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なないろめがね

異なる国の異なる役割。

この日は急に「ちょっと一緒に来てもらいたい」と言われ外出することに。
聞くと、業界最大手の某チェーン店がまたお店を出すらしい。
その地区は外国の方が多く住み、
その環境を生かした「ヨーロッパ色」の強いお店を出店するみたいで、
初日の今日は「フランス人シェフのデモンストレーション」も触れ込みとしてあるという。
ちょっと興味を持って同行しました。
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業界最大手と言っても桁が違います。
2位の企業の倍近く、韓国内に3000~3500くらいの店舗数を誇ります。
もちろん人口と同じく、そのほとんどがソウルに集中するわけですから、
至るところで目にするお店。で、正直、うちの会社よりクオリティは高いわけです(笑)

「ちょっと興味を持って」と書きましたが、
ここのシェフとして呼ばれたフランス人の出身店が僕と同じなんですよね。
それを移動中の車の中で同行してる同僚のフランス人に散々言われるわけです。
正直、「ちょっと興味を持って」は強がってますね。
若干、恐る恐る見に行きました(笑)

一番奥にいる長いコック帽被った人がシェフ。
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帽子の先まで入れると2m20くらいはあろうかという巨漢。
同じ店出身ということで、共通の知り合いの話しにもなったんですが、
残念ながら今の僕の語学力ではここが限界。話し広がらず・・・(笑)

中央には、よくある陳列棚。
そこには通常商品が並びます。
「この場所仕様」はレジ横から並ぶ、
ショーケース内に鎮座する圧巻のpainの量です!
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「おおっ!!」
いやぁ、敵ながらテンション上がりますね!!
こういうの、韓国で見れると思ってませんでしたから!!
やっぱね、異国から来てるんですもん、違う景色見せてナンボでしょ!!
技術はね、心の土台があって初めて維持出来るんですよ。
技術で心は育ちません。
心震わせる体験が、技術を精進させる力になるんです。
そういう意味では僕は「ナイス、トライ!」やと思います。
ま、スタッフさんの何人が僕ほど興奮したのかは知りませんけどね。
日本からもね、沢山シェフが来てるんですが、
勿論「維持しきれない」という人材不足の現状を踏まえても、
今の韓国のレベルを「ぎりぎりクリア」くらいの店ばかりなんですよね。
韓国のパンやお菓子の職人さん、バカにしちゃいけませんよ。
まだ殻を破れてない感は否めませんが、
一概に日本より劣ると決め付けれないレベルにあると思います。
技術力に乏しい僕目線ですけどね(笑)
そんな中で呼ばれてる異国の僕たちは、
ま、人それぞれいろんな考えがあるとは思いますが、
韓国の店や職人を通じて、新しい価値を創ることが重要な仕事の一つだと思うんです。
「お客さん」に対して何が出来るのか、何を見せれるのかって、
作り手である以上、韓国だの日本だの関係なく普遍的なことだと思うんです。
企業に技術や経験を売る為に来たんじゃないと思うんですよね。
・・・そんなこと言ってるから「使い難い・・・」と思われるんでしょうけど(笑)

さぁさぁ、下に降りるとパティスリーです。
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色とりどりのマカロンも並びます。
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「そない売れるわけでもないやろうに、そんな微妙なライン攻める!?」
って思うくらい、わかりづらいラインナップだったのが印象的でした。

韓国はアントルメが売れるんですよね。
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食事同様、「食べるなら、いっぺんにいっぱい食べたい」
そういう食文化が反映されてるって知り合いのパティシエさんが言ってました。
「韓国では食事のスタートと同時にテーブルいっぱいにお皿が並びます。
だから和食やフレンチのレストランのような少量多皿構成は、
『いっぺんに全部持ってきて!』ってなっちゃうんです」と。
勿論、これも一概には言えないんでしょうけど妙に納得です。

ま、結論からいくと残念ながら美味しくなかったんですけどね。
フランス人の同僚も残念がってました。ただ、意義はあると思います。
別にpainが全てではないですけど、こういうお店が少しずつ増えていけば、
お客さんの選択肢も増え、お客さんも店も多様化して行けるんじゃないかと感じます。
なんか、コメントが真面目ですね(笑)

お腹が空いたのでランチにします。
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さっきの店を出て一番びっくりしたのは、
チーム長(部長よりエライ感じ)が、ずっと社員証を首からぶら下げてたこと(笑)
そして店に入ってびっくりしたのは、
5人で座敷みたいなとこに座って水まで出てきたのにワラワラと立ち上がるから、
なんかトラブルでもあったのか聞いてみると「美味しくなさそうだった」から、と(笑)
いや・・・、この手の店、どこもこんな感じやけど・・・。
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ちょっと歩いて入るのは、
さっき「美味しくなさそう」と言って出たくせに、店内が地下で見えないお店。
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何が違うのかよくわからないけど、このお店はオッケーなようです。
ここはスンデ(豚の春雨腸詰め)の専門店のよう。
まずは小皿が出てきます。全部辛いです・・・。
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韓国シャルキュトリー盛り合わせ。
右にあるのがスンデです。
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そういえば、前に豚足食べた時に「スンデ」と間違って書いてしまってましたけど、
あれは「チョッパル」ですね。あれ以来食べたことないですけど。
で、牛の骨で取ったダシのスープが出てきます。
基本、熱いのと辛いのが韓国料理です。
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「食べてて落としたのかな?」と思ったら、さすが専門店。
ここにもおもむろにスンデが入ってました。

また後日紹介しますが、この日は同僚のフランス人2人も同席。
1人は韓国在住10年で、奥さんも韓国人のハングルペラペラのレイモン。
もう一人はパティシエのグレゴリー。彼は来たばっかりで、韓国語は話せません。
で、なぜか奥さんは日本人。普通のフランス人、いません(笑)
テーブルは熱いの辛いのに不慣れな僕とグレゴリーが四苦八苦してる一席と、
韓国人と化したレイモン含めた3人がガンガン食べてる一席と横並び。

そのレイモンが僕らにスンデのレクチャーを。
「フランスのブーダンみたいなもんだ」
2人揃って「なんか違うけど・・・」みたいな空気でした(笑)
異文化は楽しいね!ってな感じで締めたいと思います!
by monsieur-enfant | 2011-10-05 04:33 | 韓国手記´11砕心