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なないろめがね

はい、京都です(笑)
いやぁ、フランス編はかなり頭が煮詰まってしまうんですよ。
書くのが苦しくなってしまうくらい・・。
ってなわけで、数々溜まってる記事を差し置いて
1番タイムリーな記事でちょっと一服。

急に思いついたのが、もう3時くらい。
「清水寺行こかな」
なにぶん、なんでそう思ったのか自分でもわからない。
前後の脈略が全く存在しないのから理解に苦しむ。
もちろん、「今、清水寺に行こうと思ったんやけど」と急に言われて、
「あ、ちょうど今そう思ってたとこ」なんて都合の良いやつなんているわけないわけで・・・。

でも「思い立ったが吉日」、そそくさ準備して哀愁の岸部駅で独り佇む。
陽、落ちかかってますやん・・・。
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近くにいるとなかなか行かないもんで、以前行ったのはかれこれ10何年前。
行き方も忘れたので、電話で母親に聞きながらの移動。
慣れたもので「急にどうしたの?」などと野暮な質問はしてこない(笑)
バスはびっくりするほどいっぱい並んでます。
「時は金なり」、無駄な時間はまっぴらゴメンです。
タクシーを捕まえ、「曖昧なところで降ろしてほしい」と伝える。
いや、ちょっとは歩きたいでしょ?あんまり近くで降ろされて「あ、見えた」もつまらないし。
で、曖昧ながらも、「ここ真っ直ぐ行けば着きますから」的なところで下車。
日常使いにタクシーなんてありえないので乗り慣れてないせいか、
観光地のタクシーは特に、ぼったくられる前提くらい身構えてしまう。
あかんね、大人にならな。

言われた道を上っていくと・・・え?水曜の夕方やんね?ってくらいの人だかり。
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基本、人の多いところは嫌いなタチ。
独りなので余計周りが気になる。
「4列になってください」といわれてるのに2列隊列を崩さないおばちゃん連中や、
沈黙を嫌うかのようにくだらない話を繰り返す後ろのカップルの会話・・・。
「実は今、初詣」とか言って、独り初詣ごっこをして気を和ませる・・・が、
シチュエーションが変わるだけで置かれてる環境に大差が出ず和まない・・・。
そうこうしてるうちに開門が早まったのか、人が流れ始めた。
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来ました。今日別にくる予定じゃなかったとこに今立ってる優越感。
来る予定じゃなかったのに、来なきゃ今頃家にいるはずなのに、
来なくても別によかったのに、今ここにいる自分エライ、的なね。
基本、自分大好きなもので(笑)。

先日アップしました「パリ セーヌ周辺の夜景」も好評いただきましたが、
日本人ですからね、やっぱりしっくりくる景色もあるわけですよ。
仁王門を潜って、見上げれば鐘楼。
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その横の階段を上がっていくと、右手に三重塔が。
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こんな感じ。
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振り返ると、先ほどの仁王門と古都の夜景が広がります。
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清水の舞台に移動しながら、ライトアップされた紅葉に魅せられる。
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今だけの特別拝観などもやっています。が、独りではそんな気分にもなれず・・・。
だって、絶対お昼よりカップル率高いんやもん!ま、おっさんはひっそり楽しみますわ。
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そして舞台から眺めると・・・
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なんだか燃えてるかのような、荒ぶってるかのような、騒いでるかのような・・・。
あちら側からこっちを眺めると・・・
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うん、誰もが見たことある角度。

宙を照らす蒼い光は、エッフェル塔を思い出させます。
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下から見上げた三重塔。
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産寧坂(三年坂)から、「ここで転ぶと2年以内に死ぬ」と伝えられる二年坂へ。
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「石畳や坂道は歩くのに気をつけて」という警句からの言い伝えらしいが・・怖すぎます。
さ、京の街並みを抜けて、目指すは高台寺。
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説明の必要はないかも知れませんが、高台寺は豊臣秀吉の菩提を弔うために、
「ねね」(北政所)が開創したお寺として有名です。
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ここが今回1番凄かった景色です。
高台寺の中の開山堂、その前の池に映る紅葉の美しきかな・・・。
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画像でどこまで伝わるかわかりませんが、息を飲む景色でした。
観てるはずの僕らが、じ~っと観られてるかのような。
暗闇、そして静寂の中にいながらにして、それでも確実に感じる「生」の息吹。
鏡面のような水面を対とし、この世とあの世を映し込んでいるかの如く・・・。
優美に、かつ妖艶に。艶やかでいながらにして慎ましく。
故に浮世の狂気すら迸るほどに・・・。
自然の織り成す圧倒的な映像美に、
見惚れてると魂ごと引きずり込まれてしまいそうでした。角度を変えて、もう1枚。
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そして、こちらも見事。紅葉とのあまりの色や空気感のギャップに、
存在すら否定したくなる「生命力に溢れた緑」。
霊屋(おたまや)と呼ばれる秀吉と北政所の木像が安置されてる場所から、
遺芳庵という茶席をぐるりと竹やぶが覆います。
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高台寺を後にし、ねね終焉の地「圓徳院」へ。
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先にこちらに来ておくと、高台寺とのセット割引券がもらえたみたいです・・・・。
「200円お得」とか言われると、随分下世話な世界に引き戻された感が(笑)
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こちらも見事な紅葉です。
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院内から庭を眺めます。こちらは南庭。
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通路を通って、反対側の北庭へ。奥にも紅葉が見えますね。
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少し低い天井に背を屈ませ入ってみると・・・
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紅葉を・・というより、お庭を愛でるという感じ。
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さ、そろそろ御暇しようかな・・・と出てみると、あれ?ここ、どこ?
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まあ、とりあえず歩いてみるか。

いいんですよ。基本独り好きなもんで。でもこんな良い感じに歩かれたら・・・ねぇ(笑)
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あら、ここは八坂神社ですね。
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何だか今まで浮世離れした世界を歩いてきましたが、
明らかに門の向こうから「現実」が手招きしているように見えるのは僕だけでしょうか?
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思いつきで訪れた夜の京都ですが、思いつきすぎて下調べもしてなければ、
もちろん地図やガイドブックも持ってきてません。
八坂さんにお別れして、
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京都限定の白いローソン(景観保護の為にね)を横目に、
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さ、今日はもう帰ろ。

フランス編の息抜きに、「ちょっと一服」で書き始めたのに・・・
今日は4時間かかってしまった(笑)
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by monsieur-enfant | 2008-11-28 04:09 | はんなり京都

早い話が読み間違い。

今日は昼過ぎにはリヨンに発たなければいけない日。
もちろんチケットもとってないから、ちょっと早めに行きたいところ。
でも・・・今朝を逃せばこの旅中に寄れない場所がある。
どうしても寄っとかないといけない場所が。

う・・・疲れて寝てしまったのに気がつかず、大きく時間をロス。つまり寝坊しました。
まずは目的地の近くのブーランジュリへ。
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ここは、広島から「働かせてくれ」と訪ねてきたことで知り合って、
僕と話をしたことで急にフランスに進路を変えた女性が働いてるお店。
店に入ると日本人らしき男の子がパンを焼いてる。
その女性に会いたい旨を伝えると、「シュクレクールの岩永さんですか?」って。
世の中狭いもので、その子もうちに来てくれてたらしい。しかも僕と話もしたらしい・・。
まだ若いその子は、「まだまだ全然です」って言いながらも、
キラキラした顔で働いてました。
僕は未だかつて自分より若い子の姿や表情を見て、
若かりし自分を思い出したことは無かった・・・というか、
思い出させてくれる若者に出会ったことが無かったんですが、
初めて自分を重ねて見えました。
目当ての女性はもちろんアポ無しでしたので、今起きたとこでした。
生活にも仕事にも、もちろん言葉にも慣れないなか、一番キツイ時期やと思います。
でも日本人もいて、おまけにマダムも日本人。
女の子が働く環境としては恵まれてると思います。
「まさか来てくれると思ってなかった」って喜んでくれましたが、
僕は行くと行ったら意地でも行くんです。無理でも行きます(笑)
元気そうで何より。マダムともちょっとお話して・・・る間に時間が無くなってきました。
そそくさと店を後にし、目指す目的地へ。
メトロを降りて、階段を駆け上がる。
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そして、この坂を上っていくんだ。
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来た。モンマルトルの丘に建つ、「サクレ クール寺院」
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観光客相手のミサンガ売りのしつこさまで変わらない(笑)
振り切り、5年ぶりに対峙するサクレ クール。
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あいにく曇りだが、これはこれで「パリ」の景色なんです。
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ご存知の方も多いかと思いますが、「シュクレ クール」は、
この「サクレ クール」から取った店名なんです。
話せば長いんですが、早い話が読み間違えたんです。
サクレのuと、シュクレのaが、小さい地図では見えなかったんです。
一応、所縁がありますので、さすがに来ないわけにはいかないわけなんです。
日本語同様フランス語にも一つの言葉で違う意味を持つ言葉もあるので、
フランス人にも確認してみたんですけど、フランス人には評判良い店名なんですよ。
もともと言葉遊びの好きな人種。こういうの嫌いじゃないだろうとは思いましたが、
「サクレクールはカトリック。シュクレクールなら宗教は関係ない。
みんなが集える素敵な名前だ」と、考えもしなかった言葉もいただきました。
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うん、この寺院は、近くで観るもんじゃないよね・・・と、来るたび思います。
でも丸天井のモザイクや、80メートルのドームにも上れるので、是非入ってみて下さい。
時間がないので滞在時間は少なめで、モノレール横の階段から帰ります。
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さ、ホテルまでダッシュで帰ってチェックアウトしなきゃ。
チェックアウトしてから向かうのは、今度はエッフェル塔のかなり下っかわ。
ここのランチ食って行かないと、リヨンには発てん!!
ただ、駅からもかなり遠い。荷物をゴロゴロ転がしながら歩く。
「やべ・・・また間違えたかな?」と思い始めたころ、着きました!
「ブール ノワゼット」
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ここも予約は必須。でも開店直後狙いで滑り込み。
店員さんも、とってもサンパ。これだけで期待が膨らみます。
店内もとても綺麗。ラミジャンとは違う「良い店オーラ」の流れるお店。
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グイッと、シードルからスタート。
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ブーダン ノワール
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ああ、なんか「美味かったぁ~!!」としか思い出せない(笑)

パンも美味。これ、やっぱりポイント高し。
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コート ド ボー いわゆる仔牛の肋骨辺りの肉ですわ。
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まず魅惑的なビジュアル。ガルニは芋だけという潔さ。
横からもう一枚。
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芋をはみ出させてもう一枚。
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いやぁ・・・美味かった~!ホントに良い店でした。
日本にはフランス産の牛肉が入ってこないので、牛は食べたかったんです。
ただ、良い意味で「豚か?」と間違うテクスチャー。仔牛ならではのやわらかさ。
何より時間が心地良い。ここまで来た甲斐がありました。
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カフェをすすりながら、パリへのしばしの別れを想う。
さ、いよいよパリ リヨン駅まで移動して、TGVにてリヨン リヨン駅まで移動。
パリ編はとりあえずここらで一旦終了。
リヨン編  いよいよ満を持してスタートです。
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by monsieur-enfant | 2008-11-21 04:13 | フランス 2008

よりによって、なんかの記念行事によって蒼くライトアップされたエッフェル塔は、
ホントに生き物のようで、怪獣のようで、・・・結局、今回も上ることは出来ませんでした。
だって・・・
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ほらね。やっぱり怖い。
ということで、ここからノートルダムまで歩いて帰ることにします。
ライトアップの灯りが、低い雲と相まって、
とても怖い・・・いや、幻想的な景色になってます。
ので、パリに流れるセーヌの端から端、エッフェル塔からノートルダムまでの道程を、
みなさんと一緒に辿って行きたいと思います。
しゃべくりは控えめで(笑)、せっかくなので、写真を大きくしてお届けします。
まずは前から観たエッフェル塔。
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その前の「イエナ橋」から覗くセーヌ川。 じゃ、歩きだしますね。
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ダイアナ元皇太子妃が亡くなったバイパスの上を通るアルマ橋を過ぎて、
ここは「アレクサンドル3世橋」。アンヴァリッドの向かいに位置します。
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ってか、足が痛くて痛くて、これくらいで既に1時間経過。
22時になり、また怪獣が遠くできらきらしてます。
コンコルド橋を渡ります。この辺から肉眼でノートルダムを確認できます。
橋を渡れば「コンコルド広場」。1972年には、ここにギロチンが設置され、
ルイ16世、マリーアントワネットらが処刑された場所でもあります。
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セーヌに映る、夜の「オルセー美術館」が大好きなんです。
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遠くの怪獣とツーショット。
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チュイルリー公園前を歩きます。
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さ、ここまででもかなり歩きましたよ。カルーセル広場に入り、右手を見れば・・
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そう、「ルーブル美術館」です。
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ルーブルに別れを告げ、木製の橋「ポン デ ザール」へ。
ここはその名の通り「芸術の橋」。橋の端には展示物が飾られます。
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とぼとぼ足を引きずり歩いていると、気になるベンチ発見。
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パリ市庁舎が近づくにつれ、エッフェル塔の光も見えなくなってきます。
さあ、やっと着きました。「オテル ド ビル」(パリ市庁舎)。
1871年に焼失。1882年にルネッサンスとベルエポックが混在する、
もとの姿のままに復元されました。その壮麗で煌びやかな姿・・・。
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アルコール橋を渡り、セーヌにも今日はサヨナラしてシテ島へ。
足の痛みも疲れも吹き飛ばす、「ノートルダム寺院」・・・のアップ。
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息を飲み、言葉を失う存在感。「荘厳」とは正にこのこと。
歴史的建造物や壮大な自然を目の当たりにすると、自分の小ささが身に沁みます。
また来れるのは最終日の朝数分間。でも今日はもう帰るね。ホントに疲れちゃった。
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さ、皆さんは楽しんでいただけたでしょうか?
こんな観光スポットを、夜のライトアップした姿で立て続けに観られるのは、
セーヌを走る「セーヌ川ナイトクルージング」ぐらいですよ(笑)
こんなに歩き回る馬鹿でも、少しはお役にたてたんじゃないでしょうか。
大きな画像は、出来るだけ皆さんに近くに感じてもらいたかったからなんですが
乱用するとブログのなんかの容量がなんちゃららしく(よくわからない)、
また次回から元に戻しますね。
って、ここまで書いた記事が全部消えてしまったが為に、
またこんな時間までかかってしまった。
フランス編・・・・年内完結、間に合わないかも・・・。
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by monsieur-enfant | 2008-11-20 05:16 | フランス 2008

因縁の対決

今回、パリに居れる時間はとても少ない。
明日の昼過ぎにはリヨンに発たなければいけない。
後は最終日の午前中くらいしか、自由に歩ける時間もない。
遠くに光るエッフェル塔を眺めてると、やはり行きたい気持ちを抑えきれない。
近くに行かなきゃ、空気に触れなきゃ意味がない。
前回、パリで暮らしておきながら、結局1度も上らなかったのがエッフェル塔。
・・・なんか怖いんですよね。
「エッフェル塔なんて、ミーハーな観光客が行くところ」と、最初は頑なに行かなかった。
でも、最初に見た印象は鮮烈でした。
街の間から現れる、剥き出しの鉄骨の建造物。無機質なようで生きてるようで。
他の建造物とは一線を臥す独特の存在感。
今回の目標、散々「なんで上らなかったの?」と言われ続けたエッフェル塔に上ること。
そう思って来たので、足は自ずと向かっていた。
「待ってろ。今日こそ上ってやる」
近づくにつれ、徐々に明らかになるその全貌。・・・やはり何か怖い(笑)
総じて高くないパリの街の間からその巨体を誇示するかのように、僕を見下ろしてくる。
「・・・でも、負けない!」
圧倒されながらも、足を引きずりながら背後の公園から近づく変な日本人一人。
見上げると・・・
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あかん・・・無理。
やっぱ怖いわ・・・・。
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by monsieur-enfant | 2008-11-20 01:24 | フランス 2008

きらきらひかる

ようやく夕方らしく・・・でもないか。
でも若干陽も陰りはじめた、パリの街並。
なにを血迷ったか、また歩いて移動。
やっぱり、1分でも1秒でも長く、身体をパリの風に晒していたかったんかなぁ・・・。
あ、この旅初のエッフェル塔がチラ見え。
ってか、あの辺まで歩かなあかんのですけど・・・。
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もはや足は限界。途中から、びっこ引きながら歩く羽目に。
なんでこんなに頑張ってるんやろ。何に対して頑張ってるんやろ。

今回は滞在時間も短いので、移動はなるべく以前よく歩いたルートを選んで歩きました。
あっちもこっちも行けないので、歩きながら、通り過ぎながら、
「ここも来たなぁ」「ここ歩いたときはこうやったなぁ」って、
記憶と映像を重ね合わせながら、ゆっくりゆっくり歩きました。
「懐かしいなぁ」「ちっとも変わってないわ」
このパリの街の中に、独自の時間軸が留まっているかのような錯覚さえ起こします。
破壊、構築を繰り返す日本の街並み。
その中でどうやって緩やかな時間が流れることができましょうか。
そこにあったものがなくなってる。昨日までなかったものが気づいたら建ってる。
今作ったもの、新しく作られたものに囲まれて、ゆっくりと時間がたゆたう場所すらない。
街の息遣いは、必然的に早く忙しなくなってきます。それが日本の時間なんです。
京都に行ったり、田舎に帰ったりした時、緩やかな時の流れを感じるでしょ?
それはそこにあり続ける建造物や風景が、
時間や空気もろとも抱えながら時代を移ろってきたからなんじゃないでしょうか。

エルメスやグッチなどの買い物袋抱えながら
眼前に広がる景色や漂う景色には目もくれず
ガイドブックと睨めっこしながら歩いてる日本人を尻目に、
シャカシャカと擦れる音をリズム良く奏でながら、
粉まみれの薄汚い黒のナイキのナイロン素材のジャージで
それをむしろ得意げに歩いてる僕が、
ふと目をやると向かいの道路を今も歩いてそうな気がします。
黒いリュックからバゲットの先っちょが覗いてたら、当時の僕に間違いないです(笑)
またいつか訪れた時も、
パリの街は僕の想い出をそっと大事に抱えてくれてることでしょう。
あの頃の時間と共に・・・・。

そうこうしながらもやっと到着。
やはり予約でいっぱいだ。どうにか8時半までに出るなら大丈夫という席に潜り込んだ。
この旅、一番行きたかったお店。ビストロ 「シェ ラミジャン」
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ここは前にも書きましたが、お昼に行った「ル コントワー」のシェフの下、
「ラ レガラード」にて修行を積んだステファン ジェゴのお店。
バスク出身のシェフのお店が多い中、ノルマンディー出身の彼。
店内に1歩足を踏み入れると「いい店オーラ」に圧倒される。
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時間と共に、「食べるのを楽しみにしてきたよ」って顔のお客さんに埋め尽くされる。
レストランでは、客は自分達だけの為に目の前で繰り広げられる舞台を
観劇する役を担う。
ビストロは、客までもが景色の一部としてその舞台に参加する。
「参加型」「一体型」の空間・・・
店側に何かを「受けること」「してもらうこと」を望む日本人には、
一緒に楽しみ、一緒に今という一つの舞台を作り上げなきゃいけない「ビストロ」は、
至れり尽くせりのレストランよりも正直難しいジャンルやと思います。

狭いテーブルに舞台装置がセットされ、久々に期待に胸が躍ります。
名脇役のパンにはプージョラン、ワインはアルザスのリースリングが配役。
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・・・ただし、時間が素敵過ぎて、何食べたかは忘れました(笑)
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いや、ホントに美味しかった。ただただ楽しかった。
この旅中に再訪したかったくらい。
デセールだけはチョイスミス。だって、読んでも全然わからなかったんですもん・・。
まさかメレンゲの固まりだけとは・・・。
でも、良い時間ほどあっという間に過ぎ行くもの。
「もう終わってしまう・・・」という物悲しさ。
そんな想いと一緒に、カフェをすすります。
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入店直後に急に降ってきた雨はいつの間にかあがり、
塵や埃と共に、街に入り混じる人間という俗物の煩悩すら洗い流してくれたかのような、
なんともすっきりと澄み切った夜のパリの街でした。
時計は9時を指し、遠く眺めるエッフェル塔がこの1日を象徴するかのように、
夜空にキラキラ、キラキラ輝くのでした。
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by monsieur-enfant | 2008-11-19 01:13 | フランス 2008

ちょっと一息・・・

まず最初にみなさんに「ありがとう」と言わせてください。
この度の「パティスリー ケ モンテベロ」の1周年に駆けつけてくださった皆様全員に、
心から「ありがとう」と言わせてください。

ホントに平坦では無い1年でした。
仕事に対する意識の違い。
パティシエという仕事に対する認識のズレ。
フランス菓子という味覚の領域や構築のバランスの曖昧さ。
毎日毎日・・・特に昨年いっぱいはホントに毎日、
「フランス菓子とはな~!!」
「パティシエって仕事はな~!!」
って、怒鳴りつける日々。
まさか本職に説教しなきゃいけないなんて夢にも思いませんでした。
それに加え、お客さんを拒絶するような店を作ってしまったが故に、
なかなか理解はおろか、認知すらしてもらえない現状でした。
まずは「良い物を作る」という最低限の仕事を突き詰め、
「1年は店と君ら、それとお客さんの成長の為に捨ててるから」
と、数字の設定は一度もせず、ただひたすら直向きに挑んできてくれたと思います。
途中、「望まれるところまで行けそうもありません」って折れそうになったこともありました。
僕の1年目は、ここまで追い込まれてただろうか・・・追い込み過ぎてやしないだろうかと、
自問自答を繰り返す日々でもありました。
だからこそ今回のお客さんのリアクションが、どれだけ彼らにとって嬉しかったことか。
周年イベントと銘打っての三日間、お客さん来てくれないんじゃないかって。
っていうか、そもそも来てくださるだけのお客さんすら抱えれてないんじゃないだろうか。
そんな中、彼らが考え、用意したアイデアに対して、
「来店」という形で応えてくださったことにホントに感動しました。
何より、彼らの労働や考え、1年間の試行錯誤が、
まだほんの少しかも知れませんが、報われたことが嬉しかったんです。
平日は人も疎らな暗い店内で、愚痴もこぼさず、集中力も切らさず、
少ない人数ながら頑張りぬいてくれたヴァンドゥースのみんなにも、
負担をかけてるぶん心から、心から「ありがとう」です。

ただ、これからもお客様に味覚の部分で歩み寄るつもりはありません。
引き続き、数字は求めないパティスリーであることに変わりはありません。
僕らは「フランス菓子」を作っています。
「濃い」だの「甘い」だの、
異民族が異文化に興味や敬意を表さない感想に耳を傾ける気はありません。
「異文化ゆえの違和感」は、もちろんあってしかりです。
むしろ「フランス菓子」を名乗っていながらにして、
「甘さ控えめで美味しい」「柔らかくてフワフワしたスポンジ」などと評されてる時点で、
それは紛れも無く「洋菓子」だと思います。
異民族が異文化に触れてるのにも関わらず、
それでも自分にフィットしないものをただ否定する浅はかさ。
日本人にとってはただの「食べ物」でも、フランス人にとっては立派な「文化」なんです。
ただ、その考え全てを否定するつもりはありません。
フランス菓子を日本人向けにアレンジ・・・なのか突き詰めれなかったのか知りませんが、
そういう文化も日本ならではです。パンも料理もしかりです。
それも一つのアプローチでしょうし、そこに需要があることも確かです。
お客さんに対する「親切」だと言い切る職人も少なくありません。
ただ、本来「パティスリー」とは「フランス菓子」を置いてる店であって、
その「フランス菓子」を作ってる職人を「パティシエ」といいます。
猫も杓子もお菓子作ってたら「パティシエ」だと世間では軽々しく言いますが、
洋菓子とは全く異なるジャンルだと認識してください。
好き嫌い、良い悪い、それは置いといて、違うジャンルなのです。違和感は当然です。
キュイジニエ、パティシエ、ブーランジェ。
本来は全てにおいて「フランスを表現する職人」なのだと思うんです。
それがそれぞれ職種が違うだけで、分かち合う心は同じじゃなきゃいけないはずです。
そこで学んだテクニックを使って作ればそう呼ばれるんじゃなくて、
表現して初めて、この異国で表現しようともがき苦しみ試み続けた職人が初めて、
キュイジニエ、パティシエ、ブーランジェと呼ばれるべきなのではないでしょうか。

僕らは日本人の舌を思い描いては作りません。
作るとき思い描くのは、本国フランスの精神性であり、味覚のトーンなんです。
ですから、そこをご理解できない、またはご理解しようとしないお客様に、
「美味しい」と思わすものである自信はありません。
なぜなら日本人を喜ばすことの前に、
いかにフランスに史実であるかを優先してるからです。
もちろん、まだまだそれもままならないかと思います。
ただ、これからもその違和感を楽しんでいただけたり、
「こういうの食べてんだぁ」と思いを馳せてくださったりして下さるお客さんの為に、
口の中からフランスが薫り溢れ出すような違和感を届けていけたらなぁ・・・と思ってます。
「甘い」「濃い」「くどい」などと一言で片付けているかたがおられたなら、
難しいことは考えなくても大丈夫です。出来たら、
「なんでこんな甘いもん食べてんのやろ」とか、
「濃い~な~。なんでこんなんが好きなんやろ」って、
半歩でもいいので異文化に興味を持ってみてください。
幾十にも重なった甘さの多重性ですとか、
異なったアプローチによるリズミカルな食感ですとか、
苦味や酸味を用いた異素材とのハーモニーですとか、
僕らの日常には無い世界が、少しは広がっていくのではないでしょうか。

そんなややこしい僕と働くうちのパティシエ・・・まぁブーランジェもそうなんですが、
ホントに大変やと思います。自分で言うのもなんですが(笑)。
特にシェフ パティシエの橋本にとっては、こんな苦しい1年は、
未だかつて経験したことがなかったんじゃないかと思います。
そしてそのシェフを叱咤しながら支えてくれたパティシエールの中村。
彼女にも感謝の思いは尽きません。
親バカやと思われるでしょうが、みんなホントに良く頑張ったと思います。
まだ本決定ではありませんが、来年早々には東京でもお会いできると思います。
あ、シュクレは行きません。悪しからず(笑)
最後に、この1周年に限定でお出しした、「ミルフォイユ」。
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シェフ橋本含め、スタッフ一同、そして、こんな無理難題の店舗設計をを引き受け
形にして下さった、松田デザイン事務所の松田さん、尾崎工務店の尾崎さん、
服部電気の服部さん、ステンドグラス作家の藤本さん、画家の青江鞠さん、
こんな意固地な店を温かく支えてくださった全てのお客様・・・。
そんな様々な想いを、不器用ながら真っ直ぐでバカが付くほどお人好しな橋本が、
1層1層想いを紡ぎ、重ね、具現化したのがこの「ミルフォイユ」だったような気がします。
僕の中にまた一つ、大切なお菓子が増えてしまいました・・・。

シュクレの1周年とは、また全然違う感覚で迎えた1周年。
重ね重ね、足を運んで下さったお客様、モンテベロのみんな、
ほんとにほんとにありがとうございました。

ちょっと一息・・・の表題のつもりで書き始めれば、またこの有様。
ただ、最後の3行だけは今書いておきたくて・・・・
で、何行書いとんねん(笑)
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by monsieur-enfant | 2008-11-17 04:07 | ケ モンテベロ

とにもかくにもホテルに戻り、急いで朝食を採る。
朝食は、さっきのパティスリーのお菓子たち。
この野暮ったさが、ローラン デシェーヌの良いところだったりするんですよね。
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フランも日本では食べませんが、パリでは必食。
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のんびり食べてるわけにはいきません。
待ち合わせの前に、今夜の宿を探さなければ・・・。
またトランク一つだけで、宿探し。贅沢は言いません。空いてるとこに決めました。
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こっちのエレベーターはこんな感じ。ドアは自分で開けて入ります。
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で、押した階にまず停まります。だから後から乗って先に押してしまったら、
先に押した後に乗った人の階に停まってしまいます。
先に乗った人より上の階なら、露骨に舌打ちされますのでご注意を(笑)

今日のお宿はとても可愛い。
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お部屋もとても良いセンス。赤の使い方は難しいですからね。
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さ、とりあえず2日目の宿も決まったことだし、次の目的地へ出発!!
・・・やばい、11時・・・ってか約束時間すら定かじゃないわ(笑)
とにかく急がねば!朝は静かだったマルシェを横目にセーヌへ向かいます。
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あら・・・ランチの準備も終え始めてますね・・・。急げ急げ!
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「久しぶり。」心の中で呟いた。
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昨晩到着したときにチラッとは見えたけど、ちゃんと挨拶したかったから。
「帰ってきたよ」
そう、シテ島にある「ノートルダム寺院」です。僕の大好きな場所。
この寺院を「僕の中のフランス」と見立てて、それを抽象的に落とし込んで創ったのが
「パティスリー ケ モンテベロ」の店造りのコンセプトなんです。
ただお菓子屋さんを創るのではなく、
僕の心の中を歩いて欲しくてイメージされた店なんです。
そしてその店名にもなってる「ケ モンテベロ」とは、ここのことなんです。
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ブキニストが立ち並ぶ、ノートルダムの前のセーヌ川の対岸。
「ケ」とは「河岸」って意味なんです。
フランスから帰国する間際、お金もなくなり、夜な夜なこの岸に腰かけ、
ライトアップされるノートルダムを眺めてた場所。
僕の「フランス」を、眼に、心に、焼き付けて帰ってきた場所の名前から取ったんです。
・・・でも今はゆっくりしてられない。急がなきゃ。
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ノートルダムを横目に見ながら・・・って、
今日見なかったら、最終日の朝しか時間がないんだった!
数秒迷いましたが、さすがにこの状況でのんびり見学するほど非常識ではない。
橋を越え、ここも大好きな「オテル ド ビル」(パリ市庁舎)へ。
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ここも・・・ほとんど歩き撮り。止まってる時間は無いんです。
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歩き慣れた「ポンピドゥーセンター」へ。
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お馴染みですが、何度見ても不思議な建物。建設中じゃありませんよ。
最初は嫌いでしたが、見慣れると良いモンですよ。
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・・・・案の定、ここから迷いました。めちゃめちゃ歩きました。
やはりスニーカー持っていくべきでした。
朝もかなり歩いてたので、靴擦れも起こしてたみたい。足が痛くて痛くて。
マジで着かないと思いました・・・が何とか到着。
レピュブリックの近くにある「ブーランジュリ デュ パン エ デ ジデ」です。
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まぁ、とにかく見てください。このイカした(死語)外観。
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ここは、「シュクレで働きたい」と言ってきてくれた方が働いてる店なんです。
久しぶりに会ったその人は、やはりとても良い顔をしてはりました。
「やっぱりフランスに決めて良かったね」、心から言える店と表情でした。
あ、それだけで来たかというとそうではなく、ミシュラン、ゴーミヨという
名だたるグルメガイドを向こうにまわし、「二冠」という圧倒的な結果を残した店なんです。
その子との再会もなんとか果たし、そのツテでシェフともお話を。
素敵な方でした。ちゃんと自分の信念を持った素敵なシェフでした。
「製法」や「使用する粉」を誇示する店は多いんですが、
それよりもっと根本の「表現者」としての思考を感じ取れる数少ないお店です。
日本と比べて種類の少ないパリのブーランジュリ。
その中でも異彩を放つ商品の少なさ。
「手広くやったって、良いものは作れないよ」
好きなものだけ作ってる店は日本にも少なくない。
でもその中でミシュラン、ゴーミヨ2冠取ってしまうんだからカッコイイ。
なんとなくですが、これから僕の行く道を標してくれたかのような出会いでした。
「日本でやるときは一緒にやろう」と、声をかけときました(笑)
しょうも無い大手さんにひっかかりませんように・・・・。
最終日にまた来ます!

サン マルタン運河に腰掛けて、パンを食べることに。
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こういう時間が日本では取れないんだよなぁ・・・。
何も考えないことが出来ない。何かを忘れたいなら、何か違うことを考えるしかない環境。
・・・気づいたらほとんど食べてしまってました。
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でもそこからさらにランチへ向かいます。
方向としては来た道を戻る羽目になりますが、どうしても行っておきたかった店。
一気にオデオンまで移動し、今をときめく「ル コントワー」へ。
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僕の大好きなビストロ「ラ レガラード」の元オーナーシェフ イヴ カンドボルドのお店。
友人である西天満の「ランデブー デ ザミ」の大谷シェフも、
レガラードでお世話になった料理人です。
さっきパンも食べたので、前菜は無しで。「カレ ダニョー」 羊の背肉です。
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美味しかったですが、ランチですし何とも言えませんね。
思ったよりずっと小さな店でした。
外観を撮り忘れたのは、自由が丘の某パティスリーのシェフと店内で遭遇し、
二言三言交わさせていただき舞い上がっていたからに他ありません(笑)
どうせ忘れられてるんやろけどね~。

さ、そこからカフェで一服してからなんとまたポンピドゥーまで引き返します。
そこから向かったのは「パティスリー パン ド シュークル」 はい、まだ食べます。
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ここも良くメディアに紹介されます。
さきのブーランジュリのシェフとは知り合いのようですね。
どちらも「良い店オーラ」を放つ、ホントに良い店でした。
買ったお菓子はポンピドゥーの前の広場で食べることに。
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ババなんですが、うちのモンテベロのババくらいはラム酒が染みてる状態から、
「好きな人は絞って下さい」的なスポイトが刺さってるセンスがニクイ。
が、全部絞ると食えたもんじゃないです。
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この店の紹介の時にはよく載るお菓子。ま、普通に美味しかったです。
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これはあきまへん。日本人が作るフランス菓子みたい。紅茶といちぢくです。
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・・・さすがにもう食べれません。
ポンピドゥーの前で寝転がり、空を見上げる。
広場で吹き鳴らされる民族楽器。優しく疲れた身体を撫でるパリの風・・・・。
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時間が経つのを・・・ホントに忘れてしまって、
気づけばこの旅唯一の美術館訪問予定もタイムオーバー。
新しくできた「ケ ブランリー美術館」・・・・次回は行ってみたいなぁ・・・・。
動かず風に吹かれていると、ちょっと身体が冷えてきた。よし、動くか。
なぜ美術館に強行していけないかと言いますと、
どうしても行きたいビストロがあるからなんです。
で、案の定予約してませんので、フランス人の少ない開店直後を狙ってるからなんです。
さ、晩飯目指して移動開始!!そう、お菓子は別の胃が消化してるのさ!!(笑)
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by monsieur-enfant | 2008-11-17 02:17 | フランス 2008

店を出てすぐ、見上げるとそこは僕が住んでた屋根裏部屋。
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ま、正確にはこの写真では見えてないんですけど。
見えてる一番上は、眺望も良くお値段も高い部屋なんです。
その更に上の、斜めになってる屋根の下の小さな部屋。
小さな窓が付いてるだけの、お風呂もトイレもキッチンもない部屋でした。
その小さな部屋のソファーベッドに、「レストラン ハジメ」の米田シェフと一夜を共にし、
朝まで「ボーイズ トーク」に花を咲かせたのも良い思い出です。
内容は濃すぎるので割愛させていただきます(笑)

その向かいには、国際電話をかけていた電話ボックス。左端ね。
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白々と明けた朝陽が街を照らし始めました。
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めっきり秋色の空を眺めながら、通りを南へ歩きます。
あの頃と同じ道を、ゆっくりゆっくり歩きます。
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街が変わらないので、時間がそこに留まっているかのよう。
踏みしめる道も、すり抜ける風も、見渡す景色も、あの頃と同じ。
そこを、こうして毎日歩いてた自分。毎日眺めてた自分。
そういえばあの頃も連絡が行き違ったままパリまで来ちゃって、
「ホントに来るとは思わなかった!」って言われたんやったっけなぁ・・・。
なんも変わってないや(笑)
屋根裏を貸してくれる手はずだったんですが、僕が来ると思ってなかったらしく、
部屋にはまだ誰か住んでる状態。
急遽探してくれたのが今向かってる部屋なんです。
「お会いしていきなりなんですけど・・・500ユーロ貸してください」
と、恩師に借金を迫ったのも、10万円しか持たずに来ちゃったからなんです。
そこから、この道を何往復したんだろう。
ここに来るために1年死ぬ気で・・・というか実際死にそうになりながら働いた1年間。
北新地で串カツ屋さんとホストまがいの仕事を掛け持ちしたときは、
8時半には家を出てランチの仕込みに海老に串さしたりしてたっけ。
閉店の23時から鍵を預かり30分仮眠してスーツに着替え、
新たな職場へ出勤してたっけ。
お客さんがいてはると帰れないので7時くらいの帰宅なんてザラでした。
お風呂入って・・・・もう出勤時間。そんな生活でしたね。
お酒も飲む仕事でしたので、岸部で起きれず京都まで行ってしまうことも度々ありました。
あまりにキツイので、怪しい訪問販売の面接にも行きました。
「月収50万以上可」なんてフレーズは、意識朦朧の僕にはそれだけで魅力的でした。
面接中、爆睡してしまったんですよね(笑)でも、それでも受かりましたけど(笑)
「ちょっと待てよ・・面接で寝てたやつを採用する会社って・・・おかしいやろ」
と我に帰りました。
トラックにも乗りましたね。何も知らずに時間指定された場所に行くと、
「今から広島行ってもらうから」なんてこともありました。
深夜、三重の津市までトラックを走らせた時、街灯もなく真っ暗な山道の温度計が
0度だったのを見て、「これ道凍ってたら死ぬやん・・・。俺、なにしてんねんやろ・・・」
って、心折れそうになったこともありました。
やったこともないパチンコ屋さんに19、20歳の子らと混じってバイトもしました。
その頃はトラックもルート配送に変わり、朝4時から夕方4時くらいまで。
その後5時からパチンコ屋に入り、確変の札を付け間違えたり、
積んである玉を散らばせたり、立ったまま寝てたり、沢山迷惑もかけました。
「やったことないです」って言ったんですが、「バイトをしたことがない」と思ったらしく、
「まさかパチンコ屋に入ったことすら無いやつが来るとは思いもしなかった」
・・・らしいです。
0時過ぎに帰り、お風呂、食事、してたらもう2時くらい。
3時には起きて作業着の青いつなぎを着て出勤してました。
「もう辞めよう。諦めたって、誰が僕のこと知ってるわけでもないし。」
連絡を取ってた以前お世話になった通訳の方もバカンスでパリからいなくなっちゃって、
実際行けるかどうかも定かではなくなってしまいましたし。
居眠りでガードレールに激突したりもしましたし、人も轢きかねない状態でした。
「眠い・・・」なんて思う間すら無い。気づいたら寝ている。
信号が赤なのを確認してブレーキを踏み始めたのに、止まるまでの数秒で寝てしまい、
危ういことも多々・・・なんてもんじゃなかったです。「危なっ!!」と目を覚ましたのに、
クラクションで気がつくと信号が変わってて前には車が1台もいない。日常茶飯事でした。
そんな生活でしたので、パリに来て普通の生活に戻れることがまず嬉しかった。
あの生活から解放される喜びは、確実にパリで働く期待感を上回っていました
普通に寝れることが、何より嬉しかったんです。
ですから、パリで起こる苦しいことなんて、
ここに来る前の1年に比べればなんの苦でもなかったんです。
そうやって辿り着いた場所なんです、僕のパリは。
・・・・また大きく話が逸れてしまいましたね(笑)

ここは素敵な出会いがあった場所。どんな出会いかは内緒です(笑)
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「モンジュ通り」の端っこには、今年赤坂サカスにオープンした、
ドミニク セブロンのお店もあります。
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僕がいた当時は、うちの店と同じ通りにあるので「モンジュ戦争」なんて
誌面を飾ったこともありました。当時から良い店でしたが、まさか日本に来ちゃうとは・・。
と、ちょっと脇道に逸れると、あらあら、ここにも見慣れたパン屋が。
心斎橋そごうに出店してる、ビオパン専門店の「モワザン」。
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ここは違うパン屋だったんですけどね。いやはや激戦区です。怖い怖い(笑)

「モンジュ通り」が終わると、目指す「プラス ディタリー」までは緩やかな坂道に。
ゴブランを越え、よく来たスーパー「モノプリ」を横目に、やっと着きました。
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と言っても、僕の宿はここから横に大きく逸れます。
そうそう、ここで大きなマルシェやってたなぁ・・・。
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あそこではおじいちゃんがペタングに勤しんでたっけ。
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ここは雪のお化粧してたこともあったなぁ・・・。
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ここが僕が最初暮らした場所。通り名は「サンク ディアマン」
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そしてここが住んでた宿です。
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ここには、西天満の「ランデブー デ ザミ」の大谷さんも遊びにきてくれました。
泣きながら抱き合って別れた管理人さんは不在みたい。健康でありますように・・・。
お世話になったコインランドリー。
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せっかくなんで、よく通ったパティスリーまで足を延ばしてみます。
この辺は、通りも小さく、街並みも可愛いんですよ。
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さすがに方向音痴の僕でも覚えてるもんですね。
あの坂の下の小さなお店がそうです。
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「ローラン デシェーヌ」M.O.Fの方がやってはります。
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僕が帰ってきてから、日本でもよく紹介されるようになったお店です。
仕事が終わって元気な時はピエール エルメやサダハル アオキまで行ってましたが、
近所で済ます時はもっぱらここでした。贅沢極まりないですね。
僕の中ではエルメや青木さんとこは「パリのお菓子」。
「フランス菓子」とは別枠やと思ってます。
その点ここは「フランス菓子」。ホッとする大好きなお店です。
あ、あかんあかん!約束の時間に遅れるわ!
でも帰りは途中までメトロで行けば大丈夫。
なんとか時間短縮できるわ・・・と思ってたら、券売機になってるやん・・・。
「横の券売機、使い方わからんからここで買わせて!」
って改札の横の窓口で言ってるのに、「あっちで買え」って。
くっそ~、買えるんやったら言ってないっちゅうねん!
・・・で、あっさり諦めて徒歩を選択。
これが、時間のロスもさることながら、
朝から往復1時間強のアップダウンのダメージが
今後強烈に蓄積されようとは思いもしませんでした。
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by monsieur-enfant | 2008-11-13 11:00 | フランス 2008

ちょっとCM

ぐへ・・・・
パリ2日目の朝、1件目で3時間もかかってしまった。
この後、昔の宿に向かって、帰ってきて、
お待ちかねのノートルダムやらがちょっと出てきて、
1番好きなブーランジュリに行って、
待ち合わせ・・・・には遅れたものの一応会うことは出来て、
お昼ご飯食べて、
パティスリーでお菓子食べて、
ビストロで晩ご飯食べて、
夜のセーヌ川を一人で足引きずりながら歩いて宿まで帰ってきて・・・・
のうちの、「朝ブランジュリーに行った」ってだけで3時間も費やしてしまった・・・。
先が思いやられます・・・。

ところで、ちょっとCM。
おかげさまで隣の「パティスリー ケ モンテベロ」が、HPでの告知にもあったように
11日(火)にて、無事1周年を迎えることができました。
そして今日、週末に皆様を迎えるにあたってプチリニューアルをしました。
「おお!店っぽい!」という変な歓声があがるほど良い出来栄えです。
店内は、入ってもらえればすぐわかる変更となってますが、
外観は間違い探しの如くわかりづらいリニューアルです。
一箇所、どこかが変わってます。
暇があれば、間違い探しに来て下さい(笑)
店内の画像は、お楽しみにしておきますね。
では、また。
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by monsieur-enfant | 2008-11-13 01:54 | ケ モンテベロ

この日は朝早く目が覚めたので、
この旅初のプランニング。もうパリ来ちゃってますけど(笑)
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そうそう、今回写真が多すぎて、撮りっ放しの画像処理無しでお届けしています。
見にくいのもあると思いますが、ご勘弁を。

今日は昼から約束があるので、ぶらっと散歩がてら古巣に寄って、
近くでプティ デジュネと洒落込みますか。

うっすら明るくなってきた朝のマルシェ。
準備が終わるにつれ、街も目覚め始めます。
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最寄のメトロのマルシェを横目に角を曲がると、慣れ親しんだ「モンジュ通り」へ。
「あぁ・・・帰ってきたなぁ・・・」
あまりに変わらない景色、空気に、
今、店からあのころの僕が出てきそうな錯覚にも陥りそうになる。
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そんな錯覚から引きずり戻してくれたのが、リニューアルした「エリック カイザー」。
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僕がいたころの店名は「メゾン カイザー」。
噂には聞いていたが・・・・とてもじゃないけど、怖くて何も買えなかった。
僕の帰る場所が無くなってしまいそうで、何も買えなかった。
当時は、カイザーが一番愛していたお店。
彼の代名詞である、「バゲット モンジュ」の「モンジュ」は、
この店がある「モンジュ通り」の名から取られたくらい、
1号店でもあるこの店には特別な思いを抱いていたはず。
当時から生産量は他の支店に比べ郡を抜いていたこの店。
更に人気に拍車がかかり、生産が追いつかず、製法も変わり、
クオリティを維持出来なくなってしまったのだろうか・・・。
後に訪れた店のマダムに、「多店舗展開して成功してるんだから仕方ない」
と窘められたが、やはり違うと思う。
人を感動させた以上、それを維持する義務があるんじゃないだろうか。
その心を、想いを、守ってあげる義務があるんじゃないだろうか。
勝手に心を揺さぶっておいて、「仕方ない」じゃすまないんじゃないだろうか・・・。
確かに彼のフランスでの功績に変わりは無い。
生きながらにしてパンの歴史書に名を刻むほどの功績が汚れることはないだろう。
僕の彼への想いも変わることはない。彼なくして今の僕は在りえなかったと断言できる。
ただ僕は、「仕方ない」と思わない生き方をしていきたい。
まだ見ぬ多くの人を喜ばせる道を選ぶより、
少ないかもしれないけど今うちの店を愛してくれてるお客さんやスタッフを裏切らない、
そんな道を歩いていきたい。いや、歩いていかなきゃ、やね。

何も買えず店を出ようとした時、見慣れた顔と出くわした。
「なにしてんの!?」的な反応で再会したのは、僕が働いてた時のシェフ「セドリック」。
しかもこいつ、全っ然変わってない(笑)
辞めたことは知っていたけど、戻ってきてるなんて知らなかった。
まんまの顔に、まんまの声。二言三言交わして「またな」っと別れる。
そう、そこにはまた何も変わらない「通り」が・・・。
入ってしまった。スイッチが入ってしまった。
空港に降り立っただけで泣いてしまうだろうと思ってたのに意外と冷静だった自分。
6年前と同じ駅からパリ入りし、同じ景色の中歩いてきたのに冷静だった自分。
変わらない顔、変わらない声、変わらない景色、堰を切ったように涙が止まらない。
懐かしかった。苦しいくらい懐かしかった。
あった。ここに僕の帰る場所がちゃんとあった。変わらないものだってちゃんとあった。
嬉しかった。心がちぎれるほど嬉しかった。
だって僕には、ここしかないんだから・・・。
思わず店に戻って、「セドリーック!!」と叫んだ。
会えたことが奇跡。もう二度と会えないかもしれない。じっとしてはいれなかった。
頼むのも恥ずかしかったが、写真を頼んだ。
撮られるのも恥ずかしかっただろうが、心良く応えてくれた。
ただ、シャイなもので、一人は恥ずかしかったみたい。ヴァンドゥースと一緒に。
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思わずクロワッサンを買ってしまった(笑)
状態はともかくとして、食べ慣れたバターの味。
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スイッチの入ってしまった心は朝食なんてどこへやら、
最初にお世話になった宿へと向かい始めてました。
冷静に考えれば、片道徒歩40分くらいの道程。
往復だと・・・待ち合わせの時間には間に合わない。
でも、そんなことより「今の感情が優先」。未来はなんとでもなるさ!
我ながら、困った性格やわ・・・。
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by monsieur-enfant | 2008-11-13 01:09 | フランス 2008