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なないろめがね

手土産。

この日は定休日。
韓国から研修生が来てたので、
暇そうなスタッフに(失礼・・・)お願いして市内観光へ行ってもらいました。
そしたら結局、厨房スタッフ全員が集まったそうですわ(笑)
ま、しんどい毎日の中、強制もされずに参加してくれた皆の気持ちは、
ささやかながらも日本で過ごした思い出の一つとして残ってくれると思います。
パン屋さん行ったり、丼屋さん行ったり・・・お菓子屋さんも行ったのかな?
某公園でパクついてたら、八光(月亭ね)さんが収録中でインタビューされたそう。
山口から出てきたてのスタッフは、全く誰かわからないまま話してたようですが(笑)
大阪城も行ったらしく、結構食いついてたようですね。
いやいや・・・休みの日にご苦労様でした。
朝早くから一日歩き回った皆を、晩は僕がおもてなし。

「ランデブー デザミ」
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韓国にはこういうお店はまだ無いんですね。
フレンチはホテルとか繁華街の高級店しかなく、
気軽に楽しめるようなスタイルが根付くのは、まだまだ先のようです。
となると、食事と一緒にパンを食べる機会、
「パンはおやつ」という意識から脱却する機会そのものが希有なんでしょうね。
日本より強固な食文化の中に、はたしていつそんな日が来るんですかね・・・。
ま、異文化が入り込むこと自体が良い悪いとかいう話ではなくてね、
もちろんしっかりとした自国の食文化があるのはとても素敵なことなんです。
ただ、こうして日本やヨーロッパに勉強しに行く人も増えきてるのも確か。
その人らにとっては、材料が圧倒的に乏しい環境と共に、接してもらう機会の少なさは、
克服していかなくてはいけない問題の一つであり、深刻な事実です。

さ、今日は人数が多いので(7人・・・)シェフに任せてあります。
一人で作ってますからね、
この人数でバラバラに注文したら嫌がらせですから(笑)

ブーダン ノワール
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韓国でも豚の血を使った料理はあるようで、
比較的抵抗なく食べてる模様。
この血も鶴橋で買ってきてるみたいですし。

ホタテ 三重の鯒(こち) 3種のアスパラのカルパッチョ
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これは戸惑ってましたね~(笑)
何に・・・と言うと、このカルパッチョ、アボカドや山芋の他にも、
キウイやグレープフルーツが入って盛り沢山なんです・・・が、
韓国は果物は完全にデザートなんですよね。
日本ではもう珍しく感じることは無いかもしれませんが、
最初にこういう組み合わせに出会った時は皆戸惑ったはず。
味覚の経験が無いものを、視角から入ってくる情報だけじゃ脳が理解しきれないんです。
でもその戸惑いも、大事な経験のうちの一つですからね。
「出来る」「出来ない」は大きな差かも知れませんし、経験や能力も必要でしょう。
でも「知ってる」「知らない」の差も同じく大きな差ですが、能力は関係ありません。
単純に「知ろうとする気持ち」さえあれば、克服できる差だと思います。
すぐに役に立つものばかりじゃないかも知れませんが、
そういう地道な「点」を集めていれば、いずれ経験が点を線で繋いでくれるはずです。

自家製ソーセージと野菜のグリエ
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最近は、ビストロのシャルキュトリーのレベルが格段に上がりましたね。
メニューにもよく並ぶようにもなりました。
こうやって良いものに出会う機会が増えると、お客さんの意識も変わります。
知ってるものでご機嫌を伺うのも良いですが、
知らないものを知ってもらうことも、僕らの大事な仕事の一つ。
そして何より、提供するからには「ちゃんとしたもの」を提供したいものです。
特別美味しかったり、とても高価だったり、そういうのじゃなくて、
「日本人に合うように・・・」とか勝手にいじくったりしないで、
ちゃんとしたものに触れてもらえたらいいなぁ・・・て思います。
だって「日本人」って括り、これだけ食文化が多様になってきたら、
味覚はもう一括りじゃないはずですからね。
そしてフレンチやイタリアンに限らず、
もっともっと僕らの知らない国の文化を紹介してくれる職人が出てきてくれたら良いなぁ。
そんな時に「日本人に合せました」なんて大きなお世話です。
行ったことのない国、知らなかった国、そこでこんなものを食べてるんだ!っていう、
驚きや戸惑い、それが異文化であり、それが「知る」ということやと思うんです。
食文化だって立派な「情報」なんですよ。ありのままを知りたいと思いませんか?
行ったことがな人や、聞いたこともない人に、まっすぐで正確な情報を伝えることも、
僕らがしなければいけない仕事やと思うんですよね。
日本人に合うものは、古来から日本にもともとあるんです。
あるにも関わらず、なぜ異文化のものまでやたらめったら日本人に合うように・・・
って、しなきゃいけないんですかね・・・・?
「フランス、フランス」言って、ちっともフランスが香らない店も多々ありますが、
それでも来て下さってるお客さんを、
「これがフランスなんだ」と思わせてしまってるわけです。
正しい・・・って基準はもちろん人それぞれで曖昧なのかも知れませんが、
せめて強烈にそれらを伝えたいと願うことだけでも、
異国の何かを名乗るのなら、覚悟と信念を持ってやっていただきたいものです。

・・・・また逸れてしまいました(笑)
一息入れて、うちのパンです。
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米沢豚のブレゼ
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これはガッツリ喜んでこれるかと思いきや、
「このお肉、焼けてない」と。
あ・・・そっか。日本でもこういう火入れは最近と言えば最近ですからね。
これは低温でゆっくり火を入れてるので大丈夫ですよ、と簡単に説明。
でも朝からかなり食べてきてるので、結構お腹いっぱいだったようです。

アメリカンチェリーのクレープ
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うん、美味しい!
単純で解りやすく美味しい。でも、酸っぱかったり、ちゃんと甘かったり、
クレープがへなへななところでチェリーがプチッと弾けたり。
ちゃ~んと考えてるんですね、考えてなさそうで(笑)。

この日はまだ体調が悪くワインも飲めなかったので、
紅茶でゆるりと締めといきましょうか。
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「え?岩永さんがエスプレッソ飲まないなんて、よっぽど体調悪いんですね・・・」
って、マダム。
僕の体調のバロメーターって、そこですか?(笑)
いやいや紅茶も好きですよ。紅茶ってイメージじゃないのかなぁ・・・・。

日曜に韓国に帰る彼らに、さすがに週末は集まって食事・・・とはいかないので、
ちょっと早いお別れ会も兼ねた食事会でした。
もう2週間前のことなんですけど・・・・帰ってから連絡がないんですよね。
僕、国際電話とか苦手(というか、いっぱい番号押さなきゃいけないので面倒くさい)
なので、こっちからは滅多に連絡しません。
一応、こっちでの研修の模様であったり、たくさんいただいたお土産のお礼だったり、
伝えたいこともたくさんあるんだけどなぁ・・・。
ってか、「カムサハムニダ」の一言あっても良いと思うんですが・・・。
ま、忙しいんでしょうね、きっと。

お土産も渡す間もなく、帰りに買っていくと聞いてたパンも買っていかず、
なんだか手ぶらで帰してしまうはめになってしまいましたが、
ソンさんとチェさんの心の中に、小さな手土産くらいは渡せたような気がします。
それを生かすも無駄にするも、あとは本人次第。
何年か経っても、良い時間だったと思ってもらえる期間であったなら幸いです。
それはうちのスタッフにも言えること。
いくら土壌の良い畑に身を置いたって、勝手に芽が出るわけではありません。
ちゃんと水をあげなきゃ土も渇いてしまいます。
陽に当たらなければ葉も枯れてしまいます。
誰のせいでもなく、養分を吸収しようとしなかった自分のせいです。
「こんなことをやってみたい」、そんな希望の種を心に撒いたのなら、
その種から少しでも芽が出たのなら、
それを守るのは、その気持ちを守り続けるのは、
誰でもなく、自分自身なんです。
朽ちることなく、大事に大事に育ててほしいものです。
そしていつの日か、その子らなりの実や花がついたたくましい幹を、
「頑張ったもんな」って、一緒に眺められたら幸せですね・・・。

そんな日が来ることを願って、今日もストレスと闘います(笑)
by monsieur-enfant | 2009-06-09 03:47 | ランデブー デ ザミ