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なないろめがね

先日の、引越しでいただいた3連休。
あ、よくシュクレが厨房移転したと思われてるようですが、
うちはほとんど現状維持。
ほぼモンテベロのメインキッチンの増設です。
パンと菓子は製造過程や扱ってるものや扱い方も、全く違います。
パンに関しては、別のとこで焼き上げたものを売るってことは、
僕の中ではありえません。
だから百貨店などの催事を受けたことがないんです。
そのうち声もかからなくなりましたけどね(笑)
せっかく真裏の窯からダイレクトにお店に焼き上げれるシチュエーションがあるのに、
別の場所で焼き上げて持ってくるなんてタイムラグ、勿体無いですからね。
確かにパンが足りてない週末なんて、そうしてでもパンを揃えたほうが、
わざわざ来てくださったお客さんをガッカリさせることは減るんでしょうけど、
別の場所で作るってことはただでさえギリギリな人材を分散させることにもなります。
クオリティ下げてまで満たさなきゃいけない部分では今はまだないと思いますんで。

ま、そんな大事な日。
ホントは現場にいなきゃいけないんですが、
もう一つ、いつでも良いわけではない行事があったので、
先日アップした記事のように、朝だけ顔を出し、
信頼できる現場監督に甘えさせていただき大阪を離れることに。

そう、この日は前々から言っていた、
滋賀県日野町で農業をやってはる廣瀬さんとこでの種蒔き体験に行って来たんです。
お客さんと一緒にピクニックやBBQなどはやってますが、
スタッフだけでとなると、忘年会やら新年会やら兼ねた食事会くらいしかなかったので、
そういう意味では初行事。
モンテベロは3周年で、シュクレは普通に週末で、
両店ほとんど寝てないにも関わらず当日は元気に集まってくれました。

時間になってもマイクロバスが来ない。
遠くにどっかの保育園でも使うのか、
中型のバスがずっと停まってるのは見えるんですが・・・って思ってたら、
まさかのそれでした(笑)
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思ってたよりちゃんと「バス」です。
乗ろうとして見上げたとこに、
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おお!こういうの、テンション上がりますね!!

右が今回懸命に段取りを組んでくれた横田君。
いつもはお店でヴァンドゥールとして、ええ声で皆さんをお出迎えお見送りしております。
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彼お手製の「遠足のしおり」
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道中2時間半、乗った瞬間寝始めたスタッフもいたので(笑)、
早速ランチボックスを配ります。
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中はこんなん。
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画像はピンボケですが、味はそれなりでしたよ。
ってのも、せっかくの機会。
いつも僕しか考えないので、初めてスタッフだけで作らせてみました。
条件は一つ。
「全部任せてマズイの食べるの嫌だから、
メツゲライ クスダさんとこでシャルキュトリー買ってきて、それに合わせてパン考えて」
でした。性格悪いですか?(笑)
ま、こんな些細なことでも良い機会です。
在るものを作り続ける作業と、無いものを生み出す作業は全く別のエネルギー。
時に、その場のテンションさえ左右しかねない怖さも伴いつつ、
逆に僕はその場のテンションを左右できる楽しみをほくそえみながら作ってますが(笑)
食事は空気を作る演出も兼ねてることを体感し、勉強できたんじゃないでしょうか。

いただきものの大事なワインをみんなで空けてみたり、
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「あんまり飲まないで来てくださいね」との廣瀬さんの言葉もありましたし、
ん~~~、これは・・・・防寒用と言う事で!(笑)
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デセールはモンテベロ担当。
と言っても今回は僕がスタッフの一人に言った無茶振りに、
たった一人で徹夜して作ってくれたよう・・・。
「モンテベロの飽きたから、君が前働いてたとこのお菓子食べたい」
性格悪いですか?(笑)
で、出てきたのがコレ。バラン付き。
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「あ!」ってピンと来た人、そうです、超有名店のそれですね。
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小さいサイズに、精一杯の頑張りが込められてました。

旅のしおりといい、
ランチボックスといい、
エクレールといい、
やっぱり遊びでも本気でやるから本気で楽しめるんですよ。
自分たちの「これくらいでいいか」ではなく、
自分たちが「どこまで出来るのか」に挑んでこそ、
周りを楽しませることに繋がり、結果として自分も楽しむことが出来るわけです。
身内だろうがお客さんだろうが、仕事だろうがプライベートだろうが、
人一人喜ばせることって、そんなに甘いもんじゃないんですよね。
遊びを遊ぶやつは、ホントの遊ぶ楽しみを知らないヤツだって、
新地のホステスさんが言ってました(笑)


移動途中で小雨がパラつき霧が出てきました。
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さてと、予定よりちょっと早く到着です。
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寝てた子たちもモソモソ起きて、畑の前へ。
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軍手とシャベルが配られます。
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講師役の廣瀬さん。
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最初にお会いした時は、こんなに多く登場いただくとは思ってもみませんでした(笑)
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これが蒔かれるディンケルです。フランス名「グラン エポートル」
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小雨降る中、せっせと土に戯れ、種蒔きの開始です。
日野町の自然の力をお借りして、秋の収穫までの長い道程のスタートです!
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僕らの範囲は、廣瀬さんが手作業で鍬で畝を作ってくださいました。
種を蒔く溝をスコップで作って、そこにパラパラと蒔きます。
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最中にも、細かい指示やらアドバイスやら、よく話してくださいました。
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蒔いた上から土を被せます。
溝が深すぎると発芽しづらく、浅すぎて顔出してるとカラスやスズメにやられます。
いつも蒔く機械から、肥料を掴んで土の上に蒔きます。
鶏糞を土に混ぜてるようですが、ディンケルは多くの養分を必要とするらしく、
補うために化学肥料をパラパラと。
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こんな感じ。
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通常なら、キヒゲンR-2ブロアブルと言う農薬をまぶして鳥害を防ぐそうですが、
廣瀬さんは使わないそうなので食べ放題みたい。
他にも、イノシシ、シカ、キツネらの被害を防ぐために、柵などを作らないといけないよう。

早く蒔いた人から、もう2種類。
農林61号とライ麦も蒔かせていただきます。
写真のちょっと薄桃がかった色がライ麦です。
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成長の違う3種類を、肥料をあげたりあげなかったりして比較してみます。

ずっと目の前にあったトラクターを動かしてくれた廣瀬さん。
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私有地では免許がいらないとのことなので、ちょっと乗らせてもらうことに。
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途中で、雨の中待ってる子たちのことを思い出し、急いで帰る僕。
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みんな普通の運動靴だったので、結構ズタボロに・・・。
言い訳じゃないですけど、長靴買いに行く暇無かったんですよ・・・。
近くの水溜りや小さな小川で、ちゃぱちゃぱ土落とし。
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移動中、貯蔵室にも寄ってもらい、また一喋り二喋り。
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作業は終わったので、廣瀬さんの実家にお邪魔します。
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雨に打たれながらの作業、温かい室内はホッとしますね。
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「大地堂」さんのお菓子のお出迎え。
素朴で優しく、異国の刺々しさより、沁み入る和みを感じます。
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それを包み込んでるのが、陶芸作家さんでもある廣瀬さんの奥さんの器。
使い勝手のよさそうな幅や深さ大きさ、なんとも絶妙な器でした。
その奥さんに陶器のお話を聞き、
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お抹茶も点てていただきました。
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廣瀬さんもやられるそうで、
僕は廣瀬さんが点てたお抹茶を、廣瀬さんお気に入りの陶器でいただきました。
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しみじみと、「土物は良いなぁ・・・」と掌が呟きます。

ほっこりしたところで場所を移動。奥さんの仕事場を見学に。
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こちらが窯ですね。
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僕だけかな?
火の力によって命を吹き込み生み出す「窯」という存在に、
どこか神聖さというか神々しさを感じるんですよね。

こちらが作業場。夏の暑さはもう限界だそう・・・。
クーラー・・・来年こそは、ね(笑)
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さてさて、また場所を移して、今度は外に。
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お米の機械とディンケル小麦の機械の違いを説明いただきました。
動かして説明いただく予定が、詰まって止まっちゃいました。
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なにわともあれ、第一回の小麦ワークショップは無事終了。
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自然の空気を吸い、
いつもと違うことに脳みそを使い、
日常触れない土に触れ、その土に種を蒔いた今日という日。

実感はまだまだだと思いますが、
それぞれの心の中にもまだ発芽してない小さな種が蒔けたんじゃないかと思います。

ただ、勘違いしないで欲しいのは、
芽吹くには日当たりや土の養分などの環境も勿論大事なんですが、
何より種そのものの生命力が必要だということです。
生きる意志の無い種子に、
どれだけ良い環境を整えても、
どれだけ養分を与えても、
芽など出るわけがありませんからね。

種蒔きから始まった1年近くの小麦と過ごす時間。
僕がどれだけ口で説明しても教えれないことを、
日野町の自然や、種が成長していく経緯やそれに伴う作業を通して、
少しでも何かを感じ学ばせてもらえたなら、
秋の収穫の際には、
心の中にも小さな穂の実りを実感してもらえるんじゃないかと思います。

11月の半ば、小雨降る日野町。
田舎の景色はこうだったという記憶をお土産にいただきます。
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楽しい時間はいつもあっという間。
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でもね、なんだかんだ言ったって、
僕らが来れるのは年4回ほど。
多くの時間を廣瀬さんに見守っていただくわけです。
お世話になりますが、今後とも宜しくお願いしたします。

帰りはほぼ皆爆睡・・・。
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帰った先には、引っ越しでぐちゃぐちゃになってる厨房の片付けなどなどが、
変わらぬ現実としてお待ち頂いてたのでありました・・・・。
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by monsieur-enfant | 2010-12-09 02:01 | 滋賀県 日野町 廣瀬さん