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なないろめがね

2009年 06月 10日 ( 1 )

某会の打ち合わせも兼ねて伺った店が定休日なのを
シャッターの下りた店の前で気づき、移動・・・。
じゃあ・・・と言ったら失礼ですが、
また「ル ヌー パピヨン」
出没頻度、高いですね。
今日も心地よい気温だったので、一人テラスでいただきます。
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晩のメニュー構成が変わったんですね。
後から聞くと、テラスとカウンターのみカルトも頼めるそう。

キャビア ド オーベルジーヌ
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もちろんキャビアは入ってません。
ナスの種がキャビアのように見えることからつけられた名前。
南仏ではタプナードと同じように使い勝手もよく、重宝がられるペーストです。
旨いです・・・。早くパン持ってきてくれ~(笑)

アジのマリネ 温かいジャガイモのサラダ
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お・・・ポーションが減ってる・・・。
さすがにカルトの時と一緒の量では出せませんよね。
お味は前と変わらず美味しくいただきました。

1人なので、豚さんが話し相手(笑)
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続いては・・・・
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「いつも不人気なものばかり注文いただき、ありがとうございます」と(笑)。
え!?不人気なんですか?この気持ち悪い内臓が?そりゃ、不人気でしょうね(笑)
その中身は・・・
茨城県産 仔牛のトリッパの煮込み グラドゥーブル
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いわゆるモツ的に言えばハチノスと呼ばれる部位。
文字通り、蜂の巣状になってるのが名前の由来。
これ、原型は超気持ち悪いです(笑)
南に行くと多いんですよね。
僕はニースに行った時に、この料理がスペシャリテの店に行きましたが、
グロ過ぎてグロ過ぎて(笑)原型を容易く彷彿させるいでたちで提供されますから。
国産のは臭みもなく食べやすいので、是非チャレンジしてみてください。
こういうのが普通に注文されるには、まだ時間がかかるんでしょうね。
ヌーパピさん、頑張ってください!

付け合わせに、お野菜たっぷり。ありがたいです。
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デセールは、クレープをチョイス。
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夜風に吹かれながら、ゆっくりエスプレッソをいただきます。
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オープンから、本場を凌ぐボリュームでパリ溺愛組を魅了してきた川田シェフ。
ただ、やはり・・・というか、一般のお客さんには多すぎたようで、
前菜一皿でお腹いっぱいになってしまう方も少なくなかったとか。
この度プリフィックスのムニュにしたのは、
パリと同じように日本人にも前菜からデセールまで、ちゃんと味わって欲しかったから。
そのために料金もポーションも落として、1人で食べきれるようにしたそうです。
ま、それでも結構ボリュームはあるんですけどね(笑)
それに今のパリのビストロは、リアルにこれくらいの量でしょう。
ただ、このポーションだと正直僕にはちょっと寂しい感じ。
先日、東京のビストロで豚三昧してた時に感じた「どこか満たされきらない感じ」。
お皿が出てきたときに高ぶりきらない高揚感。
素材の匂い以外の、皿からはみ出んばかりに醸し出される「パリ」の匂い。
それがヌーパピさんにはあったんですよね。
それがこのムニュだと同じく「どこか満たされきらない感じ」になっちゃうんです。
でもそれで残されてしまっては意味無いですからね・・・。
まぁ、カウンターとテラス限定ですがカルトが頼めるそうなので、
ガッツリ食べたいときは、そこを利用させてもらえば問題ありません。
その時はプンプン皿からはみ出るくらい漂うパリ臭を、
また思い出させてくれることでしょう。
みなさんも、体調や、同伴者に合わせて上手に使い分けてみてください。
ここが「パリ」であることには、なんら変わりはないのですから。

でもね、ここで一つ考えてみたんです。
パリのようなポーションで、本場を語りながらも一皿で帰られてしまうのと、
日本人向けに少しポーションを落としながらも、
パリで提供されてるような料理をちゃんと前菜もメインも味わっていただくのと、
どっちが「フランス」をちゃんと感じれるんでしょうか・・・。
ま、結論から言うと、もう僕が書いちゃってますけど、
上手に使い分ければ良い話なんですけどね(笑)
どっちもちゃんとパリを感じられるわけですから。
じゃあ、例えば僕らの場合「カスクルート」などがそれに当たるんですけど、
いわゆる本場のサイズはバゲット丸々1本なんて当たり前。
せめて半分くらいで提供されるのが関の山。
少量で多品種食べたい日本人からすると、
バゲット1本のカスクルートを食べてしまうと、他は何も食べれなくなってしまいます。
おまけに欧州の方とはあごの力も違うし唾液の量も違うわけです。
それで敬遠されて「フランス」を感じてもらえないのであるなら、
ポーションを小さくしてその中でフランスを感じてもらうほうがいいのではないか・・・。
ただ、作り手としますと、やはりハーフ以上のサイズのカスクルートは、
ビジュアル的にもパリ臭がプンプンしてきてテンション上がります。
あと、フランスではパンは焼き戻しません。
じゃあ、それをフランス的だと言って日本でもするとどうなるか。
高い湿度を吸収して、すぐに湿って固くなってしまいます。
スタイルはフランスかも知れませんが、
湿って固くなったパンからはフランスは香りませんよね。
逆を言うと、パンを温めなおすのはフランスではないかも知れませんが、
でも温めなおすことによって、乾いた気候故でいつまでもパリパリなフランスのように、
パリパリなパンを提供できるとしたら・・・・どっちがフランスなんでしょうか。
もちろんこれらはモノとしてフランスを再現できてるという前提の話。
しょうもない「日本人に合わせて」的な話じゃないですよ。
貫かなきゃいけないこと、貫かないほうが伝わりやすいこと。
順応させることによって分かりやすくもなるし、薄れてしまうものもありますし・・・。
提供する僕らがブレないことはもちろん必須条件です。
その中で、今回のヌーパピさんの選択のように、
少し角度を変えて伝えることも「フランスを感じてもらうこと」に繋がるわけですね。
いろんなフランスの「顔」を、沢山のお客さんにも楽しんでいただく術。
そういうことを改めて考えさせられました。
by monsieur-enfant | 2009-06-10 03:36 | ル ヌー パピヨン