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なないろめがね

カテゴリ:韓国手記´11秘密( 3 )

「お返し」

急遽決まった3日間の韓国滞在。
3日目のこの日は、前回のセミナーで知り合ったお店に伺えることに。

と、その前に、今回ずっと通訳として付いてくれてた方の働いてたお店に行きました。
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もう50年続いてる、ソウルでは有名なお店だそう。
行ったときもお客さんはいっぱい。
地下の厨房はビックリするくらい広く、厨房というより工場でした。

店を出たあと、道の向かいに屋台を発見。
なんだかよくわからずに「食べますか?」と聞かれたので「食べます」と返事。
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冬にはよく見られる食べ物で、夏に売ってるのは珍しいんだそう。
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少し固めの中は空洞な生地。
ほんのり甘く、シナモンの香りがフワ~ッと。

そして前回一番お世話になったソンさんのお店「ボン ヌーヴェル」へ。
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リニューアルしてキレイになってました。
今回行ったどこのお店よりバゲットが美味しそうだったのは嬉しかったですね。
なぜなら基本、韓国は焼き色が浅いんです。
焼きこむのは勇気がいるんです。
僕のパンは「焦げてる」と言われるくらい(笑)
でもね、焼き色が浅いと香りも勿論ですが表情が出ないんです。
薄い墨汁で描く水墨画のようなもの。
そういう意味でも、ある程度の濃淡は必要だと思うんですよね。
やはり「食欲という欲求」を揺さぶるようなパンを焼きたいと思うんです。
でも、そんな話をしたのを覚えててくれてて、
「韓国人はそれがわからない。だから売れなくてもいいからしっかり焼くよう言っている。
売れないからやらないでは、何も伝わらないですから」
と、あれから3年経った今でも頑張ってくれてるのは、
技術を教えに行ったわけじゃない僕としては何よりの贈り物をいただいたようでした。

そして前回通訳してくれた方が、
3月か4月くらいにお店を出したというので見にいきました。
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店に入ったとき、鳥肌が立ちました・・・。
韓国はね、「パンだけのパン屋さん」はまだまだ少ないんです。
しかもパン職人と菓子職人がいるわけじゃなく、両方同じ人がやらなきゃいけない。
なので片方をしっかり掘り下げることも仕事と向き合うこともできない。
良いパンが生まれないのには、そういうところにも問題はあるんですよね。
でも、前回のセミナー終わりに、ここのオーナーが言ってたんですよ。
「岩永さんみたいな想いを持って、私もパンだけのお店をやってみたいと思いました」
そして今年、小さな雑貨屋さんのような、
「パンだけのパン屋さん」をオープンしたんですって。
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「売り上げはそんなには良くないです。
でも、すごく気持ちがすっきりしてますし、すごく満足してます」
ずっと韓国で抱えてたパン職人としての葛藤やジレンマ、
そういう部分を、僕に後押ししてもらえたと言ってもらえました。
繰り返しますが、もう3年経ちます。
大概、セミナーなんてものは技術やスポンサー絡みの材料の押し売り。
大体、その場でお仕舞い。後に残るのは配られたルセットのみ。
だから嫌い。日本でやるつもりはありません。
見たければ、会いたければ、話したければ、自分の足で来れば良いだけの話。
でも韓国はそうはいきません。
そして、技術も経験も、みなさんそこそこ持ってらっしゃる中で、
次に進みたくても進めない、消費者と作り手の温度差やニーズ、材料の乏しさ、
そんな今のタイミングだからこそ僕が行き伝える意義があるんじゃないか、
そう思って行った前回のセミナーでした。
見せたかったのは、その場限りのパフォーマンスではなく、
ずっとずっと持ち続けてもらえるような「姿勢」。
伝えたかったのは、自分たちの中で消化し、
育み、そしていつか形になっていけるような「想いの種」。
それを、ちゃんと育ててくれてる人がいるということが、
本当に本当に本当に嬉しかった。

そして先に書いたボン ヌーヴェルのソンさん。
8月末にデパート内に4店目を立ち上げるそう。
「そこは僕もパンだけのお店に挑戦しようと思ってます」
・・・・ありがとう。ありがとう。
僕が何したわけじゃありませんが、お返しが大き過ぎますよ・・・・。

いつだって、どこでだって、
何かをすることは苦しいものです。
やってないことをやるのは難しいものです。
でも、だから皆やらないんです。
皆やらないから未だ苦しく難しいんです。
じゃあ、今自分たちが挑まないってことは、
次の世代にそれを押し付けるってことですよね?
僕は「あいつらがやらなかったから」なんて言われたくないです。
自分が抱えてる不満を世間のせいにして次世代に受け流すなんて行為、
カッコ悪くてようしません。
他人に愚痴る暇があるなら自分がやりゃいいわけで、
需要がないなら自分で作りゃいいわけで、
既にあるものや用意されたもの、規定路線の枠の中でしか喚けない、
そんな臆病な人間にはなりたくないわけです。
知らないものを理解してもらうことは、
知ってるもので喜んでもらうことの何倍も労力がいります。
周りのやってないことをやることは、
周りのやってることをやることの何倍も何倍も苦しみを伴います。
でもね、
要は「自分が何がしたいか」じゃないんですか?
誰かが既に知ってることや、
周りが既にやってくれてること、
そういうことがそんなに重要なんでしょうか。
重要なのは、そんなこと関係なく、それでもやり遂げたいと思えるかどうか。
僕は頭が悪いので、マーケティングなどと器用なことはできません。
市場を調査し、需要を推し量り、ニーズに応える仕事ができない僕は、
ここ岸部から、ここにしかない価値を生み出していくしか生き残る術はないんです。
変動する「外的要素」に振り回されるより、
変動しない「内的要素」を貫くことを選びたい。
だって、そもそも作り手っていうのは、
みんなが喜ぶようなものを作りたかったわけじゃなく、
自分の作るものでみんなを喜ばせたかったんじゃないんですか?
外に目を向けるのも大事ですが、
内なるものと向き合うのも大事。
そういう単純な部分、僕は大事にしていきたいなぁと思います。
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by monsieur-enfant | 2011-07-29 04:15 | 韓国手記´11秘密

先日は夜中まで仕事だったため、
晩御飯は仕事の合間に弁当の立ち食いでした。
なので、この日は食事に出ることに。

昼間からずっと「何食べたい?」って聞かれ続け、
ようやく「豚」か「鶏」かの2択まで漕ぎ着け、
結論としては豚になりました。で、鶏は翌日のランチでということに。
別に食事に来てるわけじゃないので、
普段みんなが食べてるものを一緒に食べれたらそれでいいんですよね。
とにかくみんなの後を付いて行きます。
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結構早い時間やったと思いますが、どのお店もいっぱい。
4件目くらいでやっと決まりました。
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注文は丸投げ。
基本的に、ここが正式に何の店かもわかってないですから(笑)

お!ユッケ!
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日本ではもう食べれなくなっちゃうのかな・・・。

どかどかとサイドメニューが運ばれてきます。
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メインの豚と合わせて食べるお野菜もたくさん。
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にんにくやタレも揃って、準備完了!
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おお・・・・、ビジュアル良すぎでしょ・・・。
下から見上げる感じで撮ってるのでわかりにくいですが、
上の豚の脂が下に流れてきて、いらない脂は下のコップが受ける仕組みです。
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こうやって、パッチンパッチンとハサミでカットし、
お野菜にくるんでいただくのです。
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韓国のビールは総じて薄いので、
焼酎入れて飲むのはポピュラーなんですかね?
前回もガンガン焼酎入れて飲んだ記憶が・・・。
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マッコリもスタンバイ。
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この食事会の前は、どっか距離を感じてて、
「あまり歓迎されてないのかな・・・」と思ったんですが、
上層部にガンガン物言う僕に、「エライ奴が来てしもた・・・」と近寄り難かったんだと。
数人と形式的に食事するくらいと思ってた僕は、
ほぼ全員来てくれたことだけでも本当に嬉しかったです。
でも向こうは向こうで、「筋は通ってるけど、それだけの堅物」だと思ってたようで、
一番食べて一番飲む僕に、「こんな人だと思ってなかった」とホッとしたよう。
ま、仕事は仕事、食事は食事ですからね。
韓国の人らは、みんなで食べる時間を本当に大事にします。
料理はほとんど取り分けられておらず、
みんなで一つのものを突付きあって食べるスタイルが多いです。
僕も食事の時間はとても大事にしていて、
どこで何を食べるのかも勿論ですが、
それよりも誰とどのように過ごすのかということのほうに重きを置いてます。
食事を楽しめば良いのではなく、そのお店にあった楽しみ方で楽むことが出来、
それを同席したみんなで時間を分かち合えたら最高ですよね。
あと「生身」のその人が見えやすいのも食事の席。
気配りやマナーなど堅苦しいことも踏まえなきゃいけない大事な要素ですが、
それより「食べる」という「生」に直結した行為のなかに、
やはり「その人の人間性」って出やすいですよね。
特にお酒の席なんかそうですが、
「人として安っ・・・・」、
そう思わされた残念なオーナーシェフ連中は後を絶ちません。
気が大きくなり横柄に偉ぶる姿、繰り返しますが安いです。
良い店になるのは、勿論大事ですが、
良い客でいることも同じくらい大事なこと。
それを見失う振る舞いをする人間に、
お客さんを持て成す資格は無ぇな・・・と思ってしまうわけです。

この日は、やはり僕に遠慮されてる感は否めなかったので、
そこで僕が遠慮してしまうと場も盛り上がらないしコミュニケーションも取れない、
なので、のっけから意図的に飛ばしました(笑)
それが「自分の国の料理を、それだけいっぱい食べてもらえるのは嬉しい」、
そんな風に思ってもらえる結果に結びついたのは嬉しかったですね。

前半の鉄板とコンロが下げられ、下の炭火に火が入ります。
食事の流れがよくわからないので、「お・・・、まだ何か始まるのか・・・」と、
飛ばしすぎてお腹一杯だった僕はここから慎重になるのでした。
と、運ばれてきたのはカルビ。
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どうやら今回の主役はこれのよう。
ビジュアルも主役に相応しい迫力。
でも、これも美味しかったですど最初のお肉も十分美味しかったですよ。
第一志望にフラれ、「次、空いてたとこ入ろ」的な、
行き当たりバッタリなチョイスだったことを考えると上出来です。

お肉もお野菜もいっぱいいただき、
焼酎入りビールもたらふくいただき、
みんなとも打ち解けることもでき、
「良い時間だったなぁ・・・」とマッコリをいただき始めます。
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と、落ち着いてきたところでグツグツと煮えたぎるものが。
味噌汁のようなものだそう。
更にご飯も運ばれてきて、「あ、締め的な感じね」と思いきや、
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鉄鍋の登場・・・。
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からのプルコギ。
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ま・・・、期待には全力で応えたいと思うのが性分ですので、
勿論美味しくいただきました。
「ご飯にかけると旨い」と言われればご飯にかけ、
マッコリをあおり、プルコギを頬張り、
宴の終わりに明日の予定を考え始めたとき、
僕の頑張りが裏目にでました。

「岩永さん、まだまだ飲めそうなので、もう一件行きましょう」
あの・・・酔いは平気ですが体内の容量がマックスを超えてましてですね・・・・(笑)
2件目のちょっとチープなおしゃべりメインのようなお店で出てきたのは、
ジョッキの生ビール、てんこ盛りの冷麺、からあげ、つくね(のようなもの)、
日韓友好の為だと強い意志で挑まざるを得ませんでした(笑)
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by monsieur-enfant | 2011-07-27 03:00 | 韓国手記´11秘密

突然ですが・・・

ある日のランチ。
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お気づきかと思いますが、韓国です。
初めて降りた金浦国際空港。
良い感じにミニマムで、わかりやすくて良いですね。
仁川だと迷子になってしまいそうで・・・。

ま、とりあえずバタバタと何だか話も纏まらないまま、
とりあえず現地に行ってみないとわからないことだらけなのでソウルに飛んだ次第です。
で、空港で食べたお昼ご飯の風景です。

着いたそうそうだったので、
別に何が食べたいわけでもなく、ま、とりあえず知ってるものでと思い、
無難に冷麺を注文。
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味も無いし、辛いだけ・・・。
でも、まぁこんなもんなのかな・・・と思いきや、
「こんな不味い冷麺初めてです」
と、迎えにきてくれたラさんの衝撃的な一言(笑)
ま、おかげで翌日、罪滅ぼしにと美味しい冷麺屋さんに連れてってもらいましたけど。

と言いましても、もちろん観光に来たわけじゃなく、
ちょっとしたオファーがあっての渡韓。
とりあえずホテルに荷物を置いて、本社に向かいます。
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そう、あの目立つビルが目的地です。
そしてその一階部分、ここが今回のオファーの肝の部分。
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まぁ、この日は大変でした・・・。
慣れてるっちゃ慣れてますが、やはり海外での仕事はアクシデントありき。
それに今回は、前回のようなセミナーみたいなユルイ話ではないのもあって、
いろいろあったこの日が終わった夜中には、
久しぶりに倒れこむように寝てました。
窓から見えるソウルタワーの夜景も眺めぬままに・・・・。


で、まさかの寝坊(笑)
ま、この日は別に朝から詰まった予定があったわけではなかったので、
問題はなかったんですが、
なんか結構心配かけてしまったようでスイマセンでした。
ザックリ打合せをして、不味い冷麺の埋め合わせをしてもらいに行きました(笑)
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えっと・・・、何とか市場の近くの、冷麺発祥のお店だそう。
前回もそうでしたが、自分が滞在してる場所が「ソウル」から絞れないんですよね(笑)
何回か聞いたんですが聞きとれず仕舞いに終わって、
結局「ま、いっか」となってしまいました。
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お昼時、土砂降りの中でしたが結構混んでました。
今年の韓国の梅雨は異常に長く、3週間くらい雨降りっぱなしだったみたいですよ。
僕が滞在した3日間も、雨降りっぱなしでしたし。
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なんだかよくわかりませんが、
「エイの刺身入り」みたいなものが一押しとのことで、身を委ねてみました。
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ハサミでジョキジョキしてからいただきます・・・・が、
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「全く別物やん!!」
こりゃ昨日の冷麺はヒドイわ。
いくら空港施設内とはいえ、それを差っぴいてもヒドイわ。
ってか、ここ旨いです。
えっと・・・、ここがどこで何て名前のお店かわかる方、是非行ってみてください(笑)
キーワードは「冷麺発祥のお店」です。

さて、ここから会社に戻って、まぁいろいろとあるわけですが、
その辺はまだお話できる状態ではありませんので、ちょっと省かせていただきます。
となると・・・・、次は皆で行った夜ご飯になってしまう・・・。
ホントにスタッフに食事しに遊びに行ったと思われませんように・・・(笑)
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by monsieur-enfant | 2011-07-26 05:08 | 韓国手記´11秘密