2009年 06月 14日
「現代」の定義。
さて、この日は「行きたい」と言ってたスタッフを連れてく約束をしてたところに、
「まだ行ってない」旨いものに対しては貪欲なスタッフが居合わせてしまい、
そいつに勝手に3名で予約入れられてしまったという可哀想な僕の話です(笑)
かなりご無沙汰です。「Fujiya 1935」
あ、何か空気が変わりましたね。
変わったというか戻ったって感じ。
聞くと、一時使ってた二階を使わなくなったそう。
料理も大変ですし、スタッフも増やさなきゃいけなくなり、
ちょっとザワザワしてた空気が、す~っと落ち着いた感じ。
こっちも落ち着いていただけそうです。
今日は久し振りというのもありますし、お酒もお任せでお願いしました。
カヴァ、白、白、赤、お母さん手作りのリキュールという構成です。
ソフトに火を入れた大きなハマグリとうすいえんどう豆 ベルガモット風味
ここは瞬間系の指定席だったと思うんですが、
個人的にはこっちのほうがいいかなぁ。
泡の下に見えるハマグリは食感も良く、火入れもバッチリ。
しっかりいただいて、Fujiyaワールドに備えます。
サフランのカラメルに覆われたポップコーン
アーモンドのメレンゲ
辛い海老風味のワイルドライス
トリュフのスナック
ビーツ風味のバーニャカウダ
全部まとめさせていただきました(笑)
その中でも画面にある黒い丸。トリュフのスナックです。
トリュフ後は、自分の口臭が大好きになる至福の時間(笑)
チャコリ
バスクの微発泡ワイン。高いところから空気を含ませるように注ぐのだそう。
お任せにすると、知識のない自分では頼まないものと出会えるのも楽しいところ。
変わらず迎えてくれる自家製パン。
稚鮎とニョラ風味の塩 赤ピーマンのスープ
ニョラ風味の(辛くない唐辛子のようなもの)塩の中でじっくり火を入れられた稚鮎を、
シェフ自らサーブ・・・もとい掘り起こしてくれます(笑)
手前のグラスに入った赤ピーマンのスープに浸していただきます。
熟したトマトのシャーベット オリーブとバルサミコソース
淡路産アワビとホタテのパスタ
う・・・ホタテやわ・・・。アワビもふんだんに。
肝のソースに絡めていただきます。
とろけるチーズとアスパラソバージュのスパゲッティーニ
出ました、とろけるチーズ。
中は、と言うと・・・
旨~い!普通にめっちゃ旨いパスタです!
あ~、やっぱりFujiyaさん、美味しいなぁ・・・と思わすシンプルな中の底力。
大イワナと2種類のトマト・リコッタチーズ、コショウ風味
大イワナって・・・・、大サンショウウオとかコモド大トカゲ(通称コモドドラゴン)とか、
そんなキワモノなのかと思いきや、大丈夫でした(そりゃそーや)。
一見ありがちな組み合わせのお皿ですが、
ちゃんとそれぞれが必要な存在なんですよね。
比内地鶏 マスタード ピスタチオのソース
大イワナもそうですが、2皿目のいわゆる「Fujiyaさんっぽい」お皿以外、
グッと素材感を生かしたものになってるような気がするのは
季節的要素のせいだけでしょうか。
甘夏の粒クリーム レザーウッドのはちみつとココナッツ
冷たくて温かいトラベンモストのゼリー
温かいのはスプーンなんですね。
木の枝
つまんで食べます。
苺とマンゴーの冷たいスフレ
液体窒素に入れ、短時間でスフレ状に仕上げます。
チャコリとシチリアの白をおかわりしたので計6杯いただきました。
Fujiyaさんでは今まであまり飲んでなかったので、飲まないと思われてたよう。
ザルです(笑)新地の黒服は飲めなきゃやってられませんから!
で、お母さんお手製のリキュールです。
僕はフランボワーズを・・・というか、フランボワーズから。
結局全部をちょっとずついただきました。
浄化の為にハーブティーをいただきます。
シェフがチョイスした生葉で淹れてくれます。
はぁ~・・・・満喫しました。
今回がたまたまなのかも知れませんが、
「瞬間系」(煙とか、溶けちゃうとか)のものがありませんでしたね。
ただ、幾度もそれらで驚かされた者としましては、
半面、それをいただくのにかなり急かされるのも忙しなく感じてたわけで。
もちろんそれらもあればあったで楽しいんですが、
今回は今回で、ゆっくり落ち着いてワールドを堪能できました。
季節的に素材が厳しい中で、やはりここはここにしかない光を放っています。
久しぶりにお話させてもらった藤原シェフの物腰の低さは相変わらずで、
変わらぬ向上心、探究心には、いつも背筋が正されます。
それと・・・やっぱりその日の印象は、
同伴者によって大きく左右されることも再確認しました。
今回は楽しかった。楽しもうとしてる子らと一緒でしたから。
特にここは、そういう人と来なきゃいけない店やなぁ・・・って思います。
そしてそういう人となら、確実に楽しい時間を過ごせるお店やとも思います。
モダンスパニッシュ的なお店は何店か出てきてますが、
ここはもう5年になるのかな?
当時はそれこそ時代の先端、極めて「現代的」な料理でしたが、
その歳月を経てここに立つ藤原シェフの「今」を表現するという意味での
現代的料理に変わりつつあるようです。
基軸が時代ではなく自分になりはったんですかね。
その「今」を映し出す料理を感じに、
料理にどんな「今」が映し出されるのかを感じに、
また足を運びたいと思います。
by monsieur-enfant
| 2009-06-14 03:58
| Fujiya1935