2012年 04月 06日
MUJICAさんにて。
具体的な活動内容が全く入ってないにも関わらず、
多くの励ましやエールをいただけたこと、感謝しています。
日本人はシャイな方が多く、ガラス越しに見守る傾向が多いと感じます。
何とか多くの方に賛同し参加してもらえるような活動になるよう頑張ります。
あの、メールなんですが、いただいたら全部返信するようにしています。
ただ、たまに、届いた時に本文が無かったり、
返信すれども受信してもらえない時があります。
「メールしたのになぁ・・・」って方がおられれば、
何らかの問題が発生してると思ってください。
ご面倒おかけしますが、もう一度メールお願いします。
さてさて、ここで一つ、
書いておかなきゃいけない記事があるのでササッと書きますね。
モンテベロのオープンの際からずっと、
「いつか一緒に何か出来たら良いなぁ・・・」と思ってたんですが、
この度、モンテベロのサロンの紅茶でお世話になってる、
堂島の「ティーハウス ムジカ」さんと、
コラボイベントをさせていただくことになりました。
お伺いして紅茶の話を聞くたびに「へ~~っ」ってことが多くて、
うちも、お菓子の話をじっくりお客さんと話せる機会もなかなか無いわけで。
じゃ、紅茶を飲みながら、お菓子も食べてもらって、
更にちょっとしたお話を交えながら理解を深めてもらえるような企画って、
あったら自分も参加したいな・・・・と思い立ったら吉日、
すぐにうちの企画部部長の横田氏に丸投げしました(笑)

丸投げされた横田氏の図。
ちなみに僕はこのイベントは完全に裏方。
イベント中は一言くらいしか発してません。
なんといっても今回の企画の目玉と言うか楽しみは、
「Mr.T」こと、堀江会長の熱くて分かりやすい貴重なお話。
こういう機会を逃すと、それこそ高い講習料払わないと聞けないようなお方。

見ての通り、めっちゃ気さくなお人柄。
この企画を快諾いただいたこと、本当に感謝しております。
まずは紅茶が各テーブルに配られます。
2種類飲んでいただく最初の紅茶は「ヌワラエリア」。

そのヌワラエリアをポットで開かせながら、
Tさんのお話が始まります。

あんまり話していただいたことを書くと、
わざわざ参加していただいた方に申し訳ないのでサラッと書きますが、
紅茶の種類や産地などの入り口部分から始まり、
現物を前にした、茶葉の粗さによる色や味の出方など、

「偽り」とまではいかなくても間違って覚えてた固定概念を、
ことごとく紐解きながら説明してくれます。
そういえば、クイズに正解したお客さん、
ちゃんとパスタ奢ってもらったのかな・・・?
変わりまして、モンテベロのシェフ、逢坂君が自身のお菓子について話します。

ヌワラエリアにはタルトシトロンを当ててました。
「まず最初に、自分の思い入れのあるお菓子を前にして、お客さんと対話したい」
おそらく、そういう意味があったんだと思います。
続いての紅茶は「アッサム」。
もちろん、ここでもTさんの有り難いお話をいただきます。

ちなみに、このシルバーのピカピカのケトル。
出てきた時から、底の形状が変わってたので気になってたんですが、
30年前にイギリスで買ったという私物のケトル。
「買ったらすぐ捨てるんじゃなくて、一生使える良い物を買うのが大事」
それを大事にピカピカにして使ってるTさんの言葉、説得力あります。
「時間、まだええかな?もうちょっと話していい?」との問いに、
「どうぞ好きなだけ使って下さい」と答える時には、もう「ファン心理」。
上手で飽きないトークに、知らず知らず引き込まれ、
単純に「もっと聞いていたい」って思うのでした。
さぁさぁ、そのアッサムに合わせたのが、こちら。

タルト・シトロンの時に気付いてたんですが、
お菓子の写真を一枚も撮ってなくて・・・。
モンテベロのブログから拝借しました(笑)
いや、やっぱりね、Tさんのお話を聞いてたり、隣にTさんが座ってる前で、
パシャパシャ写真撮れませんて。
で、このお菓子、逢坂君がシェフ就任後、初めてじゃないかな・・・、
試作の一発目を食べて「美味しいね!」って言ったの。
本人は、強いアッサムに少し塩気のものを当てたかったらしく、
マスカルポーネの周りにパルメザンをふんわりと纏わせ、
パルメザンのビスキュイの上に、骨格となるアプリコットのポワレ、
全体をオレンジのジュレがまとめるという構成。
これがね・・・・、悔しいかな、
僕の経験上の「フランス菓子」という概念の中に、
含まれてないお菓子だったんですよね。
別に形や構成が珍しいわけでもないんですが、
何て言うんですかね・・・、何とも言えないフォルムと食感のバランス、
中に忍ばせたアプリコットやオレンジのテクスチャー、
全体が決して「強さ」も「濃さ」も打ち出してるわけじゃないのに、
しっかり印象に残るお菓子。パリのお菓子だと感じました。
「遂に解放し始めたか・・・!」
昨年9月までパリにいて、ベルギーにも滞在経験のある逢坂君。
ポテンシャルは素晴らしいものがあるはずなのに、
どうも委縮した感じが拭いされない半年が過ぎた今、
遂に僕の知らない「『進行形』のパリのお菓子」が、
やっとベールを脱ぎ始めたか・・・と、軽い感慨に浸ってたところ、
「いやぁ、僕もびっくりしちゃいました。」と笑顔の逢坂君。
本人も、こういう着地点に辿り着くとは予想してなかったとのこと。
「え・・・・・、そ、そうなの・・・?」
どうやら引き出しの一部では無かったよう(笑)
ま・・・でもね、うんうん、でも・・・・ま、いいや、うんうん、いいいい。
焦らず、ちょっとずつ、でも確実に、着実にね。
本人にとって今回のイベントは相当な刺激になったと思います。
Tさんという、ジャンルは違えど強烈な情熱と実行力を兼ね備えた方と、
こうして曲がりなりにも同じ土俵で相見えれたこと、
言葉では無い「何か」を感じとってくれたと信じています。
1952年大阪の堂島に「ムジカ喫茶室」として創業されたMUJICAさん。
「紅茶」というものを発信し続けて、今年で60周年を迎えられます。
僕に難しいことは分かりませんが、
「コンビニに行って『紅茶ありますか?』って聞いたら、
間違いなくペットボトルのとこに案内されるでしょ?」
って、日常に根ざしてない現状を残念そうに話していたり、
大手企業やマスコミの「ジャンピング」や「パンジェンシー」などの、
語句だけを抜き取った誤った伝え方にも、溜息をつかれてました。
何となく、そういうとこは分かる気がします・・・。
別に意固地になって知識をひけらかしたいわけじゃありません。
専門家ぶって正論で説き伏せたいわけでもないんです。
ただただ知ってもらいたい。
大事にしてるからこそ正しく接してもらいたい。
「本質」に触れて初めて理解することは多々あるわけですし、
何よりそれによって今までの世界観も変わるわけです。
それが安直な知識や間違った情報によって曲がった捉え方をされるの、
やっぱり我慢できないですもん。
「気軽に楽しむ」とはまた違うんです。
僕はそういう行為を「適当に弄ぶ」と感じます。
だから、本当に楽しもうと思ったり理解しようと思えば、
「多少のインテリジェンスは要るんじゃないですか?」と思うわけです。
ケーキが好きな人、パンが好きな人、いるわけじゃないですか。
でも、ケーキだけ食べてて本当にケーキの良さってわかりますか?
パンが好きなら、チーズやジャム、料理やワインを知って、
初めて見えてくる部分ってあると思うんですよね。
人もそうでしょ?一面だけで全て理解できないじゃないですか。
いろんなとこ見て、それらをひっくるめて初めて理解できるわけです。
モンテベロのサロンでも、「お菓子に水」って方もおられるわけで。
でも、それって本当に「お菓子が好き」ってことなんですかね?
レストランでの「料理に水」とはちょっと違うわけです。
体質的に飲めない人や、仕事中の昼食の方など、
まだ理解できるパターンも幾つかあるわけです。
「いや、水じゃないとそれぞれの味が・・・」みたいな御託並べる方、
百歩譲って水以外の飲み物が味覚を邪魔するとしたとして、
でももう一方に「お菓子を食べる時間を楽しむ」という、
本当の愛でかたがあることも頭に入れといていただきたいんです。
もちろん、何を頼むのも自由ですよ。コーヒーだって全然オッケーです。
ただ、水が売り上げにならないなどというセコい話でも、
「それは提供する側に対する敬意だ」などという面倒くさい話でもなくて、
「好きなものに関わるものにも興味を持つ」ってことは、
単純に「もっと楽しさに触れる為のチケット」を手にするようなものかと。
・・・という話をMUJICAさんでしてると、
「うちにも来ますよ。紅茶頼まないでケーキを水で食べる人」
・・・やめてあげてください(笑)
さて、長くなりましたが今回のイベント、
さっきの話じゃないですが、
「より」楽しむために理解を深めるような、
個人的にもとても有意義な時間だったと思います。
「紅茶」という専門的な話でしたが、あまり知らない僕でも楽しく聞けました。
MUJICAさんでのこういうイベントは初めてのようで、
僕らも相手が相手なのでさすがに緊張してのスタートでしたが、
次からはもっと楽しく出来るように早速意見交換をしています。
モンテベロの皆も定休日に総出で手伝ってくれてありがとね!!
では次回の開催をお楽しみに!!
あ・・・忘れてた。一点お知らせです。
この会に出てた写真のお菓子、
明日からモンテベロに並ぶことになりました。興味ある人は是非!
「一種類じゃ足向かないよ」って方、
今ならもれなくもう一種類新作が出ます!(笑)
シュクレ向かいの桜の木に小粒の花が開き始めた今、
期間限定で桜のヴェリーヌがショーケースに並びます。
えっと・・・桜のヴェリーヌは午後から出るのかな?
どっちにしてもショーケースがまた華やかになりますね!
では、ドロンします!
by monsieur-enfant
| 2012-04-06 23:30
| ケ モンテベロ