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なないろめがね

「ル カストレ村」の巻。

さてさて、すっかり忘れられてる感じですが、
がっつり寒くなってきたタイミングで、
のうのうと9月の記事を書きますよ。ええ、焦ることなく。
この流れで年内締めようってくらいの勢いです。

で、ですね。
今回、なぜ「南仏」だったかと言いますと、って話です。

えっと、正確には、「行くって言っちゃったから」、なんです。

春先ですかね・・・・某百貨店で恒例の「フランス展」が開催されまして。
テーマが「南仏」だったんですよ。
そこに一人のブーランジェが来てまして。
そのブーランジェは、南仏の小さな村から来てたんですが、
何の偶然か、うちのお客さんでたまたまその村に行った方がおられて。
しかも、そのブーランジェと会話した際に、
大阪の催事に来ることも聞いておられて。
で、「ぜひ会わせたい」とのことで、
催事場にて引き合わせていただいたわけです。
とっても人懐っこく優しい風貌で、
たどたどしいフランス語の初対面の僕にも親切にしてくれました。
そうなると、ですね・・・・・自動的に「行きます!」ってなるわけですよ。
なりますよね?うん、なるなる。普通、なる。
しかも、どっから来たのかも聞く前に、ね。

まぁ、日本の百貨店の催事に呼ばれるくらいですから、
よく日本人が行くようなとこで、ちょっと聞けば分かるような有名店だろうと。
それくらいの検討はつくわけですよ。
「ル カストレ村」
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まさかニースから車で二時間半、しかも山の上とは思わなかったわけです(笑)

っていうか、ですね。
今回、出発前の8月が尋常じゃなく個人的にバタバタしててですね。
信じられないかも知れませんが、予備知識全くゼロなんです。
一応、催事場で引き合わせていただいたお客さんには、
「行きます」とは伝えたんですが、「遠いから無理」と言われて。
その代わり、「じゃ、ここに行ってみたら?」と言われたので、
「じゃあ・・・・」って、丸投げしたんです(笑)
つまり、「予備知識ゼロ」どころか、
正味どこに行くのかも知らずに南仏に降り立ったわけです。

ただ、南仏にはかれこれ12年位前、修行終わりに「バカンス」と称して、
フラッと一人旅来てるんです。
マルセイユのブイヤベースで食あたりしてからのアルルでは、
宿から一歩も出れず、おかゆが食べたくて、
スーパーでリオレを買って食べただけの記憶が残ってます。
あと、ニース、そしてモナコ。
Le Louis XV(ルイキャーンズ)は、
「日本に帰る前の自分へのご褒美」と言い聞かせて説得しました。自分を。

そんな感じで、ニースも知らないわけじゃないので、
久しぶりに街でも散策しようかと、全くの無策で降り立った空港で考えてたら、
「ニースの知り合いに行ってもらう」と聞いてた男の車に乗り込むと、
「あれ?・・・あれ?ニースは?」って言ってる間に、
ルカストレ村に着いたわけです。と言っても2時間半かかってますけど。

さ、このルカストレ村。
本当に、そこそこ高いとこにあるわけです。
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ね、そこそこでしょ・・・。
上がって来るときの坂も、結構なもんでしたよ。
ただ、まぁなんせ石造りの街並みが可愛い可愛い。
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更に天気も快晴で、抜けるような青い空に合うんですよね、街並みが。
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ま、例に漏れず街の中も坂は急なんですけどね。
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で、うろうろしてたんですが、一応目的は人に会うこと。
と言いましても、正直日本の催事で少し会っただけの訪問者を、
覚えてくれてるもなにも、歓迎してくれるのかが不安でした。
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ここ・・・・だそうです。
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中に入ると・・・・・
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いやぁ~~~~、なんとまぁあったかい雰囲気!!
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焼き菓子がズラッと並んでるのもあるんでしょうけど、
店内全部が素朴であったかい雰囲気を醸し出しています。
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並んでるお菓子はどれも美味しいそうで、南仏ならではのものも勿論あります。
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他にはオリーブオイルも、
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ハチミツなんかも売ってたりします。
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で、パンは本当に素朴。しなやかで素朴。
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で、で!催事場での「行きます!」から、本当に来ちゃったポールさんとこ!
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良かった、覚えててくれてました!
「よくこんなとこまで!」って言うから、「僕もそう思う!」って言っといた(笑)
小腹が空く時間だったので、一緒にポールさんオススメのランチに行くことに。
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すごく開放的で、素敵なテラスでの昼食。
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こういうとこでの食事の割には・・・っていうと怒られますが、
なんかすごくセンスが良いので聞いてみると、
シェフはロブションのお店で働いていたそう。
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丸々太った・・・というか詰められたイカ。
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「デセールは・・・?」って話になると、
「うちに美味しいソルベがある」っていうので、デセールはそっちで。

さっきはあんまり見てなかったんですが、
軒先にあった一瞬、パチもんかと思うような派手な冷蔵ケース。
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その中には、まさかの産地厳選オーガニックフルーツを使った、
旨そうなソルベが何種類も!!
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試食をほぼさせてもらいましたが(笑)、本当に美味しい。
んんんん~~~~~っと決めきれずに結局3種盛り。
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何食べたかは忘れましたけどね・・・。

そのあと、「どこでパン作ってるんですか?」と聞くと、
「山羊小屋だよ。見に行く?」と。
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あ、ちなみに手前にチラッと写ってるのは、今回の旅のお目付け役、
空港に迎えに来てくれたシルヴァンです。はい、この日が初対面です(笑)

さ、ポールさんの後を追って山羊小屋に入ると・・・・
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本当にそこは厨房でした!
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しかも、店の商品全てをここで作ってるとは思えないくらいの狭さ!
焼成は全部コンベクション!最近、古い窯から買い換えたんだって。

ポールさん、本職はパティシエ。
だから、「パンはあんまりわかんないんだ」って。
でも、いまだに年に一回、
ちゃんと近くの有名な製パン学校に勉強されてます。
美味しかったですよ、彼のバゲット。
「本当は、店に冷蔵ショーケースが無いのが悔しい」って言ってました。
観光地で、住んでる人も多くないので、
生菓子を作るとロスが多くなっちゃんだそう。
それでも、近隣の住人の方から注文が入ったときは、
張り切って作ってるって嬉しそうに話してました。

ルカストレ村で生まれ育ったポールさん。
この地で、この地なりに工夫しながら、
遠い異国の催事に声がかかるくらいになりました。
それはまるで、山羊小屋から出たとこにあった、
古いオリーブの木のように深く深く、
この地に根ざしている想いがあるんでしょうね。
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今は、息子さんが戻ってきて、
店を継いでくれるよう頑張ってくれてるんですって。
あ、そういえば、
ランチ食べたお店のシェフは街を出たがってる・・・って愚痴ってました(笑)

そんなに長くいれたわけじゃないですが、
その間、ずっと相手して下さったポールさん。
快晴に恵まれたこの日のルカストレ村のように、
あったかく、晴れやかなポールさん。
「また行きます!」って、今度はそんな簡単には言えないけど、
この村の存在を知ったのも、実際ここに足を運んだのも、
ポールさんとの出会いがあってこそ。
出会いに感謝。
それをしみじみ感じながらルカストレを後にします。
by monsieur-enfant | 2013-11-18 13:47 | フランス2013