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なないろめがね

告知。

とりあえず、夏休みの記事を書き終えたところで皆さんにお知らせがあります。
HPのNEWS欄に掲載しています数点を、こちらで噛み砕いて説明させていただきます。

まずは「お知らせ その1」について。

シュクレクールを世に送り出して丸5年になります。
当時29歳だった僕は、
ただただ「パリの景色がみたい」という一心だったのを思い出します。
その「景色」というのは、毎日来て下さるお客さんであるとか、
買い物袋からはみ出てるバゲットの先端が既にかじられてたりだとか、
子供らが小銭握りしめてパン・オ・レザンを買いに来たりだとか・・・・。
売れる売れないではなくて、その景色を見たいが為に、貫いた今のスタイルでした。
そして徐々にですが、最初は「めんたいフランスないの?」「メロンパンないの?」
そう言ってた方々が、この異文化の違和感に触れ初めてくれました。
この場所で続けていくには、お客さんをまずは育てないといけない。
その成長が、必ず店の成長に繋がるんだと信じて、
やりたいものがあっても、まず手にとってもらえることを優先して、
決してお客さんから先行することなく、少しずつ少しずつ提案しながら今に至ります。
その間、思いもしなかった「遠方からのお客さん」という
新しいお客さんが付いてくれました。
何も知らない地元の人に伝える難しさに、
情報だけで期待してやってこられるお客さんの圧迫感が加わりました(笑)
地元の方を育てながら、遠方の方に育てられ、
そしてお客さんの理解による成長と共に、
シュクレも僕も成長させてもらったと思ってます。

4年を迎える時に、パティスリーをオープンしました。
それは延々「フランスはね・・」って僕に聞かされてたシュクレのお客さんに、
新たな「フランス」を提示することが目的でした。
パンだけではないフランス。フランス菓子を通じて伝えるフランス。
シュクレの拡張も考えましたが、お客さんにとってはあまり刺激のないことです。
「その先」のプランの為の第二段階。それがパティスリーだったわけです。
そうしてお客さんとのセッションを楽しみながらやってきましたが、
不安定だったモンテベロも秋には丸2年。やっと任せれるようなお菓子になりました。
さて・・・、若干おざなり気味になってたシュクレに
そろそろウェートを戻したいと思います。
もちろんモンテベロに手がかかったのもありますが、
僕一人用に作った厨房設備の限界を感じていたこともあって、
何か次のアクションを起こすまで、何も変えれないんじゃないかと
モチベーションが下がってたのも事実です。
ですが、いつ起こせるかわからないアクションを待っていても仕方がありません。
いろいろなことを考えた結果、
「アクションを起こす前のアクション」を起こすことにしました(笑)

そのアクションとは、「食べてほしい」と思うものに特化した店づくりです。
付け加えるなら「今の僕が」と言うことです。
もちろん食べてほしいものを作ってきましたし、
手を抜いた仕事はしたつもりはありません。
でも、やはり当初は「知ってほしい」気持ちや、
パリを「再現する」ことに躍起になってた気がします。
今、それらに対していただいてたお客さんの反応、
そして5年を経たシュクレと僕自身、
その僕らを取り巻く一生懸命働いてくれてるスタッフたち。
そんなこんなをまとめて考えてみた結果、
どうなるかわかりませんが、今できる範囲のアクションを起こすことにしました。

オープン以来、連れ添って作り続けてきたパンを数種、止めることにします。
作れる環境になれば、もちろん復活したいとは思ってますが、
今の労働環境の中で、全て今のままの状態での付加は、物理的に無理なんです。
やはりうちは、粉を感じてもらいたい店ですし、生地を食べてもらいたい店です。
キャラクターとして曖昧な立ち位置のパンを減らして、
明確な違いのあるパンを提供することによって、
今一度、「シュクレクール」という店のキャラクターも明確にしたいとも考えてます。
その中には、もしかしたらお客さん御贔屓のパンも含まれてるかもしれません。
でも新しい出会いもちゃんと用意していますし、懐かしい顔ぶれも帰ってきます。
その主旨を理解していただき、おそらく土曜日にはアップ出来るはずの、
HPのメニュー欄で、あれがないこれがない、こんなのが増えた、
そう楽しんでいただければ幸いです。
何度も言うように、次のための今です。
悔しいですが、今の厨房では僕のやりたいことを全て形にするのは無理です。
でも、そのいつかの為の準備やと思って、温かく見守っていただければ嬉しいです。


「お知らせ その2」について

思いのほか先の説明が長くなってしましましたので、
サクサクっと行かせていただきます。
ま、営業日が減るわけではないので、
お客さんに大きなマイナスを生むことではないと思います。
ですが、それにともない労働体系も変化し、無くなるものもでてきます。
ずっと作り続けてきたケークが焼けなくなります。
詳しくは「お知らせ その3」の説明で・・・。


「お知らせ その3」について

パティスリーと言っても、シュクレのパティスリー部門のことです。
モンテベロのことじゃありませんよ。
もともとうちは、結構たくさんのお菓子を作っていました。
今もあるものでしたらタルトやガトー ショコラ。それにケークですね。
以前はサブレやパイ生地を使ったもの、シュー・ア・ラ・クレームもやってました。
今モンテベロに移行してるものでは、カヌレやファー・ブルトンもありました。
今考えると、パンと並行してよくやってたな・・・と思います。
でも、それもこれも「いつか」のためと、
こんな売上の保証もないラインナップの店で働いてくれてるスタッフが、
将来独立したときに少しでも足しになるようにとの思いでした。
もちろん「パンしか知らない」と思われるのも嫌だという気持ちもありました。
「いつか」のためとは、そう、パティスリーの併設です。
具体的ではなかったにしろ、オープンしてすぐから思ってたことでした。
その為には、少しずつでもフランス菓子に触れてってもらいたかったんです。
そのパティスリーを作ることができ、クオリティも満足できるものになってきた今、
これらの商品の役目はそろそろ薄らいできてるんじゃないか・・・って
そう思うようになってきたんです。
焼きっぱなしのタルトは残します。
これはブーランジュリらしさも出るものなので。
ですからケークがなくなるくらいだと思います。
個人的にも、オープン以来ずっと続けてきたもので寂しいのですが、
後はモンテベロに引き継いでもらいます。
じゃないとパティスリー作った意味もないですしね。


「お知らせ その4」について

今度、一緒にお仕事させていただくことになったレストランは、
「Fujiya1935」さんです。
実は数年前にも軽い打診があったんですが、
うちのパンはここの料理に合うパンではないのでお断りしてたんです。
正直、考えても思いつく自信もなかったですし。
ところがこの度、「無理を承知で」と真面目なオファーがありまして。
その想いやこれからの構想、もちろん藤原シェフと仕事ができる高揚感。
何より、「うちの店をよく知ってくれてる人に頼みたい」という言葉が、
なんかすごく嬉しかったのを思い出します。
そこで、一度一緒に作り上げてみましょうという話になりました。
それでダメなら仕方ないですし。
ですから今回は、全く「シュクレのパン」というイメージは持たずに作りました。
話し合いの中で出てきた「自然」というキーワードを求めて行ったのが、
先日ブログでも紹介した「北海道」です。
そこで得たもの感じたものと、
僕なりの藤原シェフの料理に対する解釈を元にパンを焼きました。
それが、このパンです。


・・・・っと言いたいところですが、そう言えば1枚も写真撮ってませんでした(笑)
うちのパンだと知らない人は、わからないんじゃないかな?
なのでお客さんの反応がめちゃくちゃ気になるんです。ドキドキしてます。
昨日から提供し始めて、反応は上々だそうです。
「あっと言う間に食べられてしまいます・・・」と、
こちらとしては嬉しい言葉をいただきました。
でもレストランとの仕事はパン単体での話じゃないんでね。
いかにFujiyaさんの料理に合わせれてるのか、そこだけが勝負です。
さらに初めてのモダン・スパニッシュとの融合。
不安もありますが、
これからたくさんの刺激をいただけるお店でありシェフであると感じます。
良いお付き合いが出来たら嬉しいですね。
そしてこれをきっかけに皆さんも足を運んでみてもらえると、もっと嬉しいです。
良い志を持つ料理人をよく紹介していますが、
それはやはり皆さんに出会って欲しい料理人だから。
でもね、皆さんに行ってもらいたいのはそれだけじゃないんです。
そのシェフたちと、良いお客さんを共有したいとの想いがあるんです。
こんな岸部の奇特な店に来て下さるお客さん、
さらにこんなブログまでマメにチェックしてくださるお客さん。
十分奇特なお客さんです(笑)
でも、美味しいものが好きで、それを楽しむことができて、
何より「お店」というものに対する理解がある方が多い気がします。
そんな方には是非行ってもらって、楽しい時間を過ごしていただきたい。
そして良いお客さんとの出会いは、店側にとっても幸せなことです。
そんな「想いの受け渡し」ができれば、この業界、もっと良くなる気がします。
ご協力、お願いします(笑)


「お知らせ その5」について

マジで何も決まってません(笑)
by monsieur-enfant | 2009-09-17 13:56 | シュクレクール