ブログトップ

なないろめがね

「ツッコミ博物館」

さて、コルマールから電車で30分ほど。
「セレスタ」という街に移動。白くてキレイな駅に降り立ちます。
c0116714_21191351.jpg

えっと、基本降り立つまでしか決まってません。
過去の街も大概でしたが、ここセレスタは全く予備知識がありません。
画像も見たことがなく、知ってるのは「セレスタ」という名前と、
「パン博物館」なるものがあるということ。

候補には他の街もあったんですが、
さすがに頭のどこかに「パン博物館」が引っかかってしまってまして、
それじゃ、無視するわけにはいかんやろ・・・と、
多少の胡散臭さも感じつつ訪れることにしました。
ま、フランスでもあまり聞いたことのない「パン博物館」、
小さな街にあるわけやから駅で聞けば問題ないでしょ。
なんやったらパンフレットくらいあるかもですしね。
「・・・知らないけど。」
早速、問題ありました(笑)
三人に聞いて三人アウト。仕方ないので駅の地図で探すことに。
いやぁ・・・微妙。「La Maison du Pain」という名で発見したものの、
扱いがその辺の知らない建物と同クラス。
幾つかアルザスを歩いてみて、
「メインの面白施設は街の中心にある」という結論に達したので、
駅の地図からとりあえず真ん中を目指すことに。

信号ちっちゃいんですよね。遠くの車から視認できるのかな・・・。
c0116714_2119329.jpg

アルザスとかドイツとか感じさせない普通の街並みが続きます。
と、そこへ、「あった!」 第一関門の「水の塔」です。
c0116714_2120288.jpg

帰国後に調べてみると、今でも街の飲料水を補給する役割を担ってるんだそう。
ちなみに「観光名所」として紹介されてましたが、
周囲に何もないうえに中にも入れません。
ただ建ってるだけといえば建ってるだけです。
「~の塔」といえば、他にも「魔女の塔」というのがあって、
実際に魔女狩りが行われてた塔らしいです(これも帰国後調べ)。
そういうの嫌いです。オカルトとかダメです。お化け屋敷なんて発狂します。

さて、第一関門の「水の塔」を発見したおかげで、
「関門」が無くなってしまいました(笑)
第一しか用意してないというか、別に目印になるようなもにが無いんです。
と、目の前の景色がちょっと変わってきました。
c0116714_21201580.jpg

どうやら目抜き通りらしきとこに入ってきたようです。
周囲はアルザスっぽくなってきましたし、今まで全く無かったお店も現れ、
人もよく見かけるようになり、活気が出てきました。

時間も時間なんで、どっかでお昼でも・・・と思ってたところに、
c0116714_21205959.jpg

良さげなお店と遭遇。席からの街並みもキレイなので、ここでいただくことに。
c0116714_21211226.jpg

「ムニュ テロワール」は、郷土料理のコース。
まずは滞在中のお決まりのクレマン ダルザスで一息。
c0116714_21215030.jpg

さりげなく当たり前にパンのある景色。一人でニヤつく。
c0116714_2122626.jpg

パン食べるの・・・というより、パンという存在が好きなんだと思います。

まずはパテ アン クルート。
c0116714_21224176.jpg

思ってたよりちゃんとしたの出てきてビックリ。
下にはキャロット ラペ他、相当な量のサラダが。

怪しい台の上で取り分けてくれてるのは、言わずもがなのベッコフ。
c0116714_21225771.jpg

ブリキチックな怪しい台の中には、ロウソクが二つ灯されてましたが、
冬場にこの保温効果は期待できないでしょ・・・。ロウソク増えるのかな?

取り分け完了のベッコフ。これで後半量まだ残ってます・・・。
c0116714_21232695.jpg

で、ご丁寧にボリュームたっぷりのサラダ付き。
日本ではこれをお節介と言います(笑)

お決まりのグラスにリースリングをナミナミと。
c0116714_21242670.jpg

でも、今日はデセールも食べます!
その為にコルマールのマルシェで見て見ぬふりしてきたんですから!
c0116714_1504968.jpg

これも思ってたよりまとも。いや、どれも本当美味しかった。
仕事も丁寧。接客もトレトレサンパ。
c0116714_1251575.jpg

来る人、来る人と、握手やハグ。
お客さん同士もそう。多分、昨日もここで会ってそう。
そんな景色を見てると、本当に愛されてるお店なんだなと思う。
それにしてもこっちに来て思うのは、店と客の距離感の近さ。
それは「遠慮ナシ」とか「なあなあ」とかとは違っていて、
店は客を店の一部だと、客は店を生活の一部だと、
お互いがファミリーのように存在し合ってる。
もちろん国民性の違いもあるでしょう。
どこに行ってもせめて一店につき一名はサンパな方がいるのがフランス。
日本では、そんなテンションで接客を回せる人材を探す方が困難。
ある程度の縛りのあるレストランならまだしも、
ほぼフリーなビストロやブラッセリーなどは、
日本人の特に苦手とするジャンルだと思います。
でも、そこはある種仕方の無い部分だと割り切っても、
日本は「店は店、客は客」と、明確に区別していることが問題で、
ある意味何かを共有もしくは共感しなければならない部分すら、
引き離してしまってるような気もする。
時間も空間も、一緒に作ってるのにな・・・って思う。
c0116714_154312.jpg

あ、話は逸れましたが、これでムニュが29ユーロ。
近くの街に宿泊してたら、ここまで食べに来るかも。
・・・ってくらい美味しかったです。

さ、目的地はここでは無いわけで、
出発前に聞いてみました。「パン博物館って、どこにありますか?」
結構、通り過ぎてましたね(笑) でも、それでこの店に出会えたなら本望です。
一応、ざっくり説明された方向に歩いていきます。
旧市街のような街並みを歩くと、駅周辺とは見違えるような美しい街並み。
c0116714_21291775.jpg

そして、お花は付きものですね。心がパッと晴れやかになります。
c0116714_21293198.jpg


確か、教会がどうとか言ってたような・・・と思ったら見えてきました。
手造りで建てられたような温もりのある佇まいの、サン・フォイ教会。
c0116714_2130396.jpg

今まで何回も教会なるものにはお邪魔させていただいてきましたが、
今回は入れませんでした。それは街の方のお葬式があったからです。
観光用とまでは言いませんが、たまに祈りを捧げている方を見るだけで、
リアルな「生活」の中にある教会の姿を感じる程度。
これだけ生活に密着した使われ方を見るのは初めて。

12世紀に建てられた、この教会。
街の中にあり、市民の中にあり、今も尚その役割を果たしてる姿と、
街中に、この哀しい出来事を届けんかの如く鳴り響く鐘の音が、
どこか泣いてるようで、寂しげで、胸の奥の方を揺さぶられながら、
しばし教会の前で立ち尽くしていました・・・。

と、そう言えば、教会がどうの言ってたけど、
周りには何も無い・・・と思ってたら、もう一つ、さらに大きな教会が。
c0116714_21301643.jpg

こちらはサン・ジョージ教会。1452年に建設されたそうです。
c0116714_21304278.jpg

中に入ると、他とは違った色に包まれてます。
c0116714_21305760.jpg

「へぇ~~・・・、ステンドグラスの色が他と違うのかな・・・・」と思ってると、
ベタに赤とか緑とかのフィルムを貼ったライトで照らしてるだけでした。
・・・・そういうの、やめて。

ここに来て、結構大きな建物も目に飛び込んでくるようになりました。
で、目指す「博物館」、どんな立派な建物なんやろ・・・と期待も膨らむ中。
「あれ?」
c0116714_21322327.jpg

それは、うっかり唐突に目の前に現れました。
正確には、現れたというより気付いたらそこに在りました。
c0116714_21325094.jpg

「La Maison du Pain D’ALSACE」(パン博物館)
c0116714_21333157.jpg

これ、「ちょっとデカイ家!」
それに、「D’ALSACE」とか初めて出てきたし!!
めっちゃ限定されてるやん!!
ある程度は覚悟して来たものの、すんげー小さい。
今はお昼休憩のため灯りも落としてて中もあんまり見えない。
午後のオープンまで30分はある。
どうしよっかな・・・って、さすがにここに来て帰るのは悔し過ぎる。
そうこうしてると、何名か、中を覗いたり、傍で腰掛けて待ってたり。
「あ・・・、もしかしてここはやっぱり有名なパンの聖地みたいな感じで、
アメリカとかから熱心に見に来たとかいう感じなんかな・・・」と、
単にリュック背負った外人さんを、
アメリカからの熱心なベーカーさんに見立てて自らの気持ちを繋いでいました。
14時前には4,5人が開店を待ってる状態で、
「彼は多分オランダからで・・・・、彼はニュージーランドで5年くらいやってて・・・」
と、妄想を膨らませている間に14時になりました!!
c0116714_21341833.jpg

・・・・って、ガチのパン屋!!
普通にパン売ってるし、みんなパン待ってただけやったし、
しかも、「パン博物館併設ならでは」みたいな珍しいものとかも無いし、
c0116714_21344095.jpg

ん~~~、かと言って、変なパンは無くて比較的キレイな成形で・・・・って、
そこ、中途半端!!
ツッコミ疲れも出てきたところで、ふと目をやると受付のようなものが。
c0116714_2133551.jpg

やっぱり、ただのパン屋じゃなさそうですね。
どこがそうなのか見当たりませんが、ちゃんと「パン博物館」は存在してそうです。
「博物館に行きたいんですけど。」「4.6ユーロです」
金、取りますか!?
しかも、金閣寺でも400円ですよ。結構強気・・・ということは、
逆に期待も高まるというものです。
「で・・・・、どこに博物館は・・・・?」
「そこの入り口から入ってください」
c0116714_21352929.jpg

これ、厨房~!!
さっき生地持ってオッチャン出てきてたとこ!
そこに貼り紙してるだけやん・・・。

扉を開けると、ちょっとムワッと発酵臭のするパン屋の厨房。
ま、主には粉を扱う仕事は店内で、発酵はこっちにホイロがあるのでこっちで。
なので、粉が舞ってたりはしないんですが、その同じフロアに、
c0116714_21354672.jpg

こういうのとか、
c0116714_2136284.jpg

こういうのとか、
c0116714_21362595.jpg

こういうのとか、
c0116714_21364331.jpg

実際使ってるのとか(笑)、
c0116714_2137059.jpg

ミニマムな製粉機とかが展示されてるわけです。
展示というか、置きっぱです。
c0116714_21371794.jpg

で、次は螺旋階段を上がります。
c0116714_2138951.jpg

そして、二階以降はフロアもなく、単に螺旋階段を上りながら、
窓際のちょっとしたスペースに展示されてるものを眺めていく感じです。
c0116714_21374762.jpg

こういうのとか、
c0116714_21383713.jpg

こういうのとか、
c0116714_2139150.jpg

実際、貴重な物とかあると思うんです。
間違いなく日常的には見れないものや初めて見た物もあります。
でも、それをそう見せない感じ。いや逆にそれをそう見たい感じなんですけどね。
とかブツブツ言いながら螺旋階段を上って見上げると、
c0116714_21392591.jpg

こぅわっっ!!
ここでマネキンいりますか!?本気で怖いんですけど。
あんまり変わってない売り場の再現とかもいらんし・・・。

さ、最上階に来ますと、ようやくフロアに出ます。
ここは、ようやくまともな展示らしきものも置いてます。
フランス人のセンス炸裂の、ダサ可愛い飾りパン。
c0116714_21395398.jpg

大体のフランス人が動物とか作るとこんなビジュアルになります。
それを爆笑してたら、ちょっと足が細かったとこを指摘され、
「お前の象は、競走用か!(笑)」と笑い返された屈辱を思い出します。
・・・ツッコまれてるけど、字は大きくしてあげません。

あ、こっちは「らしい」と言えば「らしい」ですね。
c0116714_21401574.jpg

さすが本場。いろんなサイズがあるんですね。
あとは、日本でもよく見られるような、
水車とかあるような、昔の生活を再現したミニチュア模型とか、
ちょっとした機材とかも展示してましたかね。
もちろん日本と違うのは、米じゃなくてパンを作って食べてること。
当たり前なんですけど、「こんな頃からパンって作られてたんや・・・」と、
感慨に浸りながらも、何か音がするのでそっちのほうに歩いていくと、
c0116714_21403341.jpg

だから、マネキン要る!?
急に前触れ無しで立ってるから、ホントにビックリします。
完全に無くてもいい感じ。でも、自分もビックリしたから撤去はしないでいい感じ。

音の鳴るほうへ歩いていくと、
そこはちょっとしたスペースに。・・・ホントに「ちょっとした」ですが。
c0116714_21535285.jpg

音の主は、上にあったブラウン管のテレビに映されたビデオ。
c0116714_2154181.jpg

どのくらい上か、そしてどれくらい「ちょっとした」かと言うと、このくらい。
c0116714_21542887.jpg

角度、急ぅ!そして狭っ!
基本、前列しか見れない感じ。
一応、内容はまとも。
小麦から小麦粉になるまでのドキュメント番組を録画して再生してる感じ。
今回、製粉会社への訪問も予定にあるので、良い予習になりました。
で・・・・・、え?おしまい?

そうです。ここからはエレベーターで一階までピューッと降ろされます。
で、勿論さっきのパン屋のフロアに出るわけです。
ちょっとしたサロンがあるのですが、そこも「博物館用」とかではなく、
パン屋同様、普通に近所のオッチャンオバチャンの溜まり場と化してました。

幾分かの消化不良感を引きずりながらパン屋・・・いや博物館を後にします。
c0116714_21544640.jpg

振り返った「パン博物館」の横に並ぶさっきの教会が、
「ごめんやで・・・・」と言ってるようでした。
[PR]
by monsieur-enfant | 2012-10-04 02:10 | フランス 2012