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なないろめがね

次の「今」を築く為に・・・

実はもう二ヶ月も前の話。
その二ヶ月の間、一日一秒無駄にせず
一センチでも前に進もうとしてるレストランのお話。
皆さんに「レストラン」というカテゴリーを、少しでも理解していただければ幸いです。

まだ幾つかオープンのお祝いのお花が残ってる五月の終わり。
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まともに営業日に来たのは、この日が初めて。
米田さん以外の人の仕事に触れるのもこの日が初めて。
レストランとは、オーケストラのようなもの。
シェフ一人・・・指揮者一人有能でも意味がありません。
求めてるところが圧倒的に高い料理人です・・・
期待に不安が入り混じり、久しぶりに緊張して料理を待ちます。
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以前、あまりに酷い店があって、「これがレストランですか?」と問うたところ、
「レストランとはなんですか?」と逆に質問してきた馬鹿シェフがいましたが、
僕にとっては食欲という欲求を満たしながらも五感を満たす場であり、
尚且つ食を通じた最上の社交場でもあると思います。
あくまで「最上」とし、「最高」としないのは、それは適材適所といいますか、
「カツ丼食いたい!」って思った時にはカツ丼を食べるのが最高だからです(笑)
ビストロが好きって方にはビストロ料理が最高なんです。
でもレストランが「最上」であることには間違いありませんし、
「最上」でなければいけないとも思います。
当然のようにそれを求められる場所、それも「レストラン」です。
何が「最上」?なんて質問は愚問です。
なぜなら、「全て」だからです。
それが僕の中の「レストラン」という世界です。
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さ、硬い話は置いといて、
心と時間を委ねることにいたしましょう・・・。
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パンは某店のパン(笑)
お昼はプティ バゲットのみですが、夜は数種つきます。
アミューズの間はパン出ません。
前菜のスタートに合わせて右から、ニンジンとディルのパン。
オマールにはオレンジとアーモンド、オリーブオイルのパン。
フォアグラには少量のオールスパイスとノアゼット。
肉料理には黒米のパンです。
そしてフロマージュ用二種。
しかしあくまで個性は控えめに。
あくまでパンとしてのアプローチ。
そしてあくまで「いかに自分のところのパンをおざなりに考えてたのか」と、
ここに食べに来られた料理人に投げかけるメッセージ。
メニュー変更の際にはパンも変更になります。
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アミューズ
ヒラメのカルパッチョ
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うんうん・・・はいはい・・・美味しいです(笑)

ウッフ ア ラ コック
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メレンゲもそうですが、火入れが弱い白身は生臭を感じてしまう。
スプーンが入れにくいので、殻を持って飲んじゃいました(笑)

ホタテのムース・・・だったかな?
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う・・・これはこれで・・・なんですが、現物も食べたかった・・・。

サンセール
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mineral
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大地への敬意とミネラルの表現。
土の養分を吸って育つ野菜でその豊かさを、
それ以外の海に流れ出たミネラルに出会う貝のエキスを還元することで
一皿の表現としています。
今は盛り付けも野菜の種類や数も、だいぶ変わったんじゃないかな?

オマール バニラとオレンジのアクセント
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素晴らしい火入れ。溜息ものです・・・。

今日は白に続いて二本目。知り合いの店ですから張り込みました(笑)
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フォアグラ 焼塩のみの調理
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昔、ノルマンディのビストロで
ポトフの上にフレッシュのフォアグラを山盛り乗せられたことがあったが、
風味を損なわず加熱してることで、より凝縮された印象。

ジャガイモのスープ トリュフのグラス
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いやぁ、これ美味しいです。トリュフのグラスはエロエロでした。
でもショーフロワが狙いのはずなのに、ほとんど溶けて温かったのには残念。

ブレス産の鳩
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パルフェな火入れ。比較して申し訳ないが、
カンテサンスでいただいた鴨の火入れを思い出させる。
比較して申し訳ないが、ロオジエのそれとは別次元(笑)
随所に表れる、技術の高さと求道者の如き精神。

フロマージュ  ちょっとづつ沢山の種類をいただける幸せ。
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イタドリのソルべ
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イチゴのサンドイッチ
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プティ フール
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エスプレッソ
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オープン前に試飲もさせてもらいましたが、
ここのエスプレッソ、美味しいです。


いやぁ、大阪のお店でこんなに写真が多くなるとは(笑)
しかし、この量を食べてお腹が重くならないフランス料理はやはり今の世代。
その中でも秀逸の料理の数々。
でも逆に全体的に観た場合、ドラマがない。
素材に最良の・・・と考えると、
アプローチは変われど自ずと提供する温度も似通ってくる。
優等生だが表情に欠ける・・・と言ったところか。

そして、多くの人が思っている「今のフランス料理」の
さらにその先を行く世界観。素材観。
カンテサンスの時にも書いたような「削ぎ落とされた」フランス料理。
受け入れられず苦しむのか、
凌駕しねじ伏せるのか・・・。

僕もオープン時そうでしたが、まず再現することから始めなければいけない。
よりリアルに再現出来て、初めて次のステップに進めるわけです。
物真似という意味の「再現」ではなく、
自分の中に培ってきたアイデンティティを具現化していく作業なんです。
そしてそのあと、一種の開き直りに入ります(笑)
というか、やっと開き直れるんです。
「自分が感じたままが正しいんだ」って。
苦しみ、乗り越えたものだけが感じる揺ぎ無い境地です。
今まだオープンして数ヶ月ですが、
毎日の些細な瞬間瞬間の中でその作業は行われ、
そして幾つか確信へと変わってきています。
まだ伸びしろを感じる恐ろしさ。
それこそ米田という料理人の最大の魅力なのかも知れません。
いつしかその魅力的な人間性も料理に投影され、
お皿の向こうに、いろんな表情のシェフの顔が見えた時、
沢山のお客様の心のアルバムに、
このレストランで過ごした時間が刻まれていくことでしょう。

五時間かけて、やっと書き終わりました・・・。
未だにブログは重労働です・・・・。
by monsieur-enfant | 2008-07-24 06:33 | HAJIME