2009年 07月 17日
le 14 juillet
朝の2時から仕事に取り掛かったこの日は、「パリ祭」の日。
絶対王政から共和政への転換点となった日でして、
パリ市民とアンシャン・レジーム(旧体制)との壮絶な闘いの果てに掴んだ、
パリ市民の勝利の日なんです。
フランスでは革命記念日として国民の休日にもなっています。
シャンゼリゼは彩られ、エッフェル塔周辺ではライブがあったり、
パリだけでなくフランス全土で国民が盛り上がる日なんです。
忘れてはいけないのが、多くの犠牲があったこと。
追悼のミサも各地で行われてるようです。
ま、そんなに詳しく知らないので本題に入ります。
パリ祭のこの日に当てた、「朝食会」。
市内まで運ぶ時間など諸々を考え逆算すると、
こんな時間からのスタートになってしまいました・・・。
定休日ではないので、もちろん通常の店売りのパンも焼かなきゃいけません。
「じゃあ、何時までにこれをして、何時からはこうなって・・・」
そういうの、超苦手(笑)。
ま、なるようになるさ!
で、なるようになったの図。いやぁ、やっぱり良い景色ですね。
ヌーパピさん初の記念すべきモーニング営業です!(笑)
朝の新御堂をパンの匂いと共に市内へ向かい、15分遅れで到着。
上出来です(笑)
早速パンを配り、朝食会の始まりです。
「アン コワッソン、アン キャフェ、シルブプレ!」
思わず言いたくなってしまいますね~。
えっと、他にはチョコとクランベリーのヴィエノワと、
ナヴェットという「小舟」という名のブリオッシュの計3種。
クロワッサンに使用したバターが、やはり長旅の疲れが出てしまってまして、
思ったほどのパンチはなかったのですが、
やはり発酵バター特有のクドさやエグみがないのはさすがでした。
香りも綺麗で優しい印象ながら、余韻が長い。
ま、いつもと違う性格のクロワッサンということで、
それなりにみなさん喜んでいただけたようでホッとしました。
ヴィエノワもブリオッシュも、「食べれるかな?」と思ってたんですが、
みなさん朝からぺろりと平らげていただきました。
朝9時からの満席に、「レストランでは考えられない」って、
お店を貸してくださったヌーパピさんも驚いてました。
東京から、京都から、和歌山から・・・、
仕事を休んで、はたまたこれからお仕事に向かわれる方も・・・。
「ごちそうさま。今からシュクレに行ってきます」っていうお客様には驚きましたけど(笑)
ホントにただ来てもらって、おもむろに始めてもらって、各々帰ってもらう、
そんな放置プレイ状態の会でしたので多少不安もあったんですが、
みんなみんな、僕らが思ってる以上に良い顔で、
「美味しかったです!」「また、やってくださいね!」
朝からの疲れが吹っ飛ぶような言葉をかけてくださいました。
「喜んで欲しい」「この空間で過ごす時間をを楽しんでほしい」
ただただその一念だけで企画したこの会でしたが、
「やって良かったなぁ・・・」としみじみ思い、
2階から皆さんを眺めつつ、感慨に浸っていました。
っていうか、やっぱりこの箱欲しい!!(笑)
僕らだけでは完全に成り立たなかった、この会。
僕の思いつきに付き合ってくださった物好きなお客様あっての会でした。
唐突な申し出に快諾していただきたヌーパピさんあっての会でした。
なんかね、それがとっても有難くて嬉しくて・・・・。
ず~っとず~っとカウンターでカフェを啜りながら、
そんな素敵な景色を目に胸に焼き付けていました・・・・。
そんなこんなしていたら、
パンでお腹いっぱいになってしまったのか皆帰ってしまいました・・・。
ランチも味わってってほしかったんやけどなぁ・・・ってことは、
帰った皆さんに、どんなランチやったか教えてあげないといけませんよね。
う~ん・・・仕方がない。居座るとしますか。
急いでシュクレに戻って仕事しないと!っていう責任感を2秒で説得してのランチ。
せっかくですしね。パリ祭ですしね。パリ祭万歳!(笑)
さすがにさっきパン食べてすぐでしたし、夜もここに来る予定でしたので、
軽めのムニュで。
とうもろこしの冷製ポタージュ
スペアリブのカレー煮込み
途中でスプーンをお願いし、勢いよくかきこみました。
いやぁ、旨いですねぇ。
桃のコンポート
エスプレッソでランチ終了。
いやぁ、朝、昼と、こんなとこで過ごせて幸せですね。
僕にとってはこれだけで十分「パリ祭」です。
さ、急いで帰って、
今度はヌーパピさんの夜の「パリ祭」のイベント用のパンを焼かないと!
では、また後ほど・・・と、しばしのお別れ。
早く来れたらいいんですけど・・・。
案の定・・・と言いますか・・・・、早くは来れなかったわけで・・・。
子ブタの丸焼きも、アコーディオンの演奏も、何もかも終わったあとでの到着。
残念無念・・・・。
「もう、何もないんです」
と言いながらも、冷前菜の盛り合わせをいただきました。
今日は、うちのパンがあるのでこれだけで十分ワインがいただけます。
料理が無かったので会費は少なく支払ったにも関わらず、
結構ワインをいただいてしまい申し訳ありませんでした。
テラスから中でわいわいやってるのを眺めながら、
シャルキュトリーとパンとワインをつまみながら、
気の合う仲間とくだらないことを話す時間と空間・・・これに勝る幸せはないですね。
歳とって、おじいちゃんになっても、
この日お酒を交わした仲間でお酒を飲めてたら幸せやなぁ・・・。
僕にも少しずつですが、そう思える仲間がやっと増えてきました(笑)
朝パピ、昼パピ、夜パピと、
朝昼晩を過ごさせていただいたル ヌーパピヨンさん。
愛溢れるお客さんに溢れた、良い夜のイベントの、
気がつけば最後のお客になってしまいました(笑)
ホント、一日入り浸っていましたね。
最高のパリ祭でした。
来年はもっと早く来れるよう頑張りますね。
フランス愛に満ちたお店とスタッフの方々。
こんなわかりやすいお店でも日々苦労は絶えないようですね。
何度も書いてるように、自分のものさしでしか測れないお客さんが多いんです。
どこ行っても同じ楽しみ方しか出来ないより、
お店によって違う楽しみ方ができたほうが単純に楽しいと思うんですけどね。
ま、今日は楽しいイベントの日なので、苦言はここまでにしときます。
と言いながら、30行くらい書き連ねたのを消しました(笑)
今日は楽しいイベントの日なのでね。
たまには穏便に終わりましょう。
僕らはこの後もう一件、移動するんですけどね。
では、また。
by monsieur-enfant
| 2009-07-17 04:20
| ル ヌー パピヨン