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なないろめがね

ここは朝の丸の内。
朝の・・・とは言ってもお昼前。
なんか行列ができてると思ったらエシュレのお店のクロワッサン待ちだとか。
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大阪に帰る新幹線に乗る前に立ち寄ったのは、
パン コティディアン同様、最近出来た(2月かな?)海外からのお店。
ロンドン発ですがパリに3店舗あり、ソウルに続いての6店舗目だそう。
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丸の内 「ローズベーカリー」
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上の上の写真のように、お店はコム デ ギャルソンの店内に併設。
正直、何かと違和感のある店内。
ローズベーカリーに配慮してか、
こちらから見えるところにはコムデギャルソンの店員はおらず、
ローズベーカリー側も、ショップの衣類に匂いが付くような作業は出来ず、
なんとも無機質な空気が漂う。
ローズベーカリーのオーガニックを前面に出したナチュラル志向のカラーに、
モダンでスタイリッシュなギャルソンの組み合わせを僕は「新鮮」とは捉えられず、
逆に「違和感」と感じてしまいます。
コムデギャルソンの創立者である川久保玲さんの旦那さんの妹さんが、
ローズベーカリーを立ちあげたローズ・カラリーニさんだという事情もあるんでしょうけど、
なんか双方に大したメリットが生まれない組み合わせなような気がね、
しないでもないんですよね・・・って、
岸部の小さなお店で四苦八苦してるような経営者が言うことじゃないですけどね(笑)

さ、ローズベーカリーの話に戻りますが、
お店はミニマムにまとめられてるのでパリの感じとはだいぶ異なります。
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上にキッシュやスコーン、サラダやケークなどが並びます。
どれも「イギリスチック」な空気感漂う感じ。女の子受けしそうです。

お腹も空いたことだし、オムレツを注文。店内でいただいて帰ることに。

まず出てきたのはパンとバター。
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これが旨い!
バターはレスキュール。僕がパリで働いてたお店でも使ってたバター。
改めて旨い。これでクロワッサン作りたいんですけどね・・・。
で、パン。
「ローズベーカリー」と言ってもパン屋ではないし、パンもカンパーニュ一種類。
なので期待して無かったんですが、今回行った店の中で断トツに旨い!
パリではプージョランのパンを使ってるんですが、それ相応に再現してるんじゃないかな。
最初「お!」と思っても、どんどん日本寄りになっていくパンが多いなかで、
頑張ってクオリティを維持していってくれたら嬉しいですね。
で、オムレツ。
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普通・・・いや、普通は過大評価か。
それに飲み物も頼むと軽く2000円オーバー。
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同席してくれた友人のお皿は盛り合わせ的なもの。
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なんかね・・・、オーガニックであっても味はしなきゃいけないと思うんです。
よくね、「素材を活かす為に控えめな味付けにしました」とか言う人いますが、
それは素材をそのまんま食わしてるだけで「活かしてる」とは言わないと思うんですよね。
「オーガニック」を打ち出してるお店特有の物足りなさ感、
なんかそういうのがオーガニックに対する偏見とかを招いてる気もするんですが・・・。

とにもかくにも久しぶりに美味しいパンにで出会えて良かった。
岸部で待つ雛鳥たちに、また一つ良い手土産ができました。
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それから、東京に来てから「あ、今、東京来てるよ」と連絡した際、
事前に知らせなかったことを「人でなし」と罵られた友人とも無事に会え、
幸せなサプライズ報告を直接聞けた良い時間となりました。

新旧織り交ぜた東京編、お楽しみいただけたでしょうか?
次回は一店、緊急告知を挟みまして、
当ブログは昨年の晩夏から秋口へと遡らせていただきます(笑)
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by monsieur-enfant | 2011-05-31 22:36 | ローズベーカリー

8年分の想いと共に

この日、既に3件(お菓子屋さんも寄ったから正確には4件)回り、
そこそこお腹いっぱいな中、今回の東京訪問のメインとなるお店に向かう。

正直、ダメもとで電話したここが取れてなかったらお昼で帰ってました。
たまたま取れたので一日滞在を延長しての訪問・・・でしたが、
時間ギリギリで最寄り駅に到着し、確信をもって猛ダッシュした道が逆方向。
更に近くまで行っても見つけられず、この角曲がってなかったら電話しよう・・・、
そう思って見渡すと、ありました!!
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神楽坂 「ル マンジュ トゥー」
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8年前くらいかな?
谷シェフの本が出た時に買ったんですよ。
勿論、当時の僕なんかが読んでわかるような内容ではなかったんですが、
なにより「人」に興味があったんですね。
何度か書いてますが、結局僕が魅かれるのは「生きざま」なんです。
ルセットなんかどうでもよくて、
その背景に流れる「なぜ今この料理を作ってるのか」という信念というか、
そういう匂いを欲してたんです。
だから訳も分からず料理人や菓子職人の本を買い漁ってたんです。
「フランス」というものに人生を捧げたドラマ、
全て上手くいったわけではない紆余曲折の人生模様、
それでも貫いた先に辿り着いた、現在の輝き。
なんかね、不甲斐ない自分と比べて、そんな姿にずっと憧れてたんでしょうね。
あ、長くなってきましたが本題に入りますと、
当時、有名シェフの本ってもう別に珍しくはなかったわけなんですが、
じゃあ、そのなかでなぜ「いつか行ってみたい」と心に残る一冊だったかと言いますと、
その本の最後にね、最後の最後のあとがきの下の方にね、


 「後に続く若き料理人へ

 店の大小じゃないんです。肝をすえてやればできます。
 一歩一歩確実に、自分との戦いです」


って一言があったんです。
鳥肌が立ちました。
僕、料理人じゃないですが、自分に言ってもらってるかのようでした。
というのもね、当時・・・というか今もかもしれないですけど、
誰の本も「我が我が」みたいな感じ。
自分のことばかりで、これだけのことやってきた、これだけすごいものが作れるんだ、
なんかそんな本ばかりだったと思うんです。
ま、あとは単なるレシピ本。
パン屋の本は大概この類でしたよね。つまんないったらありゃしない。
そんな中で、
谷シェフの本の最後にあったこの言葉に貫かれました。
「次の世代のことを、こんな有名なシェフが気遣ってくれてる!」
行ったことも無いお店の、会った事も無いシェフの言葉に、
簡単に踊らされるピュアな29歳(笑)、シュクレクール開店直前の話でした。
思い返すと、8年も前の本でこの本くらいです。
どこの本屋さんでどんなシチュエーションで買ったかまで覚えてるのは。

そんな思い入れのあるお店に遅れて到着。
一階の厨房にシェフの気配を感じながらも直視など出来ぬまま二階の客席へ。
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駅から少し距離があったのもありますが、
シャンパンが旨かったなぁ・・・。
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やっと来れた・・・と実感。

アミューズ
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・・・黒キャベツのローストが長すぎて写真が撮れない・・・。
最初、昆布かと思ったもん(笑)
添えてあるのはブルゴーニュ産エスカルゴのプロヴァンス風。

蝦夷鮑のソテー トリュフ風味
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反則です。
鮑にトリュフ、理性が吹っ飛びそうな組み合わせ。
優しく静かで長い余韻に、上質が漂います。

白・・・は、何飲んだっけ?
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バターだってカッコイイ。
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パンも美味しい。こうでなくっちゃ。
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帆立貝のムースリーヌ マデラソース
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プリン!?・・・と思いきやのムースリーヌ。
帆立の淡い味わいに対して、ちょっとマデラソースが強かったかな。
ただ、薄いソースだと、プリンのキャラメルソースのフェイクにならないからなぁ・・・。
ここは遊び心を味わうべきとこと割り切って楽しむべし!ですね。

うさぎのポーピエット そのジュ 64℃で茹でたポーチドエッグ
牛乳のエスプーマのソース
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ここで、うさぎ!
優しい牛乳のソースに包まれての登場。
泡の下のベースのスープはなんだったっけなぁ・・・。
ポーチドエッグの卵黄と絡まるポーピエットの紅潮したピンク色の肉体、
そこに薄っすら香るトリュフ臭が相まって醸し出す、若々しく健康的なエロス。
ごっつぁんです(笑)

ビーツとオレンジの冷製スープ
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スープというより、思いのほかジュース寄りでした。
さっぱり口直し。

ノドグロのポアレ 緑アニスとペルノーのソース
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ノドグロ!
コース一本なので事前に食材を知らないわけですが、
前半から鮑だったりウサギがソース仕立てで出てきたり、
ここでグッとノドグロだったり・・・と、変化に富んだ食材に楽しませていただいてます。
緑アニスとペルノーのソースが全く邪魔にならず、
ガルニのお野菜とも相性抜群でした。

赤はグラスで。
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ランド産鳩のロースト
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もちろん、今までどれも美味しかったんですが、
ここにきて「本気」・・・と言ったら今まで何やったんやってなりますね(笑)
あ、真骨頂と言いますか、あくまでイメージですが、
谷シェフのド真ん中ストレート勝負!ってな感じ。
言葉なく、ただひたすらむさぼる時間。
思考ではなく本能に直接働きかける「旨さ」。
至福・・・。

味覚、視覚、嗅覚を魅了され、
しばらく放心状態で余韻に浸ってる所に登場した、ポップなシリコン製の物体が。
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スポッ!ではなくベリベリッっと剥がされたシリコンのカバーの下から出てきたのは、
山羊ミルクのキャンディー仕立て
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C'est mignon!!
古典の男らしさから一転、運ばれてきたラブリーな空気。
後ろに残るコクがない代わりに、山羊ミルク独特の香りが心地いい。
これを残ってたパンに乗せると、
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あら不思議、香ばしいコーン代わりに大変身(笑)
お行儀悪いですね・・・失礼しました。

苺のミルフィユ
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旬の苺の香りと酸味、濃厚なパティシエールの甘味、
しっかり焼きこまれたフィユタージュの粉とバターの香ばしさと軽やかな食感。
どれが外れても成り立たない関係性が当たり前に表現されてる安心感。
デセールでガッカリする店が多いなか、
シンプルなミルフィユが普通にちゃんと美味しいあたり、さすがですね。

ミニャ
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抜かりなしのミニャ。
最後にいただいたのはエスプレッソだったっけ・・・画像損失、記憶も喪失です(笑)

最初に谷シェフへの一方的な想いは書かせてもらったのであまり書くこともないのですが、
ひょんなことから「シュクレクールさんって大阪のパン屋さんですよね?」ってなって、
お会計を済まして下に降りると谷シェフから話しかけてきてくださいました。
「知ってます。Hajimeさんにお邪魔した時に、パンが美味しくて聞いたんです」と。
頭、真っ白になりそうでした。
谷シェフの前でしどろもどろになるわけにはいかないので踏ん張りましたが、
軽く意識飛びそうでした(笑)
だって・・・、ねぇ。
ただ抱えてきた想いと共に時間を過ごせれば良いと思って過ごした2時間半。
まさか、岸部でピーチクパーチク言ってるだけの小さな店のこと、
知ってもらってるなんて夢にも思いませんから・・・。
Hajimeさん様様ですよ、ホントに。
こんなとこでもお世話になってしまって・・・、憎いお方(笑)

その後、谷シェフが思うレストランのパンの有り方など話していただき、
調子乗って僕の意見なども生意気に述べさせていただき、
なんか夢みたいなフワフワした、且つ一本の鋭い光が差し込んだような、
短かったけどとても貴重な眩い時間をいただきました。
こうしてお話していただける機会があって思うのですが、
がっぷり四つなんてとんでもないですが、
せめて後ろめたい気持ちにはならないような仕事をしてこれて良かった・・・と思います。
谷シェフが書いておられたように、
肝を据えて一歩一歩、小さな店ですがやってこれてることを、
僕自身を通じてシェフに見ていただけたなら、
ささやかな恩返しにはなれたのかなぁ・・・と思いました。

夢見心地の帰り道・・・、振り返ると恥ずかしながら単なる一ファンの自分がいました(笑)
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by monsieur-enfant | 2011-05-27 23:12 | ル マンジュ トゥー

遠い国からコンニチワ。

次は、いつも東京で甘えまくらせていただいてる友人に車を出してもらい、
西麻布から東京タワーの麓まで一気に移動。
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生憎、晴天とは言えない空模様ですが、
東京タワーを前にテンションアップ。

と言っても東京タワーに遊びに来たわけではなく、
目的はここ。
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見慣れたマークが懐かしい、
芝公園  「ル パン コティディアン」
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ベルギー発祥のパン屋さんですが、僕がパリにいた時にもあったんですよ。
ただ、こんなデカイ店じゃなくて、
こじんまりとしたナチュラルテイストのオシャレなカフェで、
パンが気軽に食べれるよ・・・ってな印象でした。
それがまさかこんな大々的に日本にやってくるとは・・・。
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「わお!」
でかいパンが並ぶ、テンション上がる画ヅラ。
ただ、上半分はディスプレーだそう・・・。
やっぱ、さすがに東京でもこれだけの大型のパンがバンバン売れることはないんやね。
じゃ、岸部じゃ・・・、でもいつかやりたいんですよね。
おっきなパンがいっぱい並ぶ風景をお客さんに見て欲しいんですよ。
ま、そんな時が来た暁には、皆さん宜しくお願いしますね!
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日本のパン屋さんに比べたら種類は少ないものの、
向こうじゃ大体こんな感じ。僕は十分だと思いますけど。
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ちょっと店内でいただいていくことに。
周囲ぐるりとガラス張りなんで、ちょっと陽射しが射すとご覧の通り。
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なんとも素敵な空間です。
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場所によっては東京タワーが見える席もありますよ。

僕らは中央の大きなテーブルに。
コーヒーと、コティディアン名物「つけ放題コンフィチュール&スプレッド」
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「ベーカーズバゲット」と呼ばれるパン盛り合わせもあります。
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シェフ・・・というか、もはや社長業に追われてると言ってましたが、
出てきて話してくれたシェフがめちゃくちゃ良い人。
「あ、この人なら大丈夫そう」
そう思いました。
海外から来る店来る店、一部を除いて「またか・・・」っていうくらい、
日本の大手チェーン店と提携して出店します。
会社のビジネスで出店する店に配属された日本のパン屋で働いてた人たちは、
見事に日に日に「日本のパン化」させてってくれます。
そりゃそうですよね、自分でその店に惚れ込んで行って習ったわけじゃないんですもん。
守らなきゃいけないものや、伝えなきゃいけないものなどないわけで、
ちょこっと研修に行った記憶など「経験」ではなく「思い出」に過ぎません。
それで「維持しろ」というほうが無茶ですよ。
ただ、ここのシェフは経歴はもちろん、思考もはっきりしてます。
このお店はこれからおそらく小さくパッケージングされ、
各地に出店されていくことでしょう。
そうなったとしても、ビジョンはぶれないでいてくれる、そんな感じがしました。
こういうお店が増えてってくれることは、
もちろん「pain」が身近になってくれることは勿論なんですが、
それと同時に良い若い職人が育ってくれるんじゃないかなという期待を持ってます。
そういう「多くの雇用を抱える」という責任は、
小さな個人店では果たせません。
本当に心から思います。
「どうか頑張ってください」と。
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そしていつかうちも東京進出・・・じゃなくて(笑)、
レジの後ろに大型のパンを並べて売れる日が来ることを、
そんな景色をお客さんに届けてあげれる日が来ることを、
7年前の「夢」から現実にできるよう頑張って行こう・・・、
そう改めて思わせてもらった良い時間でした。
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by monsieur-enfant | 2011-05-25 02:53 | パン コティディアン

「先端」の見せる輝き

渋谷からバスで何分くらいやったかなぁ・・・
西麻布辺りで下車してウロウロ。
大きな交差点から少し路地を入った閑静な住宅街にてこのお店と出会いました。
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西麻布 「レフェルベソンス」
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周りがデカイ家ばかりなので、危うく見逃してしまいそうでしたが、
玄関へのアプローチはリゾート感たっぷり。
行った事ないけどバリとかってこんな感じなんかなぁ・・・。
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中に入ると、そこには驚愕のスペースが・・・。
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これ、店の客席じゃないですからね。
ここで普通に一件のサロンが営業できますけど(笑)
あ、シェフの修業先の、
イギリス「ファットダック」、ヘストン・ブルメンタール氏の本が見えますね。

店内は外から見てたのとエライ違い。
モデルばりのスタッフを揃え、ソムリエ陣も充実。
正直、どこも人材難の中、よくここまで人を集めたな・・・という印象。
案内された客席は採光も多く取り入れた明るい店内ながら、
ちょっと今まであまり体験してない群を抜いたラグジュアリー感。
まさに「ハレの日」のレストラン。
そしてフロアの中央には、懐かしい「野球盤」の消える魔球を彷彿させるトラップが(笑)
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なんと地下もあるようで、客席数席とキッチン、トイレが地下にあります。
なので料理はここから階段を上って運ばれてくるわけです。

案内された席はフロアの側面にある幾つかの半個室の一室。
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完全に浮世とは遮断された空間の中でいただくシャンパン。
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「目に映る表面的な現実世界なんて、所詮シャンパンの泡のようなものさ・・・」
と優雅に眺めてたら、やたら元気で威勢の良い泡が無数に立ちのぼる。
その「現実世界の泡」に翻弄されてる自分を見てるようでした(笑)

ランチは「より道」「牧場」「おでかけ」の3種のコースから選べます。
今回は二つのコースの良いとこどりが楽しめる「une promenade おでかけ」をチョイス。

アミューズブッシュ
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奥に見えるのがライム風味の青林檎ジュース 。
ちょっとシュワシュワしてたかな?とても爽快感のある一杯。
グラスの中にはスモークサ―モンが桜チップの煙と一緒に閉じ込められています。
その二つを繋ぐのが、ジュースに垂らされた爽やかなオリーブオイル。
青リンゴジュースを単なるジュースでなく一品の料理に昇華させ、
サーモンとの繋ぎ役も担う重要な役割。
サーモンには黒ゴマとキャビアだったかな?が乗ってました。
楽しく美味しいスタートです。

自家製パン
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正直ホッとします(笑)
ここらでガッツリ旨いパンまで出されてたら、
僕らの存在価値ないですからね。
でも一生懸命作られた好感のもてるパンでした。

ヒラスズキ~海の狼
ビーツのジュレとクリュ シェリーヴィネガーのヴィネグレットと凝乳
アンディーブ マンゴー オゼイユ
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ハッとするヴィヴィットな発色に、一気に「世界」に引き込まれる。
白いお皿の上で構成される食材を要したデザイン力。
もちろん味覚構成を無視したものは一切ない計算尽くされた一皿。

なんせラグジュアリー。なんかラグジュアリー。
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丸ごと火入れしたカブ
黒トリュフ パセリのエミュルション 生ハムとブリオッシュ
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シェフのスペシャリテ。
「カブがスペシャリテ?」と思った思考は一瞬で吹っ飛びます。
計4時間かけて火入れされたカブは、もう形容し難い領域。
散らされた生ハムやブリオッシュの全てに支えられ、その旨味を昇華させます。
そしてトリュフとの相性・・・。
カブから滴る瑞々しさに妖艶なトリュフの香り・・・ザ・エロスです(笑)

エジプト・・・
フォアグラのナチュラル 香り高い人参のピュレ
エジプトをイメージしたアセゾヌモンとパフュームで
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お皿が出てきた時、「シュッシュ」と香りを空気中に一吹き二吹き。
その香りの中でいただくエキゾチックなスパイスと甘い人参のピュレ、
そしてほぼ「生」を連想させる濃厚なフォアグラ。
旨いし上手い。
ただ、大阪某三ッ星に、
「フォアグラで感動する」という感情は奪われてしまってるんですよね。
罪なお人・・・(笑)

ここで何やら出てきたと思ったら・・・
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ラギオールのナイフセレクトタイムッ!!
こんなのありですか!?日本酒の「お猪口セレクト」じゃないんですから!
・・・ただ、こういうのって、「それ選ぶと思った」と思われるの嫌じゃないですか?
素直に選ばなかった結果、どれ選んだかも覚えてませんね・・・。

待ちわびた春に飛び込んで~岩手短角牛サ―ロインのロティ
そのジュ パースニップのピュレ 雪の下キャベツ わさびの葉と茎
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脂身の少ない、しっかり噛みごたえのある赤身肉。
シンプルな構成の中に、的確な火入れの技術が浮き立ちます。
ガルニも、これから来る春を五感に訴えてきます。

壊したい欲望~
ショコライノアールをまとって ルバープ ヨーグルトと胡麻のアイスクリーム
P125のシュトロイゼル
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この球状のショコラを叩き割ると、中に諸々が潜んでるわけです。
だから「壊したい欲望」なんでしょうけど、
基本僕はどちらかというと「壊されたい願望」が強いんですけどね・・・って、
え!?そういう話じゃない!?(笑)

ここではミニャやカフェをメニュー上、「おしゃべりのお供」と書いてます。
どこまでオシャレ!どこまでくすぐれば気が済むの!(笑)
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そして白いポットから注がれる液体はブルーのハーブティー。
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なんなんすか、ここ・・・。
女性心理をどこまで巧みに操る気ですか・・・って女性じゃないんですけどね。
「上質」って、久々に味わいました。
料理もさることながら、空間、サービス、共に上質。
もちろん「レストラン」というカテゴリー自体が上質でなければならないんでしょうけど、
それを踏まえても、何ていうんですかね・・・、うん、ちょっと抜け出てるかな、ここは。
シェフの経歴も、飽和状態の東京の中でも珍しく、
ファットダック譲りのアヴァンギャルドな路線でくるかと思いきや、
ミッシェル・ブラスを思わせる素材に寄ったアプローチも見せる。
シェフ曰く、「夜はもっと楽しいですよ」
え・・・それはどう取ったらいいんですか・・・?
あ・・・!あぁ!ファットダック色が濃くなるってことですよね!
あぁ、そっか!あぁ、そうですよね!
どこまで乙女心をくすぐってくるんだか・・・もう怖いわ、怖い怖い!

そんな怖い思いをしても(してない、してない)、
今、東京でハレの日のレストランを挙げるなら間違いなくここですね。
今回の東京で「ラ・ブランシュ」「北島亭」「ル・マンジェ・トゥー」と、
名だたる三件にお邪魔させていただき「トラディッション」に魅せられたわけですが、
いやいや、現代フレンチも捨てたもんじゃないっすね。
箱、人、センス、それらを踏まえたうえで、
現時点での日本におけるおそらく最先端のお店。
もちろん「最先端=最良」とは限らないことは前提としてですが、
それでも先端の放つ輝きは、きらりと眩い印象を残してくれました。
いつかまた、夜に再訪したいと思います。
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by monsieur-enfant | 2011-05-23 09:41 | レフェルベソンス

締め切りです・・・

すいません。
昨日、告知したばっかりなんですが、
BBQ、定員に達しましたので締め切らせていただきます。

先日の7周年イベントは、初の日曜日の夜開催というのもあり、
多少の予測はしていましたが、
恒例行事はいつも平日のお昼なので埋まるのが遅いんですよ。
なのに今年はこの早さ・・・。

有り難いやら申し訳ないやら。

確か3年前の第一回は、定員に達したのがギリギリやったような覚えがあります。
2回、3回と、止めずに続けてきた甲斐があったというものです。

いつも言いますが、こうして楽しみにして下さる方々がおられるから企画もできるわけです。
望まれず、求められずなら、何かやろうという気にもなりません。
うちが主導の催しに見えますが、お客さんあってのこと。
毎回、感謝の気持ちでいっぱいです。
何とか喜んで帰っていただけるよう、スタッフ一同頑張らせていただきます!

また今年もこうして無事に開催が決まり、
皆さんとお店以外の場所でワイワイ遊べるのを楽しみにしています。
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by monsieur-enfant | 2011-05-20 17:49 | とりとめなく・・

突然ですが・・・

東京編の途中ですが、
ちょっと告知を挟みたいと思います。

えっと、いつもはダラダラとした曖昧な告知だったり、
思わせぶりな「告知の告知」だったりするわけですが、
今回はストレートに行かせていただきます。

せ~の、ドン!
デザミ・シュクレ・モンテベロ・プレゼンツ
「第3回 初夏のBBQ大会」開催決定!!


昨年うちの定休日が変わったことにより開催が危ぶまれたランデブー・デザミとのコラボ。
なんと大谷シェフが店を閉めて参加してくれることに!!
「ホントに良いんですか!?」の問いかけに、
疲れ切った声で返って来た言葉は一言、
「・・・もう、休みたいねん」でした(笑)

さてさて概要ですが、

日付 6月6日 (月)

時間 11時半スタート
    (11時より受付開始)

場所 服部緑地公園内 バーベキュー広場

集合 現地集合

持ち物 スプーン フォーク 箸 お皿 コップなど

参加費 3500円 ソフトドリンク付き
      (アルコール希望の方は持参してください)
      お支払いは当日現地にてお願いします。

応募方法
     店頭、または当店HPからメールにて受け付けます。

必要記入事項
     氏名

     参加希望人数
     (複数の場合は全員分の氏名)

     電話番号
 
     メールアドレス

募集人数
     30名
     定員に達し次第、受付終了とさせていただきます。

募集開始時刻
     5月19日 午後9時から

     なお、前回の7周年イベントでもありましたが、
     連絡すら取れない無断キャンセルは本当に勘弁してください


最初の告知からここまで決まってるのは珍しい限り(笑)
ど平日の昼間なので、小さいお子様連れの方もご遠慮なく参加してくださいね。
あと、初めての方もお一人での参加の方も大歓迎です。
あなたもこの機会に、噂の投げっぱなしイベントに参加してみませんか?
「うわ・・・、ホントにみんなでBBQするだけなんや・・・」
と、驚くこと請け合いです(笑)

あ、屋根付きなので、雨天決行です!
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by monsieur-enfant | 2011-05-19 20:52 | とりとめなく・・

この日の朝はちょっと早めに起きて、お昼前に軽い朝食を。

いつもの通りナビ頼みで店に向かう。
先に書いたエスプレッソ屋さんに寄ってく予定が、寝過ごし直行することに。
来たことある道やなぁ・・・と思ってたら、青山学院大の前の道、
ラ・ブランシュさんに行ったときの道でした。

「お・・・!」、珍しく迷わず到着。
表参道 「デイルズフォード・オーガニック青山店」
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昨年の11月にオープンしたお店。
オーガニックの先進国イギリスから日本初出店となった青山店は、
1階はグロサリーとデリ、パン、ちょっとしたカフェスペース、2階にレストランという構成。
なまじ、スタイルだけで展開してる店が多い気がする「オーガニック」的なお店ですが、
ここは、本国イギリスでも最優秀オーガニックレストラン賞とか取っちゃうくらいの実力。
青山店のシェフも、ナリサワさんとこでスーやってた方みたいなんで、
サラッとやってダメなら撤退する企業が多い中で、本気度が伺えます。
に比べて、関心は高まってるものの、日常的とは言えない日本のオーガニック事情。
はたして、どうやって日本に捻じ込んでくるのかと覗きに行ってきました。
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店内は撮影禁止なので撮れませんでした。
あ、うちは基本撮影オッケーですが、
本当に止めていただきたいのは、黙っておもむろに撮り始める無神経な人たち。
別に減るもんじゃないし、隠すものも無いので「止めてください」とは言いませんが、
せめて一言「写真撮ってもいいですか?」って確認するのは、
客として当然のモラルだと思うんですけどね。
「どうぞ、どうぞ!」ってスタンスでいる僕らだって、
急にカメラや携帯構えて黙って撮り始める人らを見ると、哀しくなってきます。
被写体に必死になれても、
その向こうにある僕ら店側の心境はどうでもいいんですよね・・・。
部屋ん中に土足で上がってこられた気分ですよ。
ま、そういうお客さんは、うちには定着しない方がほとんどなので放ってますけどね。
撮る側に権利があるとか、店側に権利があるとか、
そんな面倒くさい話はどうでもいいんですよ。
その一言の簡単な労力で穏便に事が進むなら、
省くほうがむしろ「なぜ?」と聞きたくなります。

あ、ここの店内はもちろんオーガニック商品ばかり。
パンやデリも、一部の食材を除いて、基本オーガニック。
なので、一概に価格の比較はできません。
もともと高い材料使ってますから、それで作られたものが高くなるのは当然です。
ただ、その価格に対して、それ相応のメリットは当然用意されてるのでしょうけど、
その中から消費者の方々が何を付加価値として受け取れるのかが焦点となってきます。
僕は単純に「高ぇ・・・」と思ってしまいますけどね。
この店の客として、受け取るメリットが少ないから高いと感じるわけです。
そこで思うのは、「やっぱり東京の店やな・・・」
価値観もライフスタイルも人種も多様化してますよね。
その中だったら、こういうお店って求められるかもしれません。
だってね、確かにお値段は「お手頃」ではないですが、
取り扱ってる会社が国内に1社ずつしかない、
国産のオーガニックビーフ、オーガニックチキンがいつでも食べれるんですから、
そういう意味では「お手頃」になるんじゃないですかね。
ま、豊かさの価値が「お金」にある人には、なかなか日常使いは難しいですよね。
確実に大阪では無理です(笑)

僕がフランスにいた10年前、27の時でしたが、
その頃のフランスにも「ビオ」(オーガニック)の流れが来てました。
マルシェのパン屋にもビオのパンが並び、
ビオ専門のブーランジュリも注目され始めた頃でした。
ただ、日本と根本的に違うのは、「食」に対する教育の深さなんです。
その頃フランスでビオの流れが社会的に表れ始めたのは決して一時のブームではなく、
子供のころから教育を受けてきた僕らより少し上くらいの世代が、
大人になり、社会に出、そして親になり、
そして欲したのが「ビオ」だったという必然なんです。
もちろん安いものではなく、生産者にも制約や負担がかかりますし、
世の中のベースになることはないと思いますが、
確実に選択肢の一つとして存在してるのがヨーロッパの「ビオ」なんです。
今、日本でオーガニックに興味を示す方々は、
ほとんどが大人になり自分で勉強した方々ばかりだと思います。
オーガニックの購入を促す教育をしろと言ってるわけではなく、
「食」に対して、もっと様々な関わり方を幼少の頃から教えることが出来たなら、
その子供たちが大きくなった時の選択肢の一つとして、
初めてオーガニックも日本での市民権を得れるんじゃないでしょうか。
ベタな話ですが、「食」は「人」を「良」くすると書きます。
飲食に携わってるからではなく、食べることって本当に大事なんです。
身体を育てることも勿論ですが、心を育てることに大きな役割を持ちます。
冷凍食品で作ったお弁当の感想をいちいち聞くお母さんがいますか?
お手製なら気になるから聞きますよね?「美味しかった?」って。
いつも作るのですから「まずいよ!」って言われる時もあるでしょうし、
「そんなこと言われたって、お母さんだって一生懸命作ってるんやから!!」って、
逆ギレしてしまうこともあるでしょう。

それって、無駄なことですかね?
むしろそんな些細な会話さえ無くなってきてる家族の在り方の方が寂しく感じます・・・が、
「お前が家族を語るな」とお叱りを受けそうなのでこの辺で止めておきます(笑)
ただね、心を込めて作ったものは、養分は身体に、
そして込められた心は食べる側の心に沁み込み、必ず心の養分へと変わり心を育みます。
すぐに結果の出るものではないので、
「憎たらしいコイツに毎日弁当作らなあかんなんて!」と思う時もあるかも知れませんが、
大きくなった子供たちがいつの日か社会に出て、
心も身体も擦り減らし働く毎日の中のある日の帰社途中に、
ふと見上げた工事現場越しの沈みゆくオレンジ色の夕陽を眺めながら、
「母ちゃんの弁当、旨かったなぁ・・・」って呟いてくれたら最高じゃないですか。
教育ってね、そういうもんなんじゃないですか?
一朝一夕で身に付くものや教えれるものを「教育」とは呼ばない気がするんですよね。
「食育」とか小難しく考えなくても、こんなことでも立派な「食育」なんじゃないですかね・・・。
そういう「人間を育てる教育」ってのが、
この日本には相当欠けてるんちゃうかなぁ・・・って思います。

さ、ランチに移動しなきゃいけないので、
クロワッサンの値段に戸惑いながらもコーヒーと一緒にいただきます。
はい、僕も豊かさの概念が乏しい小市民の1人です(笑)
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「ここのスペースなら良いですよ」とのことなので一枚パチリ。
うん、美味しかったですよ。
クロワッサンだけに目を向けると、普通に美味しいです。
ホテルに戻ったときに記念撮影したパンたちの総額に恐れおののきましたけど(笑)
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これらは岸部で帰りを待ってくれてる雛鳥たちの大事なエサになります。
今回は珍しくパンが多くてですね(新規の海外組みばかり、あと2件寄りました)、
自分の手荷物を大阪に送ったうえで両手にパンの袋を目一杯抱えて帰る羽目に。
なんか、新しいとこばかり見に行ってパン抱えて移動してて、
「中堅どころが必死で取り残されないようにしてる感」とか出てたらイヤやなぁ・・・(笑)
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by monsieur-enfant | 2011-05-18 02:20 | デイルズフォード・オーガニック

この日は結局一日中雨。
雨に滲む街の灯りや濡れるアスファルトの艶めかしい光沢感、嫌いじゃないです。
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でも、寒いのは嫌。
強い風も嫌い。
自分のペースで歩けない人混みも嫌いだし、
しいたけも嫌い。

駅から10分ちょっと歩いたかな?
何度も写真では見ていた「黄色いテント」
昨年のコートドールさん同様、「いつかは・・・」と何年も想いを馳せていた黄色いテント。
居酒屋だらけの四ツ谷という街に自然に馴染んでいて見逃すところでした。
四ツ谷 「北島亭」
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この「しっくりきてる感」を年季が入ってると言うのかな。
なんせこの場所に20年以上留まっているのだから、
むしろ周りの建物や景色がこのテントに馴染んできたと捉えるほうが正解なのかも。
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そこから奥に進み、現世と21年の歳月とを繋ぐ扉を開ける。
4年ほど前かな?
リニューアルしたと聞いてたのでどんな感じなのかと思ってたんですが、
「う~~ん、ノスタルジック!」
景色というか、空気が既にノスタルジック。
気のせいか、店内全てが若干セピア色がかって見えるくらい。
そんな中、目に飛び込んでくるのは意外にもファニーなテーブルセッティング。
基本、ピンク。皿も花もピンク。
ラブリー!!
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コックコートで店内を動き回るキュイジニエたち。
この店にサービス専門のスタッフはおりません。
ただ、若い子に接客の重要性を説くための手段ではなさそう。
もし仮にそうだとしても、少なくとも働いてるスタッフからその意識は感じられない。
僕のテーブルに来てくれた方はそつなくこなしてくれましたが、
周りを見ると正直マニュアルすら危うい感じ。
単純に、「じゃあ、やらなきゃいいのに」と思う。
店の責任?いやいや、働いてる子はいっぱしの社会人ですよ(笑)
ここは学校ではなく社会なんですから、
自分たちでより良い仕事をしようとするのが大前提。
料理だけできれば一流なのかというと、そうではないと思うし、
料理だけが精進しなきゃいけないことかというと、それも違う。
与えられた仕事に最善を尽くせないものが何故に料理に精進できると言うものか。
磨かなきゃいけないのは「人」であり自分自身。
料理は手段であって、表現の泉は自分自身の中にあるわけです。
そういうのって、手とり足とり教わるもんじゃないと思います。
ま、お店自体もここに重きを置いてるわけじゃないことは確かなので、
逆に客側がこのお店を楽しもうとするなら、
そこに目を向けるのは鼻からナンセンスということです、かね。
ただ、それならサービス料10%は取り過ぎです。

先に厳選食材のプレゼンがあります。
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どれもこれも生命力溢れる力強い食材。
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これらの食材が一旦厨房に運ばれ、
次に再会する時には変わり果てた姿になってるわけです。
素材に対しての責任を、食べる僕らもちゃんと考えなきゃいけませんね。

と、テーブルに目を移すとやっぱりラブリー!(笑)
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メインはさっきの厳選食材の中から福島産特選和牛イチボ肉を。
「量はどうしましょう。大、中、小となりますが、大だと結構な量になりますが」
いやいやいや、僕、結構食べますけど?
でも初めてなんで量がわからず、進言を聞いて中にすることに。
しかし、終わってみたら、
ここで大と迷ったことすら「調子に乗ってました・・・」と後悔せざるを得ない結末に。
そんな展開になるとは露知らず、静かにコースは始まります。

つぶ貝
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意外なアミューズ。
ただ、これが旨い。
食べかけた下の海藻は「食べないでください」とのこと(笑)
「素材」ありきの強くも優しいスタート。

パン
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印象にも残ってないってことは、
逆に普通に食べれたってことだと思います。

北海道産 生ウニのコンソメゼリー寄せ カリフラワーのクリーム添え
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言わずと知れた北島シェフのスペシャリテ。
今でこそ生ウニとジュレの組み合わせは珍しくないものの、
当時は本当にセンセーショナルだったんじゃないかな・・・。
で、更にこのウニの量。
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でも、ウニをコンソメが引き立てるのではなく、
スッと飲めるような柔らかさのコンソメのジュレをウニと一緒にいただく感じ。
で、実はカリフラワーのクリームが要だったりする。
フランス料理は楽しい。

兵庫産 生がきのマリネ フランボワーズの香り サラダ添え
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ヴィネガーの酸味より生クリームの印象のほうが強かったなぁ・・・。
キャビアよりカラスミの塩分とコクがねっとり牡蠣に絡む感じ。

仏 ロワール産ホワイトアスパラガス ポーチドエッグと生ハム添え
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パイ包みと迷いに迷った温前菜。
まだホワイトアスパラも出先の時期だったもので、春をいただくことに。
結果、うん、美味しかったです。
ガルニも視覚・味覚共に春を運んできてくれました。

銚子産 金目鯛のポアレ グリーンアスパラガス添え ブールブランソース
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あの見事な発色の大ぶりの金目がポアレで登場。
旨いですねぇ。
そう言えば、どんどんソースが軽さに走り、
一時はブールブランとかは無くなってしまうんじゃないか・・・ってな流れでしたが、
最近は結構普通に出てくるようになりましたね。
ブールブランは大好きなので大歓迎です。
時流に流されないこちらのお店には関係のない話ですけどね。

ここまでね、画像だけだと普通に見えるかもですが、
噂に違わぬ相当なボリュームで出てきてるんです。
正直、すでにキツイくらい。
次は口直しのグラニテなんで、リセットして最後のお肉を頑張ります!
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・・・って、これ、ちょっとしたかき氷クラスのデカさなんですけど!!(笑)

あ、ワイン全然撮ってなかった・・・。
最後のいちぼ肉に合わせたのは・・・なんだったっけな。
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福島産 特選和牛イチボ肉 ローストビーフ風 じゃがいものピュレ添え
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これで中・・・・十分デカイ。
あかんあかん、戦意喪失しかけました。
ビジュアルを映し出した角膜から脳に「美味そう!!」ってサインが行ってるのに、
胃が「そんなに食えるか!!」と拒否しています(笑)
しっかし旨い。直観的に楽しむ旨さ。
「肉を食ってる!!」って行為を、最大限膨らませて実感させてくれる感じ。
で、ギリッギリです。
ギリッギリ完食しました。
これが「大」なら間違いなく無理でした。
パンをもう一口でも食べてしまってたら無理でした。
でも、取りあえず山は越しましたので、
あとは、「甘いものは別腹」とか言いますからね・・・と、その時、
視野の端っこに何やら山盛りの物体が奥のテーブルに。
「なんだろ・・・、なんかのパーティーかな・・・」と思ってたのも束の間、
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届きました、嫌がらせ・・・いやいや、ミニャ盛り合わせ。
無理でしょ!!無理無理!!ちょっと変な汗出たもん!!
だってこの量、今から奥様4人くらいのちょっとしたお茶会なんか開けそうですやん。
取りあえず、悪くなっちゃうと困るのでフルーツから食べる、いや、フルーツだけ食べる。
そう、心苦しくも最初から持って帰る前提です。
あたし、もう頑張れませんもの・・・。

で、これなんだったっけ・・・。
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あ、これもミニャに付いてたヤツだ!
これは持ち帰れないので飲みます。

次はデセールです・・・。
デセールにはプリンをお願いして・・・るんですが、
もう、こうなっては「どんなんが来るんだろ・・・」と、軽い恐怖すら感じます。
正直、バケツをひっくり返したような大きさは覚悟してました。
小さく見積もってデカイのが来られると、
多分今度は間違いなく現実逃避の失神に見舞われると思いますから・・・。
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イエス!!イエス、イエス、イエッス!!
普通(正確にはやはり少し大きいです)のサイズのプリンでした!!
ある意味、今日運ばれて来た中で、一番テンション上がったかも知れません。

もう一滴も入らないんじゃないかと思いながらも、
少しは清浄効果もあるのかとハーブティーをいただきます。
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いやぁ・・・、すごいっすね。
こんなに量で恐れ慄いたのは、
ブログ書き始める前に行った北浜のトォルトゥーガさん以来ちゃうかなぁ・・・。
トォルトゥーガさんは前菜一皿でほぼ満腹、
メインである二皿目が視界に入った時点で「無理・・・」でしたけど(笑)
それでも「旨い」と唸らせるんですから、
北島シェフはやはり凄いですね。
大きいからこそ生まれる美味しさもあるとは思いますが、
大きければ必ずしも美味しく提供できるというわけではないですからね。
そこには大きさならではの難しさも生まれますし、
それらに最適且つ最良の調理を施すのは簡単ではないですよ。
更に、まぁ、どこもそうなんですけど、
味覚も嗜好も違う世代を越えて「旨い」と言わさなきゃいけない。
しかも技術のベースや叩き込んだ味覚は自分が修行した一時代なわけで、
それで幅広い世代の「お客さん」と呼ばれる、
不特定多数の方々を満足させなきゃいけないわけですし、
そもそも「美味しさ」なんてものに絶対はないわけで・・・・。
いつもわかっちゃいるこっとなんですが、
改めて、難しい仕事やなぁ・・・と思うわけです。
そしてその難しい仕事に今も真正面から向き合い、
この場所から日々黙々とトラディッションを生み出し続けてる北島シェフを、
純粋に「かっこいいなぁ」と思うのでした。

ただ、
フロアにこれ見よがしに著書が並べられ販売されてるのはどうかと思いましたけど(笑)
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by monsieur-enfant | 2011-05-16 03:08 | 北島亭

かぞえうた

東京編の合間にちょっと一記事。

11日で震災から2ヶ月が経ち、

少しは落ち着きを取り戻しつつあると同時に、

日常に戻りつつあるからこそ見えはじめた現実と未来の実状に愕然としたりもしています。


前を向いて行かなきゃいけないのはわかってます。

被災してない僕らがより一層頑張って、

日本を盛り上げていかなきゃいけないのもわかってます。

だから、自分たちに向けて「頑張らなきゃ!」とは思うのですが、

復興復興、頑張れ頑張れ、

そんな「ムード先行」の風潮には、ちょっと待ってと思わざるを得ません。


多くの人が「頑張れニッポン」と言えば、

言わなきゃいけないんじゃないかと思うのが心優しい日本人。

多くの人の自粛ムードに、ちゃんと右へならえの従順な日本人。

良くも悪くも、足並みを揃えるのが得意な国民の足並みは、

決して良い方向ばかりに揃うとは限らないのは当然のこと。

つまり、団結することも、心離れることも、両方同じ「足並み」だということです。

「そろそろええかな」と周りを見ながら自粛を解く人が増え始めれば、

「じゃ自分たちもそろそろええかな」と周りを見ながら自粛を解き始める。

これじゃ「自粛」じゃなく「他粛」だと皮肉った投書を目にし、

上手いこと言うなぁ・・・と笑ってみたり。

そして自粛ムードの薄れと共に、

テレビには報道番組と入れ替えにバラエティ番組が定着し、

被災地以外の人たちは以前の生活に不自由を感じない程度には戻り始め、

スーパーの電池や水がないことや、ふと目に入る「義捐金」の文字を見て、

「あぁ、そんなこともあったなぁ」と、

たまに思いだす程度になる前兆は出てきてるんじゃないでしょうか。

もちろん、悲しみや苦しみは背負い続けれるものではなく、

忘れていくことで救われているのが人間の上手くできてるところでもあって、

目を覆う惨状ばかり目にしていた時から比べれば、

穏やかな心境で過ごせる今はそれだけで幸せなのかもしれません。

でもね、

いろんな理由でまだ歩き始めることもできない方々がたくさんいるわけです。

だから暗い顔して下向いてようって言うんじゃないんですよ。

そんな人らが疎外感や孤独感を感じることのないよう、

歩き出せずにいる自分たちを責めることのないよう、

僕らはちゃんと待っててあげなきゃいけないんじゃないかなぁ、って思ったりもするんです。

元気な人らが先先進むための復興ではなく、

今まだ立ちあがれない人たちが少しずつでも歩けるようになった時に、

その人たちが戻って来れる社会にしておくことが元気な人の役目だと思うんです。

前ばかり見るんじゃなくてね、

ちゃんと目を離しちゃいけないところは心に留めとかなきゃなって思うんです。

そして、たぶん本当の復興って、みんな揃ってから始まると思うんですよね。

蹲り下を向いてる時には、周りで「頑張れ!頑張れ!」って言うだけ言っておきながら、

「よし、じゃあ頑張ろうか」とやっと前を向き始めた時にはもう周りに誰もいなかったなんて、

そんな自分勝手な支援ごっこなら、初めからやらないであげたほうが親切ってもんです。

日々の生活に追われ自分たちの生活でいっぱいいっぱいの僕らが、

一部の人たちに継続した活動を託さなきゃいけないのは仕方のないこと。

でもそれを「まだやってるわ」とか思わないでいただきたいし、思わないでいたい。

まだ2カ月程度でこんなこと書いても、

さすがに忘れてる人はいないでしょうからピンと来ないかも知れませんけどね。

なんだか一抹の不安と言うか何と言うか、

既に前兆は世間にはあると思うんですよ、僕はね。


この日迎えた37回目の誕生日に思うことは、

37回目の節目に何か記しておこうと思うことは、

やっぱり、「忘れないでいなくちゃ」ということだけでした。

そんな時、素晴らしい編集の動画に出会ったので、

僕が言うことでもないんでしょうが、

改めてこういう内容の記事を書き留めておきたいと思ったわけです。



自分たちも若干のパニック状態だった時と違い、

平穏の中で改めて見る惨状に目を背けてしまいそうになりますが、

被災された方々が目を背けていられるよう、

僕らがもっと直視していかなきゃいけないんじゃないかと思います。

忘れないでいたい。

いっぱい感じたことや、いっぱい学んだことがあったことを。

忘れたら活かせない。

忘れないから活かせるんだ。

忘れちゃうから繰り返すんだ。

被災者の方々以外は、

今回ばかりは人間の「忘れる機能」に甘えないように生きていかなきゃなって、

そう思うんですよね。
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by monsieur-enfant | 2011-05-13 00:45 | とりとめなく・・

さてさて、
雨風が強く吹き付ける寒空の中、お昼に予約したお店へと足を運ぶ。
青山学院大の横の路地に入り、ナビウォークに案内を終了しますと突き放され、
どこやどこやと見渡したその視界にギリギリ入って来たのは・・・2階!?
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今回、多様化しているフランス料理の原点と言いますか、
「その何たるか」を再度感じたく選んだお店が3店あります。
「ラ・ブランシュ」、「北島亭」、「ル マンジュ トゥー」、
いや、この3店、たまたまなんですよ(笑)
結果的に「はいはい」みたいな照れくさい感じに落ち着いちゃいましたけど、
たまたまなんかこうなっちゃったと言いますか、
ま、でもこれも必然的と言えば必然的な結果なのかな・・・と思ったり。
この時は強く「こういうお店」を感じたかったんです。
渋谷 「ラ・ブランシュ」
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久しぶりのド緊張。
あ、店内は全然圧迫感はないですよ。
でもやはり「田代シェフのお店」に若造の僕が足を踏み入れてしまったわけで・・・。
なんかね、歳食ったせいもあるんでしょうけど、
一過性のチヤホヤされて浮足立ってる方々に何の魅力も感じないんですよね。
やはり自分の「向こう側」を意識するようになってきたんでしょうか。
朽ちる前に、こういった「本物」の輝きの一端でも放てるようになりたいものです。
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ああ・・・・こんな僕みたいなヤツの為にこんなことまでしていただいて・・・・。
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今でも持ってます!どこにあるかわからないけど捨ててないからあると思います!!
さぁさぁ、リエットとパンです。
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うん、しっかり美味しいです。
ただ割合が・・・パンすぐ無くなっちゃって・・・リエットはいっぱいあるのに・・・パンが・・・
いや美味しいです!ありがとうございます!(笑)

そして昼間っから飲む優越感。
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カリフラワーのムース、じゃがいものチップ
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純白のカリフラワーのムースの上に、透明のトマトのジュレが。
この酸味が淡いムースの輪郭を打ち出してます。
前日に食べたまだ若いシェフの料理に曖昧さが見え隠れしてたのもあって、
アミューズ一品で「そう、これこれ!」と唸らされるスタート。

自家製パン
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アーモンド入り。

菊芋のポタージュ フォアグラ添え
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こんなしっかり焼きこんだフォアグラをいただいたのはいつ以来だろう・・・。
良い悪いではないんですが、「こうした食べ方がそう言えばあったなぁ・・・」と思うくらい、
最近は「焼かれた感」のないフォアグラばかりだったし、
そこに既に違和感も覚えなくなってしまってました。
菊芋の軽いポタージュに脂の焦げたような動物性の香りとカリカリの表面の食感、
飲みきるの早すぎた(笑) もう少し味わって食べなきゃ勿体ないですね。

イワシとじゃがいもの重ね焼き トリュフ風味
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ぐはっ!!やられた!!
こりゃすごいわ・・・・。
言わずと知れた田代シェフのスペシャリテ。
言葉が出ない・・・。
この地味食材のテリーヌにトリュフが挟まれ、むせ返る芳香が立ちのぼる。
ぐるり巻かれたベーコンの脂、上に乗ってるアンチョビのムースとの塩分、
それだけでも十二分に旨いし楽しめるのに・・・・罪深きは添えられたスープというかソース。
これ、またイワシなんです。すごくイワシ。
こんな「イワシ推し」のスペシャリテありますか?(笑)
ただ、この一皿の為だけに来る価値はあると思います。

本日の魚料理
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あかん・・・興奮のあまり何食べたか忘れてしまった(笑)
パリッパリの鱗焼きが香ばしく軽妙だったのは覚えてます。

八角のグラニテ
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すごい八角具合。苦手な人は厳しい。
ただ、口の中は強制リセットされ次のお肉へスタンバる。

で、テンション下がるパン。
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たぶんこれはパン屋のバゲット。
上手なんだかしらないが、合わないもんは合わない。
さっきの自家製パンのほうが全然美味しい。
なんだかなぁ・・・・。

福島川俣軍鶏 黒米詰めロティ
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しみじみ、「旨いなぁ・・・」と何度呟いたことか。
こういうのちゃんと作る難しさは、
こういうのにあまり出会えてないことが物語ってるんでしょうね。
「あぁ、フランス料理って旨いなぁ!!」って、
「このお店に出会えて良かったなぁ!」って、
なんか、心の奥の方から湧いてくる感情が抑えられなくて、
終始ヘラヘラだらしなくニヤついてたような気がします。

あれ、これなんだったっけ・・・。
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チョコのアイスとチョコのムース
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この野暮ったさが好き!(笑)

控えめなミニャ3種
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エスプレッソで〆・・・たと思います。

いやぁ、満たされた!
「フレンチ」に全身包まれた感じ。
店内も、今の若い子らがデートに使うようなスタイリッシュさはないし、
料理も、主流になってる「軽さ」の要素はほとんどない。
ただ、そんな猪口才なこと蹴散らすくらい単純に旨い。
旨さを探さなくても良い。わかりやすく口いっぱいに「旨い」が広がる幸せ。
なんか中途半端なタイミングで出て来られた田代シェフに戸惑う場面もありながら(笑)、
扉を開けた時に「あ、そういえば雨やったわ・・・」って思いだすくらい、
晴れやかで気持ちの良い時間を過ごさせていただきました。


・・・・久しぶりの、本当に久しぶりのレストランの記事でした。
迂闊に書き始めてしまい、休みの日にこんな時間まで店のパソコンに向かう羽目に(笑)
鳥のさえずりが聞こえてきたことだし、さ、帰るとしますか・・・。
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by monsieur-enfant | 2011-05-12 04:47 | ラ・ブランシュ