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なないろめがね

他人の目、自分の目。

さて、東京2日目。
この日はお昼に待ち合わせをしてランチに行きます。
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場所は外苑前。
「ちょっと早く着きすぎたなぁ・・・」
と、近くでコーヒー飲んで待つことに。
が、気づくとコーヒー一杯飲み終わらないうちに待ち合わせ時間に。
「あ、待ち合わせって、こういうことか」
僕的には35分くらい早く着いた気でいたんですが、5分くらい前だったんですね。
30分の遅刻が常習になると、時間軸が人とズレてきます。
「中身はフランス人やからなぁ」という言い訳は、もうとっくに通用しなくなってますし(笑)
先に着くなら、逆に1時間くらい早く着くかの両極しかない僕。
久しぶり(数年ぶり・・・)に「待ち合わせ」っぽい待ち合わせが出来ました!
なんだか今日はすごく自分が「いい子」みたいです(笑)

てくてく駅から歩いて10分くらいかな?
横道に逸れた、更にその道から上にのびる坂の上。
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青山「フロリレージュ」
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坂の上の真っ白な外観の建物の一階部分です。

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20席ほどのコンパクトな店内。
照りつける日差しの浮世とは、うってかわって閉ざされた空間。
扉一枚隔てた、日常と非日常の切り替わりを楽しみます。

「う~ん・・・・」、メニューに悩む。
前菜、主菜、デザートを、それぞれ2,3種の中から選択します・・・・が、
「魚も捨てがたい・・・・」、この日は「あんこう」だったんです。
「それでは追加料金になりますが、半量でお持ちしましょうか?」
天の声でした(笑)
「あ、もし、ご無理じゃなければ・・・・」
いやぁ、有難い。もちろんそんなこと望んで迷ってたわけではありませんが、
こうした対応は嬉しい限り。レストランのホスピタリティの部分ですよね。
マニュアル通りの決まった対応はどこでもできます。
こうしたイレギュラーな時にどう対応するのか、大事なポイントですよね。
気分良く、シャンパンで暑さしのぎ。
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オリーブの四角いパン
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グリーンオリーブを練り込んだパン。すごくしっとりしています。
オリーブの味もしっかり。シャンパンの良いお供になりました。

フォアグラとメレンゲのコントラスト
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ノワゼット風味のメレンゲに、
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フォアグラを2切れデロ~ンと。ランチから気前良いです。
頭で理解出来ないまま口に入れましたが・・・・「!!」、重なるんですね、これが。
いわゆる「重たい」イメージのフォアグラと、「軽さ」のイメージのメレンゲ。
食感も全く非なるものです。
ですからなぜこの組み合わせなのか理解しきれなかったのですが、
「口どけ」でした。口どけの様子が似てるんです。
メレンゲ食べて・・・・「うんうん」、フォアグラ食べて・・・・「!?」、
重ねて食べて「!!!」 あ~、楽し!
スーッと溶けゆくスピードが重なります。これはのっけから期待度が上がります。

手前がフォアグラ用。奥はこれから用。
もう1種、メインのお皿にもう少し強いパンが付きます。
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バターです。
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次の「あんこう」に備えて、白は甲州とブルゴーニュをいただきます。
日本のワインの品揃えも多いほうじゃないかな?
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はい、あんこうです。料理名、失念・・・。
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「あれ?半分のポーションって言ってたのに・・・・。調理上、無理やったんかな?
ま、食べれるし全然オッケーやわ」と思って始まったお魚料理。
右に切り身と、その上にはあん肝。まん中の細切れなのはジャガイモです。
そこにトリュフのソースと、左に皮やらなんやらを巻き込んだものと。
ちょっとあん肝の匂いが気になったけど、総じて美味しかったです。
火入れはさすがのしなやかさ。
皮やらなんやらを巻き込んだものは、和食を彷彿させます。

お肉の中から選んだのは内臓料理。
今日は牛の心臓。「はつ」です。
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うわ!!なんじゃこのボリューム!!ここ、レストランですよ!?
あはははは!!なんだかテンションおかしくなってきます(笑)
ワインも方向転換!ガブガブ飲みたくてボジョレーをチョイス。
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いやぁ、なんて楽しいんでしょう!
レストランでこんなポーションの心臓食べれると思ってませんでしたし、
こんなワイン飲むとも思ってませんでしたから!
血の存在は皆無。しっとりした火入れで、独特の食感は健在。
なんと言ってもこのポーション・・・・あ!!
やっぱりさっきの「あんこう」、あれで半分やったんや!!(笑)
思わず、「大丈夫ですか・・・?」って聞いてしまいました。
が、これはまだ序章です。
ガッツリいただいたと思いきや、何か運ばれてくる様子。
「あれ?もうデセールかな?・・・にしては早いなぁ」と思っていると・・・、

骨髄のフラン
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あはははは!また出てきた!と言うより、まだ出てきた!(笑)
一応、そのものの全てを食べてもらいたいという思いがあるらしく、
僕は牛の心臓やったので、牛の骨髄のフランを。
同行者は、やっとの思いで食べた豚の後に、
ブーダンノワール(豚の血の料理)を運ばれてきて苦笑い(笑)
しかも、またこれ凄いボリューム。横のスプーンと比較してください(笑)
底はニョッキで蓋されてるんですが、そのニョッキもエキスを吸って美味。
「大丈夫ですか?」とさっきは聞きましたが、
「大丈夫・・・じゃないですよね?」と聞きなおしました(笑)
強烈なCPです。

山形県産 旬の桃 フレッシュとシャーベット
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別腹です(笑)
そしてこれまた抜かりなしです。
高いお金出して「?」っていう桃のデセール食べたばっかりでしたが、
これなら納得。いったい何個の桃を使っているのやら。
素材感を生かした、レストランらしいデセールです。

パート ド フリュイ
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キリッとエスプレッソで締め。
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こちらはカンテサンス出身のシェフとソムリエさんが、今年の6月にオープンされたお店。
「カンテサンス出身」ということで話題になっていますが、
僕が気になってたのは、その前に「ル ブルギニオン」でもスーシェフやってはったこと。
タイプの大きく異なるお店でスーシェフを務めた経験を、
どうやって自分の中で消化し表現するのか、すごく興味があったんです。
・・・こうきたか(笑)
なんか「キャリア全部乗せ」みたいなランチでしたが、食べてるほうは凄く楽しかったです。
夜はさすがにこうはいかないでしょうから、もう少しカンテサンス色が強くなるのかなぁ・・。
まだ開店して間もないお店。
「ようやく予約をしていただけるようになってきた」と仰ってましたが心配ないでしょう。
出身店が有名だと、
どうしても「カンテサンスと違う」とか「カンテサンスではこうだった」とか、
比較されるのは宿命として諦めるとして、
大事なのはそういう他人の目よりも自分の目。
自分の目が何を見てるのか、視線はどこを向いてるのか、それが一番大事です。
若干31歳の若いシェフですが、
日仏共に良いキャリアを積んではるので、
周りが思うほど一つの店に依存してはいないでしょう。
若い若いと聞いてても、店を出る時に見送りに来ていただいたシェフを見て、
「若っ!!」って驚くほど若いシェフ。
物腰や表情も柔らかで、とても好感が持てます。
第一印象悪すぎの僕とは大違いです(笑)

東京のようにビッグネームは少ないものの頑張ってる大阪のレストラン業界。
逆にガッカリすることも多くなってき、「もう東京はええかなぁ・・・」とも思ってましたが、
東京に来る楽しみが一つ増えました。
by monsieur-enfant | 2009-09-05 04:15 | フロリレージュ