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なないろめがね

カテゴリ:ケザコ( 2 )

1年ぶりに「Bon soir」

行こう行こうと思ってはいたものの、定休日が同じということもあり、
結局去年と同じ年明けでの再訪。
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「ちょうど一年前に、この道を通った夜・・・」、そう、完全に虎舞竜状態。
祇園「ケザコ」
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「昨日のことのように、今はっきりと思い出す・・・」 そう一年前と席も同じ。
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でも・・・シェフのステファンが思い出してなさそうだったので言ってやりました。
「Bon soir!」って。 でも逆に1年ご無沙汰やのによう覚えててくれましたわ。
変な日本人やからかな?(笑)
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相変わらずカウンターは満席。
正面のフランス人のお客さんとステファンとの会話のフランス語の響きが心地いい。

鯛の黒蜜マリネ
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この一皿で「この1年、全然止まってなかったんや!」と思い知らされる。
京都のフレンチとして安定した評価を得てるものの、
昨年の1年間、大きく耳にすることは無かったような印象。
それもこの店を後回しにしてしまってた要因でもあったのは確か。
そして、半ば懐かしむくらいの気持ちでいた僕の正月ボケした頭を、
金槌でスッコーンと叩かれたような衝撃に見舞われる。
「黒蜜でマリネされた鯛」という頭が理解し難い難解さとは裏腹に、
問答無用に美味いと言わせる明確さ。さらに忍ばされたポン酢のムース。
「ポン酢かよ・・・」と思う無かれ。これなくしてこの皿は在り得ない。
ま、味はまんまポン酢ですけど(笑)
そこに食感のリズムとアクセント、そして清涼感やコクをプラスする、
リンゴ、アンディーブ、クルミが脇を固めます。
いやはや・・・いやはやです・・・。

奈良漬を巻いたフォアグラのコンフィ 南国フルーツのソース
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スペシャリテの登場です。わかってるのに・・・やっぱり美味い!
「こんなに美味かったっけ?」「こんなに美味かったよ!」 
おそらく、ホントに美味いのって、こういう掛け合いなんちゃうかな?
「冬やのに南国ソース?」と思う無かれ。この酸味が、無きゃ無いでキツイですから。

カリフラワーのスープ
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上に架かってるトーストの橋の上にはキャビア入りのクリーム。
中にはベーコンを巻いてロティした牡蠣が。
あ~良かった。前の2皿のテンションでこのまま行かれたら血管切れてしまうとこでした。

トリュフとカルダモンのタリアテッレ
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血管切れました(笑)
いやぁ、正月早々めでたいビジュアル。
こんなに自分の口臭が愛しく思える時って無いですよね。
両手で口の周りを囲い、「スーハースーハー・・・」と、トリュフ臭を満喫してました。
怪しまれるといけないので一応シェフには「トリュフね・・・」と説明。苦笑いしてたけど。
ま、次の皿が出てくるまでやってたからね(笑)

ホタテのロティ 赤根葱のロティ きく芋のピュレ ゆずヴィネガーのゼリー
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ホタテの中には柚子味噌とピスタチオを挟んでいます。
え~・・・良い休憩です(笑)いやいや、コースにはメリハリや緩急は大事ですからね。

大原の仔鹿肉のロティ
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ちょうど一年前も鹿でしたけど、段違い!
去年は変化球、今年はストレート!・・・わかるかな?
ストレートと言いましても表現がストレートなだけで、詰めるところはやはり複雑。
ガルニの洋ナシは八角、ハチミツ、コーヒーでキャラメリゼしてあり、
堀川牛蒡には、鹿のレバーとフォアグラを合わせて詰めて煮込んでいます。
うん、こういうところに力量を感じます。

フロマージュ
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定番のわかりやすいものの品揃え。
でも庶民は普通、こんなに種類は食べれませんから。シュクレでもいつかは・・・・ね。
いや、なんでもありません(笑)

チョコレートの温かいムースを入れた筒状のタルトレット
大徳寺納豆のアクセント パッションフルーツのシャーベット
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食材の流通しないお正月に開けてるんですもん。デセールも選択権無し。
ま、明日から休みだし仕方ないですね。それでも十分楽しませていただきました。

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カフェと、気前のいいプティフールをいただきながら、
ケザコの1年の変化を目の当たりにしながら、自分の1年を振り返っていました。
僕らは止まった瞬間後退になる世界。なぜなら常に進んでる世界だからです。
自分が止まってるからといって周りも止まってくれるわけではありませんから。
その中でもシュクレは一旦小休止。もちろん置いていかれない程度に動かしながら。
店はお客さんから見えるとこだけ成長すればいいわけではありませんので、
食材の不足や高騰、致命的なバター不足、それにこのご時世。
動きたくても動けないのに、動こうともがいていても仕方が無い。
動けるタイミングが来た時に万全の体制を築いていれるような動きを今しています。
もちろん手を抜いてるわけではありませんよ。その時点で後退ですから。
でもその中でモチベーションを維持しながら、お客さんを飽きさせないようにするのは、
攻めてる時の何倍も難しいことです。
でもこうして良い刺激をいただけると、「頑張らないと!」って思えます。
ま、冷静に考えると「?」な面も多々あるんですけどね。
いろんな話も耳にしますが、結局僕はフランス人が好きなんですよ(笑)
多分そこですね。

ポン酢を使おうが、タリアテッレが出てこようが、ここには「レストラン」とも「ビストロ」とも
表記してませんし。あるのは「ケザコ」という、シェフ ステファンが表現をする場のみ。
僕もまたいっぱい画を描き出せるように、
いっぱい絵具を見つけておかなきゃ・・・・と思わされます。
そしてまた新たな画を皆さんに見てもらえる・・・・そんな日を楽しみにしながら、
また毎日、地味で長いお仕事ですが頑張っていきたいと思います。
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by monsieur-enfant | 2009-01-27 02:09 | ケザコ

曇天の中の晴天

新春の京都は、人、人、人。
基本、人ごみは嫌いです。自分のペースで歩けないとこには極力出没しません。
しかもどんより曇り空。普段なら足取りも重くなるところ。
でも今日は別。だって定休日一緒で、全然来れなかったお店ですから。
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四条通りをちょっと曲がれば、ちょっとは人ごみもマシですね。
さあさあ、前フリはそれぐらいにして、着きました「ケザコ」。1回通り過ぎましたけど(笑)
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いやぁ、座っただけでこんなにワクワクしたのも久しぶりですね。
何て言いますか、「楽しんでってね!」的な空気がシェフから放たれてるんですね。
そういうとこ、やっぱりフランス人は上手いですね。
空間の演出もそうですが空気の演出が上手い。デビット セニアしかり。
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・・・・このシャンパングラス、欲しい・・・。三角なんです。いちいちニクイ(笑)

さ、始まりました「ケザコ劇場」。お正月限定の、お昼5000円コース。
まずは今や代名詞「フォアグラのコンフィ 奈良漬巻き」
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あースゲー(笑)いや、思わず笑みがこぼれます。あははは、このためにまた来ます。

堀川牛蒡のスープ 白子のムニエル ケッパー クルトン 焦がしバター
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昨晩アキュイールで待望の白子がロワイヤルになってたので、原形の白子にニッコリ。
こんなに白子好きなのに、毎度「濃厚な具無したこ焼き」としか表現出来ない哀しさ(笑)
しかしスープもさることながら、脇役のケッパーが超グッジョブ!

見て見て!このワイングラスも欲しい!ほんと、いちいちニクイ(笑)
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ヒラメに、オマール、フランス産キノコ、アーモンドを乗せたソテー
オマールの頭の茶碗蒸し 菊菜のソース
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あかん、勝手にハードルが異常に高くなってる(笑)
アーモンド、キノコのゴロゴロザクザク楽しい食感。ソースも茶碗蒸しも幾分遠慮がち。

京都・・・・の、どっかで獲れた(失念)鹿の腿のソテー 
スペインの白ワインを煮詰めたシロップ
赤キャベツと干し柿の軽い酸味のコンポート
カボチャのピュレ 鹿の肩肉と豚足の煮込み そのスープとショコラのソース
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うん、やっぱりジビエはある程度噛まさなきゃ。噛んで滋味。食いちぎって野味。的な(笑)

えっと、ピスタチオのグラス 赤ワインソース ショコラのスフレ フランス産グリオット添え
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う~ん、楽しんで作ってはるんでしょうね。
カウンター越しに、お皿が彩られていく様を見てるのも楽しいものです。
添えられてる野生の冬いちごも、もちろん食べられます。

普通に置きゃいいんですけどね(笑)こんな遊び心も嬉しいものです。
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これにて「ケザコ劇場」終幕です。
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うんうん、楽しかった~。
でも決して奇をてらったものではないんですよ。
コースの中に、一皿の中に、リズムがあります。
楽しい料理を狙ってるんではなく、楽しんで作ってるのが伝わってくるから楽しいんです。
ま、何より驚いたのは、シェフのステファン パンテル氏が、たった2個上だってこと。
いや、ビジュアル的にね(笑)
あ~、自分もそれなりに歳食ってんな~・・・って。
少し話す機会がありましたが、とってもサンパなシェフです。
「レストラン」とか「ビストロ」と、カテゴリーに囚われることなく、
「ケザコ」の世界を展開しています。
もちろん、それらを踏まえた上での話しですけどね。
未だにカテゴリーにしがみつき、お客さんに押し付けてる店には無いゆとりがあります。
カテゴリーすら踏まえることなく安直に店名に冠してる店には無い安心感があります。
いかんせん遠いし、定休日が一緒なんで、なかなか行けないと思いますが、
新年早々、良い出会いに感謝感謝の京都ランチでした。
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by monsieur-enfant | 2008-01-24 12:47 | ケザコ