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なないろめがね

「粋」

金沢行きを決めたのも、石川に向かう「雷鳥」の中で。
チェックアウトしてそのまま大阪じゃ寂しいでしょ?
だからと言って、それほど時間もないし。特急で30分くらいかな?
はい、金沢駅です。
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当日は生憎の天気。
曇天の中、寒いわ小雨はパラつくわ・・・。
珍しく早く着いたので「歩きではちょっと・・・」というお目当てのお店まで歩いて行くことに。
ガイドブックも無いですから、
「別に金沢じゃなくてもええやん」っていう普通の市街地の中を歩く。
唯一、金沢を感じるのは街の木々にまで施されてる「雪吊り」。
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ただ、雪なんて一欠けらも舞ってませんけど。
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ホント普っ通な道を歩いてると河川敷へ。橋を渡らず、グラウンド沿いを歩くことに。
そこで出会いました、金沢来て最高の景色に!
これ。
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いや、これじゃわかりづらいかも知れませんが、ちょっとずつ外野に目を向けてみると・・
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わかりました?バックスクリーンが、こんな雄大な山々だなんて!!
こんなとこで野球できたら、めちゃくちゃ幸せじゃないですか!!
感動しませんか!?・・・・しない?ま、写真じゃ伝わりづらいですよね。
ここに30分くらい居ました。今年、野球できたらいいなぁ・・・って思いながら。
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で、歩くこと40分くらいかな?若干雨も強くなってきたころ、ようやく着きました。
「鮨 志の助」
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通りから入ったとこにある一軒家。時間も早めだからか始めは僕一人。
お若いご夫婦が切り盛りする清潔感溢れる店内。
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移転してきて2年らしいので、店もまだ新しい空気がありますが、
若くして独立されてるので確かもう10年くらいになるのかな。

歩いてきてまだ落ち着かないので、握りの前にちょっと肴を。
鰤です。
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鰤は特に好きな魚の一つ。ただし普通の鰤じゃないんです。
鰤のすなずりです。いわゆるトロってことだそうです。
うん!美味しい!細胞一つ一つがまだ生きてるかのような・・・
あかん、ボキャブラリーが追いつかへん!

お酒は純米大吟醸「加賀鳶」。粋な杯での登場です。
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万寿貝のバター焼き
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う・・・、のっけからテンション上がる一品。バターの良い香りと磯の香りが相まって・・・。
「こんな貝なんです」と、女将さん。またこの女将さんの人当たりの優しいこと。
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さ、握りはおまかせで。・・・と、まず握りの前に、カウンター越しの
大将の身のこなしに見とれてしまう。あ~・・・粋ですな~・・・と、溜息。

あおりイカ
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丁寧な切込みを幾重にも入れられたイカは、空気を抱え甘みを増す。
シャリに忍ばされたゴマの香ばしさも加わり、一気に感想をまくし立てる迷惑な客に(笑)
いや、普段あまり店の方と会話しないんですよ。僕一人で話易かったのもありますが、
伝えずにはいれない美味しさでした。

鯛の昆布締め
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いちいち唸る・・・。なんちゃっての昆布締めが多い中、
ちゃんと昆布締めの必要性を感じながら食べれます。幸せ・・・。

甘エビ
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わ・・・。ん~・・・・・・・。ぷりぷりもさることながら、甘さの濃度が段違い。
乗ってる外子に「・・・・・チョン」と刷毛で醤油を垂らす仕草にすっかり「ほの字」(笑)


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ぐはっ!!美味い!!肉厚!!ってか、それでもシャリが負けてない!!
なんだったっけ・・・お米の種類、忘れた!!美味すぎて!!(言い訳)

これくらいからお客さんが入ってくるんですが・・・おそらく一台の車で来たであろう4人組。
あかんのよね・・・鼻が利くから「男臭」が臭くて臭くて。仕方ないんやけどね・・・。
でも臭いは我慢するとして、よう喋る。関西人が含まれてるからか・・・。
「回転寿司行ったらええやん」と思うのだが、どうも若社長の羽振りが良いらしい。
店にも罪は無いし、ま、この方たちも悪気があるわけじゃないのはわかる。
でもさ、やっぱりモラルってもんと、
皆で過ごす空間って意識に欠けてると思うわけなんです。
嫌なら離れたテーブル席に移動すれば良いわけなんですが、
あからさまな行動は、お店にも迷惑を掛け兼ねないですからね。
僕、根は悪人のくせに、しょうも無い正義感だけは強いので、
ややこしくなっても困りますし。
そういえば金沢に来る特急の中でも、禁煙車両で堂々とタバコをふかす輩がおりまして、
「はは~ん、誰もよう注意せんのやな」と思い、
「スイマセン、ここ禁煙ですけど」と、しょうも無い正義感が言わすわけですわ。
そしたら「禁煙車両は隣ですよ」って、丁寧に教えてもらいました。
僕はバシッと言ってやりましたよ。「失礼しました」ってね!
まぁ、久しぶりに顔が熱~くなるのがわかりましたね。
超ハズかったんですけど~!!(笑)
寂しい一人旅でも、イベント多いので助かります。

さ、カウンターから大将もすまなさそうな顔してはりますし、
「問題ないですよ」ってサインを送り、気を取り直してまたいただきます。

香箱蟹の軍艦巻き
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加賀ではズワイの雌を香箱蟹というんです。
子を持ってるから子箱とか、
日本海の香りを秘めてるから香箱とか諸説があるみたいです。
福井では越前蟹、雌はセイコ、山陰地方では松葉蟹、雌をオヤガ二というようです。
香箱蟹は成長過程においてさらにゼニマル、アカコ、ジンケン、クロコと分けられます。
漁獲が許されてるのはジンケンとクロコだけ。
さらにズワイの漁期が4ヶ月半ほどあるのに対して、香箱蟹はわずか2ヶ月。
外国や北海道では雌は全面禁漁になってる貴重なものなんです。
もう味はいいでしょ?(笑)この身とミソと外子の軍艦ですよ。妄想にふけってください。

マグロの漬けです
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いやぁ・・・・いちいち良い仕事ですね・・・。
しっかり浸かってるものの、良い意味でのマグロ臭さまで消すほどではないし。
ネタの温度も十分考えられてのタイミング。
当たり前を当たり前に・・・が、ホントに難しいんです。
もちろん普通じゃ届かない域での「当たり前」ですけどね。

ばい貝
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こりゃまた貝好きならビジュアルでヤバイんじゃないですか?
切り込みの入れ方も匠で、コリッコリの力強い食感ながら食べやすくいただきました。

トロの炙り
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香ばしく炙られたトロの脂がなんとも甘く、あ~、なんて言ったらいいのやら・・・、幸せ。

こはだ
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侮る無かれ、こういうのに仕事の差が出ますよね。
なんといいますか・・・下手したらトロやブリより沁みるお味でした。
思わず「うぅ・・」と唸る仕事っぷり。

鱈の白子の軍艦です
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白子好きとしては、かなりテンション上がります。
あまりに新鮮すぎて「スーッ」っと滑るように入っていっちゃったのが残念!
もっとネッチョリ絡み付いて欲しかった~!とは、贅沢な悩み。

・・・あ、忘れた。
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若干脳がとろけてきてまして、何海老だったか・・・。

穴子
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包まれてたのは熊笹かな?煮られてるというより、ふっくら蒸されてる印象。
そして「ふわっ」と立ち昇るお酒の良い香り。
強い味は一つも含まれてないのにこのインパクト。まさに匠です。

これでお昼のおまかせ8000円から。東京じゃ12000~15000円しますよ。
何より、ご夫婦が醸し出す空気間、これに尽きるんじゃないでしょうか。
「居心地」は、お金では買えません。
いくら店にお金をかけたからといって得れるものではありません。
大将も女将さんも、そんなに話しかけてはきませんよ。
でも流れる時間が心地いいんです。
もちろん同世代なので気楽な面もあったかと思いますが、
そんな自堕落な心地良さではありません。
大将の身のこなし、握る手つきや面構え、細やかな仕事ぶり、
鮨への心意気が滲み出て溢れかえっています。
女将さんの形式ばらない柔らかな気配りによって、良い緊張感はそのままに、
解れていい緊張だけ解けるようでした。
「また来よう」、ここが金沢だろうがどこだろうが関係ない。
心からまた来たい、来させてもらいたいと思える店に、久々に出会えた気がします。

今回の北陸の旅は、ここに出会うための旅だと思えばオールオッケーです。
そう思わせるのに十分な説得力でした。
心も満たされた僕は、お昼に立ち寄っただけで金沢を後にするのであった(笑)
だって、雪でも降ってりゃ兼六園でも風情があったんでしょうけど、
曇天、小雨パラパラ、もちろん寒い・・・となると、帰るしかないでしょ?
あ、そういえばこの日の夜は、地元のツレとの新年会があったんだった。
ちなみに金沢も、1週間後には辺り一面雪に覆われたそうな・・・。
やっぱり、「戒めなくていいよ」ってことだったのかな?(笑)
by monsieur-enfant | 2009-01-24 04:10 | 鮨 志の助