を運んでくださってる皆様方、
そんな支えがあって初めて僕の我がままが実現できたと思っています。
本当にありがとうございました。
まだまだ始まったばかりですし、これからも一筋縄では行かないことだらけですが、
今回のプロジェクトで、会社にも数々の問題提議が出来たと思います。
半年かかるか1年かかるかわかりませんが今日という日をベースにして、
ゆっくりと、でも確実に進歩していけるよう、しばらくは見守っていくことになりそうです。

さ、来週にはヴィエノワズリーも並べなきゃいけません。
感傷に浸るのは一日だけにして、
また次へ向かう為の一歩を踏み出して行かなきゃいけません。

ゴールは、こんなとこじゃないですからね。
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by monsieur-enfant | 2011-10-31 03:14 | 韓国手記´11砕心