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なないろめがね

ハチ公前から小旅行

さてさて、東急渋谷の催事も終了。
泊り込みで働いてたパティエールたちも、思い思い最後の夜を楽しんだでしょう。
新婚の橋本シェフだけは、大阪にとんぼ返りでしたけど(笑)
僕はと言いますと・・・ま、あては結局一人しかおらず、
「お、久しぶり」みたいな感じの、新鮮味のない夜でした(笑)

このツレ、「もしかしたらモンテベロの打ち上げになるかも」と伝えても、
「うん、行く」という猛者(もちろん部外者)。
ただ、地元でも2人くらいしか友達のいない僕にとっては、
東京といえど、奇特な僕に付き合ってくれる貴重な存在。
昔っから周りに「緊張する」とか言われ続けて来てまして、
ちょっと黙ると「怒ってる?」とか聞かれ続けてきてまして、
ですから、この図々しさ・・・いや、天真爛漫さは、僕にとってもかなり助かってるんです。
気を使われると、こっちも気を使うでしょ?
実は僕はこう見えて、超気ぃ使いぃなんですから。マジで。・・・・いやマジですってば(笑)

路線図も持たず東京駅に降り立つくせに勘で動いては迷う関西人に、
仕事の合間を縫って親切で的確なメールでナビしてくれる、とても有難い友人ですが、
晩御飯もその友人に丸投げ。
ただしケーキ5個食べたので、フレンチはパス。イタリアンも気分じゃない。焼肉も×。
・・・って、丸投げ・・・じゃないか・・・(笑)
そこでツレがチョイスしたのが、渋谷駅から歩いて10分くらいにある「ファミレス」。
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そう、「TOKYO FAMILY RESUTAURANT」です。
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とは言うものの、もちろんそこらの「ファミレス」ではなくて、
20カ国以上の国や地域からチョイスした料理やビールを、
気軽に楽しんでってっていう素敵な空間です。
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一応、ギリシャ、イタリア、スペインとかもあるものの、
どっちかって言うと、アジア、エスニック的な割合が多い感じ。

スタートは、パレスチナの「タイベビール ゴールデン」。ビールは、てんでわかりません。
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かなりフルーティ。嫌いじゃないです。

前菜盛り合わせ(各国)
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お!のっけからテンションが上がる各国盛り合わせ。
しかもそれぞれ「なんちゃって」じゃない美味しさ!

ブルグリのタブーリ(レバノン)
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挽き割り麦とパセリ、トマト、レモン、ミントのさっぱりサラダです。
大量の糖分を摂取した身体が洗われるようです。

アデルスコット(フランス)
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おそらくフランスでは一度も目にしたことがなかったビール。
ウイスキーモルトが入ってるらしく、コクというより飲んだ瞬間「甘い」と感じる。

タジン(モロッコ)
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ちゃんとハクション大魔王の壷のようなタジン鍋での登場です。
うん、これもちゃんと美味い。そこに自家製モロッコパンを注文。
クミンの入った、なかなか美味しいパンでした。
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レッド ストライプ(ジャマイカ)
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ジャマイカの理由?土屋アンナちゃんがジャマイカ行ってる番組を観たから(笑)
すぐ影響されるタイプ。軽くて飲みやすいビールです。

ラムと野菜のクスクス(チェ二ジア)
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お、ちゃんとしたクスクスですね。ラムも美味い!

これだけちゃんと作りこんでる店は、各国専門店でも少ないのでは?
「ガッツリ現地」ってほどでもないですけど、きっちりツボは抑えてて十分楽しめます。
量もほどほどで、あれこれ食べたい女性陣にはかなりお勧めです。
僕なんか得意ジャンルを外れれば、全くの無知。好奇心あるのみ。
そんな好奇心や想像力をかき立てながら、
「なにが来るのかな」「どんな味なんかな」って待つ時間も楽しみの一つ。
それぐらいバラエティに富んだメニューです。
ビールまで各国の銘柄があり、料理やビールごとに、ちょっとした小旅行が楽しめます。
でも、こういう店で何より一番大事なのは、
同じ時間、同じ空気を、同じように楽しんでくれる相手と行くことやと思います。
「食べる」ことと同じくらい「楽しむ」ことの大事なお店。
「美味しかった」と同じくらい「楽しかった」の大事なお店。
良い店に連れて来てくれてありがとう。
「ホント楽しかったよ!」

が・・・ツレの難点と言えば、極度のビール好き。
「じゃあ、ビール飲みに行きますか」
「いやいや、3本飲んでますけど~!」・・・・とは言えない位、問答無用のビール好き。
3本って、各自3本飲んでますからね。各々3本頼んでますから。
渋谷駅まで戻り、行きつけの店・・・は、満席で、
近くで済ます・・・と見せかけて、「どうせなら」と、また来た道を後戻り。
岸部にはない(店自体あんまりないですが)、大人の隠れ家的なお店。
そこでガッツリ冷え切った身体にビールを流し込む・・・・寒い(笑)
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以前、泊まるとこも決めずに来てしまう僕に、
「東京まで来た客人にカプセルなんか泊まらせられん」と携帯でリサーチしてくれて、
タクシーの運転手に住所まで告げてくれて、「ありがとう!助かったわ!」と別れて、
着いたらガチでカプセルやった過去の罪悪感か、
ツレが駅に広告を貼ってるホテルに電話してくれて寝床を確保。
広告の地図を写真に撮り、見比べながら歩く。
「あ、ここ、ここ。」
見上げると、「東急ステイ」・・・・あれ?・・・うちのスタッフ泊まってるとこやん(笑)
東急さんにはお世話になりっぱなしの、渋谷参りでした。
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by monsieur-enfant | 2009-02-10 03:53 | T.F.R

催事場にて。

2週続けての東京。
この日は東急さんの「シブヤ スィーツ コレクション2009」の最終日。
定休日と重なったんで、ご挨拶がてら顔出しに行きます。
ここで出店させていただいたモンテベロですが、
尻上がりに業績を伸ばし、初出店や開店1年という知名度の低さを、
誠実な仕事振りがカバーしてリピーターや口コミを生んだんじゃないか・・・
という結果を得ることができました。
ま、これらについては前に書きましたので、もうお終い。
で、まぁ、打ち上げでもと思ってたんですが、いろいろスケジュールも合わず、
大阪帰ってからにすることに。なので自由行動です。

僕はと言いますと・・・あ、そうだ!催事の現場でケーキ食べてたの忘れてた(笑)
到着が遅れて(出発が遅れたんですけど)、
しかも最終日は5時終了というのも忘れてて、
かなり余裕が無かったのですが、幸か不幸か、
よそさんのお菓子の魅力も無かったもので、
お決まりのパリ・セヴェイユさんと、
お隣のアカシエさんのケーキを・・・5ついただきました(笑)
まずはパリ・セヴェイユさんの2点
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こちらはアカシエさんの3点
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ろくに食事もせず急に5つも食べたもんだから血糖値が上がったのか、
頭フラフラしてきました(笑)
イートインのブースの端っこで頬張ってたら、東京に転勤になった業者さんが、
わざわざ会いに来てくださって・・・・。嬉しい限りです。
ちょうど苦しくなってきたとこだったんで、後半手伝ってもらいましたけど(笑)

これぐらいサラッと書けば、ブログって楽ですね。
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by monsieur-enfant | 2009-02-09 02:26 | 渋谷スウィーツコレクション

お仕事第一。

品川に着き、一路目指すは「銀座」。
岩永 歩 34歳 みどりの窓口へ直行(笑)
一応、待ち合わせしてるからね。相手は女の子、寒い中待たすわけにはいきませんから。
が・・・銀座で迷う。しかも雨降ってきた。
待ち合わせは大好きな店なので、意気揚々と歩いていたんだが・・・。
「銀座は縦に長いからねぇ~」と、たまりかねて聞いた軽トラの運転手にあしらわれる。
う~ん・・・・と、諦めてトボトボ歩く僕に後ろから軽トラの兄ちゃんが、
「多分、ここを突き当たって右。確か学校があると思うよ」
うん、あるある!!学校、目の前にあったはず!!なんて良い兄ちゃんなんだろう!!
意気揚々と歩く僕。目の前には大好きな店の大好きな店構えが・・・と、愕然。
思ってたのと真逆から歩いてきてました。
前からと思ってたら裏から歩いてきました。
っていうか、前と降りた駅一緒やのに、どうやったら真逆から登場できんやろ・・・?
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はい、「オー バカナル」です。
前回テンション上がり過ぎてたので、今回は「大人な感じ」で。
外は雨なのでテラス席は無し。
ビジュアル的に寂しいですが、それでもフランスの香りがプンプンします。
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待ち合わせのレディーが遅いので、ちょっとトイレに。
またこのアプローチが素敵。いちいち憎い「フランス」です。扉の向こうが店内です。
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オーナーを平気で待たせるパティシエール2名が到着したところで、
泊り込みで東急でお菓子を作る2人の壮行会を始めます。
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メニューを頼んでる間に、「あそこでパン買ってこよっか」と、併設のパン屋へ。
確か記憶では買わないとパン出なかった記憶があったので、
「カンパーニュはすぐ食べますから」と、イキッて注文。
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席に戻ると、「岩永さん、パン付いてますけど(笑)」
「ほんまや!」
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「こいつら、パンなんぼほど食う気やねん」って思われてるわ(笑)
それよりイキッて頼んだのが恥ずかしい・・・。

そんなコミカルな雰囲気からさらにテンションアップ!
僕は馬鹿の一つ覚え。ステーク・フリット
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2人はそれぞれ、ソーモンのコンフィ
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それとキッシュ・ロレーヌ
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ビールもワインに切り替わり、俄然何しに東京に来たのか見失う。
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いやぁ、フランス好きの聖地ですな。
フランスが好きでないと、溺愛してないと出来ないお店ですよね。
ギャルソンの出来不出来なんてどうでもいいんです。
パリでは落としたナイフやフォークを平気で端っこに蹴り飛ばしますから(笑)
さ、いよいよ渋谷へ向かい、東急の催事会場へ。
ま、その辺りは催事も終わったことですし割愛させていただきます(笑)
それから開始日間違えてて、もしかしたら何人かの東京のお客様に、
「初日、行きますから」と、これまたイキッて言ってたような・・・。
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ま、バカナル来れたからいっか~(笑)
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by monsieur-enfant | 2009-02-07 03:28 | オー バカナル

木更津へ向かう途中、慣れ親しんだ場所へ寄ってもらうことに。
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坂の左手に見えるのが、元の家。母が生まれ育った家です。
幼少期の僕の「おばあちゃんち」です。
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家の目の前には「神明神社」。
子供の頃は「しんめさま」と言って、よく境内で遊んだものです。
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正面から。子供の頃の両親との写真も、この辺りでよく撮っています。
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「大きくなったなぁ」って、思ってくれてるのかな?背だけは伸びましたからね。
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本殿の横の階段。「こんな低かったっけ!?」
子供の頃、よく同じ夢を見たんです。ホントに同じ夢ばかり。
リアルなお化け屋敷・・・いや、夢ながら子供にしてはリアル過ぎました。
昔の木のゴミ箱の中に女の人のお化けが座ってたり、
生々しい想像力は子供の頃からありましたね(笑)
いや、半端なく怖いんですよ。
で、いろんなお化けに追いかけられ、最後は命からがら小さな窓から飛び出すんです。
そこが、ここに繋がってるんですよ。
それが一つ。
もう一つは、ただあの赤い手すりを持って階段を上る夢です。
知らないおばさんがいたかなぁ・・・。一人だったかも知れない。
子供心には、とても高い階段だったわけですよ。
夢の中ではもっとです。真っ暗な中、真っ赤な手すりだけが見える中、
ただ上っていくんです。と、突然落とされるんです。もう階段ではなく奈落の底なんです。
で、あのジェットコースターとか、車でも急に下ったら一瞬「ふわっ」って、
横隔膜あたりが「ふわっ」って気持ち悪くなる一瞬あるでしょ?
あれで起きるんです。急に落とされて「ふわっ」って横隔膜が浮くような感じになって、
真っ暗な奈落の底に落ちる夢を嫌というほど繰り返し観てた幼少期の僕・・・・。
逆に問題でしょ(笑)こんな子、子供にしたくないでしょ?(笑)
でもホントによく観たなぁ、この2つの夢。なんか意味でもあったんかな?
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「しんめさま」からは、木々の間から「おばあちゃんち」が見えました。
「あゆむ~!お昼だよ~!」って、あそこから呼ばれていたような。

「しんめさま」から伸びるこの道の突き当たりに海があります。
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ほら、こんな静かな町なんです。・・・・村かな。
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ここはよく来た浜辺の公園「おしゃべり公園」です。
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ま、喋ろうにも子供は一人もいませんけど。
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「おばあちゃんち」から歩いて・・・子供の足でも10分くらいかな。
「大貫海水浴場」。ちなみに貝ガラだらけですけど(笑)
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磯の香りは、いつも祖母を思い出させます。
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女の子が欲しくて欲しくてたまらなかった母は、
物心付く前の僕にビキニを着せて、この浜で遊ばせてたことを後に写真で知りました。

懐かしいなぁ・・・。なんてことない景色ですけど、僕には大切な大切な景色です。
さ、木更津からまた品川に移動。
駅まで送ってくれた母の2番目の妹「えみちゃん」。
千葉に行くと決めた時にも「ホントに来れんの?」って言ってたけど、
僕も今年で35歳ですから(笑)
駅まで見送りにきてくれた「おばあちゃん」。ありがとね。
月並みですが、長生きしてください・・・。

ちなみに末っ娘の「みっちゃん」と上記の「えみちゃん」は、千葉の片田舎から(失礼・・・)
なんと渋谷まで出てきて、モンテベロのお菓子を買いにきてくれました。ありがとね。
大阪まではなかなか来れないからね。
そういう意味でも、今回東京でやって良かったと思ってます。
さ、東京でパティシエールと合流です。
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by monsieur-enfant | 2009-02-07 02:23 | 千葉県富津市

「命」

品川から高速バスに乗り、千葉を目指す。
どれぐらいぶりかすらわからない、久しぶりの訪問。
子供のころは、お正月には必ず帰っていた母方の田舎。
生まれ育った家が、引っ越しにより今は無い僕にとっては、変わらぬ心の故郷。
静かで緩やかな時間の流れる、海沿いの小さな町。・・・村かな?(笑)

今回の帰省は東京の催事に合わせてのことでしたが、
他にも、どうしても来たかった理由がありました。
祖母と、叔父が相次いで病魔に襲われたんです。
祖母は一度完治したと聞きましたが、また再発してしまい、
叔父に至っては、発症時、命の期限まで宣告される病状でした。
僕の母親が20歳の頃、台風の中船を出した祖父が帰宅後亡くなってから、
夜が明けぬうちから天秤棒担いでお魚を売りにいったり、
体調が優れなくても「欲しいって人がいるから」って、お花を背負っていったり、
真冬に冷たい水に手を入れ魚をさばいてる姿を、
幼心に尊敬の念を抱きながら見ていました。
叔父は、とにかく元気で、声も大きく気風の良い人でした。
周りにも慕われ、責任感も強く、病状をを聞いた時には耳を疑いました。

本人も含めて、周りも想像を絶する毎日だったと思います。
断続的に状況を聞くだけで、その場で闘ってるわけではない僕なんかが、
一体なんて声をかければいいんでしょう・・・。
頻繁に顔を出してるわけではない僕が、行くこと自体不自然なんじゃないのかな・・・。
何もできるわけでもなし、逆に迷惑になってしまうんじゃないかな・・・。
母に促され電話をしてみても、
「元気になったら、お店見に行くからな!今は無理だぞ。元気になってからな!」って、
励ますどころかこっちが背筋を正される始末。
そんなとき、東京の仕事が入ってきました。
背中を押されるように、千葉行きを決めました。

1時間くらいで木更津の駅に到着。
母の一番下の妹が車で来てくれました。
見覚えのある景色、耳馴染みのいい千葉弁。
そして何より、幾つになっても何をしてても「叔母と甥」なんですね。
ここに来ると皆「あゆむ、あゆむ」と、変わらず可愛がってくれる。
大阪には無い、心休まる環境です。
最寄り駅は大貫。
車じゃないといけない場所に今は叔父の家族と祖母が同居しています。

どんな顔して入ったらいいのか・・・そんな気持ちはすぐに拭い去られました。
祖母は思ったより元気そうで、安心しました。
叔父は、家でも車いすで、抗がん剤の副作用もあり、容姿は変わっていましたが、
今は気持ちも病状も落ち着いてるらしく、元気に迎えてくれました。
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具沢山のカレー鍋でのおもてなし。
野菜と海の幸のお出汁が良いお味でした。
昔ながらの祖母の漬けた白菜や魚の煮付けも、嬉し懐かしの味付けです。
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普段あまり食べれないと言ってた叔父もよく食べてくれてました。
母の2番目の妹も駆けつけてくれ、賑やかな夕食となりました。
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祖母です。

お鍋から雑炊まで進み、お腹一杯でお開き。
それぞれ家路につきました。
叔父は普段ならもう寝てる時間らしいのですが、昼間に病院から帰ってくるなり、
「今日は歩が帰ってくるから特別だ」と昼寝をしてくれてたそう。
自分の身体が辛いでしょうに・・・・その気持ちだけで十分やのに・・・。
テーブルも片付き、テレビを観ながら、
「何度も駄目だと思ったよ」
話づらい僕の気持ちを察してか、ポツリポツリと話してくれました。
手足が動かなくなった時、リハビリが指を動かすことから始まり、
投げ出しそうになったこと。その時に、脚の無い人が懸命にリハビリしてる姿に、
「五体満足の自分が投げ出したら駄目だ」と勇気付けられたこと。
さっき見せてくれた写真には、楽しそうなお正月の写真に混じって、
病室での写真もありました。家族と笑いながら写ってる陰に、
「誰とも会いたくない日もあった」って洩らしてました。
淡々と話す叔父の言葉が、深く深く痛いほど胸に刺さります。
「寝てしまったら、このまま眼が覚めないんじゃないか」と、
不安で頭がおかしくなる夜もあり、睡眠薬も手放せないようです。
「こんなに周りに支えられてると思ったことは無かったよ」
一人では闘えなかった。周りに支えられ助けられ頑張ってこれた。
そんな感謝の言葉が何度もあった気がします。
昨年、「半年の命」と宣告されてから、もうすぐ1年が経ちます。
本人の生きる意志が、か細くなった命の炎を力強く灯し、
その灯火を周りの人間が雨風から守るように、そっと手で覆って守ってきたのでしょう。
今こうして「生きている命」を目の当たりにしました。
一日を生きるために、僕らの何倍も何倍も命を燃やして生きています。
果たして僕らはどれだけ命を燃やして生きれているのでしょうか?
昨年から今年にかけて、命というもの、生きるということ、
考えさせられることが度重なりました。
結局何も出来ない自分の無力さや、命の平等さ故の不平等さ、
抱えきれず処理できず、こんな文を綴ったのも1年前でした。

翌朝、起きてみると皆起きてました。
なんだかそれすら素敵なことに思えて。
またこうして今日が始まることが決して当たり前ではないことなんだということ、
一体こんな僕の拙い文章で、何人の人に、どれだけ感じてもらえるのだろう・・・・。
中途半端な人間が、どれだけ何を表現できるのだろう。
また、それをすべきなのか否か・・・・。
悩んで考え、言葉を選び、もう書くの辞めようとも思いました。
でもやはり、懸命に生きようとしてる人がいることを、一人でもいいから知って欲しかった。
世界中には数え切れない様々な苦難困難に直面してる命があるのを、
頭では簡単に理解していながらも精一杯生きれてない人があまりに多い気がします。
今の世の中「生きてるだけで幸せ」なんて
奇麗事の言える世界では無いかも知れません。
でも、簡単に投げ出したり、諦めたり、「私なんて・・」と挑むこともしなかったり、
やりもしないで絶望したり、何かのせいにして顔を背けたり・・・。
どう思って欲しいとか、どう捉えなきゃいけないとか、
僕にもそんな答えは見つかりませんし、そこに導く知性も教養もありません。
でも、少しでも生きることや生きてるということ。
何か感じてくれたら記した意味もあったのかと思います。

白梅が咲き、椿の花の蕾もふくよかに膨らみ始め、
耳を澄ませば春の足音も遠くで聞こえ始めている今日この頃。
「また来いよ」
そう言って叔父に見送られて東京に向かう。
「また来るよ」
そう言ったものの、またいつ来れるのだろう・・・。
「頑張れ!絶対、頑張れ!!」
苦しい病と闘う叔父に伝えるのは酷かも知れない「頑張れ」というありふれた言葉を、
何度も何度も何度も何度も心の中で繰り返しながら、
車に揺られ、帰路に着くのでした。
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by monsieur-enfant | 2009-02-06 04:10 | 千葉県富津市

思ひ出ぽろぽろ

 「確か、自由席なら一日使えたよなぁ・・・」
そんなこんなで始まった東京遠征。といっても今回はお仕事絡み。
先日まで渋谷で行われていた「シブヤ スィーツ コレクション」
その出店に合わせての上京。
9時過ぎには新幹線に乗ってる予定が、未だ家。
「もう乗ってる頃だと思うけど」とか
「新幹線から富士山見えるかな?」みたいなメールが、自宅の僕にガンガン入る。
なんせ時間通りに動けない。と言うより動こうとしない。だから指定席が買えない。
で、飛び乗った車両が、よりによって1両しかない喫煙車両。
かなり混んでたので移動はせず、東京までの間、
窓際でパクパク鯉のように息をして過ごしました。

自分自身、自分がどう動きたいのか予測出来ず、ホテルはおろか、予定も立てれない。
準備というものをほとんどしないんですよね、この人。
出発ギリギリでメモする時間も無く、写メで写した住所を頼りに急ぐ。
11時に着いて、ゆっくりランチでも・・・と思っていたのが、もう2時。
ランチ自体終わってしまう。ようやく焦りだすが、住所の「新宿区」に引っかかり、
自信満々に東京駅からグルリと新宿を目指す。
が、最寄り駅は飯田橋。確か駅3つか4つで着く距離。ランチ終わっちゃう・・・・。
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はい、着きました、神楽坂。こんな道中なので、着いただけでめちゃくちゃ嬉しい。
ちょっと冒険したくらいの気分になる(笑)
しかも下準備とかしないから目で見る映像が初めての映像。・・・新鮮!
「へ~。へ~。」とキョロキョロしながら坂を上る。

「ルグドゥノム ブション リヨネ」
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ここはリヨン出身のフランス人シェフが営むビストロ。
シャルキュトリーと絡むお話をいただいたので、
フランスでシャルキュトリーと言えば「リヨン」。ちょっと見ておきたかったんです。
ランチなので大きな期待はしてませんけどね。
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自家製リヨン風ソーセージ  エストラゴンのヴィネグレット
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お供と、
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お供と。
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プレゼンは可愛いパンなんですが・・・・「なにこれ・・・・」です(笑)

リヨン風クネル モリセットゥおばさん ナンチュアソース
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溺れそうなエビが、パセリにしがみついてるの図(笑)
このエビの名前がモリセットゥおばさんって言うんですって。・・・嘘です。
クネルもシャルキュトリーと並んでリヨン名物。「クネル屋」もあるんですよ。
いわば、魚のすり身を固めたようなものを想像してもらえれば良いかと。
ここはバターライスが付くんですね。クネルを食べた後に入れるようです。
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リヨンで食べたクネルは、まさしく「はんぺん」。
味も無く美味しくなかったのを覚えてますが、
ここのは普通に美味しいです。
クネルは「上手い!!」とかいう食べ物じゃないですからね。
ご飯投入。エビさんはちょっと退いててね。
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リンゴのオーブン焼き ローズマリーのテュイル バニラアイスクリーム
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デロッ・・・。ショー・フロワの醍醐味(あったかいのと冷たいの、ね。)。
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ご飯登場のおかげで思いのほかお腹が膨らんだので迷ったんですが、
いつもそうなのでエスプレッソをダブルで・・・。
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もともと量の多い店なんでしょうね。
トリプルくらい・・・というか普通のコーヒーの量・・・・のエスプレッソ。くるじい・・・。

さ、もう少し時間があるので、「神楽坂マップ」みたいなものをもらい、しばし散策。
・・・と、
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目に留まってしまった。聞いたことはあったが、ここにあったんですね。
「クレープリー ル ブルターニュ」
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くんくん、くんくん、うん、ブルターニュの香りがプンプンします!!
「あ・・・」と初めてここで気づく。
昨年フランスに行った際に回った地方を、今日、再訪してることになってる。
しかも、たまたま(笑)
うう・・・なんだかちょっぴりセンチな気分。いろんな感傷に浸ります・・・。
外は寒かったので「シードル ショー」。あったかいシードルです。沁みます・・・。
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コップや布地までブルターニュ・・・。これ以上、おじさんを泣かせないでおくれ・・・。

そういや、現地でも無理やり腹にいれてたっけ(笑)
満腹の中、ルバーブのコンフィチュールを添えたクレープ。
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なんだか不思議な巡りあわせで訪れた二店。とってもあったかい気持ちになれました。

ふと店を出ると、路地から毘沙門天善國寺。不思議な街ですね、神楽坂。
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なんでこんなに「フランス」を感じる店が多いのに、ブーランジュリーが無いんでしょうね?
空き物件があったら教えてください(笑)

さ、ここから品川に向かい、今晩は数年ぶりに母方の田舎にお邪魔します。
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美味しそうな手土産も買えたし、いざ、千葉へ。
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by monsieur-enfant | 2009-02-04 16:38 | 神楽坂 そぞろ歩き

先日お邪魔した際にメニューを覗いたら、
脳からよだれが滴り落ちるようなメニュー揃い(お下品な表現・・・)。
たまらず行ってまいりました、今年一発目の、
西天満 「ランデブー デ ザミ」!!
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まだまだ日によってバラつきがあるみたいで、この日は僕らだけ・・・と思いきや、
あ、お客さん入ってきた・・・うわ!レストラン ハジメさんのスタッフやん!(笑) 
もろ身内だらけの宴の始まりです!

明石産 活サバのマリネとビーツのサラダ  フランボワーズビネガー風味
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ま、徐々にサラダから・・・とか言うのを許してくれないボリューム!
「腹いっぱい食ってってくれ!」とのシェフのメッセージに、
「うおっし!負けへんで!!」と魂が荒ぶる。・・・食い意地が張るとも言う。
メニューの上らへんに貼り足された「本日のおすすめ」だけあって、
サバの鮮度は良好。厚みも申し分なし。
ただ・・・下に敷かれたビーツの赤いエキスにまみれたサバが、
血まみれのようでグロい(笑)。
女性は気をつけて食べないと、口の周り血だらけに見えますよ、リアルに。

白子のポワレ ソース アメリケーヌ
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やばいやばい!!白子好きにアメリケーヌ好きの僕。
それが一皿で、おまけにこのポーション!!テンション上がります!!
いろいろ食べたけど、僕には白子はポワレが良いみたい。
外カリカリで香ばしく、中トロトロで濃厚で・・・。
しばらく食べれないときは、たこ焼きで我慢してます(笑)

おっと、忘れるとこでした。
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ランチと違い、夜は一人四分の一サイズでの提供。
僕の良いところは、毎回フラットで物事に臨めること。
「う~・・・うまいなぁ~・・」と、毎回自分の店のパンを食べた後、しみじみ呟く僕を、
マダムはどう思って見てはるんかなぁ・・・。
「ね!うまいよね、うちのパン!」・・・と、
別テーブルのハジメのスタッフにも同意を求める姿を、
マダムはどう思って見てはるんかなぁ・・・。
でも、こんなにテンション上がるのも珍しいんですよ。
いつも店ではホント静かな、若干根暗な青年風ですから(笑)

鴨のフォアグラのポワレ 焼きリゾット添え
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ここまでテンションが上がると、フォアグラの有難みなんてありません。
食う・・・そして食う!みたいな感じ。ビストロ万歳!!(壊れ気味)

し・・・しかし・・・巨大な頂が、そんなハイテンションな僕を恐れ慄かせたのでした・・・。

黒毛和牛の前スネ肉の赤ワイン煮 トリュフを乗せて
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うお~っ!グランドキャニオンやん!!
肉だけじゃないですよ。トリュフもガルニも抜かりなし!
山の裏手から・・・
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あまりの美味しさに脱力放心状態・・・。
「頑張ったなぁ・・・・」とポツリ。
「シェフ、ホント頑張りましたよね~!!」
そう、昔からの戦友だからこそ思える心からの安堵と賞賛。
やっぱり僕自身、不安もあったわけですよ。
シュクレがオープンしたのが、もうすぐ5年前。
それから少し落ち着いてから大阪のお店を食べ歩きに出歩くようになったんですが、
あ、言っときますけど、ただの趣味じゃないですからね。
僕ら「フランス」を掲げてる人間の味覚のトーンってのは、
日本人の一般生活の中には存在しないハイトーンなんです。
僕らはやはり日本人。どう足掻いたって、どれだけ叩きこんだって、
D.N.Aは容赦なく記憶した僕の味覚を、日常の中で日本人化してしまうんです。
特に僕は滞在期間も短いし、まだまだ若造。そして記憶は必ず薄れていくものです。
自分の中の「フランス」が薄れていっていないか恐怖しながら過ごしています。
その中ですがるものは、高い意識の中で「フランス」を表現しておられるシェフの料理を
五感で感じさせていただくこと以外、維持する手段はないんです。
もちろんそこから料理の楽しさや作り手の人柄に触れ、自分の未熟さも知り、
フランス料理だけに偏らぬよう他ジャンルも勉強させていただいてますが、
ことフランス料理に関しては、そういう目的があるんですよね。
自分以外の、いろんなこと犠牲にし捧げながら生きてきた人を見るとホッとしますし(笑)
あ、脱線しかけました。
そうそう、うちの方が早くオープンしてる間に、
良い店と出会い、良い料理人と出会い、もちろん「は?」ってな店も多々あり(笑)、
だいたいの大阪のレベルは薄っすらながら、わかってきてるわけですよ。
で、昨年、戦友が2人オープンしました。
「レストラン ハジメ」「ランデブー デ ザミ」。
それぞれカテゴリーは違いますが、共に日本でフランスで語り合った戦友です。
僕はすでにお店を構えていましたし、良いお客さんにも恵まれていました。
そんなお客さんに、僕は知人だからというだけで紹介するほど甘い人間ではありません。
大事にしなきゃいけない「情」と、馴れ合いの「情」は、訳が違います。
こんなこと言うのは失礼ですけど、正直「どれくらいのクオリティで来るのか・・・」と、
楽しみだったり不安だったりしたものです。
なんせ、お二人の料理を直接いただいた記憶は10年近く前、
一緒に働いてたレストランでの賄い料理まで遡らなきゃいけないわけで。
その後の活躍は知ってたものの、いざ独立となると大変なんですよ。
日本人相手だとか、立地による客層や利用目的、なにより数字に心を揺さぶられます。
僕らだって、やはり生活していかなきゃいけませんから。
結局それらを払拭出来ず、多くの店が残念な方向に向かうのを多々見てきています。
ただ、こればっかりは、何に「成功」を求めるのかという価値観の違いもありますので、
一概に「不味いけど大繁盛」と「美味いけど、お客さんは少ない」は、
どちらが幸せとは計れませんけどね。
結局決めるのは自分・・・と言うより、「自分が歩んできた道」が決めるんじゃないかな。
しょうも無い、中途半端な道を歩いてきた人間は、そんな道を歩くんです。
自分を追い込み、掴みたいものを掴んだ人間は、
まずその歩んできた道に嘘をつけなくなってるんです。
言い訳や逃げ道を自分自身で摘み取りながら、
すでに自分の将来の苦難にさえ覚悟を決めてるんです。
「俺は、これで生きていくんだ」って、覚悟を決めながら生きてきてるんです。
うちの店によく「自分もフランスに行き、こういう店をやりたくて勉強してきた。
でもいざ独立となると、やはり売れないハード系より菓子パンを選択してしまった。
こんなパンを作ることは自分も出来る。でも何故こんな場所でこれをやれたのか」
・・・・ホント、多いです。ようは菓子パンに走れる余地を残してたわけですよね?
僕には、そんな逃げ道ありませんでしたから。これしかなかったんです。
実力の差ではなく、「覚悟」の差。でもそれは決定的な差やと思います。
デメリットなんて考えてたら、ネガティブにばかり物事を考えてたら、
新しいことなんて何も生まれません。
過去のデータも大事ですし、はじき出された数字も大事ですが、
余りある情熱がそれを捻じ伏せてしまうことだってあると思います。
それに必要なのは、「自信」ではなく、貫く「覚悟」やと思うんです。
ただ、自分の歩んできた道が、果たしてどの程度のものなのか・・・。
それは世に披露するまで自分でも確信がもてないもんなんです。
「やりきった!!」と思っていても井の中の蛙では、周りに圧倒されてしまうでしょう。
披露してみて「やってきたことは間違ってなかった!」と思えることは、
散々無茶して酷使してきた自分自身に対する、せめてもの報いだとも思います・・・。
お店ってね、人生そのものを切り取って額に入れて発表してるようなものなんですよ。
もちろん中には「・・・これでよう発表できたな・・・」と思う作品も、あるかも知れませんが。

脇道に逸れまくってしまいましたが、
(ヒートアップしてしまい、これでもかなりカットしましたが)
そんなこんなを踏まえて同じ時期を歩んで来たからこそ、
心の底からの実感として出た言葉が、
「シェフ、頑張りましたよね~・・・・」だったんです。
その言葉と一緒に、涙が零れそうなくらい、いろんな想いが溢れてきました。
「せやろ?俺、頑張ったと思うわ~」 ・・・・自分で言うか(笑)

デセール・・・なんやったっけ・・・
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バナナとシュコラの生チョコ仕立てやったっけなぁ・・・。
でもそんな内容。アイスではなく生チョコ。チョコ好きには問題なし。それから・・・
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ちゃ~んと抜かりなく仕事してますよ。厨房一人やのに恐れ入ります。

もちろん、料理だけじゃなく、マダムも、別テーブルでしたがハジメのスタッフも、
みんな良い感じで、みんな頑張ってて、だからみんな笑顔が輝いてて、
心もお腹も満たされた、とてもとても幸せな時間でした。
おそらく何かが欠けても何かが違っても、味わえなかった「今日」という時間枠に感謝。
もう一度同じことは起こりえない一瞬一瞬だからこそ、
もっともっと心を動かして、もっともっと感じながら生きていきたい。
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そしてほんの少しでも、みなさんの心を揺さぶれるような人間になれたらなぁ・・・。
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by monsieur-enfant | 2009-02-02 04:50 | ランデブー デ ザミ