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なないろめがね

さてさてお待たせしました。
BBQ、一応オフィシャルな行事だったのに、なかなか報告できずにスイマセン。

時は7月7日、その日はすっかり忘れてましたが七夕さんでした。
昨年、初めて開催した「お客さんを交えて一緒に遊ぶ」主旨のイベント。
その第一弾が、ランデブー・デザミさんとコラボしたBBQでした。
その感想の多くが、すごく喜んでいただいてたので、
「5周年に託けて、こういう会を何度かやってみようか」と思うきっかけになったんです。
やっぱりね、店側主導のイベントももちろん有りなんですけど、
こうしてお客さんのリアクションで気づかされたり、
「今年はやらないの?」とかって声に後押しされたり、
たまには「こんなことして欲しい」なんて提案をもらったり、
お客さん側から声が上がると僕らもやりやすくなるんですよね。
なんか、基本経営者なんて小心者ですから、
「催したのはいいけど、全然望まれてなかったりして・・・」とか思っちゃうんです。

で、今年はどうしよっかなぁ・・・と思ってる時に、
「去年はいっぱいあったのに、今年は何もないからつまらない」というお客さんの声。
話に行ったデザミの大谷シェフの「それぐらいしか楽しみがない」という悲痛な声(笑)
じゃ、やりますか!・・・となった次第であります。
場所は昨年の鶴見緑地から、服部緑地へ変更。
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昨年は何と言っても日差しがキツかったんです。シャレにならんくらい。
今年はそれに天気も怪しかったんで、屋根のある服部緑地に決めました。

前の記事に書いたように、この日の帰宅は朝の6時くらい。
とにもかくにも昨年の失態を繰り返すわけにはいきません。
・・・というより、かなり飲んで、さらに寝てないうえに、
日ごろ日光に当たってないもやしっ子なもので、
灼熱の野外イベントに参加すること自体危うい感じ・・・。
とりあえず少しだけ寝て、水分いっぱい採って、お風呂で汗かいて、
なんとか動けそうになころに店から連絡がありました。
「もう行きますけど」
・・・もうそんな時間なんやったんやね。

昨年は段取りも悪かったですが、今年は僕が着く頃には準備万端。
みんなも少しは慣れた様子。僕も遅刻を1時間半から30分に短縮。
シュクレクールの昨年からの成長ぶりを示せつけた感じです(笑)
あ、遠くから「走れ~~!」って大谷シェフの声が。
う・・・早歩きが精一杯です・・・。
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朝、そのまま店に直行したものの、オーブンの火を入れるまでで力尽き、
うちのスタッフが頑張ってメモ書き見ながら焼いてくれたパンが並びます。
いやぁ、パリのマルシェみたいですねぇ。良い風景です。
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えっと、向かって右手前の丸っこいのが「パン コレ」。
昔店に出てた、赤唐辛子とごま油、さらにゴマとモッツァレラが入ったパンです。
で、左のデカイのが、前に書いた帯広の製粉会社さんの全粒粉を100%使ったパン。
店に出てるブール状のパンの倍の2㌔の生地で作りました。
その上の細長いのが、ビールで仕込んだ生地にタイムを練り込んだフィッセル。
あんまり、ビールで仕込んだ意味なかったかな(笑)
その上はラミジャンだったっけ?バゲットだったっけ?
とにかく大きく焼いて持ってきました。

さ、乾杯にはこれ。
肥後橋 某Nシェフに昨年末にいただいてたマグナムです。
「最終日の仕事終わりにでも」と労っていただいたんですが、
昨年末は飲むとそのままぶっ倒れそうな感じだったので(笑)、
今日という日に大切に開けさせていただきますね。
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大谷シェフに開けてもらって、コルクが天井まで吹っ飛ぶの図。
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見てもらってわかるように、思ってたより立派な施設。
何が立派って、屋根が立派。全体を覆い、日差しを避け、影を作ってくれてます。
昨年とはこれだけで段違い。かなり快適に過ごせます。
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今年はいらないかな・・・と言ってた鮎も登場。
各テーブルごとに、思い思いに焼き、思い思いに飲み、思い思いに話す、
昨年に輪をかけた完全な放置プレイイベント。
さすがに僕は食べることも飲むこともできませんでしたが、
みなさん楽しんでくれてたようです。

最後にはモンテベロからデセールの差し入れも。
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なんだったっけ、これ。
結構待たされた割に普通でした(笑)
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これが届く頃には宴もたけなわ。
片づけも始まり、時間が来て帰らなきゃいけない方もチラホラ。
・・・が、その行く手を遮るのが土砂降りの雨。
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最初は「雨降ってきた」程度だったんですが、
そのうち雨脚が強くなり、最後には諦めるしかないくらいの水量に。
しかし!!今年の僕らには屋根がありますから!!
これ、昨年だったらエライことでしたけどね・・・。
マイナスイオンのカーテンで周りを覆われた素敵なエンディング・・・だったということで(笑)

とりあえず終わった今年のBBQ。
できれば毎年やれたらいいなぁ・・・とは思うものの、
ま、お客さんからの声次第ですかね。
来年は定休日も変わってる予定なので、万博公園って選択肢も出てきます。
・・・と、その前に秋のピクニックですね。
ま、これもお客さんの声次第ということで(笑)



昨年と同じ顔との再会もあれば、

新しい顔との出会いもあって、

一緒の時間を過ごすことによって、

店では伝わらない部分も伝わることもあるでしょうし、

どんなスタッフが日々頑張ってくれてるのかという姿を、

皆さんの前に披露できる場としても貴重なわけで、

こんな会に参加したいと思ってくださる方々に直接会うことによって、

やはりこういう方々の理解や応援によって支えられてるということを、

そしてうちは本当に良いお客さんに恵まれてるんだなぁ・・・っていうことを、

改めて、

胸に突き刺さるほど実感するわけなんです。


「ありがとうございました」

心からの感謝を添えて・・・。
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by monsieur-enfant | 2010-07-31 02:48 | シュクレクール

ちょっとお知らせ

えっと、
突然ですが、
クロワッサンをリニューアルしました。

こないだお会いしたパリのブーランジェに食べてもらった感想をもとに、
「ま、やってみなきゃわからんし」って試してみたら、
うん、なんか、さらに良い感じになったような気がします。

前にも書きましたが僕の好きな言葉の一つに、
「先入観は罪、固定観念は罰」
というノムさんの格言がありまして、
それに則って生きて来たらなんかこんな人間になっちゃったんですが(笑)、
クロワッサンに関しましては、
僕が働いてたパリの店のクロワッサン(当時のね)が凄かったので、
基本構造をいじる必要はないと、どっかで思いこんでたんでしょうね。
我ながらナンセンスな思考でした。

くわばらくわばら。

あ、ついでといっては何ですが、ブリオッシュも・・・これはちょっとわかりにくいかな。
ま、食べてみてください。

喉越しの良いものや涼やかなものが欲しくなるクソ暑い時期に、
バター臭立ちこめるヴィエノワズリーのリニューアルのお知らせでした(笑)
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by monsieur-enfant | 2010-07-30 11:31 | シュクレクール

「ハグ」と「握手」と。

えっと・・・、
先日書いた「バンドエイド」の記事、
81歳のおじいちゃんと書きましたが、89歳でした(汗)
僕、多分そんなに生きられへんやろなぁ・・・。

さて、ホントはもっと早く報告しなきゃいけなかったBBQ。
3か月前の記事が残ってるなか、
先に書いておかなきゃいけないものから書き始めますね。
では、そのBBQの日にまたがってしまった前夜祭の話から。
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多分、お互い「行きましょう!」とは言えないものの、
「行けたらいいなぁ」くらいは、ずっと思ってたはず。
そんなオッサン3人の、笑いあり、男泣きありの、
楽しくむさ苦しい会が、北新地「弘屋」さんで開催されました。
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オッサン1は僕。
オッサン2はモンテベロ橋本。
彼とは店で行く時以外、こうして個人的に食事に行ったりしたことがなかったんです。
別に避けてたわけじゃないんですよ(笑)
ただ、橋本が気をつかいすぎるんじゃないかなぁ・・・って思ってて。
それになんか、今更こっぱずかしいですやん。
それがなぜ開催にいたったかというと、ここでオッサン3が橋渡しになってるんです。
オッサン3っていうか、一番年上なんで「大オッサン」ってとこですかね(笑)
パティスリー ラヴィ ルリエ」オーナーシェフ 服部さんです。
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親交はあったものの、ここで名前はおろか店名が出てくるのも初めてじゃないかな?
もともと橋本と親交があって、そのついでに何度か会う機会があって、
東京で働いていたんですが大阪で独立することになって、
モンテベロで働いてた子が手伝うことになって、
ま、僕とのきっかけはそんな感じですかね。
ですからオッサン2とオッサン3は食事にも行ってて、
オッサン3はオッサン1と「いつかは・・・」と思ってってくれたらしく、
オッサン1と2だけなら2があまり喋れないけど3が混じってくれると少し気が楽で、
オッサン3も2が一緒なら1も誘いやすいやろうし、
1は基本、他人に興味ない感じなので一番ネックになってたというわけです(笑)

話してると長くなるので、弘屋さんの料理と共にお送りしますね。
当時の現場のように、つまみながら話してる空気感で。
まずは暑い中では最高ですね!キリッと冷えたシャンパンで乾杯!
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服部さんの印象は、とにもかくにも「めちゃめちゃ良い人」。
ただ、僕の人づきあいの基準っていうのが「ハグできるかできないか」なんですよ。
もちろん本当にしないでもいいんですよ。気持ちの問題です。
「握手」が出来てもダメ、「ハグ」が出来ないとダメなんです。
握手は「良い人」でも出来ますが、「ハグ」はそれだけじゃ出来ません。
どんだけ熱く語っても、どんだけ共感しあってる風でも、
実を伴わない戯言なんて世の中に溢れ返ってますから。
つまり「良い人」なんて薄っぺらい仮面ぐらい誰でもかぶれちゃうわけですよ。

グージェール
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僕らのメッセージは言葉よりも仕事。
黙ってても、仕事は雄弁にその人物を語ります。
今まで、何人も見てきました。
偉そうに言うだけ言って、「・・・これがそれですか?」ってな人たち。
散々理想論を語りながら、いざ表現の舞台にあがると言い訳を並べ始めたり、
結局自分の言葉一つ責任を背負いきれない輩との付き合いなんて、
所詮上辺だけの馴れ合いの繋がり。全くもって無意味です。
言ってることとやってることが交わって初めて「真実」になるわけです。

チョリソー 桃 チェリー
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うん、良い塩梅。シャンパンにも好相性。

「友」とは、お互いを高めあえてナンボ。
つまらないことでも意地張って、負けないように頑張って、
そして同じ温度で喜びや苦しみを分かち合えるのが僕の考える「友」なんです。
人数なんて関係ありません。ようはその場の温度です。
100℃のヤツが2人いたらその場は100℃じゃないですか。
100℃の周りに50℃とか20℃とかがいると、その場の温度は熱くないですよね。
自分の温度を下げて接しないといけないなんて在り得ません。
だったら100℃の友達一人で十分です。
日本人お得意の、愛想笑いまみれで媚び諂っておきながら、
「円滑な対人関係を築くには必要なこと」と悪びれず言い切る感性は僕にはありません。
だって、嘘の時間ですからね。自分にも相手にも。

シャンパンをもう一杯いただきます
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ここで既に橋本の目がトロ~ン、服部さん頭の先から指先まで真っ赤に。

今だから書けますけど、
オープン前とかに持ってきてくれてたお菓子は「?」でした。
先にも書きましたが、めっちゃ良い人な服部さん。
「ハグ」、したかったんですよね・・・・・でも出来ませんでした。
あ、本人にもちゃんと伝えてましたよ。
「フランス菓子ではない」と。
ですから、みなさんにオープンをお知らせすることも出来なかったんです。
うちのHPやブログで紹介するってことは、
ある種のお客さんに対する責任も発生します。
どれだけ知り合いでも、実が伴わないものを紹介するわけにはいかないんです。
以前、散々お話して「大丈夫」と踏んで紹介してしまったお店が、
蓋を開けてみれば「今までの話、一体なんやったん・・・?」
ってなクオリティだったことがあります。心底ショックでした。
握手まで出来てたわけですから、ハグしたかったわけです・・・。

鱧のフリット
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軽いっすね。イタパセが良いアクセント。塩でいただきます。
周りカリッの中ホワッって感じ。

オープン後も何度か店にお菓子を持ってきていただきました。
正直、「無理かな・・・」って思ってました(ハグすんのがね)。
お店は良い滑り出しを見せていて、
僕には理解できませんでしたが評判も良かったようです。
モンテベロ一年目に強烈にコケた僕としては羨ましい限りでした(笑)
だからね、もういいかなって思ったんですよ。
お客さんにも来てもらってて、商売として成り立ちそうでしたし、
フランス菓子語っといて「まがい」の店なんて関西には掃いて捨てるほどありますからね。
ま、珍しいパターンではないわけですよ。
「これが服部さんのお菓子なんだったらそれはそれで仕方ないんかな・・・」
と思ったこともありました。
だって僕が認める認めないなんて小さなこと。お客さんに来てもらってナンボですから。
ただね・・・・僕はその来てもらうお客さんのターゲットを上げないと、
将来的に作り手のモチベーションも下がってしまうし、
流れてしまう層はまた新しい店に流れていくのが摂理。
そんな人らを追いかけるのにも限界があると思うんです。
散々苦労してきた服部さんが、そんな層を狙ってるとも思えません。
周りに集う人間の質も、これから生まれる新たな出会いの質も、
自分の視線が向いてる角度にしか広がりませんからね。

鳥取産岩牡蠣 パクチーと野菜のジュレ
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立派な岩牡蠣。野菜のジュレのミネラル、
パクチーとみょうがのキレ、夏ですね!

結局、個人的に諦め切れなかったんですよね、ハグするのを。
なぜなら類稀なる「良い人」だったから。先にも書きましたが、相当苦労してきてますし。
ですから橋本に頼んだんです。「友人なら何とか引っ張りあげろ」って。
僕、志の高い相手に対しては、
はっきり言ってあげるのが礼儀であり優しさやと思ってます。
そこで濁したりするのって、よっぽど残酷やと思うんですよ。
お客さんが離れてしまってから「実は前から思ってたんやけど・・・・」なんて、
無責任過ぎますよね。
事実を告げられたのに逆上するなんてナンセンス。
所詮そういうヤツは、そこまでの人間だったってことなんです。
誰だって嫌なことは聞きたくありません。
でも、嫌なことは言うほうも嫌なんです。
その真意を汲めない相手と、「友」になんて最初からなれないでしょ。

すっきり白に移行
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でもね、先に書いたように、「もう変われないんじゃないかな」って思ってたんです。
だって、お店オープンしたってことは、
満を持して自分のお菓子を表現したってことですからね。
それを例え頭でわかってたとしても、簡単に変えれるもんじゃないですよ。
なぜなら染み付いてしまってますからね。
うちの橋本だって、僕に毎日どやされて、変わるのに丸1年かかってます。
逆を言えば、毎日どやされても1年かかってしまったわけです。
怒られる環境にないオーナーシェフという立場、
よっぽど冷静且つ客観的に今を分析できなければ、よっぽど自分に厳しく出来なければ、
一円の価値もない張りぼての自負に、成長や変化を阻まれてしまうのがオチですから。

バーニャカウダ 三田の野菜で
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やっぱり食べたくなりますね。シャキシャキと、新地で味わう土の恵。

そこで諦めなかったオッサン2名。
橋本はおそらく自分を見ているようだったんでしょうね。
自分が積み上げてきたものを覆される、落胆、怒り、戸惑い、
全ての感情が手に取るように痛いほどわかってたんじゃないかな。
でももう一つ、そこを越えた自分が、今立ってる場所や見えてる景色、
それらも一変してることも十分自覚してるんじゃないかな。
だから「今のままじゃダメなんです!」って、ノックし続けたんだと思うんです。
そしてもう一人は、僕・・・じゃなくて服部さん自身です。
売り上げが上がってるにも関わらず、お客さんが来てるにも関わらず、
ずっと悩んで、ずっと苦しんで、何度も岸部まで足を運んでくれました。
橋本も含めて同世代がある程度の結果を出し始めてる中での独立。
気負いもあったでしょうし、商売の怖さも身に沁みてる以上、
知らず知らずのうちに「お客さん寄り(日本人寄り)」になってたんじゃないのかな。
周りから見ると「順調」に見えた滑り出しの最中、
一度全てを見直す為に数日間お店を閉めたことがありました。
ここが大きな転機になったんじゃないですかね。
お客さんの流れや一時の評価に甘んじてしまう方が多い中で、
自ら杭を打ち付けて、もう一度リスタートを切ろうと決めるのは相当な勇気が必要です。
ま、うちはオープン初日のショーケースを見て、
全商品入れ替えという暴挙に出ましたけどね(笑)
チマチマしてても何も変わらないんですよ。
舵を切ると決めたなら、
早く大きく明確に切ってしまわないとスタッフが迷ってしまいますから。

なんだかんだ、このワイン、よく飲んでますね。
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ホワイトアスパラのカルボラーナ仕立て 
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ぐちゃぐちゃにして取り分けてくれました。
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このビジュアルがたまりません・・・。

でも、そこからなんか吹っ切れたんでしょうね。
店に来てくれた時の、なんか後ろめたさを抱えてるような言動がなくなり、
すごく晴れやかな表情に変わった気がします。
「まだ行かないほうがいいです」って言ってた橋本からも、
「ホントに変わりました」とGOサインが出ました。
えっと・・・・でもまだ一度も行けてないんですけどね(笑)
橋本の結婚式で同じテーブルだったことも後押しになり、
「飲みに行きましょうよ」という声をかけていただき、この日の宴となりました。

ワインはどんどん進みます。
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あれ・・・これなんだったっけ。
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それぞれがそれぞれに抱く想いはホントにそれぞれなんですが、
それでもすごく強く熱い想いを抱いてくれてたことがヒシヒシと伝わってきました。
橋本はこうして僕と過ごす時間も少なかったので、
服部さんを挟んだリラックスした状態での時間を楽しんでくれたようで、
何より僕と服部さんが一緒に飲んでることを嬉しそうに眺めていた気がします。
優しいヤツです、ホントに。
服部さんは橋本に「岩永 歩って男はなぁ・・・」って、なんだか熱く語ってくれてたようでした(笑)
橋本とは違う、同じオーナーという立場だから感じることもあったのかな?
僕はそのころ他のお客さんに掴まってしまってて、
その内容は全然聞き取れなかったんです・・・が、悪口じゃないよね・・・?

稚鮎のタヤリン サマートリュフ風味
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いやぁ、旨いっすね。稚鮎はこの夏、近年ないペースで結構食べてますが、
この香りと苦味、素敵すぎます。

ハグ?しましたよ、マジで(笑)
いつしたのかもう記憶は定かじゃないんですが、
多分全然素面の時だったんじゃないかな?あれ?酔ってたかな?
「僕がここに居てもいいんですか?」って謙遜する服部さんに、
「何言ってんすか!」って、ガバッとハグしました(笑) 
橋本も交えて3人で肩を抱き合うオッサン3人・・・・ウザいですね(笑)
でもね、僕も橋本も服部さんも、
各々が各々、違う立ち位置からですがこの日を待ってたんです。
服部さんは一番苦しかったし、一番嬉しかったんでしょうね、男泣きしてました。
橋本に、「最初からそこを狙うのはキツイですって」と言われてたようですが、
「岩永 歩を何とかアッと言わせたい」って思い続けてくれたみたい。
そんなターゲットにしてもらうのは嬉しいですね。
頑張って、正しきハードルになっていければ良いですね、お互いがね。

平気で安い涙ばかりが飛び交う日常で、
これほど重く熱い涙は久しぶりに見ましたよ。
グッと来ましたね。

さ、ボーヌの赤で羊をいただきます。
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NZ産ロムニー種仔羊背肉の骨肉ロースト
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オッサン3人、むさ苦しいかも知れませんが、
僕、こういう時間ってあんまりないんですよ。
自分を曝け出して笑いあえる仲間って、あんまりいないんですよね。
中途半端な時間を過ごすくらいなら一人で行ったほうが良いですから。
頼りなかった橋本もいつしかシェフっぽい内容の話をするようになりましたし、
がっちりハグできた服部さんという良い仲間を得て、
ずっと辺鄙な場所で「僕がやらなきゃ」って一人ぼっちでやってきた肩の荷が、
少しだけだけど降りたような気がしました。
一人のオッサンとしてグラスを交わせる仲間って、嬉しいもんですね。

青森産むらさきウニの冷製フェデリーニ
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〆パスタ。ほぼ毎夏いただいてます。

これ・・・飲んだの覚えてないですね(笑)
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かぼちゃのプリン ココナッツのスープ
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エスプレッソ
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ご無沙汰でしたが良い時間を過ごさせていただきました。
オッサン3人、初めて酒を交わす場としては、
気取らず肩肘張らず、且つワインも料理も間違いない弘屋さんは打ってつけでした。
にも関わらず、ほぼラヴィ ルリエさんのことばかりに触れましたが、
今回はどうしてもちゃんと僕らの関係を書いておきたかったんです。
初めて登場する今回しか書けないことがありますから。


その後、服部、橋本、両マダムも合流し、
ひっさびさのカラオケに行きました。
弾けましたね(笑) なんか学生のころを思い出しましたわ。
カラオケというと皆さんに「意外・・・」と言われるんですが、
僕、お酒も食事もストレス解消の手段ではないので、
唯一に近いストレス発散の手段なんです。
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マダムには反射を抑えてもらってます(笑)

その後、顔を合わせれば「めっちゃ楽しかったです」と言いあうくらい楽しかった1日。
服部さんは翌日仕事、僕らはBBQがあるので「そろそろ帰りましょうか」とお開きに。
余韻に浸りながら帰り支度する僕らの目を一気に醒めさせたのは、
「お会計 3万越え」の現実・・・。
今って、カラオケそんなにするんですか・・・?
先の弘屋さんでは僕が持ったので、「ここは払います!」「ここは僕が!」
って言いあってた二人が一瞬「え・・?」って止まりましたもん(笑)

弘屋さん出たのが10時くらいやったかな・・・。
2時間で入って、何度か延長したから深夜2時くらいの感覚で外に出たら、
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「あ・・・あれ?」
はい、朝の5時半でした(笑)
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by monsieur-enfant | 2010-07-26 02:32 | 弘屋

“必然”の輪廻

前にも書いたことがありますが、
世の中のほとんどが必然で構成されてると思うわけなんです。
もちろん理不尽なこともあり、それだけではない部分もありますが、
日常という枠組みに関しては、ほぼ必然で構成されてると思うわけです。
いや、むしろその必然の出来事や出会いを、
振り返ったときに必然だったと思える明日を選ばなきゃいけないんでしょうけどね。

目先に捉われ誤魔化して生きるも、未来への布石だとよじ登るも、
終わらない必然の連鎖を導くのは良くも悪くも自分の意思次第。
一つ一つの選択は巡り巡って蓄積され、全て自分自身を創る要素となっていく・・・・
それもまた、必然というわけです。

そしてこの日、日々繰り返される現実に滅入り失望しかけてた僕に、
これ以上ない形での必然が現れてくれたのでした。
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連絡を受けたのは2週間ほど前。
京都に来るから一緒に食事でも・・・・ということになり、
知り合いがこの春から働いてる、このお店をチョイス。

中京区 「御料理 光安」
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京町屋をリノベーションして作られた店内は、
初めての来店でも懐かしさすら感じる風情。
お昼、夜、共に1日限定2組だけの営業です。
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「あれ、お肉出てこなかったなぁ・・・」って思ってたら、
ここお野菜に力入れてはるお店だったんですね、後で知りました(笑)
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待ち合わせてから30分、
2年ぶりに会うその人の顔が、
ようやく思い出と一致してきたころ、
お料理が運ばれ始めます。
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結構飲むと思ってた彼は、時差ボケで寝不足なようで、可愛く梅酒でした。

山科茄子
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うん、しみじみ旨い。
茄子、好きです。

鱧の焼き霜
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ん?骨、無いっすよ・・・?
鱧、今まで「季節感」を味わう程度にしか思ってませんでしたが、
香ばしさと相まる鱧の旨みが口中に広がります。

さっそく日本酒に移行。
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何飲んだっけ・・・・先日の話やのに。
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夏野菜
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おくら、丸茄子、トウモロコシ、トマト、じゃがいもはインカの目覚めかな?
一つ一つのお野菜のお味を大事にした、
堅実な仕事と手間隙を感じる一品です。

アワビのお吸い物
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あ~~~、沁みる。
添えられてる肝も旨い。
彼もアワビは好物らしく御満悦。

鮎の炭火焼
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うわ・・・・旨い以外言葉が出てこない・・・・と満喫していると目の前では、
頭を捥いで、身を揉み揉み、骨を抜き去ってやっと食べ始める姿が・・・。
一応、頭から食べるんだと説明したんですがダメみたい。
仕方ないですね、彼、フランス人なんですよね。

卵黄の味噌漬け
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キレイですね~。
「フェラン・アドリアの料理を思い出す」って言ってた彼。
「そんな大そうなもんじゃないですよ」とだけ言っておきました(笑)
いやでも旨いっすよ。
味噌の風味が纏わりついたネットリ卵黄に、
日本酒の原酒も少量合わせてるみたい。

たまらず「黒龍」を。
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ちょっとボケたのを誤魔化して涼しげに(笑)

碗が出てきました。
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お水を打ってるのは、誰も触ってないことの印なんだそう。
昔、碗に毒を盛られることが多かったための安心の証ですね。

蕎麦掻の白味噌碗
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絶妙・・・・。
蕎麦掻の食感から白味噌の甘みまで、
全てが一環した思想から生まれた調和。

ドンっとお出ましになったのは、
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黒豆の枝豆と鰻の炊き込みご飯
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色も涼しげ。鰻の香りが鼻の周りに漂う。
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食器のセンスも素敵です。
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お漬物も美味しいです。
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お味噌汁もね。
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途中で多少ネタバレしましたが、
同席してるのがフランス人なので、
話し出したら止まらない・・・。
席に着いて、飲み物頼むまでもかなり喋ってましたから、
その調子で結構時間が経過してるのにここで気づく。

さ、甘味のお出ましです。
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井戸水の葛きり
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黒蜜とプラムのピュレ、2種類お好きなほうにつけてお楽しみを。

巨砲とじゅんさい
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終わりと思いきや、〆にもう一品。
う~~ん、じゅんさい微妙やなぁ・・・。
巨砲と食べるとまだ良いですが、〆たいのに前菜に気持ちが引き戻されます。
ビネガーのジュレが後口さっぱり。
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お茶飲んで、上を見上げて・・・・、
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ふ~~~って、ゆっくりほっこり過ごしたかったんですが、
結構帰りの電車がギリギリになってきたんで急いで撤退。
タクシーで彼をホテルに送り、一路京都駅へ。


もちろん2週間くらい前からこの日が来るのはわかってたわけで。
でも、この日が終わってから改めて思う、この日の必然性。
日本で会えるなんて思ってもみなかった。
一緒に食事をするなんて思ってもみなかった。
彼は、僕がパリで一番好きなブーランジュリのオーナーシェフ。
ひょんなことからの来日だったんですが、一晩時間を割いてくれました。

まず同業者と話すことがない僕。
熱くパンの話を語る他人の姿を久しぶりに見た気がします。
なんだかその姿を「いいなぁ・・・」って羨む自分がいました。
彼のような迸る情熱を、最近は削り取られる日々の中で、
そんな自分の姿はしばらく見れてなかった気がします。
「やっぱり、こうありたい!」、そう素直に思えたのは、
その相手が自分が尊敬する相手であったという幸運が重なったからだと思います。

「自分はまだまだやなぁ・・・・」と思い過ごせる時間の清清しさ。
自分で言うのもなんですが、
少年のような澱みのない目で食いつくように彼の姿を眺め、
耳と心が直結してるかのように、彼の言葉の一つ一つに鼓膜と心を震わせていました。
正直、京都で会ってることが信じられない“偶然”。
でも、打ちひしがれてるときに現れてくれた“必然”。

いや、わかってるんですよ、頭では。
足を引きずってでも地べたに這い蹲ってでも前に進まなきゃいけないことなんて。
でもね、やはり燃料を燃やさずして推進力は生まれないんですよ。
甘えだと言われても、すっからかんに乾いてしまっては前には進めないんですよ。
以前に読んだ話で、ずっと心に留めている言葉があります。
「周りに蝿がたかるのは、あなたがウンコだからです。
蝶が群がるその先には、必ず花が咲いているのですから」
周りを嘆くよりも、その周りにいる人たちを引き寄せてる自分がどうなのか。
所詮、自分がウンコだから蝿がたかってるんだ。
花にならなきゃ、蝶が飛んできてくれるような、そんな花にならなきゃ、
周りがダメなんじゃない、その中心にいる自分がダメだから悪いんだ・・・、
そう自分を戒め戒めやってきましたが、
いつしか自分で自分を追い込みすぎてたのかも知れませんね。
息が出来なくなっちゃってました。

僕だって、まだまだまだまだ成長しなきゃいけない未熟者。
職人としても、人間としても、もっと前向きに、もっと貪欲に、生きていかねばなりません。
この日、たくさんもらえた良質のエネルギーは、
自分が前に進む燃料としてはもちろんですが、
何らかの形で店にスタッフに還元できたら良いなぁ・・・って思います。
それは結局、お客さんへも繋がっていきますからね。

僕らはプロですから、
何がどうあろうと見失ってはいけないのが「お客さんに喜んでいただくこと」。
繰り返す日常の中で気持ちが荒み、少し忘れていたのかも知れませんね。
そうなるとスタッフは僕の顔色を見て過ごすことになってしまいます。
萎縮しミスを恐れる環境では、到底良い仕事など生まれません。
もう一度みんなの目線をお客さんに向け直し、
スタッフみんなでお客さんに挑めるよう頑張ります。

店のみんなが、
この日のムッシュ ヴァッスールのように、
キラキラした顔でパンの話ができる日のために・・・・。
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by monsieur-enfant | 2010-07-22 04:12 | 御料理 光安

バンドエイド

少し前のことになりますが、
81歳のお客さんからいただいたお手紙です。
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予約のFAXが送れなかったみたいで、店にわざわざ持ってきて下さったんです。
定休日の店のドアに挟まってた「ラブレター」(ホントにそう書いてたみたい)。
その予約を承ったという旨をFAXにてお知らせさせていただいたら、
こんな素敵なお手紙をいただいたんです。

パティシエではなくブーランジェなんですが(笑)、
僕には最高の表彰状に見えてならないこのお手紙、
一先ず今は心の絆創膏として貼らせていただいきますね。

うん、また頑張ろう。
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by monsieur-enfant | 2010-07-22 03:35 | とりとめなく・・

すいませんねぇ・・・

あの、ご心配おかけしてますが、とりあえず大丈夫です、はい。
更新はおろか、ここを開けたのも2週間ぶりくらいになるのかな・・・。
「もうさすがに忘れられてるかな・・・」と思ってたんですが、
変わらず遊びに来てくださってることを知り、驚きと、喜びと、申し訳なさと・・・。

僕みたいな人間が何かを発信しようとすると、
たかが岸部という辺鄙な場所の小さな店であろうと、
こんな「ブログ」という誰でも出来ちゃうような媒体であろうと、
いっぱいいっぱい搾り出さなきゃどこにも何にも届かないわけで。

ただ、その搾り出す作業はホントに多くの労力も気力も必要としてですね、
例えるなら戦艦ヤマトの波動砲のように、あるいはゴジラの放射能火炎のように、
わかりやすいところではピッコロの魔貫光殺法のように、
つまりそれなりに溜め込まれたものがないと放出できないわけですわ。

ちょっとね、それらを身内に削り取られる日々が続いてまして、
とてもじゃないですが外に向かって放つ気力は残っておらず、
しばらく心の病に蝕まれたあげく、
癒しを求めて遂に「犬でも飼おうか・・・」とまで思ったのですが、
周りの「犬が可哀想・・・」という僕が可哀想になるような助言により断念。
にっちもさっちもいかないなか、また陽は昇り憂鬱な一日が始まるわけです。


なんなんですかねぇ・・・。
自分と一番長く付き合うのは自分自身なんですけどねぇ・・・。
その自分と向き合って闘うことが出来ないんですよね、みんな。
与えた宿題を、しかも小学生低学年レベルの宿題を、
毎日毎日「やってる?やってる?」と確認し続けなきゃいけない馬鹿ばかしさ。
店に貢献して欲しいなんてサラサラ思ってないですよ。
ただ、底の底にある殻は、自分の手で破ってもらわないと僕では破れないんですよ。
うちで戦力にならなくたって、美味しいパンが作れなくたって、
せめて「自分」という看板を掲げて生きていかなきゃいけない人生、
その看板くらいは胸張って掲げれるようにしてあげたいんですよ。
いつまでも、果てしなく広がる空に脅えて、可能性という無限の広がりに恐れをなして、
しゃがみ込んで足元の地面とばっかり睨めっこしてたって何も始まらないでしょうが。
眩しいからといって目を背けていては、見えるものも見えないでしょうが。
目を凝らさずして自分の未来が見えるほど、
この業界に堕ちてくる人材の眼は澄んじゃいないんですから・・・。
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by monsieur-enfant | 2010-07-20 00:33 | とりとめなく・・

原風景

のんびり朝ごはん食べ終わったと思ったらすぐ、
お昼に予約したお店に向かわなきゃいけない時間に。

そんなにお腹が減ってない状態で挑むのはちょっと怖いのがこのお店。
高田馬場 「ラミティエ」
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あ~~~良い店構えですね~~。
やっぱりフランスが香る店は無条件に好きですね。
そんな店でのワイン一杯・・・・至福です。
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ホワイトアスパラ サラダ仕立て
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パン
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アッシ パルマンティエ
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簡単に言うと、ジャガイモのミートソースグラタンって感じですかね。
じゃがいもをフランスに広めた人の名「パルマンティエ」は、
じゃがいも料理にはこうしてよく使われるんです。
いやぁ、旨いっすね!
ビストロって、こういうのですよ、こういうの!!
画像からは伝わりづらいかも知れませんが、かなりのボリュームです。
ジャガイモのピューレですらかなりの厚みなのに、
やっと到達した「アッシ」にあたるソテーしたひき肉もかなりの量。
しかも余分なガル二は一切ない潔さ。

お店はすぐに満席に。
若い人ばかりでなく、お年を召した方とかも大勢で楽しんでおられます。
昼間からグラスを交わし、会話の花が咲く。
良いですよね、この店内の景色。
こんな色濃くフランスを打ち出してる店を、仮に、仮にですよ、
仮にもしうちが将来ビストロを仮にやるようになったと仮定した場合、
やりたいですよね、こんなフランス愛に満ち溢れたお店を。
華やかさはなくても、正しく空気を再現し、伝えてあげれるようなお店を。
いろんなお店が乱立する東京や大阪市内ならともかく、
お客さん側の選択肢が少ない岸部のような郊外だからこそ、
こういう凛としたお店が必要なんじゃないでしょうか。
それまでにまだやることは山積みです。
一体、いつ頃そんなこと出来るようになるのやら・・・・って、
まぁ、仮の話ですけどね(笑)

だってね、パンだけじゃ限界がありますよ。
どれだけフランスを語っても、
それはフランスの食文化を担う一部でしかありません。
パティスリーもそう。食文化の一部です。
だからブーランジュリだけじゃダメなんです。
だからパティスリーをやらなきゃいけなかったんです。
単体では頭でしかわからないんです。
ブーランジュリの横にパティスリーがあって、
日常の横に、また違った日常が存在して、
そしていつかビストロという空間が生まれて、
テーブルの上に並べられる、また新たな角度の日常を目の当たりにした時に初めて、
ブーランジュリはブーランジュリの、
パティスリーはパティスリーの、
ビストロはビストロの、それぞれの必然性や存在意義、
それらが点から線へと繋がるんじゃないかなぁ・・・って思うんです。
点在してるだけじゃピンと来ないものも、隣接してるからこそ、街並みとして再現してこそ、
「文化」って空気がやっと醸し出せるんじゃないかなぁ・・・って思うんです。

そこまで持っていくことが出来たなら、
僕の役目は一つ終えれると思うんですよね。
そんな日が来たら、ようやく肩肘張らず、
笑って過ごしていけるような気がするんですよね。
その日を待つのではなく、自分の手で手繰り寄せれるよう、
しっかり見据えて歩んで行かないと!・・・そう改めて思わされるお店でした。

・・・仮の話を熱く語り過ぎましたね(笑)
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by monsieur-enfant | 2010-07-05 03:09 | ラミティエ

ジェラシー

昨晩、降り続いた雪も止み、
話の流れから行くことになったお店に朝早くから向かう。
ずっと名前は聞いていたんですが、なかなか行く機会もなく、
先日のアヒルさん同様「やっと来れた・・・」と店の前に立ち思う。
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江古田 「パーラー 江古田」
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おおっ、良い店臭が漂ってますね!
ゆるい店構えも店内の空気も、店長さんのお人柄なんでしょうね・・・って、
話してすぐわかる独特のキャラの持ち主(笑)

入ってすぐにパンが並べられています。
この一角が「パン屋さん」。
そのパンを眺めながら、朝っぱらからワインをいただきます。・・・幸せ。
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ま、一角でパンは販売してるものの、「パン屋」かというとそうでもない。
じゃ、違うかというと違うこともない。
大阪では難しいスタイルやと思います。
「こうなんです!」って教えてあげないと、
意外と上手に使えないんですよね、大阪の人って。
ここはね、パンを買いに来た人が「寒いからなんか温かいもの飲んでいくわ」とか、
小腹空いたから食事していく人とか、ダラダラお酒飲んで過ごす人とか、
使い勝手は人それぞれ。自由に使われ楽しんでもらえる空間を提供してる感じ。
さ、ワインと一緒に朝ごはんをいただきます。
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さすがに4か月前・・・何食べたか忘れました・・・。
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皆さんご存じでしょうが、
僕、パン屋さん行かないんですよ。
滅っっ多に行かないですね。
別に理由はないんですけどね・・・いや、ないこともないか(笑)
あえて行ってないわけじゃなく、触手が動かないんです。
さらに、パン屋さんでこうして腰を落ち着けて居座るなんて前代未聞。
なんか自分でも不思議な時間でしたね。

でもここ、良い仕事してるんでしょうね。
来る人、来る人、良い顔して入って来られます。
自転車の前かごに、ヘルメット被ったお子さん乗せて買いに来るお母さんを見た時、
「あ・・・帰らなきゃ」って思いました。
うちも生活圏にある店なので、よく見る光景なんです。
なんか、岸部の景色とダブったんですね。
早く帰ってパン仕込まないと・・・って思っちゃいました。
久しぶりにこうして良いパン屋さんにいると、
「あぁ・・・やっぱりパン屋さんって良いなぁ・・・・」って改めて思います。
日常という時間に組み込まれ、当たり前のように買いに来て下さるお客さん。
着飾るわけでもなく、休みの日の朝なんてノーメイクのお嬢さんもチラホラ(笑)
子供を自転車に乗せて来るお母さんもいれば、
ベビーカー押しながら来てくれる新米ママさんも。
どこかと間違えて入ってきたのかと思うくらいお年を召したお爺さんお婆さん、
帰省の度に寄ってくださる地元のお客さん・・・。
そんな方々と一緒に時を経れることを喜びと感じれたり、
お子さんの成長をマジマジと感じれる一種独特の立ち位置の商い。
つくづく平和な職業やなぁ・・・と思いますし、
生活に寄り添うことを許された数少ない職業やとも思います。
だからこその責任ってありますよね。
「地域密着」とか簡単に言いますけど、密着するにも責任が生じます。
中途半端な店に密着された地域は逆に災難ですからね。
この地域に寄り添いたいと願う以上、
やっぱり「ここでやってくれて良かった」と思ってもらいたい。
他の地域の方々に、うちがある岸部を羨ましいと思ってもらいたい。
うちが存在する前と存在してからで、お客さんの価値観そのものを一変させたい。
そしてそんなお客さんを、また新しい世界へと連れてってあげたい。
で、単純に、喜んでもらいたいんですよね。

「うちだって良いお客さん、いっぱいいるもんね~~~」
そう心の中で呟いたのは、
江古田さんに来られる面々が、あまりに良いお顔をされてたもので、
ちょっとしたジェラシーを感じてしまったからなのでしょうか(笑)
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美味しいエスプレッソを御馳走になって、
来た時より身も心も温かくしていただきました。

小雨混じる3月の寒さより、
やんわりと温かな記憶の方が鮮明に心に刻まれた、
幸せな朝のひとときでした。
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by monsieur-enfant | 2010-07-04 00:35 | パーラー江古田

季節一つ巡りけり。

いつのまにか、まるまる4ヶ月も空いてしまいました・・・。
もうあんまり覚えてませんし、4ヶ月となると季節が移ろってしまってます。
なんて言うんですかね・・・読んでても感情移入しにくいと思うんです。
ま、書いててもですけど(笑)
だって、こんな蒸し蒸しクソ暑い季節に、
今日書くのは雪降ってた東京の話ですからね・・・。
ですので、泣く泣く省いていってる記事もあります。
どうしてもとか、一度も紹介してないとか、そんな記事をサクサクっと書いていって、
なんとか「今」に追いつかせたいと思います。

というわけで、まだ3月頭の話。
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えっと、確か夜に東京入りしたんだと思います。
傘さしてるの見えますか?
そう、この日はよりによって季節外れの雪が降った日。
しかも、そこそこの量。
その中を、久しぶりに会う友のもとへと向かう。
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ね、そこそこの量でしょ?(笑)
傘を前目に傾けて、滑らないように足元に注意しながら、
向かってくる雪に負けないように、ひたすらひたすら歩いてたら、
「今どこ?」って電話あった時には、既に待ち合わせのお店は通り過ぎてました。

結構前から誘われてはいたものの、
なかなか時間も取れず、このお店も忙しくなり、
友人も結婚などという柄にもないことに挑み、
ようやく実現したこの日の集い。
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場所は「アヒルストア」
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もうすでに先に始めてもらってたところに合流。
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名前を忘れてる料理ばかりなので、一挙に羅列しますね。
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総じて美味しかったですよ。
パンも焼かれてて、販売もされてます。
何より久しぶりに見る元気そうな顔は、どんな便りより嬉しいものですね。
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懲りずにいただく食後酒。
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お初にお目にかかった気さくな旦那さんと、
シュクレにも来てくださってるお友達と、
異性でただ一人「友」と呼べる友人と、
たまの東京が超寒い雪が降る夜になっちゃう僕と、
ダラダラ楽しい時間の宴もたけなわ。
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手土産までいただいてしまいまして。
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もらった当時はとってもタイムリーな店だったんですが、
僕がグダグダ4カ月も放置しちゃってる間に、展開は少し変わったようですね。

僕らが出るころには店の電気も落ち、
外から見えてたパンのショーケースの灯りも、この日の終わりを告げています。
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ワインも充実してますし、食事だけでも十分成り立つクオリティ。
近くにあったらいいなぁ・・・ってお店です。
気兼ねなく過ごせる場所も人も、
気を使ったり、飾ったり、強がったり、尖がったり、憤ったり、絶望したり、
感情に忙しなくなる大人になればなるほど貴重な存在だと実感します。
切磋琢磨も大事ですが、心休まる場所や相手って、持ってないと息が詰まってしまいます。
若干・・・窒息しかかってますけどね、僕は(笑)

また楽しく飲みましょう。
でも今度はゆっくり座って飲みたいなぁ・・・。
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by monsieur-enfant | 2010-07-03 00:55 | アヒルストア