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2008年 01月 07日
心意気
例えば風邪で体調が優れないとき、お粥なんかは嬉しいですよね?
何が嬉しいかと言うと、自分を思って作ってくれたことが嬉しいんです。
上手下手じゃなくて、高い安いじゃなくて、意思が入ってることが嬉しいんです。
ですから、意思の無いものは食べません。作り手の見えないものは楽しくも無いですし。
食事に行くときもそうです。優先すべきは「心意気」。
「旨いもん食っていけ~!」ってな心意気があるお店に惹かれます・・・。
で、この日は珍しく「ひっかけ橋」に出没。もちろん、まだ年は越してません(笑)

法善寺横丁。ここも久しぶり。


そっからちょっと歩いて2階に上がる。
たいした目印もなかったような・・。
その2階の突き当たり。
扉1枚が店の外観。「Bistoro えくうす」
いわゆるスナックのよう・・。
中もそう。広さは知れてます。
どこに行くかも知らされてなかったし、
こちらの名前も知らなかった僕は、
正直「大丈夫かな・・・」と。
でも・・・メニューを見るなり吹き飛びました。
てか、とりあえずマダムが説明しまくる(笑)
そのくせ去り際が見事。
読みっぱなし、説明しっぱなし(笑)
で、どのメニューにもとりあえずなんかしら踊る
「フォアグラ」「トリュフ」「オマール」の文字(笑)
で、この日はジビエもありました。フランス産のキジと山うずら。侮る無かれです。
今回は前菜3品に肉料理、計4品いただきました。
フォアグラのテリーヌ さつまいものコンフィ 温泉たまご トリュフ添え

「これぞビストロ!!」ってなポーション!それもフランスサイズ!
デカくて喜んだ「ラ ルッチョラ」のフォアグラのテリーヌの倍じゃきかないかも(笑)
それに温泉たまご・・・さらにトリュフ!キライな人、います?

続いてオマールエビとほうれん草 カダイフ巻き 山芋、リードヴォーのガレット
アメリケーヌソース

あの、想像の3倍で見てくださいね(笑)中もお披露目。

もうこの時点でかなりヘビー。
さらに追い討ちは、フォアグラのソテーとトリュフ入りジャガイモのピュレ
トランペット茸のソース

皆さんが思ってるのはフォアグラ1枚でしょ?
その普通なら1枚で提供されるフォアグラを、2枚並べて出されてるのがこのお皿。
しかも前菜の時点でフォアグラ、トリュフがすでに2皿目。
おまけにオマールもリードヴォーも食べ済み(笑)
で、前菜でこのポーション・・・。ある程度予想はしてたものの・・・キツイ。
バスク豚のロースト 栗のピュレ セップ茸 カルバドスとフォアグラのソース

比較対照のライターでも置いときゃよかったと思うくらい、
この迫力を伝えられないのが歯痒い。「ウッ・・・」とくるほどデカイ(笑)
そりゃこんだけフォアグラ食ってりゃ「ウッ・・」ってなるわ・・・って思うでしょ?
選んでないんですってば。先に書いたように、なんらかの形で関わってくるんです。
フォアグラとトリュフからは逃げれないようになってるんです(笑)
確かにね、上質ではないかもしれません。
トリュフも香らないし、フォアグラもレストランのそれとは違います。
でもね、このご時世、こんなに使えますか?使わないでいいとこまで(笑)。
僕は絶対デザートもいただきます。が、無理でした。
帰り道の「ラーメン」の看板の文字に殺意を覚えるくらい食べました。
いや、詰め込みました(笑)
でも楽しかったなぁ~。満たされたのはお腹だけじゃありませんよ。
なんか田舎のばあちゃんちに帰った時のような、
「あれ食べていき、これ食べていき」に近いようなおもてなし。
「旨いもん、腹い~っぱい食ってって!!」ってなシェフの心意気。
カッコやスタイルではない、純粋に食べさせたい側と食べたい側とのコミュニケーション。
それは、たくさんの会話を必要としません。お皿から伝わってくるものです。
そして僕は「ご馳走様でした」を、完食したお皿と満足げな顔に添えて店を出ます。
時代や国境をも越える、誰もが幸せになる時間です。
華美な装飾も、華麗な経歴も無いかも知れません。
でもここには、温かなマダムのもてなしと、シェフの強い心意気がありました。
人が満たされ、また足を運ぶのに、これ以上の理由がいるんでしょうか?
ただ・・・次は1皿減らさせていただきますね(笑)
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by monsieur-enfant
| 2008-01-07 07:35
| Bistoro えくうす
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