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なないろめがね

プロローグ

今年の夏休み、の話。

フランス行きが決まってたものの、8月は本当にバタバタしてて。
イベント数件に、岡山・牧場ツアー、韓国は釜山に2度赴き、
直前までフランス行く前に東京行くのをスッカリ忘れてて・・・・。

出発前日まで何の準備も出来ず、
「あーーーー、ヤバイなぁーーーーー」って、
空っぽのスーツケースを眺めていました。

そして荷造りも出来ぬまま・・・・、
日曜日の仕事終了後、やっぱりバタバタバタッと、
「パスポートさえあれば何とかなるわ!」くらいのノリで東京へ出発。
目的は、ご無沙汰しまくってる東京のシェフたちに会うことでした。
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バカール」の石井シェフと待ち合わせをし、
仕事終わりで「フロリレージュ」の川手シェフが合流。
他の店に食事に行ってた「」の長谷川シェフと、
ずっとお互い知ってたものの今回が全くの初対面だった、
ブーランジェリー スドウ」の須藤さんが駆けつけてくれた、
何を話したのかもよく覚えてない・・・・、
いや確かプロレスと戦国武将の話だったような・・・・、
ま、久しぶりにグダグダと飲んだ、楽しい楽しい夜でした。

で、翌日、見事に寝過ごす・・・あ、まだフランスじゃありませんので。

考えてみれば今年、全然行けてなくて初東京だったもんで、
遅ればせながらですが心の恩師の新店に、ようやくご挨拶に行けました。
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ようやく向かったのは昼過ぎ・・・というか、もう陽は傾きかけてました。
・・・というのも、行き方だけは聞いてたんですが、
所要時間は頭に入ってなかったのです。いやぁ・・・・遠かった!!
「エコファーム アサノ」
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千葉県八街市にて全国のシェフの信頼を預かる、
浅野悦男さん手がける野菜農園です。
ここを手伝う今村さんtご縁が出来て、あと、うち母方が千葉なもんで、
フランス前の一日を使ってご挨拶に来たのでした。
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浅野さんの畑は、「余計なことをしない」。
年に一度、霊芝エキスを製造している工場で出た搾りかすを混ぜた堆肥と、
カルシウムを補う牡蛎ガラの粉末を入れ耕し、後は適期に種を蒔くだけだそう。
その後収穫まで追肥も、水やりもほとんどしないんだそうです。
だから・・・かは、解らないけど、ここの野菜はどこか楽しそうなんです。
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なんていうか、小さな葉だって、チマチマせずにワサワサしてる感じ。
「生えてる」じゃなくて「生い茂ってる」って感じ。
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少し歩けばそこに生る野菜を食べさせて下さり、
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また少し歩けばそれに纏わるエピソードなども話して下さり。

これはね、紅オクラというんだそう。
その葉と、蕾と、オクラになった姿。
皆さん、どの状態を出荷すると思いますか?
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答えは、「全部」です。
浅野さんは、食べれる状態ならドンドン出荷し、
取引先のシェフの創造力に委ねます。
葉も、オクラなんです。食べてると、オクラの味だけでなくネトネトも感じるんです。
蕾は、剥いたらドリルのように美しく捩じれてます。
その花びら一枚一枚も、葉のようにオクラの味がしますし、ネトネトもします。

花キュウリだってそう。
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「花が付いてたほうがカワイイ」と思うなら、出荷します。
通常出荷されるものは花が取れてもう少し大きくなるわけですが、
そっちのほうが皮が厚く水っぽい。小さいほうが凝縮されてるんです。

唐辛子もね(辛くないやつ)、
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大中小、卸先の必要に応じて送っちゃいます。
どれが正解とかないんですもん。それぞれ、特徴があるんです。

茄子もね、
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もっと小さい時は白いんです(この茄子はね)。
そして大きくなるに連れて、下から紫がかってくるんです。
白い部分は、すごくキレイな味。紫が挿してくると薄っすら苦みを感じます。
じゃ、半々の状態で出荷したら?食べる部位によって、茄子の味は変わるわけです。

どうですか?
「オクラ」は「オクラ」になるまで、
「茄子」は「茄子」になるまで出荷出来ないと思ってませんでしたか?
じゃ、いつから「オクラ」で、いつから「茄子」なんでしょう。
ね、ここで話を聞いて、実際齧らせていただいたら、
自分の、知らずに出来てた固定観念の煩わしさにイラッときます。
「規格」って、誰のための何のための「規格」なんでしょうね。
もちろん「規格」によって統制がとられバラつきが減り、
基準が生まれることによって責任の所在も明らかにしやすい。
同じものを作ることが目的になり、同じであることに安心する。
ま、一方的に「悪」とする気はないんですけどね。

ただ、その半面失われるのが、自由な発想や感性、創造力。
浅野さんの出荷のタイミングは、定められた「規格」ではなく、
スペシャリストとしての経験や感性、そして確固たる価値観から決められます。
もちろん、届いた先のシェフが何を想い、どう使うのか、
その辺りも、ちゃんと考えてるんですよ。
残念ながら、と言いますか、一般向けには販売されていません。
読んでもらったのでわかると思いますが、上記のような付き合いを、
不特定多数の方とは出来ないですもん。
信頼関係の構築は、簡単なものではないのです。
あ、そりゃ料理人だからといって、
誰しも受け入れてもらえるわけではありません。
それは、自分も相手を好きになりたいから人を選ぶんです。
好きになって、その店のために役に立ちたいから、人を選ぶんです。
その考えはね、分かる気がするんです。
僕の場合は、生意気だの高飛車だの言われましたけどね(笑)
僕らだってね、お店と一緒になって、
お客さんを喜ばせようと、離れててもしてるつもりです。
出荷したらオシマイ・・・じゃなくてね、「貢献したい」と、思うんです。
そしたらね、相手だって限定されてきてしまいますよ、必然的に。

・・・っていうか、夕方、蚊、半端ないっすね!(笑)
短パンで行った僕が悪いんですけど、もう刺され放題。
そんな中でのパチリ。大事な一枚の写真。
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右は、自分でやってたイタリアンを閉めて、浅野さんと働いてる今村さん。
僕と浅野さんを繋いでくださった有難いお方です。
そして・・・・東京まで送り届けてくださり、ありがとうございました!!



それから一ヵ月後くらいだったかな・・・・



思いのほか早く再会の機会は訪れました。
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その機会は、青山にあるレフェルヴェソンスさんでのコラボイベントでした。
「当日やることないコンビ」の僕らは、皆さんが料理してる間中、
淹れていただいたお茶を飲みながら、ずっと談笑していたのでした(笑)
by monsieur-enfant | 2013-11-05 16:19 | フランス2013