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なないろめがね

カテゴリ:龍吟( 1 )

別次元

さてさて、
フランス編のせいで、あわやお蔵入りになりかけてた東京編。
時の移ろいなど細かいところは気にしないで、
夏のサンサンと照りつける太陽を懐かしみながらご覧ください(笑)
まずは、ここから。
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言わずと知れた「龍吟」
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なかなか来れず、本当に「やっと・・・」の訪問。
店の外から中まで龍だらけ。
「和」かと言うとそうでもない内装が、多少気持ちを不安定にさせるが、
ここではその不安定さすら不快では無く、むしろ期待感へと繋がっていく。
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位置皿が運ばれていくと現れるのは、忍ばされた一通の小さな便箋。
この中に、本日の献立が書かれているわけです。
この時点で、ちょっと好きになっちゃう単純な僕。
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お酒は種類も価格も幅広くあります。
「世界」を意識されての料理ですのでもちろんワインもオッケーなんでしょうけど、
やはり日本酒を合わせたく、おまかせでお願いしました。
別に、グラスワインの値段に度肝抜かれたから・・・というわけではありませんので。
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まずは、・・・・なんかちょっと珍しい的な、
貝殻に対する説明はあったはずなんですよね・・・・失念。
ざっくりと、大きな貝殻を被されての一皿目。
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初夏の野菜尽くしの一皿 “煮鮑の出汁”と共に
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こんなデカい鮑を使ってるのにも関わらず、
献立には「初夏の野菜」や「煮鮑の出汁」が前に出てきてます・・・が、
食べて納得。主役は完全に「出汁」。
別添えの温かいお出汁を注ぐわけですが・・・、
スリッパで眉間辺りをパチコーーン!って、叩かれたくらい強烈です。
この出汁一発で、「なんか旨いもん喰わせてもらえるみたいやで!」って、
身体中の細胞が色めき立ったのを思い出します。

“焼きとうもろこし”仕立ての流し豆腐 “生うに”と“揚葱”を乗せて
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色が飛んじゃって伝わらないかもしれませんが、
一転、視覚に訴えて来る素敵な一皿。
さらに、炭で焼かれた香りの残る甘い甘いとうもろこしに雲丹が絡み、
ジュレにはエビの風味、揚葱の香ばしさ、長芋の食感と、
めくるめく香りと味と食感の万華鏡状態。これ、ズルイ・・・。

わーーー!!
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水を飲もうと持ちあげたグラスの下のコースターにも龍!!
芸が細かい!!・・・ちなみに、記念に持って帰ってきました(笑)

と、次は二皿同時責め。
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“無花果”の胡麻和え 小さな“フォアグラ”と共に
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藁の香りをまとわせた炭火焼の“さぬきのめざめ”
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お酒も美味しいです。常にワイングラス。
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お茶もゴイスーです。
龍吟印のワインボトルに入った高級茶。一杯1500円。
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さ、お次は椀です。
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引き立て一番出汁への想い 活〆“アイナメ”の葛叩き椀
東婆豆腐と共に じゅん菜を添えた初夏の仕立てで
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本当にキレイなお出汁。透き通るようでいて骨格があって。
このお出汁のお風呂にずっと浸かってたくなるくらい心地良い時間。

本日のお造り盛り合わせ 龍吟仕立て
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烏賊の仕事は圧巻でしたし、鰹とカラシの組み合わせもハッとするほど新鮮で。
薬味によって表情を変えるお造りは、少し大きめで食べごたえも十分でした。

ここにも龍。
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開けると・・・、
“ホタルイカ”尽くしの茶碗蒸し
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これ、すごかったです。
口の中で、細胞1つ1つがパンパンに膨れたホタルイカが炸裂します。
ここまで旨味を抱え、尚且つ凝縮されたホタルイカは初めてでしたし、
何よりホタルイカでここまでの衝撃を受けたのが初めてでした。
奇をてらうわけでもなく、むしろ地味なこの一品で、
後に「龍吟行って来たんだって?」の問いに、
「ホタルイカが凄かった」って言わしめることに、
山本シェフの凄みを感じさせられた一品でした。

そのシェフと同名のお酒。
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“赤ムツ”の炭火焼 煎り米をまとわせた香煎仕立て “桃”のガリを添えて
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これはね・・・・、まぁとりあえず眺めてください、この美しいビジュアルを。
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桃のガリは、まだ青い桃を収穫して漬けこんでいますので、
青く清々しい香りとほのかな甘み、そこに酸がキリッと効いてて、
脂の乗った赤ムツの豪快さと繊細さの両極に、自然に寄り添ってました。
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もうね・・・何と言ったらいいか、煎り米をまとった皮目の食感や香ばしさ、
その皮目に守られしっとりふっくら火が入った身のふくよかさ、
口にした時は言葉を失うほど、自分史上、最高の魚の火入れでした。
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なんでまた懲りもせずお茶を飲んでるかと言うと、
この時はまだ値段を知らなかったからです(笑)
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いや・・・・まぁそれでも本当にお茶も美味しいし、ボトルも凝ってるし、
細かいとこまで気を配って「楽しんで帰ってもらおう感」が半端ないっすね。

讃岐オリーブ牛“サーロイン”と“脆壊玉子”のすき焼き仕立て
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初めて聞く牛でしたが、そのサーロインが下に敷かれてるという贅沢。
「すき焼き仕立て?」と「脆壊玉子?」と思うところですが、
すき焼きに付きものの生卵の役割は、ここから登場するわけです。
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もう、あかんでしょ!このビジュアルであかんでしょ!
で、すき焼きになってましたし、尚且つ揚げ卵の油分が、
良い塩梅のコクと香ばしさを運んでくるわけです。・・・贅沢な「すき焼き」でした。

桜茶の炊き込みご飯 駿河湾の“桜海老”と共に  香の物 赤出汁
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桜茶の・・・ってくだりは分からなくなるくらいの桜海老の纏わりつきよう。
なんとも言えぬ甘味が広がる幸せ御飯。
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香の物も、1つ1つがキレイです。
「あ~、和食屋さんやなぁ・・・」って思わされます。
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そして、温かいお茶をいただき、この素敵な時間が終わるわけですが・・・
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「もしお腹に余裕があれば、抹茶を練り込んだお蕎麦などご用意できますが」
これ、いただかないわけいかないでしょ!
「せっかくだから」効果を上手く突かれてる感は否めませんが(笑)。
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お蕎麦も喉越しツルツルで美味しかったですが、
もっと特徴的なのは、昆布ベースの「透明な蕎麦つゆ」。
そういえば、ありそうでなかったなぁ・・・と、いただきながら思うわけです。

そして、食事の終わりを告げるお茶が出てきます。
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龍吟スペシャリテ -196℃のマンゴーあめ 完熟マンゴーと共に
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叩き割ると、中からはサラッサラのマンゴーのアイスが。
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そして、そこに完熟マンゴーがソースのように添えられるわけです。
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このマンゴー責め、女子、キュンキュンなっちゃうでしょ(笑)
本当ね、よく勉強されてるなんて僕が言うのもおこがまし過ぎますけど、
食べに行ってどんなに「すげぇな・・・」って思っても、
大体パンとデセールで「ホッ」としたり、
はたまた「ガッカリ」まで行くこともあるわけです。
それを、和食のこういったデセールも初めてでしたし、
それで唸らされるのも初めてでした。いやぁ、ホント感服です。

そして・・・・
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龍吟名物 “六本木プリン”
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もう、ずるい!確信犯でしょ(笑)
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プリンでしたよ、そりゃ中身はプリンでしたよ。
でも、そこはもういいわけです。
これをお土産に買って帰る方もおられるわけで、
帰ってからも店での話で盛り上がったり、空気感を改めて思い出したり。
物販ではない業種において、こうした店と家を繋ぐものの存在は嬉しいものです。
えっと・・・・他にも確か「龍吟カレー」も持ち帰りできたかと。
「え~?売り切れてないんですか?残念!」って思ってましたが、
いやいやいや、ちょっと落ち着いて考えると、
蕎麦といいカレーといいプリンといい(プリンはコースにも入ってます)、
買って帰れるもんや追加できるものを全部注文してたら、
幾ら跳ね上がるか分かったもんじゃありません。
またしても「せっかくやから」感にやられるとこでした・・・危うし。

薄茶
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なんなんすかね、このちょいちょい「やっぱ和食っていいなぁ・・・」と、
ほっこりさせられて気を緩められてからの、
インコースへの高速ツーシーム!みたいな。
なんせ、緩急が本当に巧み。それは見た目もそう。
見ていただいたので分かると思いますが、
そんなに珍しい見た目ではなく、むしろすごくシンプルなお皿がほとんど。
日本人であるが故、その見た目である程度の予測を、
脳が勝手に立ててしまうわけです。そこへインコースへの高速ツーシーム(笑)
脳がパニくるわけですよ、なまじ知ってるビジュアルだったが故に。
訪れる前は、もっとアバンギャルドな和食屋さんだと思ってました。
でも、本当に和食に敬意を払ったうえで、
本質を疑い、本質に向かって挑戦を続けてる、
だからこそ上っ面の創作じみた「見た目でのインパクト」に頼らずとも、
これだけのインパクトを与えれるんだと思います。
そして、そこには執念めいた膨大な思考と共に、
ちょっとした遊び心がちょいちょい垣間見れるんです。
味覚の部分だけでなく、心の部分でも緩急や強弱を巧みに使うことで、
食べ手の気持ちを掴んでいくんだと感じました。
ここは完全に僕の思考の向こう側を行ってます。
物事への突きつめ方や、お客さんへの向き合い方、
「次元が違う」と素直に感じました。
思ってるけど形にできないことや人が多い中で、
ここまで「店」としてシェフの難しい挑戦を具現化出来てる店を知りません。
才能のあるシェフが一人で・・・、それは難しいことではないんです。
それをチームとして今と未来の意識とビジョンを共有し、
尚且つシェフのイメージのクオリティを落とすことなく
大勢のお客さんに提供する・・・なんて、本当に簡単なことではないわけです。
特に、このレベルでは。

うちが「次」に踏み込む前に必ず再訪させていただき、
また金槌で頭を打っていただき勉強させてもらおうと思う次第であります。
クソ忙しい時期にあえて書き切ろうと思ったのが伝わったなら嬉しいです(笑)
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by monsieur-enfant | 2012-12-20 22:02 | 龍吟