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2012年 06月 22日
触れて、浸って、酔いしれて。
今回は久しぶりに行って、「あぁ・・・やっぱ大好きやなぁ・・・」と、
しみじみ感じた愛して止まないビストロをご紹介します・・・って、
一回書いてるし、改めて言う必要の無い有名なお店なんですけどね。
この日は、初めての電車。
春先のまだ風の心地良い時期、
昼間から烏丸御池→京都御所→下鴨神社とブラブラ歩き、
体力と陽に陰りが見えはじめた頃、叡山電鉄の元田中駅に辿りつきました。
写真は、目的地の「一乗寺駅」。

ホームと言っても改札ないです。
一両で入ってくる電車は、降りる際に車内にて料金を払う「バス式」。

なんか、良いですよね。
僕、学生の時、電車通学したことないので、
こういった路線を使ってる学生を見かけると、
勝手にピュアなセンチメンタルストーリーを妄想してしまって、
一人でキュンキュンしてしまいます(笑)
キュンキュン治まらぬまま到着したのは、ここ。
一乗寺 「アルザス」

いやぁ、やっぱりここはここでキュンキュンきますね。
遠くなってしまったパリの思い出を蘇らせてくれる素敵なカルト。

今年は3年ぶりにパリに行きます。
一昨年はスタッフのチケットだけ取って自分は取れず、
昨年は早めに取ってたものの、まさかのソウル行きでキャンセルに・・・。
渇望していた自分の内側が、どれだけどんなものを汲みあげて帰ってくるのか、
個人的にも楽しみにしています。
てんこ盛りのパンも運ばれてきて、食事の始まりです!

キャロット ラペ

人参、好きじゃないですけど、これは好き。
ココヤシのサラダ

これ、ホント美味しい。若いタケノコみたいな食感。
パテ

ホント潔い。気持ちいい。ガルニは一切なし(笑)
「これ食べてって!」って想いが、どストレートに伝わる品々。
エスカルゴ

この残りのソースを拭ってて、
「あ、挟んで出したら美味しいやん」と思って店頭に並んでます(笑)
どうしても外せないシュークルート。

他のも食べたい。でも、そんなに頻繁に来れるわけではない。
となると、やっぱり「アルザス感」に浸りたい。ベッコフよりシュークルート派です。
ちなみにストラスブールに行った若かりし頃、両方同時に頼んで撃沈しました(笑)
でも・・・やっぱり「他のも食べたい願望」が抑えれず、
一番ライトな感じの鶏のクリーム煮を。

うんうん、満足です。
デセールはババを・・・・って、

これ、完全にクグロフですよね?(笑)
このポーションでババ出てくるのはパリのビストロでも無いです。
いやぁ、どSですね。
〆はエスプレッソをクイッと。

シェフ一人でやられてるからこその濃厚な空気感。
忙しい最中、言いっぱなしで立ち去る小ネタもご愛敬。
もう多くの言葉は必要ないでしょう。
触れて、浸って、酔いしれて、
日本有数の現地体験型アトラクションを心ゆくまでご堪能あれ。
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by monsieur-enfant
| 2012-06-22 21:21
| アルザス
2010年 03月 30日
小旅行への扉を開けて。

この日は京都でした。
ビストロ 「アルザス」

なかなか分かりずらい場所にありながら、
見つけたらテンション上がる店構え。
思ったよりこじんまり。シェフ一人で切り盛りしてるのも納得。
うわっ!このメニュー、めちゃくちゃテンション上がりますね!
パリのシャルティエを思い出します。

奥ではシェフがせっせと動いてます。

コック服でサービスされる方はいても、
ギャルソンの格好で厨房に立つ方は珍しいですね。
どちらにしても、一人二役は難しいです。
わお!カラフが良い感じ!アルザスでは陶器での提供は珍しくないですもんね。

で、ヴァン ド ターブルの安さは破格。
グラスで500円切ってたんちゃうかな?
もちろんカラフだともっとお得です。
さて、早速出てきたのはパテカン。

この潔さ、素晴らしい!何一つ添えられてない!(笑)
だってメニューに「パテ ド カンパーニュ ちょっとサラダとか添えてます」
って、書いてないですもんね。パテカンだからパテカンのみ。
ある意味正しい。そして潔い。で、ちゃんと旨い。それで良し!
パンはフランス製。冷凍で仕入れて焼き戻すやつね。

ただし、この気前の良さ。男前です!
キャロット ラぺ

添え物として付かない分、この手の種類も豊富です。
しかも安い!400円でこのボリューム!で、もちろんちゃんと旨い!
エスカルゴ

あ~、良い香り。バター臭がワインを煽ります。

料理に、雰囲気に、ワインに、
酔えるものは全部酔っておきたい欲張りな自分。
シュークルート

ま、予想はしてましたが納得のボリューム。
これが怖くて前菜頼めなかったんですよね。
でも正解。もう一皿頼んでたら食べきれなかったかも。
「量が多すぎる」だとか言う方は是非頼まないでください。
この量は、多いだの少ないだのって小さなことどうだっていいんです。
このポーションまで盛らないと醸し出せない現地の空気感があるんです。
お皿も、料理も、ここまで片寄らせなければ滲み出ない空気感があるんです。
それが店主の「想い」ってやつじゃないんでしょうか。
それを感じ取るのも客としての務めなんじゃないでしょうか。
「俺らは客やし」って方、こういう店の楽しみ方、損してると思いますよ。
それを突き付けられたデセールのメニューがこれ。

あはははは!これこれ、こういうの、こういうの!!
フロマージュ ブランに、好きなだけ砂糖かけて食うわけです。
アルザスといえばのフロマージュ ブラン。
そして、この投げっぱなし感。あ~、ゾクゾクします(笑)
で、みかん。1個100円也。

暖かいエスプレッソの湯気の向こうに、現地を想う・・・。

アルザスは僕のお師匠さんの出身地なんですよね。
ですから特別な想い入れのある場所なんです。
ドイツの侵攻も受け、何度も哀しい歴史を重ねた場所でもあります。
アルザスィアンはフランス人とは思えないほど勤勉で、
パリで成功してる人もアルザスィアンが多いって言ってました、自分で(笑)
店名には「ALSACE」の文字。
この店にはそれを掲げ担う覚悟や意気込みが満ち溢れています。
ただ掲げるだけ、ただそれらしい料理を提供するだけ、
そんな店とは完全に一線を画します。
アルザスを愛し、ビストロを愛し、それらを体現する為の毎日。
一人で料理し、一人でサービスに走る、その毎日。
その懸命な姿が、閉まらないドアを近くの席のお客さんが毎回閉めたり、
数席のカウンターでは一杯ひっかけただけで帰る近所の方がいたり、
帰り道に自転車停めて寄ったおばちゃんが
「明日、予約できる?」って顔を出したり・・・
っていう、地域に根ざした「ビストロのある景色」を作り上げたんじゃないでしょうか。
お金で買えない、お金で作れないものを作り出せるのは、
結局人間の持つ「情熱」という力だけなんですよね。
おそらく今日も賑わう音楽の無い店内には、
お客さんの話声がBGMとなり、その吐息や体温が窓を曇らせ、
遮断された空間とともに幾人ものお客さんを現地アルザスへといざなうのでしょう。
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by monsieur-enfant
| 2010-03-30 01:19
| アルザス
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