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なないろめがね

カテゴリ:祇園 やまぐち( 1 )

変幻自在。

さてさて、お待たせしました。
清水寺の記事の最後の一行に、「どこですか?」の声もいただきながら、
結構な時間放置してしまい、「まさか、鯖鮨のことやったんか?」
との憶測も飛び始めた今日この頃、ようやく書き終えることが出来ました。

日が暮れると結構冷え込む、この時期の京都。
ひんやりした空気のなか、寒そうに背中を丸めたり、
ポケットに手を突っ込んだり、いそいそと歩く人たちの行きかう、
師走の夜の祇園の風景。
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そんな伝統的な町屋の風景に溶け込むように、このお店はありました。
祇園 「やまぐち」
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この「さりげなさ」のおかげで、超至近距離にいながら、
寒空の下、うろうろすること15分(笑)

暖簾を潜ると、靴を脱いで店内に上がります。
カウンター6席の小さな客席ですが、空間は広く使われてるので狭さは感じず。
足元も、床暖房のおかげでスリッパいらず。
気軽に行ける店ではないですが、こういう仕掛けでフッと気持ちが解れます。
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今年4月にオープンしたばかりの真新しさの残る店内。
清潔感溢れる厨房で、山口シェフが一人で料理を振る舞います。
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松茸のスープ
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この季節、温かいものから始めて下さるのは本当にありがたい。
派手さはないもののシッカリ香る松茸を追いかけて来るのは梅の香りかな?
身体にス~ッと沁み入る、美味しさとお持て成しの心。

続いては、こちら。
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色鮮やかな穂紫蘇の下にはコンソメのジュレ。
その下には生ウニが鎮座し、焼き茄子のソースが忍ばせてあります。
ジュレとウニ、そこに穂紫蘇の香り、
それだけで御飯三杯かきこめそうやのに、
ふんわり香る焼き茄子のソースの香ばしさ。
更に一番下にはゴロッと丸のままのピオーネが。

続いては、こちら。
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真鯛の昆布〆を蕪のスライスの間に蕪のピュレと共に挟んでます。
真鯛の〆加減もさることながら、スライスされた蕪の食感とピュレの甘味、
蕪が良い仕事をしてるおかげで、鯛と蕪だけの一皿とは思わせない広がり。

一皿ずつ書くのは面倒くさかったので纏めて言わせていただくと、
既にハートは鷲掴み、シンプルですが問答無用に美味しいです。

あ、そういえばここ、まだ何料理とか書いてませんでしたよね?
おもむろに出てきた袋の中からは・・・、
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パンが出てきました。
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そして矢継ぎ早に紹介するのはリゾットです。
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ここでお気づきの方もおられると思いますが、
そう、ここはリストランテ、イタリア料理のお店なんです。
食べてる時は、そこまで「和」を感じることはないんですが、
こうして入店からの画像を並べてみると、そこそこ「和」ですよね。
でも、「京都だから」的に、とりあえず取りいれた和のエッセンスではなく、
言わばもう、和だの伊だのの垣根はなく、
「山口シェフの料理」として昇華されたお皿が続きます。
イタリアンだという固定観念を持って対峙すると面食らうかも知れませんが、
「山口シェフの料理をいただきに行くんだ」と、
小難しいこと抜きで身を委ねてみてください。
きっと違和感なく、「やまぐち」の世界観を堪能出来ることでしょう。

あ、リゾット冷めちゃいますね(笑)
白子と百合根のリゾットです。
仕上げに炭火でカリッカリに表面を炙られた白子に、
ほっくり百合根とパルミジャーノのコクと塩分。
どれが強くても、どれが弱くてもダメな、絶妙のバランス感覚。

画像では伝わりにくいくらいのボリュームで出てきたのは、
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「幻の豚」と言われるチンタセネーゼの生ハム・・・を、
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熱々の海老芋の上に被せたシンプルな一皿。
ただし、この一皿、グッと冷え込んできたお陰で、
ようやくお店で出せるようになったという海老芋の旨さもさることながら、
炭火で焼かれた海老芋の熱で溶ける生ハムの脂の旨いこと・・・。
ちょうど旨味成分が同じなのか、昆布のような香りもするんですよね。
海老芋も生ハムも、このボリュームだからこそ味わえる旨さがあります。
その男気に、感謝!

今日のお任せのセレクトは、たまたまフランス続きでしたが、
ワインの品揃えも豊富です。
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さ、続いては、こちら。
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散々アングルに迷ったくらい、フォトジェニックな一皿。
結局、真正面からの一枚ですが、下に敷かれたのはコッペガニ。
「こんな強気にハーブハーブしてても大丈夫?」
ってくらい、ハーブハーブしたハーブのサラダが山盛りに盛られ、
殻の中には、「これでもか!」ってくらい身が詰められています。
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さて、お気づきの方もおられるかも知れませんが、
正面写真左奥に、もう一つ白い器が見えるのわかるでしょうか?
その中身は、なんと、フルーツトマトのカッペリーニだったんです。
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つまり・・・、どういうことかと言いますと、
「カニとハーブをカッペリーニと和えて、一緒にお召し上がりください」
メインに見えたコッペガニでしたが、
所詮カッペリーニのガルニだったということです(笑)
いや、これ・・・、カニも勿論合いますし、
ハーブもフルーツトマトの甘さと香りに包まれて穏やかな印象に早変わり。
貧乏症なもんで、ちょいちょい入れて食べてたコッペガニでしたが、
途中で「このペースやとカニが余ってしまう!」ってくらい殻の中は身だらけ。
更にこのカッペリーニ、途中からモズクに変わってしまうんです。
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チラッと見える緑が、下に忍ばされたモズク。
もうカッペリーニでもモズクでもどっちでもいいくらい至福の一皿。
美味しさもさることながら、なんとも楽しいプレゼンテーション。

そしてテンション更にアップのパスタ続き!!
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そして目を疑うほどの量と厚みで放り込まれた黒鮑!!
それをブロッコリーやローストガーリックなどの庶民派が懸命にバックアップ。
散らされてる黒い粉のようなものは、黒納豆。
ただ、こうして散らされてると、香りが黒オリーブのように感じるんですよね。
黒鮑の贅沢さは勿論、脇役が適材適所で良い仕事をしてるからこその一皿。

そしてそして、メインは近江牛。
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あ~~~、旨い!!
あんまりこういう食べ方好きじゃないんですけど、
こりゃそんなことどうでも良くなるくらい旨い。
ワサビの鼻をつく香りに恐れながらも食べ進むドキドキ感はクセになりそうです(笑)
塩も多く見えますが、この塩以外、調理中に塩は打ってませんし、
「月のしずく」というこの塩、全然しょっぱくないですよ。
塩もワサビもただただ引き立てる、近江牛はひたすら受けとめる、
その相乗効果を少し甘めのソースと絡めていただく幸せったらないですよ。
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更にそれを赤ワインで流し込むわけです。
もうこれが毒だと言われても止まりません(笑)

いやぁ、何だか最初「はんなり」とスタートしてからの、
たたみ掛けるような勢いと起伏のあるコース設定、
若干テンション上がり過ぎて疲れるくらい堪能しました。
そこへ出てきた口直しは、もう一度「はんなり」と。
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絞り立てミカンジュースに、山イチゴを浮かべてます。
はぁ~~~、なんだかホッとしますねぇ~~。

そしてドルチェへと続きます。
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・・・って、やっぱり「和」ですよね(笑)
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表面のカカオパウダーの下にはエスプレッソのプリン。
その下には栗のスープと渋皮煮がゴロリ。
うん、美味しかったですよ。

エスプレッソを啜りながら余韻に浸る・・・。
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ここは硬派にビスコッティなわけですね(笑)
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途中にも書きましたが、
コース形成は既成概念に捉われず、繊細なものから大胆なものまで、
起伏に富んだ楽しい時間を過ごさせていただきました。
ただ、その流れは振り返ってみると、一本の糸で繋がってたかのような、
「やまぐち」の世界観として胸にストッと落ちてきます。
シェフとソムリエさん、8年来に及ぶ仲のお二人での営業。
お二人、とても連携も良く、心地良い時間を過ごさせていただきました。
値段設定は、イタリアンとしては相当高めで一瞬たじろぎましたが、
結構分かりやすい高級食材も目白押しですし、ま、祇園ですしね(笑)

振り返ってみると、目新しさや戸惑いばかりに注目が集まりがちですが、
最初から最後まで、シンプルに「旨いなぁ」と思わせる料理であり、
再度暖簾を潜る帰り際、シンプルに「良い店やったなぁ」と思わせる店づくり、
久しぶりに、「すぐにでも行きたい!」と思わせてもらえたお店でした。
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by monsieur-enfant | 2011-12-16 22:23 | 祇園 やまぐち