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なないろめがね

カテゴリ:ビストロ ド ヨシモト( 1 )

さかのぼること4年前。
出会いは早朝の新聞配達でした。
「おはようございま~す!!」
やけにテンションの高い新聞配達員さんが、外にバイクを停め入ってきました。
こっちはその時間、開店準備の真っ最中。
聞くと、料理人らしい。
確実に僕より年配で新聞配達。
理由を聞いてみると「マンション買ったから、お金がなくて(笑)」
新聞配達をしてから出勤。そのエリア内のマンションに、うちが入ってるわけなんです
僕らの出勤のほうが早ければ「おはようございま~す!!」と裏口から顔を出し、
配達のほうが早かったり雨の日はビニールにくるんで裏口に、
頼んでもいないスポーツ新聞が毎日置かれていったのでした(笑)
「実は、独立を考えてまして。
その時、もし良かったら是非シュクレさんのパンを使わせていただきたいと思いまして」
うちもオープンしてまだ一年足らずの頃。
開店早々卸してた中途半端な店も打ち切り、どこのレストランとも関わってない頃でした。
「一応、シェフやってるんです」
そう言って差し出された名刺には「ラ クロッシュ」の文字。
そう、中津にある「ビストロ ド ヨシモト」の吉本シェフとの出会いでした。

その後、独立の準備に入ったものの、いろいろな問題もあり、紆余曲折を繰り返し、
一時は完全に心が折れたと思ったこともありました。
頑張りが認められて、新聞配達の正社員採用の打診も受けてましたし(笑)
しばらく店に顔も出してくれない時期もありました。思い悩んでいたんだと思います。
そんな経緯もあったので、「やっぱり自分には料理しかないです」と言ってくださったときは
自分のことのように嬉しかったのを思い出します。
ほんとに腰が低く、底抜けに明るい、そんな吉本シェフは子供にも大人気で、
シュクレの忘年会に来てくれた時には、パートさんらの子供のお守役もしてくれました。
もちろん面白いだけじゃなく(当たり前ですね・・・)、
当時から基本線として卸はやらないスタイルだったシュクレに、
「卸してもらう以上、どうやって作ってるのか、どんな仕事をしてるのか、知っておきたい」
と、可能な日はシュクレの厨房に入って、一緒に生地に触れてくださってたんです。
そんな姿と熱意に、僕も心を打たれました。

そして3年前の3月3日、
「フランス料理を特別なものにはしたくない」との思いで「ビストロ」と冠した、
「ビストロ ド ヨシモト」がオープンしたのでした。
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その店に初めて訪ねたとき、オーナーシェフとして厨房に立つ吉本シェフを見て、
新聞配達の頃からの思いが溢れ、
「ホントに良かった・・・・」と、カウンターで涙ぐんでしまったが昨日のことのよう・・・。
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そしてシュクレクールのパンが、初めて店外にて食べれる場所ともなったわけなんです。
今は、地元のイタリアン「ガルボ」さん、西天満の「アキュイール」さん、
同じく西天満の「ランデブー デ ザミ」さん、そして肥後橋の「ハジメ」さんと、
出来る範囲の中で、「卸し」というビジネスとしての付き合いではなく、
人から生まれた繋がりを大事にしたお付き合いをさせていただいていますが、
その先駆けとなったのも、吉本シェフなんです。
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店がオープンした後も大変でした。
民家を改装してるんですが、良い業者に当たらなかったのか、
雨漏りやらなんやらが続出。それらも全部自分で直してはりました。
毎日、毎朝、パンを取りに来てくださる度に、
定着しないスタッフを嘆いたり、人手が足りないお互いを心配したり励ましあったり。
そんなこんなでお付き合いも長くなりますが、
何より今でもホントにパンを大事にして下さってます。
「人間力」・・・この店が人を惹きつけるのも、
単衣に吉本シェフのお人柄だと思うわけです。

この日は、多少僕も疲れてて、あっさりしたものでも食べようかと考えていたんですが、
「ここは久しぶりに吉本さんとこ行って、元気もらお!」と、突然の訪問となりました。
「・・・・・なんか不手際とかありました?」とシェフ。
いやいや、普通にお客さんとして来ただけですけど(笑)
無理もないですね、2年振りくらいかなぁ・・・・、そりゃ驚きますよね。
改装もされたんですね。
民家を改装した構造上、無理があった客席を、思い切ってリニューアルされたんです。
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広々として、素敵な空間になりました。以前は頭打ちそうな低い天井でしたからね。

よど大根のスープ ホタルイカのマリネ
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カツオ サーモン ホタテ
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アワビ 肝のソース
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うちのパン
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ポワッソンは何だっけ・・・?
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うずら リー・ド・ヴォー
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デセール 盛り合わせ
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個人的には、吉本シェフの性格というかお人柄というかを表現するのに、
こういう「レストラン料理」ではなく、「美味しいもん食ってってや~!」とか、
「めんどくさいんで、デカイまま焼いてしまいました(笑)」みたいな、
ざっくばらんなビストロ料理のほうが合ってるような気もします。
いや、今がダメとかじゃなくてね、
合ってるというか、伝わりやすかったんちゃうかな~というか、
そういう吉本シェフの料理を食べてみたいな~っていう、願望込みなんですけどね(笑)

なかなかシュクレでは話す時間もないので、食後に少し話せたのは嬉しかったです。
マダムも3年が経ち、余裕が出てきたのか、
電話の応対から以前とは違った柔らかい印象になってました。美人さんですしね。
おかげさまで、元気をいただきました。
これからも宜しくお願いします!
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by monsieur-enfant | 2009-04-03 03:25 | ビストロ ド ヨシモト