2008年 09月 25日
ご無沙汰しております・・・
「シュクレ通信」にも記したように、
僕は帰国以来初めての渡仏となりました。
渡仏前の沢山の「パスポート忘れないように!」とのメールもいただき、
無事に旅することが出来ました。
ご挨拶も出来ずに出発に至ったのは、
とても挨拶してる場合ではないくらい時間がやばかったからです(笑)
詳細はまたここで報告させてもらいますね。
やはり、「帰ってきたくない」との思いもありましたが、
前回の渡仏と違うところは、
共に働くシュクレのスタッフ、催事中のモンテベロのみんな・・・
自分に帰らなきゃいけない場所があることの喜びを同時に感じれたこと。
そして夏休み明けは、金、土、日、月、火、と、連日3時ほどでの完売閉店。
もちろん、行き渡らなかったお客さんには申し訳なかったんですが、
なんかね・・・待ってていただいたんやなぁ・・・って。
僕にはここでもやるべきことがあるんやなぁ・・・って。
お客さんに、再認識させてもらったような気がします。
エコバック発売の影響だったりして(笑)
あ、こちらのほうも、好評いただきありがとうございます。
遠方の方々からの「行けない」「間に合わない」のお声もいただきましたので、
再販の数は多めに確保しております。
もう既に使っていただいてる方もおられまして、
肩から提げられたり、手にぶら下げてはったり・・・・嬉しいもんですね!
また後半、頑張っていく充電も完了しました。
お客さんからいただいたメッセージに応えられるよう、
スタッフ一同精進して参ります。
久しぶりに、「お店のブログ」的な役割が果たせましたね(笑)
取り急ぎ、ご挨拶まで・・・。
2008年 09月 08日
いらない「前説」
「・・・え?そうやったっけ・・・。」
そういえばそうやわ・・・。
僕の思考はゼロか100。
アクションを起こすときは、必ず最も多くの効果を得るアクションを模索し選択します。
いやらしいくらい打算的に模索します(笑)
もちろん海で泳いだことがないマイナスは、逆に嫌な想い出もないプラスとして考えます。
「じゃ、沖縄いこか」
我ながら浅い知識で思いつくがまま(笑)
模索はするものの、知識がないくせに即決。
振り幅が大きすぎて、よく周りを置き去りにします。
でも興味のないことには全くアンテナが立たないので、
よく世間に置き去りにされます(笑)
さ、早速現実を突きつけられる・・・。
いつもお盆を外して休んでたので、「お盆料金」なるものが存在することが頭に無かった。
べ・・・べらぼうに高い・・・。
「和歌山に変えよかな・・・」と、本気で考える・・。
しかし、娘の小さな脳みそには、
場所もよくわかってないくせに「オキナワ」のキーワードが刻まれたらしく、
「オキナワ、行く~」と。
そう、まるでポニョがそうすけのとこに行きたがるかの如し。
しかし・・・・半端ない値段・・・。
パン、何個売ったらええんやろ・・・・。
ま、毎度のように「なるようになるさ!」で決めてしまうのがオチなんですけどね。
決めたはいいけど、周りから心配されるのは僕の火傷。
なんせ、日の当たらない世界で働く温室育ちなもんで、
「日焼け」に対する免疫が全然ない。
事実、一度市民プールなんぞに行ったときに、
膝から下だけ日焼けが酷く皮膚科に行くはめになったくらい。
足首から膝まで軟膏塗られ、包帯で巻かれ、
遠めからは確実に
「真夏に白いハイソックスはいてる気持ち悪い男」に見られてたはず・・・。
あんな侮辱は二度とゴメンです。
まずはリベンジの手始めに薬局にて
「絶対焼かない!!」って書いてる日焼け止めをゲット!
・・・・元高校球児の名が泣きますわ・・・。
そしてリベンジその2として二週続けて市民プールに。
何しにって?決まってるじゃないですか、
太陽に当たる練習ですよ。
徐々に慣らさないと、えらいことになってしまうじゃないですか!
紫外線を甘く見たら駄目ですよ!!
甘く見たら膝下ぐるぐるハイソックスみたいに包帯巻かれて・・・って、
うう・・・・あの日のトラウマが・・。
いや・・・マジで怖いんですよ、陽射しが、マジで。
情けない?ああ、大いに結構!!
なんならもっと強く罵ってくださいよ!!
あ・・・あの日受けた辱めが、違う意味でトラウマになってたりして・・・(笑)
さ、なんだか変なテンションで書き連ねていますが、そんなこんなで出発当日。
僕ら地元民にはポピュラーな駅なんですけど・・・
「山田駅」って、やっぱりダサいですよね?
そのモノレール山田駅から出発です。幸か不幸か、この旅最高の青空でした。

で、橋本知事に「いらない」って言われてる伊丹空港へ。

今日は変なテンションなので、暴走しないうちにこの辺で止めときます。
っていうか、この記事をこの後に続く「沖縄」のカテゴリーに入れてもいいのだろうか・・・。
2008年 09月 07日
「正しい夏」
来てるようで、全然来てないもんですわ。

鹿も、記憶が古すぎて、意外に新鮮(笑)
うざいくらいいるのに、観光のみなさん遭遇したてでテンション上がって写真撮りまくり。
でも、どこ行っても出没する鹿を、「ここでは全然珍しくない」ってことに気づいて
中盤以降、被写体にならなくなるのがオチですね(笑)
でもこれ、おとなしい鹿やからいいですけど、他の動物やったらどうなってたんでしょうね?
あっちこっちで「がおーがおー」「ぐるるる・・」って鳴きまくってたり、
もし肉食獣やったら「鹿せんべい」じゃすまないわけでしょ?
なんか小動物みたいなん食わして、
口の周り真っ赤にして、その辺血を滴らせながら歩いてたりして・・・・。
あ~、鹿さんで良かった!(笑)

さ、無茶な導入部分はおいといて、
観光客を横目に奈良公園内に進入。

夏真っ盛りの青々と茂る木々の下を潜り、
これは結婚式場なのかな?
「ザ ヒルトップテラス」内、レストラン「ラ テラス」へ。
・・・あ、肝心な外観の写真消しちゃった(笑)
背景には若草山を抱える開放的な景色。
式場やレストランも「いかにも」って建物じゃなく、ホントにいい感じです。
しかも周りは歴史的文化遺産の数々。
到着が早かったので、ちょっと散歩に行ってきます。


なんか「正しい」日本の景色と言いますか・・・落ち着きますね。
駐車場に停めたら、徒歩で春日大社まで歩けます。
最近、砂利道や石畳の上など歩いてますか?
上を見上げて木々の間から差し込む木漏れ日に、目を細めたりしてますか?
アスファルトの焼けた匂いが「夏の匂い」では無かったはずです。
そんな「夏」が、ここにはありました。しばしご観覧を・・・。









正しい!実に正しい!(笑)
今年の夏、こんなに気持ちよい夏は初めてです。
暑いんですよ。確かに暑いんですけど、
生い茂った木々は木陰を作り、木々をすり抜ける風はむしろ心地よく・・・。
暑さすら「夏なんだし!」って思えるほど「正しい夏」でした。
僕らが幼少の頃の夏がありました・・・。
さ、肝心のレストランです。
実は全然知りませんでした。
先日ご一緒させていただいた、
某比叡のホテルにシェフのお薦めいただいての来店です。

まだギリ無理そうですが、
涼しくなればここでもいただけるようです。

外観もそうですが、いわゆる「結婚式場のレストラン」とは良い意味で裏切られます。
天井も大きく採光され、建物の周りを木々が取り囲み、
光が差すたび、風が吹くたび、木々の揺らめきが壁やテーブルに映し出され、
なんだか「ほっ」っとするような空間です。

帆立貝のカルパッチョ フルーツトマトとトマトゼリー
初夏の野菜のマリネをグレープフルーツの香りで

ちょっとびっくり・・・。
こういってはなんですが、多くの期待は持ってなかったもので。
忍ばせたグレープフルーツの果肉やミョウガも良いアクセント。

季節のスープ

冷製はガスパチョ 温製には鱧を浮かべてました。
特選和牛フィレ肉の一皿 フォアグラ添え

旨い!
和牛でこんなにテンション上がったのは久しぶり。
確かにフォアグラやガルニは、大阪では寂しすぎる量ですが、
牛はこれくらい焼いて欲しいと切に願います。
ソースも王道ですが、逆に新鮮なくらい。
「ちゃんとやろうよ!」って、他店に言いたくなる。
派手さはないけど(いらないけど)確かな仕事。
デセールはワゴンもチョイス可。
おばさんご一行が「キャーキャー」言ってました。僕はお皿でお願いしました。

ノスタルジック!
いや・・古いって意味じゃなくてね(笑)
桃、丸々半分のコンポート。中に何か入ってたな・・・なんだっけ?
ゆったりした時間が流れる中、

お紅茶をいただきました。

シェフはリッツカールトンの「ラ べ」出身。
僕の同級生、「アキュイール」の中多シェフと同じ雑誌を飾ったこともありました。
記事のコメントは「ここ奈良にグランメゾンを作りたい」と情熱に溢れ、
こんな場所で頑張ってはる人を知り嬉しくなりました。
何の因果か、続けざまに「比叡」「和歌山」「奈良」と、
それぞれ恵まれた環境とは言えない環境ながらガストロノミーを突き詰めようと、
熱い熱い想いを抱いた料理人がいることを知り、
多くのハンデは伴うかも知れませんが、
やはり「どこで」ではなく「誰が」が大事なんだと痛感しました。
周りの自然にも恵まれ、また季節が変わったら訪れたいレストランでした。

さて、せっかく来たんですから食後に軽く散歩して帰りましょう。
車を移動し、観光客に混ざって東大寺、そして二月堂まで歩きました。













何かね・・・偉そうなこと言えませんが、
「言葉」って無くなっていくんやろなぁ・・って思いました。
現に僕自身も、知ってはいるものの忘れてる・・しばらく感じてないことが沢山ありました。
知識は経験によって植えつけられていくものもあると思うんです。
映像や音、香り共に記憶されていく言葉もあると思うんです。
今年、夕立らしい夕立はありませんでした。
わけのわからん時間に信じられないくらいの雨量。
もう夏の風物詩ではなくなってしまうんですかね・・・。
そんな大雨の後の鉄砲水を見て、「せせらぎ」なんて響き、浮かびますか?
小さな小川を流れる水を眺めて「せせらぐ」という言葉と結びつくんじゃないでしょうか・・。
生い茂る木からこぼれる木漏れ日、木の無い街では体感できません。
クーラーの風に当たってて、「風がそよぐ」なんて言いませんよね?
下を向きゲームに熱中する子供たちに、向日葵の残像は夏を刻めるのでしょうか・・・。
余計なお世話ですけどね。
僕自身が、あまりにも記憶と共に埋もれた言葉があることに気づき、
寂しさや怖さを覚えたもので。
でも一番のインパクトはこれでした(笑)

さ・・・さすが布袋さん。
スケールがデカ過ぎます!!
2008年 09月 04日
サクサクッと・・・その3
パリの一つ星「ステラ マリス」の吉野シェフのレストラン。
マダムの故郷 和歌山に出された「オテル ド ヨシノ」。
そこを任されてるシェフの人柄に触れ、今回足を運びました。

え?ってとこにあるんですね。景色も取り立てて良いわけじゃなく・・・ちょっとびっくり。

評判の自家製パン 他にも成形違いやらカンパーニュやらが楽しめます。

パプリカのムース トマトのクーリ 上品で静かな始まり・・

有田の牡蠣です

キノコのスープ 飲み進むうちに旨みがじんわり。

フォアグラのムース ミント入りパータフィロ メロン

鮑のソテー アンチョビのソース

白甘鯛

熊野牛をチョイス

フロマージュ


柚子のグラニテ

デセール ヴァシュランというチーズを見立てたそう

上がってくるエレベーターには、
併設の「カフェ ステラ マリス」のお弁当のチラシが。
確かHPには「関西初のグランメゾン」とか書いてたような・・・。
導入部分も大切ですが、この施設上これも仕方なしか・・・。
季節のハンデは十分承知の上ですが、
クラシックと、「現代」の振り幅、
「ヨシノ」という箱だからできる自由、
「ヨシノ」という冠を無視はできない苦悩、
立地による需要、
そしてシェフご自身が確立されつつあるが故に生まれる迷いや葛藤。
それが全てお皿に盛られ表れていた気がします。
何回も言いますが、僕はグルメを語れるような味覚や知識はありません。
人に魅せられ、人に逢いに、そしてその人のアイデンティティを食べに足を運びます。
お昼ですが、8000円のコース。
でもそこには吉野シェフも手嶋シェフも居ませんでした。
ま、「これが今のヨシノの料理です」と言われれば身もふたもありませんが。
おそらく突き抜けてくれるでしょう。
それだけの力量と想いと情熱を持ち合わせたシェフです。
そんな・・・曇天の和歌山でした。
2008年 09月 04日
サクサクッと・・・その2

ゆったりとした空間は、北摂では貴重です。

パン、今日は調子悪いのかな?自家製ではないようですが・・・。

スズキの炙りカルパッチョ
季節野菜のサラダ仕立て 梅のコンフィチュール添え

ホタテ貝と枝豆の冷たいカッペリー二 トマトのグラニテ添え

河内鴨とオクラのボロネーゼ タリアテッレ

泉州産犬鳴豚の軽いスモーク 粗くつぶしたジャガイモのピューレ

ドルチェ・・・なんやったっけ?

取っ手の可愛いエスプレッソ

ゆっくり流れる時間
ゆったり取られた空間
他所にないものを持ってるって、強みですよねぇ。
ごちそうさまでした。
2008年 09月 04日
サクサクッと・・・その1
個人的にもかなりご無沙汰になってました「Fujiya 1935」へ。
モヒートの軽いシャーベット

ピスタチオのクリームを挟んだウエハース

イカ墨のボーロ
チーズに埋め込んだプティトマト

鮎の化石

磯の香りの風船、フランとイクラ

風船の香りを嗅ぎながら、フランをいただくわけです。
香りはあまりフィルムから香れなかったのですが、
もう一つ閉じ込められた貝による視覚効果でも十分楽しいお皿でした。
無脊髄の鮎 ベルガモットのソース

このままかぶりつきたいところですが、ベルガモットが鮎に合うもんなんです。
気泡をたくさん含ませたトリュフのパン

これはヤバイ・・。脳細胞が犯されそうな香り。
しばし口に手を当て、トリュフ臭と化した自分の口臭を吸っては吐き吸っては吐き・・・
怪しい画やったと思います(笑)
小さな筒型パスタ 甘茶豆と凝縮した玉子のソース

これ、ソースね。

フィルムに包んだ熱いプチトマトと和牛肉のエキス トリュフ風味のカプセル
これを

この中に入れるわけです。

もちろんトリュフ好きにはクラクラもんなんですが、
こういうシンプルな煮込みがちゃんと旨いところが大切ですよね。
ピュアなオリーブオイルとトマトのスープ

うなぎのソテー 黄色ピーマンの酵母ソース

イベリコ豚のロースト ミョウガ エシャロット

羽曳野産イチジク、海水とバラのゼリー、グレープフルーツのジェラート

クルミの液体窒素ガラピニャーダ
温かいレモンのマシュマロ オルチャータのスープ

びわのお酒

今日は電車でしたので、お母さんお手製のお酒もいただけました。
久しぶりに来てみると、
前回一気に増えてたスタッフさんが見る影も無く・・・。
こんな人気店でも、人材の確保は難しいんですね・・・。
ま、僕にとってはシェフとマダムがいて、それにお母さんのサービスがあれば
Fujiyaさんは成り立ってしまうんですけどね。
同伴者も喜んでくれてたようですし、何より何より。
ごちそうさまでした。
2008年 09月 04日
暑い夜の温かい思い出。
ま、僕の母親なんですけどね。
シュクレのオープン前から、ちょうど怪我をして仕事を休んでたのもあって、
おにぎり持ってきてくれたりしてたらいつのまにか手伝ってくれるようになってたんです。
販売をメインでこなしてくれた妹と、
「パン屋をしよう」と一瞬本気で考えたらしい父親も手伝いにきてくれて、
あまり一つの時間を共有したこともなかった4人が一つ屋根の下に集いました。
「パン屋なんて無理」と、父親が早々と離脱したので短い時間となりましたが、
今思えばシュクレクールが僕にくれた最初のプレゼントやったと思います。
そこから、飲食業で働いた経験もないのに何の因果か、かれこれ4年。
みんなに「お母さん」と呼ばれながら手伝ってくれた母親も一区切り。
「お礼を言う時間を作って欲しい」って、嬉しいことを言ってくれたスタッフを連れて、
ここ北新地「星華」さんにお邪魔しに来たわけです。
夕方から土砂降りの雨。
しかも雨やのに涼しくならず、むしむしする中向かいました。
まずはビールでしょ。

スペアリブの黒酢煮

カンパチの刺身 山椒のドレッシング

くらげの下にはトマトの赤ワイン煮 大好きな蒸し鶏が添えられてます。
その横は鰻の骨です。

タコの白味噌和え ゴーヤを添えて。

アサリのブラックピーンソース いりつけ

食べ応えのあるプリップリのアサリ。何回聞いても何のソースか理解できなかった・・。
やはりここでは紹興酒を飲みたいんです。

ロブスターの海老味噌炒め

旨い・・・旨くないわけが無いんですが、それでも旨い。絶妙の火入れでブリッブリ。
海老味噌の香ばしさでお酒も進みます。
じゅんさい、冬瓜、カニの身入りのふかひれスープ

このスープも楽しみの一つ。
色も濃く、味もしっかりしているのに全然しつこさがない。

箸休め ザーサイ

これ凄かった!アカハタの蒸し物!魚じゃないくらいのブ二ブニの食感!(誉めてます)

どんぐりの冷麺 絶妙な辛味


中華をあまり食べないのが原因でしょうが、僕にはさっぱりわからない。
ま、あまりわかろうともせずに食べてしまうんですが・・・。
何を使って、このアンニュイな感じを滲ませているのか。
かと思えば、優しい琥珀色から強烈なパンチが飛んできたり。
母親との思い出話に花を咲かせ・・・るでもなく(笑)
ただ楽しく美味しくいただけたことに感謝感謝でした。
どうしたって「母親」でした。
「息子」であり「シェフ」である僕の姿、振る舞いに、度々戸惑いを覚えたことでしょう。
「一従業員」でありながら、「母親」でもある自分の立ち位置に、
様々な葛藤に苛まれた日々もあったでしょう。
身内であるが故の難しさ。
身内であるが故の温かさ。
「もう絶対分かり合えない」と、
さじを投げそうになったことも一度や二度ではなかったです。
「もう辞めさせてもらう」って言われたこともありました。
勝手にしろ・・・と思うこともありましたが、
それよりも長男として何も出来ず、
さらに就職先の社長としても至らない悔しさ、情けなさ・・・。
何とか良いように良いようにと考え考えやっていたつもりでしたが、
どこかに甘えがでていたんでしょう・・・。
気配りに欠ける言動も多々あったかと思います。
ただ、純粋に感謝してました。
戦力として、頼りにしてました。
多くの職人が辞めていった厨房で、
時にはプロを凌ぐプロ意識でシュクレを支えてきてくれました。
若い子ではとても気づかない細かい仕事や嫌がる仕事を、率先してやってくれてました。
精神的に参ってた時もありましたね。
身体が悲鳴をあげてた時もありましたね。
僕は幾つ気づいてあげれてたんだろう。
幾つ未然に防いであげれてたんだろう。
未熟者だと、つくづく痛感します。
でもね、そんな未熟者の店主が店を始め、
身内や地元の仲間、近所のパートさんに支えられてスタートした「ル シュクレクール」。
僕のやろうとしてる「パン屋さん」を、
おそらく最初は誰も理解できてなかったと思います。
そんなメンツで始まって、みんなで作りあげてきたこの店が、
そんなメンツの時に、評価を受け始めた・・・それがホントに嬉しかったんです。
例えば名が知れるようになり、
働きたいというプロまがいたちが集まり始めてからではなく、
フランスのように身内で協力しあって小さい店を営む。
そんな段階の時にきちんと嬉しい評価を得られたこと。
・・・何かね、皆が誉められてるみたいで嬉しかったんです。
そして、そんな店を「好きだ」といって、
今、職人が集い始めています。
秋からは、念願の販売を統括してくれる社員も入る予定です。
もしかしたら、ブルターニュからフランス人が来て一緒に働くことになるかもです。
一生懸命働きながら、
在店中は大きな恩恵を受けさせてあげれずに辞めていった子もいます。
「みんながいてくれたから今があるんだ」っていう形を、
少しずつですが実現していって、
いつか本当に「良い店だ」と思ってもらえるような店を作り上げて、
うちのスタッフが他店の子から羨んでもらえるような環境、待遇を実現するのが、
今まで携わってくれた皆への恩返しやと思います。
そして、潰さず続けていくこと。
まだまだも何も、ホントに至らないとこだらけの僕ですが、
お客さんもスタッフも、どうか温かく見守ってやってください。
そんな1人の戦友に、コックコートをプレゼントしました。
「自分はアマチュアだから、恐れ多くて着れない」
って、働いてる時は一切袖を通そうとしなかったんです。
僕からの「厨房の、欠かせない仲間だったんだよ!」っていうメッセージを込めて。
うちでは僕も作っていない、ネーム入りのシェフ仕様です。
涙を流して喜んでくれたそうです。
着たかったんだそうです。
4年間、寒い冬もTシャツにエプロンでした。
一瞬躊躇したそうですが、すぐに着てみたそうです。
似合うに決まってます。だって、シュクレのメンバーなんですから。
その後、食事会のお礼のメールをもらいました。
その中に、「シュクレで働けて良かった」との一文をいただきました。
初めて言ってもらえました。
もちろん僕だけの力ではありません。
母親の周りを取り巻く、他のスタッフに恵まれてきた結果でもあります。
でも・・・嬉しかった。
涙が止まらないほど嬉しかった。
その一言を言わせたかった。
その一言が聞きたかった。
60になり、本格的に働く最後の職場になるかもしれないシュクレを
良い想い出で何とか終わらせてあげたかった・・・。
恐らく、生涯忘れることのない一言でしょう。
でも僕からも言わせて欲しい。
「おかんと一緒に働けて良かった。職人としても、息子としても。」
最後に、心から「ありがとう」
2008年 09月 03日
琵琶湖の畔の宴の夜
滋賀県の某パティスリーのシェフからのお招き。
「遅刻したらマズイから、早めにいっとこ」
って思ったら、待ち合わせの一時間前に到着。
そろそろ「だいたい」で行動するの辞めなあかんわ・・。

岸部よりは人通りが多そうな、JR石山駅。
今日のお店は、
そこからタクシーでちょっと走った琵琶湖のほとりにある、
「嶋寿司」さん。

思いのほか広い店内。
まだお若い大将。・・・幾つって言ってたっけ?
途中で比叡からも駆けつけてくださったシェフがおられまして、
楽しい宴となりました。
お造り

なに貝だったっけ・・・?

横のテーブルを使っての、鰻の炭火焼。皮パリパリ中ふわふわ。

中国産ですが、最高級松茸。いやはや・・・未だに鼻に香りが残ってます。
これも隣で炭焼きに。

こんなに旨い岩ガキ、そう食べれないですよ。

鯛しゃぶ ・・・贅沢。

何年ぶりやろ、クジラ。普通、冷凍されるのを冷凍されないルートで仕入れてるとか。
絶句の旨さ。日本酒、何杯でもいけます。

鱧です。しかも下も鱧。すり身にしてます。

近江牛の牛タン炙り。

お寿司屋さんなんで、握りを。大分車海老

今年初でした。秋刀魚

和歌山のタコ。

北海道の・・どこやったっけ・・ウニ。

イサキ

穴子

卵

きゅうりの一本巻き

蜆の赤出汁。

いやいや・・・侮る無かれですよ。
素材は申し分ないです。
一緒にいた某比叡のホテルのシェフも
「うちにだってこんなに良いもの入ってこない」
って言ってたのもありました。
こっちの流れの拙さもあって、大将が出したかったものも出せなかったようですし、
なんだか構成がバラバラになってしまったので、
一度ゆっくり大将お任せでお邪魔してみたいですね。
店の作りが「ちょこっとこじゃれた居酒屋」みたいなのが、
個人的には残念。勿体無いなぁ・・・って。
ま、それも良さなんでしょうけどね。
遠いし、なかなか行けないでしょうけど、
「近くにあったらなぁ・・・」って言ってもらえるのが嬉しかったりするんですよね。
利便性の悪いとこでやってる者同士、地味に頑張っていきましょう!
ここでご一緒させていただいた、某比叡のホテルのシェフのことも、
いづれ何らかの形で紹介できるかも知れません。
お楽しみに。
終電で帰るのを諦めたときから覚悟はしてましたが、
3時くらいにお開き。
タクシーで駅まで戻り、
コンビニで立ち読み1時間。
読む本もなくなり駅のホームへ。

これ、朝4時過ぎの石山駅。
急に睡魔に襲われ写真も斜め。
定期的に通る貨物列車に眠ることも許してもらえず、
ただ思うことは、
「夏で良かった・・・」
2008年 09月 01日
ちょっと拝借・・・
ただ、もちろん自分で自分の写真を撮るわけにもいかず、
集合写真も僕が撮ったものを載せてるので僕は写ってなくて・・。
そんな中、「こんなブログがありました」と教えてくださった方が。
良い記念になりますので、ちょっと拝借させていただきますね。
良かったら覗いてみてください。