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なないろめがね

「約束」

前回、意外に反響の大きかった、デザイナーのホさんの記事
アトリエにお招きいただいた帰り道、ふと頂いた一言。
「岩永さんが帰るまでに、ここでBBQしましょう!」
いやいや、嬉しいですよ、
そう言っていただけるだけでも嬉しいんですが、なんせ多忙なお方ですから、
こんなわけのわからん日本人に時間を割いてもらうのも気が引けます。
この時も、「来週からペ ヨンジュンの新居の内装のデザインの打ち合わせが始まる」
って言ってましたし(マジです)、
個展やら日本での展覧会の準備もあるようでしたし、
僕は僕で帰国前は、パンやスタッフの仕上げに掛からなきゃいけない頃でしょうし、
結局、「時間合わなかったね」ってなるんやろうなぁ・・・って思いながら、
アトリエを後にしました。

そんなある日。
友人のジョンさんから連絡が入る。
どうも、「いつやるんだ?」と催促が激しいらしい。
「え!?」
もう、それだけでも嬉しかったです。
本当の約束なのか社交辞令なのかもよくわからないのに、
頻繁に交わされる日本の「約束」。僕はそれが大嫌いなんです。
口にされるから信じてしまうわけで、
出来る見込みが無かったり、する気がないなら言わなきゃいいんです。
「言ったことは必ずやれ」と言ってるわけではなく、
「果たすつもりも無いことを簡単に口にしないでくれ」って思うんですよね。
今回のホさん、「約束を守ってくれた」ってことより、
些細なことを「約束」だと思っててくれたことが何より嬉しかったんです。

「平日の夕方」という時間にアトリエに着くには、
東大門を3時くらいには出なきゃ間に合いません。
そんな時間に仕事は終われませんので、休日を返上して働き、
この日の午後だけ半休をいただきました。
ジョンさんと待ち合わせ、車に乗せてもらい向かった「アトリエ」。
前に来たときは、まだ夏の終わりでした。
青々とした木々に囲まれたアトリエは、
冷たい風と枯れ葉の絨毯に包まれた景色で僕を迎えてくれました。
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枯れ葉を踏みしめ向かった先では・・・
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若干2名で、すでにBBQは始まってました(笑)
あ、ちなみに初登場、右側がホさんです。
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テーブルには既に、お手製のサラダや、
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近所の畑から譲ってもらった新鮮な野菜がスタンバイ。
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そこに、東大門のお店で出してるパンも並べます。
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11月になろうという時期の夕方、しかも山の中での屋外でのBBQ、
その寒さを和らげてくれるのが、こちら。
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ただし、微力(笑)

韓国でもよく飲まれるようになったとは言え、
まだ「ワインと言えば赤」とか「白はドイツワイン」みたいな感じ。
豚の脂に合わせてサンセールを差し入れに持ち込みました。
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豚やソーセージ、サツマイモも美味しいです。
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持参したワインやパンも気に入ってもらい、
ひたすら焼き続けるホさんに甘え、ひたすら食べ続けて気がつくと、
どっぷりと更けた夜に、白い煙が吸い込まれていました。
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〆は前回に続き、ホさんお手製の麺料理。
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ベースはインスタントラーメンが好きなのかな・・・?
美味しかったですよ。

さすがに身体が冷えてきたので、屋内へ。
ジョンさんのお店のガトーを分け分け。
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そして前と同じカップに淹れてもらったコーヒーをいただきます。
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ここらで、やっとホさんがゆっくり着席。
最初から最後まで、ずっと動きっぱなし。
洗い物や片付けまで一気にこなし、コーヒーも一杯一杯淹れてくれます。
性分なのかも知れませんが、本当に「おもてなし」を受けたという温かさと、
何も手伝えなかった申し訳なさが入り混じります。
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おしゃべりのお供はヤクルトで(笑)

お一人帰られたので、
ここからゆっくり男三人で仕事や・・・ほとんど仕事の話ですね(笑)
何度かブログでも書いたことあると思うんですが、
「職種」なんてもんは、たかだか「枝葉」のようなもので、
要は「幹」がどうあるのかってのが問題なんだと思うんですよ。
パン屋がパン出来るのは当たり前。
菓子屋が菓子作れるのは当たり前。
なのに専門分野の話ばかり振りかざし、
中身空っぽな方々の何と多いことか。
枝葉である「職種」の部分で僕らは「経験」という養分をいただき、
その骨格を成す「幹」の部分を肥やし成長していくわけです。
どんな仕事してようが、どこの国で働いてようが、勝負するのは、その部分。
専門分野のデザインの話されて「すげぇ」と思わされるより、
全くデザインの話を入れずに「仕事」を語られ「すげぇ」と思わされた今日、
この日この時間を、この場所で過ごせた幸せを噛み締め噛み締め、
分からない言語の向こうの「何か」を感じる為に、
食い入るように、その眼を見つめ続けていました。

一息ついたところで、大好きなアトリエの方へウロウロ。
どこにカメラ向けても画になるんですよねぇ。
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なぁんか、居心地良いんですよね。
アンティーク好きなホさんが買い付けた物なんですが、
全部「そこにあったものが、そこで時間を経た」ようなフィット感。
そこへ「岩永さ〜〜ん!」とジョンさんの声。
どうやら二階へ移動したらしい。
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人影が見えますね(笑)

二階に上がると、ホさんとジョンさんが談笑中。
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そして、「セレブ暖炉」の登場(笑)
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ただし、暖炉の上には庶民の香りが・・・。
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火の中に放り込むこと数十分、
絶妙なタイミングで開かれたアルミホイルの中には、
美味しそうなサツマイモの出来上がり。
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この暖炉、ホント暖かいんです。
暖房器具は、ほぼ暖炉のみ。
で、窓開けっぱなし(笑)
それでも十分、この建物一棟くらいなら暖められます。
何より、パチパチ弾ける薪の音だったり、
ユラユラ揺れる炎の動きだったり、
それだけでワイン1本は飲めますね(笑)
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ゆっくり穏やかに過ごした時間は、
あっという間に過ぎ去り、
もう帰らないといけない時間に。
暖炉の前でホさんが言ってた、
「この窓から眺める雪景色も綺麗だよ」
その言葉を確かめるために、
今度は雪の積もる季節に訪ねたいと思います。
by monsieur-enfant | 2011-12-04 23:18 | 韓国手記´11砕心