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なないろめがね

カテゴリ:レフェルベソンス( 1 )

「先端」の見せる輝き

渋谷からバスで何分くらいやったかなぁ・・・
西麻布辺りで下車してウロウロ。
大きな交差点から少し路地を入った閑静な住宅街にてこのお店と出会いました。
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西麻布 「レフェルベソンス」
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周りがデカイ家ばかりなので、危うく見逃してしまいそうでしたが、
玄関へのアプローチはリゾート感たっぷり。
行った事ないけどバリとかってこんな感じなんかなぁ・・・。
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中に入ると、そこには驚愕のスペースが・・・。
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これ、店の客席じゃないですからね。
ここで普通に一件のサロンが営業できますけど(笑)
あ、シェフの修業先の、
イギリス「ファットダック」、ヘストン・ブルメンタール氏の本が見えますね。

店内は外から見てたのとエライ違い。
モデルばりのスタッフを揃え、ソムリエ陣も充実。
正直、どこも人材難の中、よくここまで人を集めたな・・・という印象。
案内された客席は採光も多く取り入れた明るい店内ながら、
ちょっと今まであまり体験してない群を抜いたラグジュアリー感。
まさに「ハレの日」のレストラン。
そしてフロアの中央には、懐かしい「野球盤」の消える魔球を彷彿させるトラップが(笑)
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なんと地下もあるようで、客席数席とキッチン、トイレが地下にあります。
なので料理はここから階段を上って運ばれてくるわけです。

案内された席はフロアの側面にある幾つかの半個室の一室。
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完全に浮世とは遮断された空間の中でいただくシャンパン。
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「目に映る表面的な現実世界なんて、所詮シャンパンの泡のようなものさ・・・」
と優雅に眺めてたら、やたら元気で威勢の良い泡が無数に立ちのぼる。
その「現実世界の泡」に翻弄されてる自分を見てるようでした(笑)

ランチは「より道」「牧場」「おでかけ」の3種のコースから選べます。
今回は二つのコースの良いとこどりが楽しめる「une promenade おでかけ」をチョイス。

アミューズブッシュ
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奥に見えるのがライム風味の青林檎ジュース 。
ちょっとシュワシュワしてたかな?とても爽快感のある一杯。
グラスの中にはスモークサ―モンが桜チップの煙と一緒に閉じ込められています。
その二つを繋ぐのが、ジュースに垂らされた爽やかなオリーブオイル。
青リンゴジュースを単なるジュースでなく一品の料理に昇華させ、
サーモンとの繋ぎ役も担う重要な役割。
サーモンには黒ゴマとキャビアだったかな?が乗ってました。
楽しく美味しいスタートです。

自家製パン
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正直ホッとします(笑)
ここらでガッツリ旨いパンまで出されてたら、
僕らの存在価値ないですからね。
でも一生懸命作られた好感のもてるパンでした。

ヒラスズキ~海の狼
ビーツのジュレとクリュ シェリーヴィネガーのヴィネグレットと凝乳
アンディーブ マンゴー オゼイユ
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ハッとするヴィヴィットな発色に、一気に「世界」に引き込まれる。
白いお皿の上で構成される食材を要したデザイン力。
もちろん味覚構成を無視したものは一切ない計算尽くされた一皿。

なんせラグジュアリー。なんかラグジュアリー。
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丸ごと火入れしたカブ
黒トリュフ パセリのエミュルション 生ハムとブリオッシュ
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シェフのスペシャリテ。
「カブがスペシャリテ?」と思った思考は一瞬で吹っ飛びます。
計4時間かけて火入れされたカブは、もう形容し難い領域。
散らされた生ハムやブリオッシュの全てに支えられ、その旨味を昇華させます。
そしてトリュフとの相性・・・。
カブから滴る瑞々しさに妖艶なトリュフの香り・・・ザ・エロスです(笑)

エジプト・・・
フォアグラのナチュラル 香り高い人参のピュレ
エジプトをイメージしたアセゾヌモンとパフュームで
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お皿が出てきた時、「シュッシュ」と香りを空気中に一吹き二吹き。
その香りの中でいただくエキゾチックなスパイスと甘い人参のピュレ、
そしてほぼ「生」を連想させる濃厚なフォアグラ。
旨いし上手い。
ただ、大阪某三ッ星に、
「フォアグラで感動する」という感情は奪われてしまってるんですよね。
罪なお人・・・(笑)

ここで何やら出てきたと思ったら・・・
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ラギオールのナイフセレクトタイムッ!!
こんなのありですか!?日本酒の「お猪口セレクト」じゃないんですから!
・・・ただ、こういうのって、「それ選ぶと思った」と思われるの嫌じゃないですか?
素直に選ばなかった結果、どれ選んだかも覚えてませんね・・・。

待ちわびた春に飛び込んで~岩手短角牛サ―ロインのロティ
そのジュ パースニップのピュレ 雪の下キャベツ わさびの葉と茎
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脂身の少ない、しっかり噛みごたえのある赤身肉。
シンプルな構成の中に、的確な火入れの技術が浮き立ちます。
ガルニも、これから来る春を五感に訴えてきます。

壊したい欲望~
ショコライノアールをまとって ルバープ ヨーグルトと胡麻のアイスクリーム
P125のシュトロイゼル
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この球状のショコラを叩き割ると、中に諸々が潜んでるわけです。
だから「壊したい欲望」なんでしょうけど、
基本僕はどちらかというと「壊されたい願望」が強いんですけどね・・・って、
え!?そういう話じゃない!?(笑)

ここではミニャやカフェをメニュー上、「おしゃべりのお供」と書いてます。
どこまでオシャレ!どこまでくすぐれば気が済むの!(笑)
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そして白いポットから注がれる液体はブルーのハーブティー。
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なんなんすか、ここ・・・。
女性心理をどこまで巧みに操る気ですか・・・って女性じゃないんですけどね。
「上質」って、久々に味わいました。
料理もさることながら、空間、サービス、共に上質。
もちろん「レストラン」というカテゴリー自体が上質でなければならないんでしょうけど、
それを踏まえても、何ていうんですかね・・・、うん、ちょっと抜け出てるかな、ここは。
シェフの経歴も、飽和状態の東京の中でも珍しく、
ファットダック譲りのアヴァンギャルドな路線でくるかと思いきや、
ミッシェル・ブラスを思わせる素材に寄ったアプローチも見せる。
シェフ曰く、「夜はもっと楽しいですよ」
え・・・それはどう取ったらいいんですか・・・?
あ・・・!あぁ!ファットダック色が濃くなるってことですよね!
あぁ、そっか!あぁ、そうですよね!
どこまで乙女心をくすぐってくるんだか・・・もう怖いわ、怖い怖い!

そんな怖い思いをしても(してない、してない)、
今、東京でハレの日のレストランを挙げるなら間違いなくここですね。
今回の東京で「ラ・ブランシュ」「北島亭」「ル・マンジェ・トゥー」と、
名だたる三件にお邪魔させていただき「トラディッション」に魅せられたわけですが、
いやいや、現代フレンチも捨てたもんじゃないっすね。
箱、人、センス、それらを踏まえたうえで、
現時点での日本におけるおそらく最先端のお店。
もちろん「最先端=最良」とは限らないことは前提としてですが、
それでも先端の放つ輝きは、きらりと眩い印象を残してくれました。
いつかまた、夜に再訪したいと思います。
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by monsieur-enfant | 2011-05-23 09:41 | レフェルベソンス