2008年 11月 28日
いざ、リヨンへ!!・・・と思いきや、
いやぁ、フランス編はかなり頭が煮詰まってしまうんですよ。
書くのが苦しくなってしまうくらい・・。
ってなわけで、数々溜まってる記事を差し置いて
1番タイムリーな記事でちょっと一服。
急に思いついたのが、もう3時くらい。
「清水寺行こかな」
なにぶん、なんでそう思ったのか自分でもわからない。
前後の脈略が全く存在しないのから理解に苦しむ。
もちろん、「今、清水寺に行こうと思ったんやけど」と急に言われて、
「あ、ちょうど今そう思ってたとこ」なんて都合の良いやつなんているわけないわけで・・・。
でも「思い立ったが吉日」、そそくさ準備して哀愁の岸部駅で独り佇む。
陽、落ちかかってますやん・・・。
近くにいるとなかなか行かないもんで、以前行ったのはかれこれ10何年前。
行き方も忘れたので、電話で母親に聞きながらの移動。
慣れたもので「急にどうしたの?」などと野暮な質問はしてこない(笑)
バスはびっくりするほどいっぱい並んでます。
「時は金なり」、無駄な時間はまっぴらゴメンです。
タクシーを捕まえ、「曖昧なところで降ろしてほしい」と伝える。
いや、ちょっとは歩きたいでしょ?あんまり近くで降ろされて「あ、見えた」もつまらないし。
で、曖昧ながらも、「ここ真っ直ぐ行けば着きますから」的なところで下車。
日常使いにタクシーなんてありえないので乗り慣れてないせいか、
観光地のタクシーは特に、ぼったくられる前提くらい身構えてしまう。
あかんね、大人にならな。
言われた道を上っていくと・・・え?水曜の夕方やんね?ってくらいの人だかり。
基本、人の多いところは嫌いなタチ。
独りなので余計周りが気になる。
「4列になってください」といわれてるのに2列隊列を崩さないおばちゃん連中や、
沈黙を嫌うかのようにくだらない話を繰り返す後ろのカップルの会話・・・。
「実は今、初詣」とか言って、独り初詣ごっこをして気を和ませる・・・が、
シチュエーションが変わるだけで置かれてる環境に大差が出ず和まない・・・。
そうこうしてるうちに開門が早まったのか、人が流れ始めた。
来ました。今日別にくる予定じゃなかったとこに今立ってる優越感。
来る予定じゃなかったのに、来なきゃ今頃家にいるはずなのに、
来なくても別によかったのに、今ここにいる自分エライ、的なね。
基本、自分大好きなもので(笑)。
先日アップしました「パリ セーヌ周辺の夜景」も好評いただきましたが、
日本人ですからね、やっぱりしっくりくる景色もあるわけですよ。
仁王門を潜って、見上げれば鐘楼。
その横の階段を上がっていくと、右手に三重塔が。
こんな感じ。
振り返ると、先ほどの仁王門と古都の夜景が広がります。
清水の舞台に移動しながら、ライトアップされた紅葉に魅せられる。
今だけの特別拝観などもやっています。が、独りではそんな気分にもなれず・・・。
だって、絶対お昼よりカップル率高いんやもん!ま、おっさんはひっそり楽しみますわ。
そして舞台から眺めると・・・
なんだか燃えてるかのような、荒ぶってるかのような、騒いでるかのような・・・。
あちら側からこっちを眺めると・・・
うん、誰もが見たことある角度。
宙を照らす蒼い光は、エッフェル塔を思い出させます。
下から見上げた三重塔。
産寧坂(三年坂)から、「ここで転ぶと2年以内に死ぬ」と伝えられる二年坂へ。
「石畳や坂道は歩くのに気をつけて」という警句からの言い伝えらしいが・・怖すぎます。
さ、京の街並みを抜けて、目指すは高台寺。
説明の必要はないかも知れませんが、高台寺は豊臣秀吉の菩提を弔うために、
「ねね」(北政所)が開創したお寺として有名です。
ここが今回1番凄かった景色です。
高台寺の中の開山堂、その前の池に映る紅葉の美しきかな・・・。
画像でどこまで伝わるかわかりませんが、息を飲む景色でした。
観てるはずの僕らが、じ~っと観られてるかのような。
暗闇、そして静寂の中にいながらにして、それでも確実に感じる「生」の息吹。
鏡面のような水面を対とし、この世とあの世を映し込んでいるかの如く・・・。
優美に、かつ妖艶に。艶やかでいながらにして慎ましく。
故に浮世の狂気すら迸るほどに・・・。
自然の織り成す圧倒的な映像美に、
見惚れてると魂ごと引きずり込まれてしまいそうでした。角度を変えて、もう1枚。
そして、こちらも見事。紅葉とのあまりの色や空気感のギャップに、
存在すら否定したくなる「生命力に溢れた緑」。
霊屋(おたまや)と呼ばれる秀吉と北政所の木像が安置されてる場所から、
遺芳庵という茶席をぐるりと竹やぶが覆います。
高台寺を後にし、ねね終焉の地「圓徳院」へ。
先にこちらに来ておくと、高台寺とのセット割引券がもらえたみたいです・・・・。
「200円お得」とか言われると、随分下世話な世界に引き戻された感が(笑)
こちらも見事な紅葉です。
院内から庭を眺めます。こちらは南庭。
通路を通って、反対側の北庭へ。奥にも紅葉が見えますね。
少し低い天井に背を屈ませ入ってみると・・・
紅葉を・・というより、お庭を愛でるという感じ。
さ、そろそろ御暇しようかな・・・と出てみると、あれ?ここ、どこ?
まあ、とりあえず歩いてみるか。
いいんですよ。基本独り好きなもんで。でもこんな良い感じに歩かれたら・・・ねぇ(笑)
あら、ここは八坂神社ですね。
何だか今まで浮世離れした世界を歩いてきましたが、
明らかに門の向こうから「現実」が手招きしているように見えるのは僕だけでしょうか?
思いつきで訪れた夜の京都ですが、思いつきすぎて下調べもしてなければ、
もちろん地図やガイドブックも持ってきてません。
八坂さんにお別れして、
京都限定の白いローソン(景観保護の為にね)を横目に、
さ、今日はもう帰ろ。
フランス編の息抜きに、「ちょっと一服」で書き始めたのに・・・
今日は4時間かかってしまった(笑)
by monsieur-enfant
| 2008-11-28 04:09
| はんなり京都