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2010年 09月 01日
真剣に遊ぶ、「遊び心」。
地図上、ちょうど中間くらいだったんで頭に残ってたんでしょうね。
待ち合わせよりかなり早く到着し、悠々時間を潰し、
さぁいよいよ予約の時間やと思ったら、
「あれ・・・?ここ代官山やん・・・」
急げ!!遅れる!!(笑)
ま、なんとか歩いていけないことはない距離だったので助かりました・・・。
本日はこちら。恵比寿 「ル ジュー ドゥ ラシェット」

大阪だと埋没してしまいそうなところに東京はよくお店がありますよね。
家賃の高さを避けるために、2階とか地下とかいう選択肢もあるんでしょうけど、
やっぱり良い店を作りさえすれば、圧倒的絶対数を誇る東京のお客さんが、
放っては置かないんでしょうね。
ここも間口は狭く、分かりにくい入口。
でも2階に上がると自然光をいっぱい採り込んだ明るい店内。
ちょっと小洒落てロゼのシャンパンを。

アミューズ

タイを包んだメレンゲ、青さのチップ、ひとくちピザ、チーズと胡椒のスティック。
これらをツマミながらメニューを決めてくださいとのこと。
タイを包んだメレンゲの中の鯛が、思いのほか大きな個体だったのには驚きました(笑)
ちなみにメレンゲは卵白じゃなくて米粉を使っていたような。
バターもこんな洒落たプレートに乗って登場。

グリーンピースのクレームとフラン ベーコンの香り 春野菜とホタルイカ

ここにまたグリーンピースのアワアワが注がれるわけです。
何度やってもらっても嬉しい演出です。

記憶はかなり薄いですが、美味しかったと思います。
ホタルイカの磯臭さとミソの苦みにグリーンピースが優しく纏わりつきます。
ベーコンの動物性の香りもよく合ってました。

本日のお魚

確か・・・黒鯛だったような・・・。
さすがの火入れでした。
ゆっくり火を入れた森林鶏胸肉ロースト
甲殻類のファルス オマール海老の赤ワインソース

お皿上の構成は魚と似たような画ヅラですが、
店名通り「遊び」の入った一皿。
しっとりとした胸肉。なんとその皮との間にオマールエビのすり身が挟まってます。
アップがこちら。

オマールの味というより食感がポイント。
なんとなく違和感があるような楽しいような、ま、楽しかったですね。
ここはガルニも手が込んでてキレイです。

エクレアと塩キャラメルのアイス

デセールも抜かりなしです。
抜かりなし・・・と言うより、ランチでこれはやり過ぎじゃないですか?(笑)
キャラメルのシャンティ、リンゴのキャラメリゼ、チョコのテンパリングなど、
合わせると多分6層にもなるエクレール。
しかも一つ一つのパーツの仕事も繊細で、
エクレールをきっちりレストランのデセールとして成立させてるのがスゴイっすね。
普通にエクレール出てくる店ありますもん。しかも普通以下のエクレールをね(笑)。
ハーブティーをいただきます。

昼間からなんて優雅な一時なんでしょう・・・。
店名通り、遊びに満ちたお皿の数々。
でも単なるお茶らけで済まないのは、
真剣に、本気で遊んでるから。
真剣に、本気で楽しませようとしてくれてるから。
遊びを遊びでやることほどツマンナイことないですからね。
「真剣に遊ぶことのできない男は、遊ぶ資格すらないんだよ」
これ、北新地で夜の仕事してる時に得た教訓です(笑)
ホステスの皆さま、その節はいろいろ鍛えていただきありがとうございました。
恩返しにお店に行けるほどの稼ぎがリアルに無いので、
この場を借りて、御礼と残暑見舞いとさせていただきます。
あ、帰りしな、シェフと少し話す機会があって、
そしたら僕がフランスに行く前に西宮で世話になったフランス人と、
パリで働いてたんですね。
丁度、僕が帰国するころ新店をマルゼルブに出すって話が出てて、
(その後、狂ったように店舗展開し始めポールと化す哀しい運命を辿ります・・・)
そこのシェフにそのブーランジェが就任するって噂は聞いてたんですが、
見れないまま帰って来ちゃったんです。
そこで一緒に働く機会があったそうで、久しぶりに聞く名前にとても懐かしくなりました。
料理はとても「今」を感じる軽い仕上がりと美しさと遊び心に富んだお皿でしたが、
最後に懐かしい風を感じ、やはり背景があって、いろんな経験を経て、
人は創られていくんやなぁ・・・と、しみじみ店を後にしたのであります。
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by monsieur-enfant
| 2010-09-01 23:13
| ル ジュー ド ラシェット
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