2011年 12月 21日
息づく「生」の京都。
僕らは完全に演出側なので、毎年、特に実感もなく、
「ワクワクする」というより、「しっかりしな!」って、その日を、迎えます。
そろそろ更新する時間も気力も体力も無くなっていくと思うので、
ちょろっと和やかな記事をかいときますね。
京都が続いたので便乗して、一年くらい前のを引っ張り出してきました(笑)
祇園と並んで、手軽に「京」の雰囲気を楽しめる、先斗町(ぽんどちょう)。
「祇園と並んで」と言いましても、それは雰囲気の話。
何といっても手頃な値段で楽しめるお店が多いのは魅力ですよね。
狭い路地に、小さなお店が賑やかに犇めき合います。
そんな路地から、更に折れた路地に入ります。
歩いて向かうだけでも楽しくなります。
ただ、ホントによく見ないと見落としてしまいます。
案の定、ここに着くまで何度路地を突き抜けたことか・・・。
結局、角まで迎えに来ていただきました(笑)
折れた路地の一番奥の暖簾を潜ります。
先斗町 「余志屋」
「いらっしゃいませ!!」
好き!!(笑)
もう、入った瞬間好きだと感じるアットホーム感。
入ってすぐ目の前がカウンターなんですが、
そのなかの厨房の空気が何とも言えず、好きな感じ。
大将含め、なんだかドラマでセッティングされたかのような、
「いかにも」な板前さんの面々。
メニューもアラカルトから、おまかせのコースまで幅広く、
ビールと一品だけツマんで帰るオッチャンから、コースを楽しむ遠方のお客さん、
舞妓さんを交えて接待使いしている偉いさんらしき面々。
なんか、「愛されてるなぁ」という空気がプンプンしてるんです。
え?前置きが長いって?
だって、一年前の 備忘録のような記事ですから、
ここから後に、あまり文章は登場しません。
その強迫観念が、前置きを長くさせてるんですね、きっと。
では、スパッと行きましょう、スパッと!
焼き茄子の胡麻ダレ
お造り盛り合わせ
名物、出汁巻き!
ぐじやら何やらの兜焼き
小皿の馬が可愛くて(笑)
これも名物、鴨まんじゅう!
日本酒が沁みます・・・・
ぬた和え
なんだったっけなぁ・・・カキフライだったっけなぁ・・・
お漬物で、一休み。
さ!余志屋と言えば・・・
そう、釜飯です!!
大体、30分くらいかかることを見越して注文を聞きに来てくれます。
そこで具材を決めて(複数も可)焚いてもらうわけです。
この日は・・・何だったけなぁ、ぐじと銀杏だったっけなぁ・・・。
身は解して盛ってくれます。
そして皮は外して更にカリカリに焼いてから持ってきてくれました。
いやぁ、香ばしい。小気味よくカリッカリ音を奏でます。
最後に出てくるのは、黒糖シャーベット。
見た目、ちょっとシャリシャリ荒い気がしますでしょ?
いやいや、何故かすごく滑らかだった記憶があります。
そして、チョロっとだけ醤油をかけると、黒糖のコクと相まって、
甘じょっぱいデザートになるんです・・・って、僕が勝手にやっただけですけどね(笑)
あ、みたらしのタレみたいな感じです。
是非、気持ち悪がられないように、隠れて垂らしてみてください。
全部、美味しかった。そんな良い印象しかありません。
祇園のお店のように、静かで上品な時間を過ごせるわけではありませんが、
いろんな使われ方をしてる様を眺めてるだけで、
生の京都を垣間見れるような気がします。
焼くも揚げるも煮るも焚くも、もちろんお刺身も、一品一品抜かりなく、
胡麻だれにピーナッツが混ざってたりとかの一工夫も、
派手さはないですが、ちょいちょい見え隠れして楽しませていただきました。
大将も気さくに話しかけてくださり、帰る頃には、
おじいちゃん家に遊びに来たかのような錯覚にも陥るくらい、
なんとも温かく、そして美味しいお持て成しをしていただきました。
先斗町の細い路地から更に一本横に逸れた、
喧騒からは隔離された「おじいちゃん家」。
帰りの足取りの重さは、
「帰りたくないなぁ・・・」と思う居心地の良さからくるのでしょうね。
by monsieur-enfant
| 2011-12-21 03:42
| 余志屋