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なないろめがね

存在証明。

来るとは聞いていたが、翌日に来るもんだと思ってた友人の急襲にあう。
この日は、三連休、しかもボジョレー明けで、身体も精神状態もちょっと滅入ってた時。
テンションが下がって、休日が引き籠り気味になりかかってた時だったので、
良いほうに考えて街に繰り出します。神様が連れ出してくれたんだと・・・。
が、しかし!どこもかしこも連休に開けた代休で閉まってるじゃないですか!
う・・・どうしよっかな・・・やっぱ、帰ろっかな(笑)
いや、どんな状況だろうが、どんな体調だろうが、客人にはベストを尽くすのがモットー。
「あ!あそこなら開いてるはず!」
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やっぱり開いてた「ヨッテリア ガク」さん。
僕と一緒で、代休とかややこしいこと考えるの嫌いそうですもん(笑)
友人は東京の子なのであまり会うこともないんですが、
それでも今年は結構一緒に飲みましたね。とりあえずビールで乾杯です。

緑野菜とモッツアレラのサラダ
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睡眠不足で何か気だるい感じなので、
ちびちびビールを飲みながら生野菜をいただきます。
野菜食べるだけで「健康的!」と思ってしまうのは、日頃の不摂生の証ですね(笑)

いつものパン。
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上手下手とか美味い不味いじゃなく、シェフの想いに触れるパン。

豚串
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睡眠も不足なら、そういやろくなもの食べてなかったのでお腹も空いてきました。
・・・・・なんて魅惑的なビジュアル。
自家製サルシッチャやらベーコンやらが僕のスイッチを「パチン」と入れちゃいました。
赤をいただきます。
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トリッパのグラタンを頼んで、
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白に変更。
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チチカブ(豚乳)のムニエル行って、
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もいっちょ白。
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ズワイガニの難しい名前のショートパスタ行って、
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もいっちょ白飲んで、
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もいっちょショートパスタ。これは牡蠣とお野菜ですね。
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いやぁ、体調悪いなんてどこへやら(笑)
ま、お酒は人と料理と空間で飲むものですからね。
三つ揃っちゃったらしょうがないです。ええ、しょうがないですとも。
パスタは相変わらず旨いねぇ・・・。ズワイも牡蠣も良い味出てます。
そろそろ次にスタンバって赤を投入。
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岩手 白金豚 ロース肉のグリル
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いつのまにやらメインの豚料理は全種食べてしまってました。
話も尽きなければワインも尽きないわけで・・・。それも必然、しょうがないです。
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後で聞くと、友人はもうとっくにお腹いっぱいだったよう・・・・。
それでもドルチェまでしっかりいただきます!
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ふ~・・・食った飲んだ!自分が思ってるより自分の身体は元気でした。
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やっぱりね、田舎に住んでるとせっかく都会に出てきた時ははしゃぎたくなるものです。
岸部じゃイタリアンは食べれませんもん・・・。
こないだ久しぶりに行ったお店のランチに愕然としたところでした・・・。
使ってる食材、クオリティ、それを提供できる意識レベル、
市内と格差があり過ぎます。
郊外でやってる作り手が自覚しない限り、埋まらない地域差ですよね。
それじゃあいつまでたっても郊外なんて、
真ん中で勝負かけれなかったヤツの言い訳の場所のままですよ。
僕は「どこでやったか」よりも「誰がやってるか」のほうが大事やと思います。
どんどんお店ができていき入れ替わりも激しい市内とは違うユルイ郊外の空気の中で、
確かにお客さんもいろんなものを食べ慣れてる方は多くはないかも知れません。
だからって現状に甘んじてしまってはいけないと思います。
逆に、市内より少ない店舗数だからこそ、しっかりちゃんとしたものを提供し、
教えてあげなきゃいけないことってあると思います。
僕はね、例えばあまりパンには興味がないお客さんがいたとして、
「シュクレが家から一番近いから」って理由だけで来てくださってるとしても、
今後他店のパンを食べる機会があった時に、
「これって有名店のパンなん?近所の赤いパン屋さんのほうが美味しいわ」
そう思わせてあげれたら幸せやなぁ・・・って思うんです。
家から一番近い店が一番好きで一番美味しいと思えるなんて、
そんな幸せなことないと思うんですよね。
それこそが僕が「ブーランジュリ」を営むうえで追い求めるものであり、
それこそが生活圏で店を構える人間だけが感じれる喜びであり特権だと思うんです。
そのためには、どこに持っていっても恥ずかしくないお店を作らないと。
そのまま市内に持って行こうが、東京に持って行こうが、パリに持って行こうが、ね。
実際勝てないかもしれないけど、
せめて「負けるもんか!」って気概くらいは持っていたいものです。
「ここでやりたい」から、ここでやってるわけで、
「ここでしかやれない」から、ここでやってるのとは全く意味が違ってきます。
中心部でも郊外でも、言い訳を作ろうと思えばどっちも一長一短。
でもやはり郊外のお店のクオリティが圧倒的に落ちる現状は認めざるを得ません。
「いや、俺らだって頑張ってるよ!」、そう言う方もおられるかも知れません。
でも頑張ってるなんて当たり前。何の付加価値にもなりません。
覆すまで頑張れてるのかどうかが問題であって、
覆せてない人間が「頑張ってる」ことを主張すること自体ナンセンス。
何事もそうですが、現状を打破するにはただ頑張るだけじゃ駄目なんです。
その差を明確に認識し、その差を埋める、
あるいは越える策を具体的に考え、そして実行する。
そしてそれを知らしめるためには、走り高跳びくらいの越え方ではダメです。
ギリギリクリア如きでは誰かに気づいてもらえることさえ難しいんです。
低く見られる立場や環境の人間、いわゆるデメリットを多く抱えてる人間は、
圧倒し、ねじふせなければ、
存在に気づいてもらうことも、発する言葉に耳を傾けてもらうのも困難です。

僕は資金も勇気もなく、市内には出せませんでした。
でも、それは市内に出せなかった理由であって、岸部で出した理由ではありません。
ここでやるには、ここでやるだけの理由がありましたし信念がありました。
自分に言い訳はしたくありません。
「~で、やってたら上手くいってた」なんて情けないこと言いたくありません。
全ては自己責任。人を呼ぶのも呼べないのも、全ては自分の責任です。
店をやってからが勝負ではありません。
店をやるまでなにをしてきたのか、何をしてこれたのか、
闘えるだけの信頼できる「武器」をしっかりその手に握りしめれてるのかどうか、
そこで大方の勝敗は決まってるんじゃないでしょうか。
武器も見つけれずに店を開け、首を傾げても後の祭りです。
「武器」とは特別なものではありません。自分が信じれるもの、それが武器です。
道端に転がってようが、他人から見れば何の価値もなかろうが、
自分が信じ、「これで闘うんだ」と覚悟を決め握りしめたものは、
十分闘える武器となります。
逆にどれだけ立派な武器を手にしていても、
自分が信じきり握りしめることができなければて、
ちょっとしたことで簡単に弾かれてしまうでしょうし、
いづれはその武器を平気で手放してしまうことでしょう。

言い訳してる暇があったら、明日はもっと良くなりたい。
明後日には目に見える兆しが欲しいし、一週間後には変化を感じたい。
一か月後には乗り越えてたいし、二か月後には新たな壁にぶつかってたい。
そして、幾つもの壁を越えて、まだ見ぬ景色を見てみたい。
その景色を、スタッフやお客さんにも見せてあげたい。
共に分かちあいたい。共に喜びたい。
その為には僕が登らないと。僕が越えていかないと。僕が挑まないと。

せめてその姿だけは示していたいなぁって思うんです。
所詮元来2流の人間ですから、1流にはなれません。
ですが、ふんぞり返ってる1流気どりくらいには噛みつきたいものです。
そして頑張ってる1流の方々には届かないまでも、
その凄さを肌で感じれる距離くらいには行きたいと思うんです。
遠くでその凄さも感じれないくせに、「すごい、すごい!」と手を叩く、
「すごい」の意味もわからん平べったい人間にはなりたくないんです。
「及ばない」と言われる足もとまで這いつくばってでも辿り着き、
しっかりと自分に、自分とは違う次元なんだということを見せてやりたいんです。
心から、「やっぱ、すげ~なぁ・・・」って、そう思うには、
心から、「やっぱ、すげ~なぁ・・・」って、
そう思えるだけの何かを経なければ本気で思えないと思うんです。
やり残したものを抱えて、「やればできた」なんて言い訳を言える余地の全てを、
自分の弱い心から奪い取ってしまいたいんです。

まだ若造ですからね。落ち着くには早すぎます。
才能もセンスも資金もない人間が、
はたしてどんな景色までなら見ることができるのか、
挑まなきゃいけないのは自分自身になのかも知れませんね。
by monsieur-enfant | 2009-12-09 02:03 | ヨッテリア ガク